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第八章 高姫(たかひめ)慴伏(せふふく)〔八三〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第29巻 海洋万里 辰の巻 篇:第2篇 石心放告 よみ:せきしんほうこく
章:第8章 高姫慴伏 よみ:たかひめしょうふく 通し章番号:830
口述日:1922(大正11)年08月11日(旧06月19日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年9月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
一行はようやく滝に着いた。すでに四五人の信者が禊をしている。高姫たちも身を清め、鏡の池の前に出たときにはちょうど夜が明けていた。
池の傍らには狭依彦命のお宮が新造されていた。以前に竜国別らが住んでいた庵には、奉仕者が詰めている。諸方から献上された玉は、積み上げられていた。上方には新造の懸橋御殿が建っている。
高姫は鏡の池に拍手しながらも、すでに積み上げられた玉に気を取られ、隼のような眼で眺めいっている。すると長年の沈黙を破ってブクブクと唸り出した。池の声は、いろは歌で高姫のこれまでの所業を数え挙げ、金毛九尾の邪神に使われていると非難を始めた。
高姫もいろは歌で池の神に言い返す。池の神は月照彦神と名乗り、高姫に改心を迫った。高姫は自分は審神の第一人者だと言って言い返し、常彦がたしなめても聞かない。池の神はまたしてもいろは歌で高姫の罪を責めた。高姫は池の神をすっぽんだと罵る。
高姫は、玉は懸橋御殿に隠してあると言い出した。まだ責め立てる池の神に対して、悪口を返す高姫を常彦と春彦はなだめるが、高姫は二人に食ってかかった。
そこへ懸橋御殿の神司である国玉依別がやってきた。国玉依別は、鏡の池に詣でる前に、懸橋御殿にお参りするようにと案内した。
高姫は池の神はすっぽんだと罵って、玉のひとつを池に投げ込んだ。すると池の中から恐ろしい唸り声が大地を揺らし、高姫はその場にへたり込んでしまった。しかし高姫以外の人たちにはこの音響は音楽のように聞こえていた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:109頁 八幡書店版:第5輯 505頁 修補版: 校定版:110頁 普及版:50頁 初版: ページ備考:
001 高姫(たかひめ)一行(いつかう)(やうや)くにしてアリナの(たき)()いた。002四五人(しごにん)信者(しんじや)らしき(もの)滝壺(たきつぼ)(まへ)赤裸(まつぱだか)のまま(ひざまづ)いて何事(なにごと)一生懸命(いつしやうけんめい)祈願(きぐわん)してゐる。003されど轟々(ぐわうぐわう)たる瀑布(ばくふ)(おと)()()ることは出来(でき)なかつた。004高姫(たかひめ)一行(いつかう)()(きよ)め、005それより、006瀑布(ばくふ)右側(みぎがは)攀登(よぢのぼ)り、007(やうや)くにして(かがみ)(いけ)()いたのは恰度(ちやうど)夜明(よあ)けであつた。008群鴉(むらからす)前後左右(ぜんごさいう)飛交(とびか)ひ、009『カアカア』と(いさぎよ)()いてゐる。
010 (ちなみ)()ふ、011(あさ)なく(からす)(もつと)()えたる(こゑ)にて、012『カアカア』と()く、013(これ)(かささぎ)()ふ、014(すこ)しく普通(ふつう)(からす)よりは矮小(わいせう)である。015(ゆふ)べに()くのを(これ)(しん)(からす)()ふ。016(ゆふ)べの(からす)(かささぎ)(くら)べては余程(よほど)体格(たいかく)(おほ)きく、017どこともなしに下品(げひん)(ところ)があり、018鳴声(なきごゑ)は『ガアガア』と(にご)つて()る。019(また)百人一首(ひやくにんいつしゆ)(うた)に……(かささぎ)(わた)せる(はし)におく(しも)(しろ)きを()れば()()けにける……とある(かささぎ)(はし)大極殿(たいきよくでん)階段(かいだん)()したものである。020()言霊(ことたま)(かがや)()()021ササギは(さちは)ひと()意義(いぎ)である。022天津日継天皇(あまつひつぎてんのう)(さま)御昇降(ごしようかう)(あそ)ばす、023行幸橋(みゆきはし)()意味(いみ)である。024(また)帝陵(ていりよう)をみささぎと()ふのは、025水幸(みづさち)はふと()意味(いみ)であつて、026神霊(しんれい)脱出(だつしゆつ)(たま)ひたる肉体(にくたい)(すなは)(みづ)である。027それ(ゆゑ)028崩御(ほうぎよ)して行幸(みゆき)(あそ)ばす(ところ)御陵(みささぎ)()ふのである。029(かささぎ)のカは()意義(いぎ)であり御陵(みささぎ)のミは(みづ)意義(いぎ)である。030(いま)()いた(からす)(すなは)(かささぎ)(こゑ)であつた。
031 (かがみ)(いけ)(かたはら)には狭依彦命(さよりひこのみこと)神霊(しんれい)(あたら)しき(みや)()てて(まつ)られてあつた。032さうして、033岩窟(がんくつ)前方(ぜんぱう)左側(さそく)(はう)(かがみ)(いけ)(むか)つて、034竜国別(たつくにわけ)()()まつてゐた(いほり)(のこ)つてゐる。035そこには(くに)036(たま)両人(りやうにん)(かがみ)(いけ)(ばん)()ね、037狭依彦(さよりひこ)神社(じんじや)奉仕(ほうし)にかかつて()た。038諸方(しよはう)より献上(けんじやう)したる種々(いろいろ)玉石(たまいし)瑪瑙(めなう)などの(たま)(やま)(ごと)くに()(かさ)ねられてある。039(すこ)しく(うへ)(はう)には(れい)懸橋(かけはし)御殿(ごてん)新造(しんざう)され、040()(にほひ)(かう)ばしく、041あたりに(ただよ)ひゐたり。
042 高姫(たかひめ)(かがみ)(いけ)(むか)ひ、043拍手(はくしゆ)(なが)ら、044うづ(たか)くつまれたる種々(しゆじゆ)(たま)(はや)くも()をつけ、045如意宝珠(によいほつしゆ)046麻邇(まに)宝玉(ほうぎよく)などはなきかと、047(はやぶさ)(ごと)(まなこ)(ひか)らせ(なが)(なが)()つた。048(かがみ)(いけ)(にはか)永年(ながねん)沈黙(ちんもく)(やぶ)つて、
049『ブクブクブク、050ウンウンウン』
051(うな)()した。052(くに)053(たま)神司(かむづかさ)顔色(がんしよく)()へて、054懸橋御殿(かけはしごてん)国玉依別(くにたまよりわけ)神司(かむづかさ)(まへ)報告(はうこく)(ため)(はし)つて()く。055(いけ)(なか)より、
056『アヽヽ、057(あや)聖地(せいち)をあとにして、058(たま)所在(ありか)(たづ)ねむと、059執着心(しふちやくしん)()につかれ、060ここまで()()たうろたへ宣伝使(せんでんし)
061イヽヽ、062意久地(いくぢ)なしの常彦(つねひこ)063春彦(はるひこ)(ちから)(いた)し、064海原(うなばら)(わた)り、065(やうや)うここまでやつて()意地悪(いぢわる)同志(どうし)三人連(さんにんづれ)のイカサマ宣伝使(せんでんし)
066ウヽヽ、067うろたへ(さわ)いで南洋諸島(なんやうしよたう)はまだ(おろか)068高砂島(たかさごじま)まで、069(ちい)さき意地(いぢ)(よく)とに(から)まれて、070(まよ)(きた)高姫(たかひめ)のデモ宣伝使(せんでんし)
071エヽヽ、072遠慮(ゑんりよ)会釈(ゑしやく)もなく(ひと)門戸(もんこ)(たた)き、073沓島(くつじま)(かぎ)(ぬす)()し、074如意宝珠(によいほつしゆ)(たま)()()み、075ウラナイ(けう)()てて三五教(あななひけう)(みづ)御霊(みたま)刃向(はむか)ひたる没分暁漢(わからづや)宣伝使(せんでんし)
076オヽヽ、077大江山(おほえやま)山麓(さんろく)魔窟ケ原(まくつがはら)土窟(どくつ)(つく)り、078(また)(いほり)(むす)び、079(いほり)火事(くわじ)(おこ)してうろたへ(さわ)いだ(きも)(ちい)さい、080(くち)(ばか)立派(りつぱ)なデモ宣伝使(せんでんし)
081カヽヽ、082(からす)()かぬ()があつても、083(たま)執着心(しふちやくしん)(はな)れた()のない執念深(しふねんぶか)き、084(たか)085(くろ)086二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)
087キヽヽ、088鬼城山(きじやうざん)木常姫(こつねひめ)再来(さいらい)089金毛九尾(きんまうきうび)悪狐(あくこ)憑依(ひようい)された外面如菩薩(げめんによぼさつ)090内心如夜叉(ないしんによやしや)のイカサマ宣伝使(せんでんし)
091クヽヽ、092国依別(くによりわけ)(にせ)天狗(てんぐ)(たぶら)かされ、093三人連(さんにんづれ)にて竹生島(ちくぶしま)(まで)(たま)(さが)しに(まゐ)り、094よい(はぢ)(さら)して、095スゴスゴ聖地(せいち)(かへ)つて()(たか)096(くろ)097宣伝使(せんでんし)
098ケヽヽ、099見当(けんたう)()れぬ仕組(しぐみ)ぢやと(まを)して、100(ゆき)つまる(たび)()げを()るズルイ宣伝使(せんでんし)
101コヽヽ、102小面(こづら)(にく)(ほど)自我心(じがしん)(つよ)い、103(こま)(もの)宣伝使(せんでんし)104今日(こんにち)(かぎ)直日(なほひ)身魂(みたま)立帰(たちかへ)り、105()()らねば、106(その)(はう)思惑(おもわく)何時(いつ)になつても成就(じやうじゆ)(いた)さぬのみか、107万劫(まんがふ)末代(まつだい)(はぢ)(さら)さねばならぬぞよ』
108高姫(たかひめ)『あゝゝ、109(いづ)れの水神(すゐじん)さまか()りませぬが、110こう()えても(わたし)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)111水神(すゐじん)さま(くらゐ)御意見(ごいけん)()けるやうな高姫(たかひめ)とは一寸(ちよつと)(ちが)ひますワイ。
112いゝゝ、113意見(いけん)がましい(こと)()つて威張(ゐば)らうと(おも)つても、114いつかな いつかな(その)(やう)なイカサマ宣示(せんじ)はいつになつても、115()きませぬぞや。
116うゝゝ、117うさんな(こゑ)()して、118ウヨウヨと(みづ)(なか)から(あわ)()くよりも、119天晴(あつぱ)れと正体(しやうたい)(あら)はして()ひなされ。120()出神(でのかみ)審神(さには)をして、121(ぜん)(あく)かを調(しら)べて改心(かいしん)さして()げませうぞや。
122えゝゝ、123得体(えたい)()れぬ(かみ)()(こと)は、124高姫(たかひめ)(みみ)には這入(はい)りませぬぞや。
125おゝゝ、126(おに)でも(じや)でも悪魔(あくま)でも、127誠一(まことひと)つの生粋(きつすゐ)大和魂(やまとだましひ)改心(かいしん)させる(この)高姫(たかひめ)(ござ)いますぞ。128(あま)見違(みちがひ)をして(くだ)さるなや。
129かゝゝ、130かけ(かま)へのないことを、131(かたはら)から干渉(かんせう)して(もら)ふと癇癪玉(かんしやくだま)破裂(はれつ)(いた)しますぞ。
132きゝゝ、133鬼城山(きじやうざん)だの、134金毛九尾(きんまうきうび)だのと(なに)証拠(しようこ)に、135そんな悪口雑言(あくこうざふごん)仰有(おつしや)るのです。
136くゝゝ、137苦労(くらう)なしのヤクザ(かみ)では(まこと)のお仕組(しぐみ)(わか)りませぬぞや。
138けゝゝ、139()もない(うち)から世界(せかい)(こと)(かみ)140仏事(ぶつじ)141人民(じんみん)()いてきかす変性男子(へんじやうなんし)系統(ひつぽう)生宮(いきみや)御座(ござ)いますぞ。142見当違(けんたうちが)ひをして(くだ)さるな。
143こゝゝ、144ここまで()うたら、145(まへ)曲津(まがつ)(なに)()らねど、146チツとは合点(がてん)がいつたでせう。147今後(こんご)はこんな馬鹿(ばか)真似(まね)はなさらぬが(よろ)しいぞや』
148 (いけ)(なか)より、
149『サヽヽ、150逆理窟(さかりくつ)(ばか)りこねまはす、151探女(さぐめ)醜女(しこめ)宣伝使(せんでんし)152サアサア今日(けふ)よりサツパリと了見(れうけん)(なほ)し、153月照彦神(つきてるひこのかみ)命令(めいれい)(ほう)ずるか、154さなくば(その)(はう)職名(しよくめい)剥奪(はくだつ)せうか』
155高姫(たかひめ)『さゝゝ、156(なん)ぼなつと、157勝手(かつて)(しやべ)つておきなされ。158審神(さには)随一(ずゐいつ)(きこ)えたる(この)高姫(たかひめ)159指一本(ゆびいつぽん)さへる(もの)は、160神々(かみがみ)にも人民(じんみん)にも御座(ござ)いませぬぞえ』
161 (いけ)(なか)より、
162『シヽヽ、163(しぶ)とい執着心(しふちやくしん)のどこ(まで)()れぬ、164()けぬ()(つよ)(をんな)だのう。165何程(なにほど)()うても、166(その)(はう)(みみ)死人(しにん)同様(どうやう)だ。167(しか)つてもたらしても、168どうにも()うにも仕様(しやう)のない厄介者(やつかいもの)だ』
169高姫(たかひめ)『しゝゝ、170()りませぬワイナ。171(まへ)こそしぶといぢやないか。172これ(だけ)誠一筋(まことひとすぢ)(かみ)生宮(いきみや)(わか)らぬやうなことで、173エラソウに()つた(かほ)をなさるな。174百八十一(ひやくはちじふいち)(とほ)りの神様(かみさま)階級(かいきふ)(うち)でも、175第三番目(だいさんばんめ)()出神(でのかみ)生宮(いきみや)御座(ござ)いますぞ。176(まへ)さまは百八十(ひやくはちじふ)(だん)以下(いか)神様(かみさま)だから、177こんな(いけ)(そこ)何時(いつ)までもひつ()んで……ヘン月照彦(つきてるひこ)なんて、178愛想(あいさう)()きますワイ。179大方(おほかた)(うん)つきてる(ひこ)だろ。180オホヽヽヽ』
181 (いけ)(なか)より、
182『スヽヽ、183すつたもんだと理窟(りくつ)(ばか)りこねまはし、184そこら(ぢう)(とび)まはり、185法螺(ほら)をふきまはし、186(たま)(うつつ)()かす、187玉抜(たまぬけ)宣伝使(せんでんし)188チツと(むね)()()てて(かんが)へたらどうだ』
189高姫(たかひめ)『すゝゝ、190()かんたらしい。191いい加減(かげん)(みづ)(なか)()こいたやうな(こと)()うておきなさい。192こつちの(はう)から愛想(あいさう)月照彦(つきてるひこ)だ。193何程(なにほど)(つき)がエロウても()出神(でのかみ)()(かな)ふまい。194()(おもて)195(つき)(うら)ぢやぞえ。196そんな(こと)()ふのなら、197モツト(ほか)没分暁漢(わからずや)人民(じんみん)()つたが(よろ)しい。198()いも(あま)いも()きとほつた(ほど)()りぬいた高姫(たかひめ)(むか)つて()ふのは、199チツと天地(てんち)(さか)さまになつて()(やう)なものですよ』
200常彦(つねひこ)『コレコレ高姫(たかひめ)さま、201(あんま)りぢやありませぬか。202神様(かみさま)(むか)つて(なん)()御無礼(ごぶれい)(こと)仰有(おつしや)るのです。203チツと心得(こころえ)なさい』
204高姫(たかひめ)『エーお(まへ)(つね)か、205こんな(ところ)口嘴(くちばし)()すとこぢやない。206すつ()んで()なさい』
207 (いけ)(なか)より、
208『セヽヽ、209先生顔(せんせいがほ)(いた)して、210何時(いつ)もエラソウに(まを)して()るが、211牛童丸(うしどうまる)(うし)()つて、212常彦(つねひこ)213春彦(はるひこ)がアリナの(たき)(さき)(まゐ)ると(まを)した(とき)には、214随分(ずゐぶん)せつなかつたであらうのう。215せんぐりせんぐり屁理窟(へりくつ)(なら)べて、216ようマア良心(りやうしん)(はづか)しいとは(おも)はぬか。217雪隠虫(せつちんむし)高上(たかあ)がり()
218高姫(たかひめ)『せゝゝ、219精出(せいだ)して、220(なん)なつと仰有(おつしや)れ。221そんな(こと)()いて()(やう)暇人(ひまじん)ぢや御座(ござ)いませぬワイ。222三千世界(さんぜんせかい)立替(たてかへ)立直(たてなほ)しの御神業(ごしんげふ)(たい)し、223千騎一騎(せんきいつき)(この)場合(ばあひ)224チツト改心(かいしん)して、225(まへ)さまも(いけ)(そこ)にカブリ()いて()らずに、226(わたし)(しり)へついて、227世界(せかい)(ため)活動(くわつどう)なさつたらどうだ。228(かみ)229仏事(ぶつじ)230人民(じんみん)231餓鬼(がき)232(むし)ケラまで(たす)ける(かみ)だぞえ』
233 (いけ)(なか)より、
234『ソヽヽ、235そんな(こと)(その)(はう)()かいでも、236よく(わか)つて()る。237どこ(まで)改心(かいしん)(いた)さねば(かみ)()むを()ず、238そぐり()ててツツボへ(おと)してやらうか』
239高姫(たかひめ)『そゝゝ、240ソリヤ(なに)(ぬか)すのだ。241うるささを(こら)へて相手(あひて)になつて()れば、242どこ(まで)()(あが)つて、243粗相(そさう)(こと)(まを)厄雑神(やくざがみ)244大方(おほかた)(いけ)(なか)()(かみ)だから、245ドン(かめ)か、246スツポンがめ、247(かに)(がふ)()(やつ)だろ。248其奴(そいつ)(かみ)真似(まね)して、249(むかし)月照彦(つきてるひこ)さまの芝居(しばゐ)をしてをるのだろ。250グヅグヅ(まを)すと(この)団子石(だんごいし)(いけ)(なか)()()んでやらうか』
251 (いけ)(なか)より、
252『タヽヽ、253(たま)(ぬす)みの高姫(たかひめ)254(また)(たま)(かく)されて、255(たま)(さわ)ぎを(いた)魂抜(たまぬけ)(をんな)256(その)(はう)(たづ)ねる(たま)自転倒島(おのころじま)中心地(ちうしんち)(かく)してあるぞえ。257(その)(はう)改心(かいしん)さへ(いた)せば麻邇(まに)(たま)所在(ありか)()らして(もら)へるのだが、258まだ中々(なかなか)(その)(はう)(をし)へてやる(ところ)へは()かぬワイ。259(はや)(たま)(みが)いて改心(かいしん)(いた)せよ』
260高姫(たかひめ)『たゝゝ、261(たた)くな(たた)くな頬桁(ほほげた)を、262高天原(たかあまはら)神司(かむづかさ)263(たれ)(なん)()つても、264()出神(でのかみ)生宮(いきみや)(たて)つかうと(おも)うても駄目(だめ)だから、265(まへ)こそ改心(かいしん)(いた)し、266高姫(たかひめ)(まを)(こと)神妙(しんめう)()きなされ。267(たま)所在(ありか)自転倒島(おのころじま)中心(ちうしん)にあるなんて、268……ヘン()らぬ(もの)半分(はんぶん)()らぬ(くせ)に、269(なに)()ふのだ。270()んな(いけ)(なか)にすつ()んでゐるスツポンのお(ばけ)に、271そんな(こと)(わか)つて(たま)るものかい』
272 (いけ)(なか)より、
273『チヽヽ、274血筋(ちすぢ)系統(ひつぽう)だと(まを)して、275それを(はな)にかけ、276威張(ゐば)りちらすものだから、277(やま)大将(たいしやう)おれ一人式(ひとりしき)だ。278誰一人(たれひとり)として(その)(はう)(ちから)になる(もの)一人(ひとり)もあるまいがな。
279ツヽヽ、280月照彦神(つきてるひこのかみ)(まを)(こと)281(こころ)(なみ)(しづ)めてよつく(うけたま)はれ。282(その)(はう)(こころ)(うみ)(なみ)さへ(しづ)まらば、283真如(しんによ)(つき)皎々(かうかう)として、284(こころ)(そら)()りわたり、285(たま)所在(ありか)(くらゐ)一目(ひとめ)()()き、286天晴(あつぱ)神界(しんかい)御用(ごよう)出来(でき)るやうになるのだ。
287テヽヽ、288天狗(てんぐ)(やう)(はな)(ばか)(たか)くして、289天狗(てんぐ)(はな)高姫(たかひめ)(みな)(もの)(そし)つてゐるが、290()がつかぬか。291天地(てんち)道理(だうり)をチツとは(わきま)へて()よ。
292トヽヽ、293トボケ(づら)して(とほ)(くに)(まで)(たま)(さが)しにウロツキ(まは)り、294何時(いつ)失敗(しつぱい)(ばか)(いた)して()るではないか』
295高姫(たかひめ)『ちちち、296(ちか)くの(もの)より(とほ)くから(わか)りてくる仕組(しぐみ)だ。297燈台下暗(とうだいもとくら)がりと()ふことを、298(まへ)さまは井中(せいちう)(かはず)……ではない…スツポンだから、299世間(せけん)(わか)らぬので、300そんな時代(じだい)(おく)れのことを()ふのだよ。
301つゝゝ、302月並式(つきなみしき)のそんな屁理窟(へりくつ)(なら)べたつて、303()くやうな(もの)(ひろ)世界(せかい)一人(ひとり)もありませぬぞえ。
304てゝゝ、305テンで(もの)にならぬ天地顛倒(てんちてんどう)のお(まへ)世迷言(よまひごと)
306とゝゝ、307トンボリ(かへ)りを()たねばならぬことが()()ますぞや。308チト()出神(でのかみ)御託宣(ごたくせん)()きなさい。309途方(とはう)もない(わけ)(わか)らぬ、310トツボケ(かみ)だな』
311 (いけ)(なか)より、
312『ナヽヽ、313男子(なんし)系統(ひつぽう)(たて)()り、314(なん)でもかでも無理(むり)()(とほ)し、315(ひと)難題(なんだい)()つかけ、316何遍(なんべん)何遍(なんべん)(ひと)生命(いのち)(たす)けられて、317反対(はんたい)不足(ふそく)(まを)難錯者(なんさくもの)
318ニヽヽ、319西(にし)(ひがし)(きた)(みなみ)(かけ)まはり、320(うら)まれ(ぐち)(かぎ)りを(つく)し、321二進(につち)三進(さつち)もゆかぬ(やう)になつては改心(かいしん)標榜(へうぼう)し、322(また)しても執着心(しふちやくしん)悪魔(あくま)(しば)られて、323(あく)逆転(ぎやくてん)し、
324ヌヽヽ、325糠喜(ぬかよろこ)びばかり(いた)して、326一度(いちど)満足(まんぞく)思惑(おもわく)()つた(こと)はあるまいがな。
327ネヽヽ、328(ねん)年中(ねんぢう)329()出神(でのかみ)生宮(いきみや)(たて)()り、330ねぢけ(まが)つた小理窟(こりくつ)()うて、331(ひと)(こま)らす奸佞邪智(かんねいじやち)(その)(はう)行方(やりかた)
332ノヽヽ、333野天狗(のてんぐ)(おびや)かされ、334安眠(あんみん)()うせず、335テル街道(かいだう)をスタスタと(いた)(あし)(ひき)ずつてここまで()()(くち)(おほ)きい、336(きも)(ちい)さいデモ宣伝使(せんでんし)
337ハヽヽ、338(はや)改心(かいしん)(いた)さぬと、339(たれ)相手(あひて)がなくなるぞよ。
340ヒヽヽ、341()出神(でのかみ)生宮(いきみや)も、342世界(せかい)人民(じんみん)がウンザリして()るぞよ。343モウそんな(かび)()えたコケおどしは使(つか)はぬが()からう。
344フヽヽ、345古臭(ふるくさ)つた文句(もんく)百万(ひやくまん)ダラ(なら)べて(あたら)しがつてゐる(その)(はう)心根(こころね)(いと)しいワイ。
346ヘヽヽ、347下手(へた)魔誤付(まごつ)くと(いのち)がなくなるぞよ。
348ホヽヽ、349時鳥(ほととぎす)(のど)から()()きもつて、350国治立命(くにはるたちのみこと)(その)(はう)慢心(まんしん)朝夕(あさゆふ)(なほ)したいと(おも)つて御苦労(ごくらう)(あそ)ばして御座(ござ)るぞよ。
351マヽヽ、352曲津(まがつ)容物(いれもの)となつて居乍(ゐなが)ら、353(まこと)()出神(でのかみ)ぢやと(おも)うて()たり、354(とき)には(うたが)つて()たりし(なが)ら、355どこ(まで)()出神(でのかみ)でつつぱらうと(いた)横着者(わうちやくもの)
356ミヽヽ、357蚯蚓(みみづ)()うた(やう)文字(もんじ)(つら)ねて、358(なが)たらしい()出神(でのかみ)筆先(ふでさき)だと(まを)して、359(かみ)()(むし)(すみ)泥棒(どろぼう)をいたし、360世界(せかい)経済界(けいざいかい)(みだ)()(ほど)()らず()
361ムヽヽ、362(むかし)(むかし)()(むかし)363まだも(むかし)のその(むかし)364(ひと)(むかし)のまだ(むかし)365大先祖(おほせんぞ)根本(こつぽん)の、366誠一(まことひと)つの生粋(きつすゐ)大和魂(やまとだましひ)御種(おんたね)367変性男子(へんじやうなんし)系統(ひつぽう)368()出神(でのかみ)生宮(いきみや)とは、369()うも()へたものぢやぞよ。
370メヽヽ、371冥土(めいど)(おに)(まで)愛想(あいさう)をつかし、372(はら)(かか)へて、373(その)(はう)脱線(だつせん)()りを(わら)つてゐるぞよ。
374モヽヽ、375百千万(ももちよろづ)身魂(みたま)借銭(しやくせん)を、376日日(ひにち)毎日(まいにち)つみ(かさ)ね、377地獄(ぢごく)()きの用意(ようい)(ばか)(いた)してをる(その)(はう)378(いま)(うち)(かみ)(まを)すことを()いて、379(こころ)(あら)()立直(たてなほ)さぬと、380未来(みらい)(おそ)ろしいぞよ。
381ヤヽヽ、382ヤツサモツサと(あさ)から(ばん)(まで)383(さわ)ぎまはり、
384イヽヽ、385意久地(いくぢ)立通(たてとほ)し、386威張(ゐば)()らし、387己一了見(おのれいちれうけん)教主(けうしゆ)意見(いけん)()かず、388可愛相(かあいさう)黒姫(くろひめ)鷹依姫(たかよりひめ)389竜国別(たつくにわけ)390テーリスタン、391カーリンスに(たい)し、392国外(こくぐわい)放逐(はうちく)(いた)した横暴(わうばう)(きは)まる(その)(はう)行方(やりかた)
393ユヽヽ、394(ゆき)(すみ)(ほど)(ちが)つてゐる(みづ)御霊(みたま)を、395()につけ味噌(みそ)につけ(わる)(まを)し、396自分(じぶん)勢力(せいりよく)植付(うゑつ)けようと(いた)横着者(わうちやくもの)
397エヽヽ、398エライ慢心(まんしん)(いた)したものぢやのう。
399ヨヽヽ、400()(なか)(われ)(ほど)エライ(もの)はない(やう)(まを)して(ひと)(はしや)いでも、401()(なか)(わり)とは(ひろ)いぞよ。402(まへ)()ふやうな(こと)二十世紀(にじつせいき)豆人間(まめにんげん)没分暁漢(わからずや)(うち)には、403一人(ひとり)二人(ふたり)一度(いちど)二度(にど)()いて()れるであらうが、404四五遍(しごへん)()くと、405(たれ)()れも内兜(うちかぶと)をみすかし、406愛想(あいさう)をつかして()げて(しま)うぞよ。
407ラヽヽ、408(らく)(みち)()きよると(みち)がテンと()(あた)つて、409後戻(あともど)りを(いた)さねばならぬ変性女子(へんじやうによし)行方(やりかた)()よれ、410(ひと)苦労(くらう)(とく)()らうと(いた)し、411(らく)(はう)()きよるから、412あの(とほ)りだと、413自分(じぶん)(あと)から(つぶ)しに(まは)つておいては、414愉快相(ゆくわいさう)にふれ(ある)く、415悪垂(あくた)(ばば)宣伝使(せんでんし)
416リヽヽ、417悧巧相(りかうさう)(こと)ばかり(まを)して()るが、418テンで理窟(りくつ)にも(なん)にも、419(まへ)()(こと)はなつて()らぬぢやないか。
420ルヽヽ、421留守(るす)(うち)剛情(がうじやう)ばつて押入(おしい)らうとし、422生田(いくた)(もり)玉能姫(たまのひめ)剣突(けんつく)をくわされて往生(わうじやう)(いた)したヘボ宣伝使(せんでんし)
423レヽヽ、424連木(れんぎ)(はら)()れと()ふやうな、425(おど)文句(もんく)(なら)べて信者(しんじや)引込(ひきこ)まうと(いた)しても、426そんな(こと)()ふやうな馬鹿者(ばかもの)(この)(ひろ)世界(せかい)(ただ)一人(ひとり)もありはせぬぞよ。
427ロヽヽ、428(ろく)でもない真似(まね)をするよりも、429一時(いつとき)(はや)聖地(せいち)立帰(たちかへ)り、430改心(かいしん)(いた)して神妙(しんめう)(かみ)御用(ごよう)(いた)すがよからう。
431ワヽヽ、432(わか)()つたる団子理窟(だんごりくつ)(なら)べて、433(ひと)(けぶり)()
434ヰヽヽ、435イカサマ宣伝使(せんでんし)436そこら(ぢう)
437ウヽヽ、438ウロつき(まは)つて、439いつも(ばば)をたれ
440ヱヽヽ、441(えだ)(かみ)()らずに、442根本(こつぽん)()出神(でのかみ)ぢやと誤解(ごかい)(いた)
443ヲヽヽ、444おめも(おそ)れも(いた)さず、445世界(せかい)(また)にかけて、446法螺(ほら)()きまはる、447ガラクタ宣伝使(せんでんし)448(くち)(わる)(かみ)ぢやと(まを)すであらうが、449(むかし)からスツポンに(しり)()かれた(やう)だと()(こと)があらうがな。450(その)(はう)(いけ)(そこ)のスツポンと(みと)めた(この)(はう)が、451(その)(はう)悪事(あくじ)一切(いつさい)をスツポ()いてやりたぞよ。452ウヽヽ、453ブルブルブルブル』
454高姫(たかひめ)『なゝゝ、455(なん)でも(ろく)(やつ)ぢやないと(おも)うて()つたら、456とうとう(すつぽん)ぢやと白状(はくじやう)(いた)しよつた。
457にゝゝ、458二人(ににん)家来(けらい)(ども)459(この)高姫(たかひめ)眼力(がんりき)()感心(かんしん)したであらうなア。
460ぬゝゝ、461()かつた面付(つらつき)では到底(たうてい)こんな(とき)出会(でつくは)したら、462到底(たうてい)審神(さには)出来(でき)ませぬぞえ。
463ねゝゝ、464熱心(ねつしん)にお筆先(ふでさき)研究(けんきう)なさいと()ふのは、465()()(とき)()(あは)(ため)ぢやぞえ。466常公(つねこう)467春公(はるこう)468どうだえ、469(わか)つたかなア。
470のゝゝ、471野天狗(のてんぐ)生宮(いきみや)()られておつてはサツパリ駄目(だめ)ですよ。
472はゝゝ、473(はや)改心(かいしん)(いた)して、474高姫(たかひめ)()(とほ)りにしなさいや。
475ひゝゝ、476()出神(でのかみ)生宮(いきみや)間違(まちが)ひないぞえ。
477ふゝゝ、478不足(ふそく)があるなら、479(なん)ぼなつと仰有(おつしや)れ、480どんな(こと)でも()()かして、481得心(とくしん)さして()げる。
482へゝゝ、483返答(へんたふ)如何(どう)だえ、484常公(つねこう)485春公(はるこう)
486ほゝゝ、487(はう)(づら)して(なに)うつそりして()るのだ。488(いけ)(そこ)のスツポン(がみ)がそれ(ほど)(おそ)ろしいのかい。
489まゝゝ、490まさかの(とき)(つゑ)となり、491(ちから)となるのは(まこと)信仰(しんかう)(ちから)ぢやぞえ。
492みゝゝ、493身欲(みよく)信心(しんじん)(ばか)(いた)して()ると、494肝腎(かんじん)(とき)になりて、495アフンと(いた)さねばならぬぞえ。
496むゝゝ、497(むかし)からの根本(こつぽん)因縁(いんねん)()つた(もの)は、498(この)(ひろ)世界(せかい)高姫(たかひめ)(だけ)よりないのだから、499今日(けふ)からスツパリと(こころ)立直(たてなほ)して、500絶対(ぜつたい)服従(ふくじゆう)するのだよ。
501めゝゝ、502めつたに(かみ)(うそ)(まを)さぬぞえ。503これが(ちが)うたら、504(かみ)(この)()()らぬぞえ。505()(かは)()506世界(せかい)(こと)人民(じんみん)()いてきかさねばならぬから、507(この)高姫(たかひめ)(むかし)からの(たふと)因縁(いんねん)があつて筆先(ふでさき)()かせ、508(くち)()はせ、509人民(じんみん)改心(かいしん)さす(やく)に、510(かみ)がお使(つか)(あそ)ばして御座(ござ)るのだ。511しつかり()いておきなされや。
512めゝゝ、513()から(はな)(まで)つきぬけるやうな、514(さき)()えすく(かみ)生宮(いきみや)515メツタに間違(まちがひ)はありませぬぞえ。
516もゝゝ、517盲碌神(まうろくがみ)(まこと)(かみ)(しん)じて盲従(まうじゆう)して()ると、518取返(とりかへ)しのならぬ(こと)出来(でき)ますぞえ。
519やゝゝ、520大和魂(やまとだましひ)生粋(きつすゐ)身魂(みたま)(まを)(こと)一事(ひとこと)でも横槍(よこやり)()れて()よれ、521(その)()()せしめを(いた)すとお(ふで)(あら)はれて()るぞえ。
522ゐゝゝ、523(いく)()()かしても、524(うま)(つき)(たま)(わる)いのだから、525()ひごたへがないけれど、526()ふは()はぬにいやまさる。527(まへ)可愛相(かあいさう)だから、528チツト(ばか)改心(かいしん)(ため)()うておくぞえ。
529ゆゝゝ、530幽霊(いうれい)のやうにあちらへブラブラ、531此方(こちら)へブラブラと()()(かは)る、532(おち)つかぬ身魂(みたま)では到底(たうてい)三千世界(さんぜんせかい)御神業(ごしんげふ)一端(いつたん)(くは)へて(もら)(こと)(むつ)かしいから、533余程(よほど)腹帯(はらおび)をしつかりしめなされ。
534ゑゝゝ、535えぐたらしい、536高姫(たかひめ)言葉(ことば)(おも)はずに、537大慈(だいじ)大悲(だいひ)大神様(おほかみさま)(すく)ひの言葉(ことば)だと有難(ありがた)(おも)つて(いただ)きなさい。
538よゝゝ、539余程(よつぽど)(まへ)身魂(みたま)(くも)つて()るから、540一寸(ちよつと)やソツとに(みが)きかけが(いた)さぬので、541(この)高姫(たかひめ)(ほね)()れるぞえ。
542らゝゝ、543(らく)(はう)()かうとお(まへ)はするから、544牛童丸(うしどうまる)とやらに()()かれて、545(うし)()せられたのだよ。
546りゝゝ、547理窟(りくつ)()ふのは今日(けふ)(かぎ)()めなされや。548これ(だけ)549神力(しんりき)()けた能弁家(のうべんか)高姫(たかひめ)(たい)しては、550(なん)()うても駄目(だめ)だからなア。
551るゝゝ、552累卵(るゐらん)(ごと)(あやふ)ふくなつた(この)暗雲(やみくも)()(なか)を、553万劫末代(まんがふまつだい)(つぶ)れぬ(まつ)()立直(たてなほ)さねばならぬ神界(しんかい)御用(ごよう)だから、554(なみ)大抵(たいてい)艱難(かんなん)苦労(くらう)では(つと)(あが)りませぬぞえ。
555れゝゝ、556蓮華(れんげ)(はな)はあの(きたな)(どろ)(なか)から、557パツと一度(いちど)(ひら)いて、558(かう)ばしい(にほひ)(あら)はすぢやないか。559それに()()身魂(みたま)(たれ)ぢやと(おも)うて()なさる。
560ろゝゝ、561(ろん)より証拠(しようこ)562(いけ)(なか)のスツポン(がみ)でもへこました、563(この)高姫(たかひめ)さまの(こと)ぢやぞえ。
564わゝゝ、565吾身(わがみ)()かれの信心(しんじん)(ばか)(いた)して()ると、566(かみ)()きかんに(かな)はぬ(こと)出来(でき)て、567ジリジリ(まひ)(いた)して(さか)トンボリを()たねばならぬ(こと)出来(でき)るから、568(はや)改心(かいしん)なされよ。
569ゐゝゝ、570威張(ゐば)りちらして、571意地(いぢ)くね(わる)く、572国依別(くによりわけ)から(たま)所在(ありか)をきかして(もら)(なが)ら、573いつ(まで)もイチヤイチヤと(まを)して、574()出神(でのかみ)報告(はうこく)せぬ(やう)ないけ()かない、575奴根性(どこんじやう)綺麗(きれい)サツパリと立直(たてなほ)して、576これから素直(すなほ)白状(はくじやう)するのだぞえ。
577うゝゝ、578売言葉(うりことば)買言葉(かひことば)()(やう)に、579(この)高姫(たかひめ)一口(ひとくち)()()らぬ(こと)(もう)せば、580すぐに(なん)だかんだと小理窟(こりくつ)(まを)すが、581これから(その)態度(たいど)をスツクリと(あらた)めなされや。
582ゑゝゝ、583偉相(えらさう)()ふぢやなけれど、584(たれ)(なん)()つても、585ヤツパリ()出神(でのかみ)生宮(いきみや)(たて)つく(もの)は、586(この)(ひろ)世界(せかい)一人(ひとり)もなからうがな。
587をゝゝ、588(まへ)も、589今日(けふ)(ぜん)になるか、590(あく)になるかの境目(さかひめ)だ。591(ぜん)になりたければ、592国依別(くによりわけ)から()かして(もら)つた(たま)所在(ありか)をチヤツと()ひなされ。593(しぶ)とう(いた)すと万劫末代(まんがふまつだい)帳面(ちやうめん)につけておきますぞえ。594常彦(つねひこ)はこれこれの(こと)(いた)し、595(かみ)(そむ)いた悪人(あくにん)だと、596()出神(でのかみ)筆先(ふでさき)末代(まつだい)書残(かきのこ)しますぞや』
597常彦(つねひこ)『アハヽヽヽ、598(だま)つて()いて()れば、599随分(ずゐぶん)あなたも(いけ)(なか)(かみ)真似(まね)上手(じやうづ)ですな。600とうとう五十音(ごじふおん)(なら)べなさつた。601それ(ほど)頬桁(ほほげた)()つて()れば、602世界中(せかいぢう)阿呆(あほ)らしうて、603一人(ひとり)楯突(たてつ)(もの)はありませぬワ。604ウツフヽヽヽ、605……のう春彦(はるひこ)606(まへ)感心(かんしん)しただらうのう』
607春彦(はるひこ)『イヤもう、608ズツトズツト感心(かんしん)しました。609ホンに()うまはる口車(くちぐるま)だなア。610……(とき)高姫(たかひめ)さま、611これ(だけ)沢山(たくさん)のお(たま)がつみ()げてあるのに、612目的(もくてき)御宝(おたから)はないやうですな』
613高姫(たかひめ)『ここはホンの露店(ろてん)だから、614どうで()(もの)はこんな(ところ)雨曬(あまざら)しにしてあるものか。615キツと懸橋御殿(かけはしごてん)(なか)(かく)してあるにきまつてゐる。616これから高姫(たかひめ)懸橋御殿(かけはしごてん)()つて取調(とりしら)べて()るのだ』
617 (いけ)(なか)より、
618『ブクブクブクブク』
619泡立(あわた)(あが)り、620(おほ)きな(こゑ)で、
621『アツハヽヽ、622阿呆(あほ)らしい、623そんな(もの)があつてたまるかい。
624イヒヽヽ、625何時(いつ)までも何時(いつ)までも執念深(しふねんぶか)(ばば)アだなア。
626ウフヽヽ、627うるさい(ばば)アだ。628モウいゝ加減(かげん)此処(ここ)立退(たちの)かぬか』
629高姫(たかひめ)『エー、630やかましいワイナ。631スツポンはスツポンらしくスツ()んでゐなさい。632オヽヽお前達(まへたち)(くち)()れる(ところ)ぢやありませぬぞえ』
633常彦(つねひこ)『モシモシ高姫(たかひめ)さま、634いゝ加減(かげん)にしておきなさらぬかいな。635神様(かみさま)(おこ)られたら仕方(しかた)がありませぬで』
636高姫(たかひめ)(いか)(なか)れと()神界(しんかい)律法(りつぽふ)がチヤンとありますワイナ。637ここで(おこ)(やう)(かみ)なら、638それこそ悪神(あくがみ)ですよ』
639常彦(つねひこ)『さうすると、640貴女(あなた)はヤツパリ、641悪神(あくがみ)ですか』
642 高姫(たかひめ)()()()(つら)をふくらし、
643高姫(たかひめ)『コレ、644常彦(つねひこ)645(なん)()(こと)仰有(おつしや)る。646(わたし)がどこが悪神(あくがみ)だ。647モウ了見(れうけん)しませぬぞえ』
648胸倉(むなぐら)をグツと(つか)む。
649常彦(つねひこ)『それだから悪神(あくがみ)ぢやと()ふのですよ。650(すぐ)(おこ)るぢやありませぬか』
651高姫(たかひめ)(わたし)がどこに(おこ)りました。652チート(からだ)(きふ)(うご)かしたり、653(こゑ)(たか)うした(だけ)(こと)ぢやありませぬか。654これでもお(まへ)()から()ると(おこ)つたやうに()えますかな』
655春彦(はるひこ)『アハヽヽヽ』
656高姫(たかひめ)『コレ春彦(はるひこ)657(なに)可笑(をか)しいのだ。658チト心得(こころえ)なされ』
659春彦(はるひこ)『アハヽヽヽ、660イヒヽヽヽ、661ウフヽヽヽ、662エヘヽヽヽ、663オホヽヽヽ、664(おこ)つた(おこ)つた。665面白(おもしろ)面白(おもしろ)い。666(おそ)ろしい御立腹(ごりつぷく)だ』
667高姫(たかひめ)『コレ春彦(はるひこ)668シツカリしなさらぬかいな。669(いけ)(そこ)のスツポン(がみ)世迷言(よまいごと)伝染(でんせん)しかけましたよ』
670春彦(はるひこ)『タヽヽヽヽ、671高姫(たかひめ)さまの世迷言(よまいごと)が、672チヽヽチツと(ばか)伝染(でんせん)(いた)しました、673ウフヽヽヽ』
674 ()かる(ところ)へ、675(くに)676(たま)両人(りやうにん)国玉依別(くにたまよりわけ)神司(かむづかさ)(まも)りつつ、677(この)()(あら)はれた。
678国玉依別(くにたまよりわけ)『お(まへ)さまは何処(どこ)(かた)()りませぬが、679(この)(かがみ)(いけ)へお(まゐ)りになるのならば、680一応(いちおう)懸橋御殿(かけはしごてん)(うかが)つた(うへ)(こと)にして(くだ)さらぬと、681(いけ)(そこ)神様(かみさま)が、682大変(たいへん)御立腹(ごりつぷく)(あそ)ばしては(こま)りますから、683チト心得(こころえ)(くだ)されや』
684高姫(たかひめ)『お(まへ)懸橋御殿(かけはしごてん)とやらの神司(かむづかさ)だと、685(いま)仰有(おつしや)つたが、686(この)(いけ)(そこ)(かみ)が、687それ(ほど)(おそ)ろしいのかい。688此奴(こいつ)アお(まへ)689偉相(えらさう)月照彦神(つきてるひこのかみ)だなんて()つて()るが、690(いけ)(そこ)(がふ)()たスツポンのお()けだよ。691いゝ加減(かげん)迷信(めいしん)しておきなさい。692これから懸橋御殿(かけはしごてん)()つて、693天地(てんち)道理(だうり)を、694(むかし)根本(こつぽん)から()いて()かして()げませうぞ。695コレ御覧(ごらん)なさい。696(いま)(この)(いし)(ひと)(いけ)(そこ)へぶち()んで()ませうか。697キツとスツポンが浮上(うきあが)つて()ますよ』
698国玉依(くにたまより)()んと()乱暴(らんばう)なことを、699(まへ)さまは宣伝使(せんでんし)であり(なが)()ふのですか。700チツと御無礼(ごぶれい)ではありませぬか』
701高姫(たかひめ)『マア(ろん)より証拠(しようこ)だ。702御覧(ごらん)なさい』
703()(なが)ら、704(うづたか)()みあげたる(たま)(かたち)したる(いし)右手(めて)()り、705ドブンと(ばか)()()んだ。706(たちま)(いけ)(そこ)より(はげ)しき(うな)(ごゑ)707大地(だいち)大地震(だいぢしん)(ごと)(ふる)()し、708高姫(たかひめ)真青(まつさを)(かほ)になり、709ビリビリと(ふる)(なが)ら、710(かな)はぬ(とき)神頼(かんだの)みと()つた(やう)に、711一生懸命(いつしやうけんめい)両手(りやうて)(あは)せ、712(その)()平太張(へたば)つて(しま)つた。713国玉依別(くにたまよりわけ)(はじ)め、714(くに)715(たま)従者(じゆうしや)(ならび)常彦(つねひこ)716春彦(はるひこ)平気(へいき)平左(へいざ)で、717(この)音響(おんきやう)音楽(おんがく)()(やう)心持(こころもち)で、718愉快気(ゆくわいげ)両手(りやうて)(あは)感謝(かんしや)()たり。719高姫(たかひめ)益々(ますます)(ふる)()し、720()()()め、721()(あい)から(あか)()をにじり()し、722(ふる)(をのの)()たりける。
723大正一一・八・一一 旧六・一九 松村真澄録)
724(昭和一〇・六・八 王仁校正)