霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三章 草居谷底(くさゐたにぞこ)〔一八〇九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第64巻下 山河草木 卯の巻下 篇:第1篇 復活転活 よみ:ふっかつてんかつ
章:第3章 草居谷底 よみ:くさいたにぞこ 通し章番号:1809
口述日:1925(大正14)年08月19日(旧06月30日) 口述場所:丹後由良 秋田別荘 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年11月7日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版:35頁 八幡書店版:第11輯 508頁 修補版: 校定版:36頁 普及版:63頁 初版: ページ備考:
001 トンク、002テク、003ツーロの三人(さんにん)僧院(そうゐん)ホテルの裏口(うらぐち)から二人(ふたり)(かつ)いだ(まま)004一生懸命(いつしやうけんめい)道路(だうろ)005田畑(たはた)(きら)ひなくかけ()し、006キドロンの(たに)(ふか)川辺(かはべ)(つた)ふて(のぼ)()き、007雨露(うろ)(しの)(ばか)りの自分(じぶん)借家(かりや)へと()(はこ)び、008手荒(てあら)二人(ふたり)(つち)(うへ)()げつけた。009守宮別(やもりわけ)はこの(あひだ)(ほとん)(よひ)()め、010(まる)()をギヨロづかせ、011ウンと()つた()り、012三人(さんにん)(かほ)()めつけて()る。013(とら)勝気(かちき)(をんな)とて大地(だいち)()げつけられた(さい)014腰骨(こしぼね)をうち(なが)(いた)さを(こら)へて、
015『こりや、016三人(さんにん)のアラブ(ども)017三千世界(さんぜんせかい)救世主(きうせいしゆ)018底津岩根(そこついはね)(おほ)ミロク、019()()(かみ)太柱(ふとばしら)(とら)さまの肉体(にくたい)を、020神輿(みこし)さまとして、021此処(ここ)(まで)つれて()るのはいいが、022なぜ()ろす(とき)にも(ちつ)()をつけないのか、023神輿(みこし)(ちつ)(ばか)損傷(いたん)だぞよ、024行儀(ぎやうぎ)作法(さはふ)()らない馬鹿野郎(ばかやらう)だなア。025サア(わし)此処(ここ)まで()れて()以上(いじやう)は、026(なに)(ふか)計画(たくみ)があつてのことだらう。027きつぱりと白状(はくじやう)したがよい。028何者(なにもの)(たの)まれたかその(わけ)()かう。029これこれ守宮別(やもりわけ)さま(しつか)りせぬかいなア。030()()めの強力(がうりき)だいな。031それだから無茶苦茶(むちやくちや)(さけ)()みなさるなと()ふのぢや。032(まへ)さまはお(まへ)さまとした(ところ)で、033竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)さまの生宮(いきみや)(なに)をして()るのだらう、034ても()ても()()かない人足(にんそく)(ばか)りだなア。035こりやアラブ、036(はや)(かみ)(まへ)白状(はくじやう)(いた)さぬか、037神罰(しんばつ)(あた)つて脛腰(すねこし)()たぬやうにしてもよいか』
038 トンクは、
039『ハヽヽヽヽ。040気違(きちが)(ばば)041それや()アに(ぬか)してけつかる。042(たれ)にも(たの)まれはせぬ。043貴様(きさま)懐中(ふところ)にもつて()るお(かね)目的(もくてき)ぢや。044地獄(ぢごく)沙汰(さた)(かね)次第(しだい)ぢやからキリキリちやつと(わた)したらよからう。045グヅグヅ(いた)して()ると生命(いのち)()いぞよ。046一方(いつぱう)野郎(やらう)(さけ)(くら)()つて脛腰(すねこし)()たず。047(たか)(ばば)一人(ひとり)(ぐらゐ)048(ひね)(つぶ)すのは(よひ)(くち)ぢや。049(かね)(わた)さにや(わた)さぬでよい。050勝手(かつて)()つてやる。051サア覚悟(かくご)せい』
052猿臂(ゑんぴ)をのばして、053胸倉(むなぐら)をグツと(つか)む。054(とら)はその刹那(せつな)(あし)()げてトンクの睾丸(きんたま)力一(ちからいつ)ぱい()つた。055トンクはウーンと()つた()り、056地上(ちじやう)(だい)()となつて(しま)つた。057テク、058ツーロの二人(ふたり)吃驚(びつくり)してトンクを()()けようとする。059(その)(すき)(かんが)へて守宮別(やもりわけ)はテクの(あし)をグイと引張(ひつぱ)俯向(うつむけ)にドンと(たふ)す。060(とら)はツーロの首筋(くびすぢ)鷲掴(わしづか)みにしながら挙骨(げんこつ)(かた)めて(むつ)(なな)(なぐ)()ちに()()ゑる。061ツーロはフラフラと()()うて(また)もやばたりと其処(そこ)(たふ)れて仕舞(しま)つた。
062『サア、063守宮別(やもりわけ)さま、064其処(そこ)藤蔓(ふぢつる)をもつて(うご)かないやうに、065何奴(どいつ)此奴(こいつ)(いま)(うち)(くく)つておきなさい。066これからこれ()三人(さんにん)(きび)しく詰問(きつもん)してブラバーサの陰謀(いんぼう)白状(はくじやう)さしてやらねばなりますまい。067(なん)気味(きみ)()(こと)068(さすが)()()(かみ)生宮(いきみや)だけあつて(えら)いものだらう。069これ守宮別(やもりわけ)さま、070()()(かみ)生宮(いきみや)には感心(かんしん)したらうな、071アラブの千匹(せんびき)万匹(まんびき)(きた)るとも、072このお(とら)が、073フンと(ひと)鼻息(はないき)するや(いな)や、074何奴(どいつ)此奴(こいつ)もバタバタと東京(とうきやう)のバラツクに二百十日(にひやくとをか)大風(おほかぜ)()いたやうにメチヤメチヤに(たふ)れて(しま)ふのだよ。075()出神(でのかみ)(さま)聖地(せいち)()てから、076だんだん出世(しゆつせ)(あそ)ばし(えら)御神徳(ごしんとく)出来(でき)たものだ。077もう(この)(うへ)三千世界(さんぜんせかい)救世主(きうせいしゆ)名乗(なの)つても誰一人(たれひとり)非難(ひなん)するものはあるまい、078ヘヽヽヽ。079てもさても愉快(ゆくわい)(こと)だわい。080(くるし)みの(はて)には(たの)しみあり、081万難(ばんなん)(はい)して勝利(しようり)(みやこ)(たつ)するとかや。082(まへ)さまも(ちつ)(さけ)をやめて(こころ)(そこ)から(わし)()(こと)()くのだよ。083僧院(そうゐん)ホテルでお(まへ)さまは(なん)()馬鹿気(ばかげ)演説(えんぜつ)をするのだえ。084この(わたし)をブラバーサと(おな)じやうに(あま)(しん)じないと()つたぢやないか。085肝腎要(かんじんかなめ)参謀長(さんぼうちやう)がそんな(かんが)へをもつて()てどうしてこんな大望(たいまう)成就(じやうじゆ)しますか。086(ちつ)心得(こころえ)なされ。087(あま)()(こと)()かないと小北山(こきたやま)のお(とら)さまぢやないが、088(はな)(ねぢ)ますぞや』
089『イヤもう改心(かいしん)(いた)しました。090朝顔形(あさがほがた)猪口(ちよく)がメチヤメチヤになつては(たま)りませぬからな、091ウフヽヽヽ』
092 トンクはウンウンと(うめ)()した。093(とら)はトンクの(たぶさ)をグツと(にぎ)り、
094『これやトンク、095(おそ)()つたか。096往生(わうじやう)(いた)したか。097どうぢや、098サア(たれ)(たの)まれた白状(はくじやう)(いた)せ』
099『ハイ、100ハヽ白状(はくじやう)(いた)します。101どうぞ(その)()(はな)して(くだ)さい(かみ)()けます』
102『ぬけたつて(なん)だ。103(まへ)(あたま)ぢやないか。104(にく)一緒(いつしよ)にコポンと()つてやる(つも)りだ。105(くる)しきや白状(はくじやう)なさい。106魚心(うをごころ)あれば水心(みづごころ)だ。107白状(はくじやう)さへすれば今迄(いままで)(つみ)神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)()(なほ)して(ゆる)してやる。108そして白状(はくじやう)した褒美(ほうび)にお(かね)をやるから、109トツトと白状(はくじやう)したがよからうぞや。110かう()えてもこのお(とら)は、111(とら)でもなければ(おほかみ)でもない、112三千世界(さんぜんせかい)氏子(うぢこ)(たす)ける生神様(いきがみさま)だからな。113(てき)たうて()たものには(おに)大蛇(をろち)になるお(とら)であるけれど、114(したが)つて()たものには結構(けつこう)結構(けつこう)大歓喜天(だいくわんきてん)女神様(めがみさま)ぢやぞえ』
115『ハイ、116白状(はくじやう)(いた)します。117その(かは)りにテク、118ツーロの(いましめ)()いてやつて(くだ)さい。119(わし)だけ(たす)かつた(ところ)仕方(しかた)がありませぬから』
120『これこれ守宮別(やもりわけ)さま、121()んぢやいな、122気楽(きらく)さうに煙草(たばこ)ばかり()みつづけて、123ちつとお手伝(てつだ)ひをなさらぬか。124()()かねえ(をとこ)だなア』
125到底(たうてい)神様(かみさま)のお手伝(てつだ)ひは人間(にんげん)として出来(でき)ませぬわい。126マア(ゆつく)りと見物(けんぶつ)でもさして(もら)ひませうかい。127あた阿呆(あはう)らしい。128(さけ)()いのにこんな(こと)()()られませうか、129(とら)さまも仲々(なかなか)()(あら)いですなア』
130『それや(あら)いとも、131アラブの荒男(あらをとこ)三人(さんにん)(まで)132荒肝(あらぎも)()つて荒料理(あられうり)をせうと()ふのだもの。133随分(ずゐぶん)霊験(あらたか)神様(かみさま)だよ。134これアラブのトンク、135大略(あらまし)でよいから(はや)(たれ)(たの)まれたと()(こと)白状(はくじやう)せぬか。136(いのち)()られるのが()いか。137(かね)(もら)ふのがよいか、138どうぢや』
139(じつ)(ところ)はお(まへ)さま(とこ)始終(しじう)出入(でいり)して()るヤクさまに(たの)まれました。140ヤクさまが(かね)吾々(われわれ)三人(さんにん)二十両(にじふりやう)(づつ)(くだ)さいました。141そしてお(とら)さまが剣呑(けんのん)になつて()(とき)掻攫(かつさら)へて僧院(そうゐん)(うら)から何処(どこ)かへ()げて()れと仰有(おつしや)つたのです』
142『ホヽヽヽヽ、143(うま)(こと)144どこ(まで)()(ふく)めたものだなア。145ブラバーサの(やつ)146反間苦肉(はんかんくにく)(さく)をつかひよつて、147ヤクに(たの)まれたなぞと、148熱心(ねつしん)信者(しんじや)とこのお(とら)喧嘩(けんくわ)させようと(おも)つて()やがるのだな。149どこどこ(まで)油断(ゆだん)のならぬど(たふ)しものだ。150これやトンク本当(ほんたう)(こと)()へ。151ヤクさまぢやあるまいがな』
152『イエ滅相(めつさう)有体(ありてい)(こと)(まを)します。153御霊城(ごれいじやう)受付(うけつけ)をして(ござ)るヤクさまが、154(まへ)さまが僧院(そうゐん)演説(えんぜつ)をしられた(とき)155聴衆(ちやうしう)(なか)(はい)つて(ござ)つて、156あまり聴衆(ちやうしう)人気(にんき)(わる)殺気(さつき)()ち、157(まへ)さまを(ころ)してやらうと(まで)ひそびそ相談(さうだん)して()たものが()つたので、158ヤクさまが心配(しんぱい)して、159(そば)()つた(わたし)(たち)三人(さんにん)大枚(たいまい)二十円(にじふゑん)(づつ)をそつと懐中(ふところ)()れ、160どうかお(とら)さまと守宮別(やもりわけ)さまを(かつ)いで(この)()()げて()れ。161さうせぬとお二人(ふたり)(いのち)(あやふ)いと(ささや)きましたので、162二十円(にじふゑん)のお(かね)まうけにお二人(ふたり)さまを(かつ)()しました。163さうするとお(まへ)さまの懐中(くわいちう)に、164ガチヤガチヤと(あま)沢山(たくさん)(かね)(はい)つて()さうなので、165此処(ここ)(まで)()てから二重(にぢう)(まう)けをせうと(おも)つて、166一寸(ちよつと)ごろついて()たのですよ。167()うか(こら)へて(くだ)さい。168しかし吾々(われわれ)三人(さんにん)()かつたらお(まへ)さまの生命(いのち)()かつたかも()れませぬよ。169これが正直(しやうぢき)正銘(しやうめい)一文(いちもん)掛値(かけね)のない(ところ)白状(はくじやう)(ござ)います』
170『フーン、171さうかいな。172ても()てもブラバーサと()(やつ)剣呑(けんのん)(やつ)だな。173矢張(やつぱ)彼奴(あいつ)(この)生宮(いきみや)(ころ)さうと(おも)つて、174聴衆(ちやうしう)(なか)暴漢(ばうかん)(かく)まひ()きよつたのだなア。175これトンクさま、176(まへ)さまはブラバーサをどう(おも)ひますか』
177『さうですな、178どうか(あたま)(はな)して(くだ)さい(いた)くて仕方(しかた)がありませぬわ。179アイタヽヽヽヽ、180(いた)いがな』
181(あま)(はなし)()()つてお(まへ)(あたま)をブラバーサだと(おも)ひ、182(ちから)一杯(いつぱい)(いた)めたのは(わる)かつた、183まア(こら)へてお()れ。184これも(とき)災難(さいなん)だからな。185これこれ守宮別(やもりわけ)さま、186(はなし)(わか)つた以上(いじやう)は、187テク、188ツーロの(いましめ)()いて()げて(くだ)さい。189(はなし)()いて()ねば(わか)らぬものだ、190ほんに()(どく)だつたな。191とは()ふものの三人(さんにん)三人(さんにん)(なが)ら、192(にはか)にこのお(とら)脅迫(けふはく)した(つみ)(ゆる)されないから、193(いた)()()つたからといつて(おこ)(こと)出来(でき)まい、194これで帳消(ちやうけし)だ。195サアこれから(あらた)めてお前達(まへたち)三人(さんにん)(とつくり)相談(さうだん)をしよう』
196(あく)にかけたら抜目(ぬけめ)のない吾々(われわれ)三人(さんにん)197(かね)になる(こと)ならドンナ御相談(ごさうだん)にも()ります。198(わたし)だつてあのブラバーサには(ふか)(ふか)遺恨(ゐこん)(ござ)います。199マリヤの(やつ)三人(さんにん)()つて手籠(てごめ)になし、200念仏講(ねんぶつかう)でもやり、201(たの)しもうと(おも)つて()(ところ)()のブラバーサが、202仕様(しやう)()(うた)(うた)つて()たものだから、203折角(せつかく)仕組(しぐん)芝居(しばゐ)肝腎(かんじん)(ところ)でおジヤンになり、204オチコ ウツトコ、205ハテナの願望(ぐわんまう)()げず、206すごすごと(わが)()(かへ)つたものだから仲々(なかなか)(せがれ)のやつ承知(しようち)をしませぬ、207オチコ、208コテノとなつて、209マストを()てそれはそれは夜半(やはん)大騒動(おほさうどう)五人組(ごにんぐみ)()()すやら、210泥水(どろみづ)()るやら、211ヘヽヽヽヽン、212いやもうラツチもない(こと)でした、213アハヽヽヽ』
214『ウフヽヽヽ、215ソンナ(あつ)(くちびる)で、216真黒(まつくろ)(かほ)して()つて(いろ)こひ(ふな)のつて、217(ちつ)()()ぎて()るわい。218(しか)(なが)らブラバーサとマリヤに(たい)し、219さう()経緯(いきさつ)があり遺恨(ゐこん)(のこ)つて()るとすれば()うだ、220反対派(はんたいは)吾々(われわれ)仲間(なかま)(はい)り、221幾何(いくら)でも(かね)はやるからエルサレムの(まち)()て、222ブラバーサ攻撃(こうげき)大演説(だいえんぜつ)をやる()()いか』
223『ハイそれは()ふたり(かな)ふたり、224(おほい)にやります。225のうテク、226ツーロお前達(まへたち)賛成(さんせい)だらう』
227『ウン(もつと)もだ、228テクさまの(こひ)(かたき)のブラバーサ、229力一(ちからいつ)ぱい面皮(めんぴ)()いてやり、230(この)エルサレム(まち)()れないやうにしてやるのも痛快(つうくわい)だ、231腹癒(はらい)せだ、232溜飲(りういん)(さが)るやうだ。233ようし面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、234面白狸(おもしろたぬき)腹鼓(はらつづみ)だ。235(のう)236ツーロ、237何程(なにほど)(つら)うても、238エルサレムの通路(つうろ)縦横無尽(じうわうむじん)テクついてブラバーサの罪状(ざいじやう)をトンクと市民(しみん)(わか)るやうに、239布留那(ふるな)(べん)(ふる)つて吹聴(ふいちやう)()やうぢやないか』
240『ヤア面白(おもしろ)い、241(おほ)ミロクの生宮(いきみや)242()()(かみ)のお(とら)さまを大将軍(だいしやうぐん)(あふ)ぎ、243守宮別(やもりわけ)(さま)参謀総長(さんぼうそうちやう)とし、244エルサレムの(まち)三方四方(さんぱうしはう)から突撃(とつげき)()かけようかい』
245『これこれトンクさま、246(けつ)してヤクに(たの)まれたなどと()ふちやなりませぬよ。247ブラバーサに(たの)まれて、248あんな(わる)(こと)(いた)しましたが、249()()(かみ)御神力(ごしんりき)(おそ)れて罪亡(つみほろ)ぼしに白状(はくじやう)(いた)しましたと大声(おほごゑ)()ふのだよ。250(わか)つたかな』
251『ハイ、252事実(じじつ)()げて()ふのは間違(まちが)ひやすうて(ちつ)(ばか)りやり(にく)くて(こま)りますが、253マア成可(なるべ)貴女(あなた)(ため)になるやうブラバーサを攻撃(こうげき)(いた)しませう』
254(とら)『ブラバーサ(にく)(こころ)はなけれども
255世人(よびと)のために(はうむ)らむとぞ(おも)う。
256聖場(せいじやう)(いろ)(けが)したマリヤ(ひめ)
257千里(せんり)(そと)(おひ)やりて()む』
258守宮(やもり)(われ)(ただ)薬師如来(やくしによらい)がましまさば
259如何(いか)(なや)みも(くる)しからまじ。
260(さけ)()めばいつも(こころ)(はる)(やま)
261(わら)(なが)らに(はな)()くなり。
262(とら)さまお(はな)さまでは()()かぬ
263蒲萄酒(ぶだうしゆ)ビール(さけ)好物(かうぶつ)
264キリストも釈迦(しやか)孔子(こうし)(かみ)さまも
265(さけ)(くら)べりやしやうもない(やつ)
266(とら)(また)しても守宮別(やもりわけ)さまの罰当(ばちあた)
267(はらわた)までが(くさ)つて()るぞや』
268守宮(やもり)『くさつても(さけ)(たひ)とは(あぢ)がよい
269(くさ)らぬ(さき)()めばなほよし。
270ドブ(がひ)(くさ)つたやうな(にほ)ひより
271(さけ)(くさ)つた(にほひ)がよろしい』
272(とら)(むし)()松茸(まつたけ)(また)にぶらさげて
273(くさ)(がひ)とは(なに)()ふぞや』
274トンク『くさいやつ三人(さんにん)五人(ごにん)(あつ)まつて
275(くさ)相談(さうだん)谷底(たにそこ)でするも』
276テク『お(とら)さま手管(てくだ)(いと)繰返(くりかへ)
277マリヤの(はら)()かむとぞする』
278ツーロ『つらうても(かれ)()めなら(まち)()
279(いや)演説(えんぜつ)せねばなるまい』
280 お(とら)は、
281『さア(はや)(この)()()つて(かへ)りませう
282(はな)霊城(れいじやう)()つて()るだろ』
283()(なが)ら、284(わが)営所(たむろ)()して一行(いつかう)五人(ごにん)(かへ)()く。
285大正一四・八・一九 旧六・三〇 於由良秋田別荘 加藤明子録)