霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
テキストのタイプ[?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示[?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌[?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注[?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
外字1の色
外字2の色

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


誰も知らなかった日本史
〈 2016年6月3日緊急発刊 〉
王仁三郎昇天50年目に発見された新事実が明らかになる!
『切紙神示と共に甦る孝明天皇の遺勅(予言) 誰も知らなかった日本史 皇室に隠された重大な真実』
出口恒(著) 飯塚弘明(協力) ヒカルランド
アマゾン等で絶賛発売中!
本書の中に出てくる資料は「出口王仁三郎大学」でダウンロードできます
【新着情報】2017/3/17 王仁三郎関連書籍のPDFがこちらでダウンロードできます。たくさんあります。
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第一九章 ()()み〔一一二三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第41巻 舎身活躍 辰の巻 篇:第4篇 神出鬼没 よみ:しんしゅつきぼつ
章:第19章 当て飲み よみ:あてのみ 通し章番号:1123
口述日:1922(大正11)年11月12日(旧09月24日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年6月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
右守のカールチンは、妻のテーナ姫と、マンモス、サモア姫、ユーフテスらの幹部連を引き連れて、茶室にて願望成就の前祝として酒を酌み交わしていた。
カールチンはよい機嫌に酔いつぶされて、テーナ姫やカールチン、マンモスを相手に管を巻いている。
そこへハルナの都から大黒主の信書がカールチンに届いた。信書には、イルナ国に派遣すべき軍隊二千騎は出せなくなったが、五百騎を遣わせるとあった。
カールチンは自分が酔いつぶれてしまっているので、代わりにユーフテスに大黒主の使者との謁見を命じたが、大黒主の使者はカルマタ国に急ぎの用があるとすでに出立してしまっていた。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:268頁 八幡書店版:第7輯 629頁 修補版: 校定版:281頁 普及版:127頁 初版: ページ備考:
001 イルナ(がは)清流(せいりう)一部(いちぶ)をとり()んだ泉水(せんすゐ)(なか)瀟洒(せうしや)たる茶室(ちやしつ)()つている。002これは右守(うもり)(やかた)で、003今朝(けさ)早朝(さうてう)よりカールチン、004テーナ(ひめ)005マンモス、006サモア(ひめ)007ユーフテスの幹部連(かんぶれん)008願望(ぐわんまう)成就(じやうじゆ)前祝(まへいはひ)として(さかん)(さけ)()(かは)浩然(こうぜん)()(やしな)つてゐる。009カールチンはテーナ(ひめ)010サモア(ひめ)()(つぶ)され、011王者(わうじや)気取(きど)りになつて豪然(がうぜん)(はら)(なか)(どろ)(ひと)もなげに()()()した。
012 カールチンはまはらぬ(した)を、013(かほ)(しか)めて無理(むり)使(つか)ひながら、
014酔泥(よひどれ)口調(くてう))『オイ()アさま……ではない、015(むかし)別嬪(べつぴん)のテーナ(ひめ)016(この)(はう)智略(ちりやく)(えら)いものだらう。017まるで久延毘古神(くえびこのかみ)思兼神(おもひかねのかみ)(やう)神智鬼策(しんちきさく)臍下丹田(せいかたんでん)から()いて()るのだからのう、018エーン、019(この)(かみ)(あし)(ある)かねども天ケ下(あめがした)(こと)(ことごと)()(かみ)なり、020奇魂千憑彦(くしみたまちよりひこ)(みこと)再来(さいらい)とは(この)(はう)(こと)だ、021エーン。022(いま)入那(いるな)(くに)023テルマン(ごく)併合(へいがふ)して、024大王国(だいわうこく)建設(けんせつ)し、025テーナ(ひめ)でなくてテーナ()改名(かいめい)さしてやる。026(なん)()アさま、027(うれ)しいだらうなア。028エーン』
029『あまり(かな)しいことも(ござ)りませぬ。030(しか)(なが)ら、031さうなると(わたし)(かへつ)(かな)しうなるかも()れませぬ。032一層(いつそう)(いま)()(うへ)(はう)夫婦(ふうふ)(むつま)じく(くら)せますから、033何程(なにほど)結構(けつこう)だか(わか)りますまい。034(また)大黒主(おほくろぬし)神様(かみさま)真似(まね)をして糟糠(さうかう)(つま)無残(むざん)におつ()()し、035ヤスダラ(ひめ)(やう)美人(びじん)後釜(あとがま)()ゑられちや、036まるつきり(とび)揚豆腐(あげどうふ)(さら)はれた(やう)なものですからなア。037旦那様(だんなさま)(しやう)(わる)いから(あん)じられてなりませぬわ』
038『そりや(なに)(ぬか)すのだ。039いやしくもバラモン(けう)(みち)(ほう)ずる善一筋(ぜんひとすぢ)(この)(はう)040そんな没義道(もぎだう)(こと)(いた)しては(その)(はう)()まぬじやないか。041いや(その)(はう)ばかりぢやない、042(この)(はう)(こころ)(とん)()まないから、043滅多(めつた)にそんな(こと)はないから安心(あんしん)をしたが()からうぞ、044エーン。045折角(せつかく)(さけ)がうまく(まは)つた(ところ)へ、046そんな取越(とりこし)苦労(くらう)()つてくれると、047サツパリ(きよう)()めて(しま)ふぢやないか。048エーン』
049『それ()いてチツトばかり安心(あんしん)(いた)しました。050貴方(あなた)(かぎ)つて、051そんな(こと)をなさる(はず)はありませぬわネー。052(はじ)めて()うた(とき)053あなたは(なん)仰有(おつしや)いました。054よもや(わす)れては()られますまい』
055『こりやこりや、056(なに)()ふか。057そんな(こと)(しやべ)るとユーフテスやマンモス、058サモアが()()んで嫉妬(やきもち)をやき()るから、059(むかし)のローマンスはここらで、060うまく()りとしたら如何(どう)だ。061エーン』
062(わか)(とき)(みつ)(やう)(こひ)時々(ときどき)(おも)()すのも、063あまり()(わる)いものじや(ござ)りませぬぜ。064人間(にんげん)(たの)しみは(わか)(とき)のローマンスを時々(ときどき)(おも)()(くらゐ)愉快(ゆくわい)なものはありませぬ。065それを(わす)れちや人生(じんせい)趣味(しゆみ)(なに)もあつたものぢやありませぬわ』
066とテーナ(ひめ)(さけ)()(つぶ)れた(いきほひ)で、067四辺(あたり)(かま)はず(むかし)(こひ)(しやべ)()てようとする。
068(なん)とまア、069旦那様(だんなさま)070奥様(おくさま)面白(おもしろ)(とき)があつたのですな。071一遍(いつぺん)()かして(くだ)さいませな。072(わたし)もセーリス(ひめ)()(こひ)しい(をんな)出来(でき)()るのですから、073研究(けんきう)のために()かして(もら)へば大変(たいへん)都合(つがふ)(よろ)しいがな。074あゝあ、075二夫婦(ふたふうふ)一人鰥(ひとりやもめ)か、076セーリス(ひめ)()()かないわい。077ほんの一寸(ちよつと)でいいから(かほ)なつとつき()してくれると、078ユーフテスの肩身(かたみ)(ひろ)くなるのだけれど、079まだ公然(こうぜん)夫婦(ふうふ)でないから仕方(しかた)ない。080(さき)(たの)しみとしようかな、081エーン』
082『こりやこりやユーフテス、083エーンとは(なん)ぢや。084(おれ)のお(かぶ)占領(せんりやう)しやがつて、085(たれ)(ことわ)つて(その)エーンを(ぬす)んだか、086エーン』
087(べつ)(ぬす)んだのぢや(ござ)いませぬ。088あまり沢山(たくさん)旦那様(だんなさま)がエーンを(おと)しなさるものですから、089一寸(ちよつと)(わたし)(ひろ)つたので(ござ)りますよ。090一時(いつとき)(はや)くセーリス(ひめ)とエーンを(むす)びたう(ござ)りますわい、091エーン』
092『オホヽヽヽヽ、093エーンエーンの掛合(かけあひ)だなア。094チツトはエーン(りよ)したら如何(どう)だい。095エーンと月日(つきひ)()つがよいと()ふぢやありませぬか。096エーンはテーナ』
097(なん)()つても、098(こひ)情火(じやうくわ)にこがされて、099(むね)(ほのほ)がエーンエーンと()()ちますわい。100貴方(あなた)たちは、101さうして夫婦(ふうふ)(なか)よく(わら)つたり、102意茶(いちや)ついたりして()ながら、103まだ未婚者(みこんしや)のユーフテスを()(どく)なとも、104可愛相(かあいさう)なとも(おも)はず、105「お(まへ)のエーン(だん)(など)吾不関(われかんせず)エーン」と()ふやうな態度(たいど)でゐらつしやいますから、106つい(わたし)もエーン(せい)主義(しゆぎ)になりかけは………しませぬわい』
107(なに)()もあれ、108こんな目出度(めでた)(こと)はないぢやありませぬか。109マンモスは一日(いちにち)(はや)成功(せいこう)()()たいもので(ござ)りますなア』
110成功(せいこう)()(すで)()えてゐるぢやないか。111(げん)にセーラン王様(わうさま)右守(うもり)さまに(くらゐ)(ゆづ)つてやらうと仰有(おつしや)つたぢやないか。112王者(わうじや)言葉(ことば)(けつ)して二言(にごん)はあるまい。113これと()ふのもヤツパリ旦那様(だんなさま)器量(きりやう)()賢明(けんめい)なお娘様(むすめさま)をお()ちなさつたからだ。114あゝあ、115()つべきものは(むすめ)なりけりだ。116ユーフテスも(はや)くセーリス(ひめ)結婚(けつこん)して(うつく)しい傾国(けいこく)(むすめ)()み、117老後(らうご)(たの)しみたいものだわい、118アーン』
119『こりやこりやユーフテス、120アーンなんて(ぬか)すとサツパリ貴様(きさま)縁談(えんだん)はアーンになつて(しま)ふぞ、121アーン』
122ユーフテス『こりやマンモス、123茶々(ちやちや)()れるのか、124()れるなら()れて()い。125(おれ)にも了簡(れうけん)があるぞ』
126『この(くに)茶々(ちやちや)名物(めいぶつ)だ。127碾茶(ひきちや)なつと煎茶(せんちや)なつと()つてやらうか。128チヤチヤ ヤートコセ、129ママチートコセ、130セーリス(ひめ)さまに、131うまくちよろまかされて、132(しま)ひの()てには肱鉄砲(ひぢでつぱう)133日頃(ひごろ)(おも)ひも滅茶苦茶(めちやくちや)134蜥蜴(とかげ)(やう)(つら)をして、135あんなシヤンに秋波(しうは)(おく)るなんて、136チヤンチヤラをかしい。137しまひの()てにやチヤツチヤ、138ムチヤに(この)縁談(えんだん)()(つぶ)されて(しま)ふぞ。139そんな(こと)(この)マンモスの天眼通(てんがんつう)でチヤーンと(わか)つて()るのだ、140エーン』
141サモア『オホヽヽヽヽ今日(けふ)はまア、142(なん)とした面白(おもしろ)()でせう』
143『おい、144貴様(きさま)(たち)145今日(けふ)右守(うもり)祝宴(しゆくえん)だから、146(なん)なつと(しやべ)つたが()いが、147もう一二ケ月(いちにかげつ)すると(おれ)刹帝利様(せつていりさま)だから、148こんな気楽(きらく)(こと)出来(でき)ないぞ。149(その)(くらゐ)(こと)貴様(きさま)(わきま)へて()るだらうな、150エーン』
151『そりや(わきま)へて()ますとも、152このユーフテスは。153(しか)貴方(あなた)だつて、154あまり()くない(こと)(かんが)へてゐなさるのだから、155(いづ)れどちらへなりと(らち)がつきませうかい、156アーン』
157『こりやこりや、158()くない(こと)とは(なん)だ。159チツと無礼(ぶれい)ではないか、160エーン』
161貴方(あなた)寡欲恬淡(くわよくてんたん)な、162チツとも(よく)のないお(かた)()つたのですよ。163(すべ)()(なか)(とら)まへやうとすれば、164(とら)へられぬものです。165旦那様(だんなさま)万事(ばんじ)にかけて()()なく、166よくない(かた)だから王様(わうさま)(はう)から昨日(きのふ)(やう)にあんな結構(けつこう)なことを仰有(おつしや)るので(ござ)りますわい。167これを(おも)へば時節(じせつ)()たねばならぬものですな。168都々逸(どどいつ))「時世時節(ときよじせつ)(ちから)()へど、169よくないお(かた)(わう)となる」あゝヨイトセ ヨイトセぢや。170おいマンモス、171貴様(きさま)(ひと)前祝(まへいはひ)(うた)はぬかい。172大蛇(をろち)()のやうにグイグイ()んでばかり()やがつて、173(なん)(ざま)だ。174チとコケコーでも(うた)つたら如何(どう)だい、175アーン』
176 マンモスは鹿爪(しかつめ)らしく、
177()(とき)には()む、178(あそ)(とき)には(あそ)ぶ。179(しか)(しか)うして(いささ)(もつ)(うた)ふべき(とき)には(うた)ふのだ。180(おれ)(わか)(とき)や、181千軍万馬(せんぐんばんば)(なか)往来(わうらい)して()英雄(えいゆう)豪傑(がうけつ)……ではない、182(その)英雄(えいゆう)豪傑(がうけつ)の……伝記(でんき)()んで、183チツとばかり感化力(かんくわりよく)(やしな)ふ……たと()ふチーチヤーさまだからな、184エーン。185貴様(きさま)(ごと)燕雀輩(えんじやくはい)(あへ)窺知(きち)する(ところ)(あら)ずだ。186詩吟(しぎん))「(つき)中空(ちうくう)皎々(かうかう)として(かがや)(わた)り、187マンモスは悠々(いういう)として酒杯(しゆはい)(ひた)る。188月影(げつえい)(うつ)杯洗(はいせん)(なか)189絶世(ぜつせい)美人(びじん)(わが)(かたはら)()り」とは如何(どう)だ、190うまいだらう。191(おれ)詩歌(しか)(しか)特別(とくべつ)(あつら)へだからなア、192エーン』
193貴様(きさま)詩歌(しか)はカイローカイローと紅葉林(もみぢばやし)四足(よつあし)女房(にようばう)()先生(せんせい)(こゑ)によく()()るわ。194オツとそのカイローで(おも)()した、195(おれ)(はや)くセーチヤン偕老同穴(かいらうどうけつ)(ちぎり)(むす)びたいものだ。196貴様(きさま)のやうなシヤツチもない詩歌(しか)(うな)ると気分(きぶん)(わる)うなつてくるわい。197シカのシは死人(しにん)()だらうよ。198もつと生命(せいめい)のある(うた)(うた)つたら如何(どう)だい、199アーン』
200 マンモスは(せき)(ひと)つしながら、
201詩歌(しか)()()言扁(ごんべん)(てら)()()()くぢやないか。202死人(しにん)(をさ)まる(ところ)(てら)だよ』
203ユーフテス『ヘーン、204うまいこと()(てら)あ、205墓々死(ばかばかし)いことをユーフテスぢやないか、206マンモス()
207 かく(くだ)()(ところ)へスタスタとやつて()一人(ひとり)(をとこ)208一通(いつつう)手紙(てがみ)差出(さしだ)し、
209旦那様(だんなさま)210ハルナの(みやこ)から(いそ)ぎの使(つかひ)(この)手紙(てがみ)()つて(まゐ)りました』
211(うやうや)しく差出(さしだ)すを、212カールチンは酔眼(すゐがん)をカツと見開(みひら)き、213手紙(てがみ)手早(てばや)受取(うけと)(ふう)押切(おしき)つて文面(ぶんめん)()をそそぎ、
214『エ、215(なに)216むつかしい文字(もじ)()いてあるぞ、217(なん)だかよく(うご)文面(ぶんめん)だなア。218二筋(ふたすぢ)にも三筋(みすぢ)にも、219素麺(そうめん)行列(ぎやうれつ)のやうに文字(もじ)活躍(くわつやく)してゐるわい。220こりやヤツパリ大黒主(おほくろぬし)(さま)御筆蹟(ごひつせき)()える、221活神様(いきがみさま)のお(ふで)(ちが)つたものだ。222ようよう益々(ますます)活動(くわつどう)()したぞ』
223()をちらつかせ()(ふる)はせ、224()まうとすれども如何(どう)しても()(こと)出来(でき)ない。
225『おい、226テーナ(ひめ)227貴様(きさま)(ひと)()んで()れないか。228非常(ひじやう)墨痕淋漓(ぼくこんりんり)として(りう)()するが(ごと)()きた文字(もじ)だから何処(どこ)かへ()げさうだ、229エーン』
230『ホヽヽヽヽ、231どれ(わたし)()んで()ませう』
232手紙(てがみ)受取(うけと)り、
233『エヽ……(この)(たび)(なんぢ)(ねがひ)により騎馬(きば)軍卒(ぐんそつ)二千騎(にせんき)派遣(はけん)(いた)すべき(ところ)234隣国(りんごく)のセイナに暴動(ばうどう)(おこ)り、235これを急々(きふきふ)鎮定(ちんてい)すべく、236アルマンをして(これ)(ひき)ゐしめ征討(せいたう)(むか)はせたれば、237(なんぢ)請願(せいぐわん)(おう)(がた)し。238(しか)(なが)何時(いつ)擾乱(ぜうらん)鎮定(ちんてい)すとも(はか)(がた)ければ、239五百騎(ごひやくき)急々(きふきふ)(なんぢ)(もと)派遣(はけん)すべければ、240万事(ばんじ)万端(ばんたん)用意(ようい)あつて(しか)るべし。241右守(うもり)(かみ)カールチンへ、242大黒主(おほくろぬし)宣示(せんじ)……』
243『よしよし、244それで(わか)つた。245(しか)しながら、246隣国(りんごく)騒動(さうだう)(おこ)つて()るにも(かかは)らず、247五百騎(ごひやくき)派遣(はけん)(くだ)さるとは、248よくもよくも吾々(われわれ)信用(しんよう)して(くだ)さつたものだ、249(じつ)有難(ありがた)い、250(しか)しながら最早(もはや)セーラン(わう)(くち)から、251あゝ()つたのだから、252(たたか)ひの必要(ひつえう)もあるまい。253(しか)何時(なんどき)悪智慧(わるぢゑ)をかふ(やつ)があつて変心(へんしん)されるかも()れない。254(その)(とき)用意(ようい)五百騎(ごひやくき)勇者(ゆうしや)があれば何事(なにごと)都合(つがふ)よく()くと()ふもの、255まア(つつし)んでお()けをする(こと)(いた)さうかなア。256おい、257ユーフテス、258(まへ)大黒主(おほくろぬし)(さま)使者(ししや)()つて(よろ)しくお(れい)申上(まをしあ)げて()れ。259(おれ)直接(ちよくせつ)にお()にかかるのが本意(ほんい)なれども、260()気楽(きらく)さうに()(つぶ)れた(ところ)使者(ししや)()られたら大変(たいへん)だ。261大黒主(おほくろぬし)(さま)信用(しんよう)(おと)してはならないからなア』
262(やや)()ひも()め、263(すこ)しく真面目(まじめ)になつて宣示(せんじ)した。
264委細(ゐさい)承知(しようち)(いた)しました。265使者(ししや)接見(せつけん)するのは、266(この)ユーフテスを()いて、267(ほか)適当(てきたう)人物(じんぶつ)(はばか)りながら(ござ)いますまい。268左様(さやう)なれば、269特命(とくめい)全権(ぜんけん)公使(こうし)として接見(せつけん)(つかまつ)らう。270いや吾々(われわれ)一人(ひとり)では全権(ぜんけん)公使(こうし)貫目(くわんめ)()らぬ。271マンモス、272(とも)(いた)せ、273アーン』
274『エー、275馬鹿(ばか)にしやがるない。276(たれ)貴様(きさま)(した)について()(やつ)があるかい。277(この)マンモスは、278これから出世(しゆつせ)をせにやならぬ(からだ)だ。279使者(ししや)(かほ)()られ……マンモスはユーフテスの下役(したやく)ぢや……と(おも)はれちや、280将来(しやうらい)のため大変(たいへん)不利益(ふりえき)だから、281利害(りがい)打算上(ださんじやう)から()て、282まア()めて()かうかい、283エーン』
284 カールチンは、
285『あゝ()うた()うた、286こんなヨタンボで如何(どう)して使者(ししや)接見(せつけん)出来(でき)ようか。287大自在天(だいじざいてん)大国彦命(おほくにひこのみこと)288(まも)(たま)(さきは)(たま)へ、289ゲーウツプ、290ガラガラ ガラガラ。291(あま)(にはか)のお使(つかひ)(はら)(むし)()清潔法(せいけつはふ)(はじ)めやがつて、292()んだ(さけ)までが逆流(ぎやくりう)しだした。293あゝ(くる)しい(こと)だ。294(くる)しい(なか)にも(たの)しみありだ。295あゝあ、296ユーフテス、297うまく使者(ししや)()うたら内兜(うちかぶと)見透(みす)かされぬ(やう)にユーフテスとやるのだよ、298エーン』
299旦那様(だんなさま)300左様(さやう)ならば今日(こんにち)貴方(あなた)代理(だいり)として使者(ししや)接見(せつけん)して(まゐ)ります。301(よろ)しう(ござ)りますかな』
302『よしよし、303貴様(きさま)全権(ぜんけん)委任(ゐにん)するから、304そこはうまくやつて()い』
305左様(さやう)ならば、306これより得意(とくい)外交的(ぐわいかうてき)手腕(しゆわん)(ふる)つて()せませう』
307()ひすててバタバタと(おもて)()()した。308ユーフテスは()四人(よにん)(やう)()(つぶ)れては()なかつた。309セーリス(ひめ)注意(ちゆうい)によつてカールチン夫婦(ふうふ)(すべ)ての行動(かうどう)視察(しさつ)するのが第一(だいいち)目的(もくてき)だつたからである。310ユーフテスは(おもて)()(わざ)とにヒヨロリ ヒヨロリと千鳥足(ちどりあし)になりながら、
311()ひどれ口調(くてう))『ハルナの(くに)大黒主(おほくろぬし)神様(かみさま)のお使(つかひ)はドヽヽヽ何処(どこ)にケヽヽヽけつかるのだ。312特命(とくめい)………全権(ぜんけん)公使(こうし)の………(おれ)はユーフテスさまだぞ。313(はや)此処(ここ)へ………(おれ)(まへ)()()ぬか、314アーン』
315 門番(もんばん)のケールは(この)(てい)()(はし)(きた)り、
316『もしもし、317御家老様(ごからうさま)318ハルナの(くに)のお使(つかひ)はあの手紙(てがみ)(わた)したきり、319これからカルマタ(こく)へお使(つかひ)()くと()つて「一寸(ちよつと)()(くだ)され」と()ふのも()かずに(うま)鞭韃(むちう)一目散(いちもくさん)(かへ)つて(しま)はれました。320そんな足許(あしもと)追掛(おひか)けても駄目(だめ)ですよ』
321『ナヽヽヽ(なん)だ、322サツパリ(あと)(まつり)()ちも(おろ)しも出来(でき)なくなつた。323(しか)(なが)ら、324これも(なに)かの神様(かみさま)御都合(ごつがふ)だらう』
325()ひながらヒヨロリ ヒヨロリと足許(あしもと)(あや)ふく(おく)()がけて(かへ)()く。
326大正一一・一一・一二 旧九・二四 北村隆光録)