霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第五章 忍ケ丘(しのぶがをか)〔一九六一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻 篇:第1篇 波濤の神光 よみ:はとうのしんこう
章:第5章 忍ケ丘 よみ:しのぶがおか 通し章番号:1961
口述日:1933(昭和8)年12月20日(旧11月4日) 口述場所:大阪分院蒼雲閣 筆録者:白石恵子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年5月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
朝香比女の神一行は、果て無き焼け野が原を馬にまたがって進んでいった。すると、野原の真中に小さな丘があって、常盤木の松が数千本、野火に焼かれず青々と残っていた。
一行はここに長旅の疲れを休めようと馬をつなぎ、丘の上から大野が原の国見をした。すると、いづこからともなく、悲しげな声が次々に聞こえてきた。
朝香比女は、四方を見回しながら、歌を歌い、自分は天津高宮からやってきた御樋代神であるから、心安く姿を現すように訴えた。
すると、丘の南側を穿って住処にしていた数十の国津神たちがつぎつぎに現れて礼拝した。
国津神たちは、グロノス、ゴロスに虐げられ、穴に住んで日々を送ってきたのであった。
国津神の野槌彦は、このたびの野火に曲神は逃げ去ったけれど、母が火に傷つけられ苦しんでいる、と訴えた。
朝香比女は憐れに思い、野槌彦が背負ってきた老母に天之数歌を歌い息吹いた。すると、焼け爛れた老母の頭部顔面は元に戻り、髪は黒くよみがえった。
老母と野槌彦は喜び、朝香比女に感謝の歌を歌った。朝香比女の神は、いかに曲津神の禍が強くとも、天の数歌の言霊で祓うように諭した。
野槌彦は喜んで、かつてはこの丘の鶴の休む松を神として祭っていたが、これからは主の大神を斎き祭ろう、と誓った。
野槌姫は、この丘は忍ヶ丘といい、国津神一行は十数年前に竜の島というところから、やはり曲津神を避けてやってきたのだが、再び曲津神に侵されてしまっていたのだ、と由来を語った。
初頭比古は、このような荒れた曲神の島に国津神たちが先住していたことにき、この島の御樋代神・葦原比女の行方を慮った。そして、忍ヶ丘からはるかに眺めて、沼を見つけた。
野槌彦は、あの沼こそ大蛇が棲む沼であり、黒煙を朝夕吐き出しているのだ、と歌った。そして、神々一行に大蛇の征服を願った。朝香比女は、もう夕方に近いので、征途を明日に定めて国津神たちの館に休むこととした。
野槌彦は、真鶴が巣くう松だけ残して、他の松を柱にして、忍ヶ丘のいただきに主の神を祭る宮居を造ることを誓った。
主な登場人物: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:
愛善世界社版: 八幡書店版:第14輯 51頁 修補版: 校定版:84頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 朝香比女(あさかひめ)(かみ)一行(いつかう)は、002際限(さいげん)もなき焼野ケ原(やけのがはら)馬背(ばはい)(またが)(すす)ませ(たま)(をり)もあれ、003野原(のはら)真中(まんなか)(ちひ)さき(をか)ありて、004常磐樹(ときはぎ)(まつ)数千本(すうせんぼん)005野火(のび)(ほのほ)にも()かれず、006青々(あをあを)(しげ)()たりける。
007 (ここ)一行(いつかう)長途(ちやうと)(つか)れを(やす)めむと、008(こま)一々(いちいち)常磐樹(ときはぎ)(みき)(つな)ぎつつ、009際限(さいげん)もなき大野ケ原(おほのがはら)国見(くにみ)(たま)ひける(をり)しも、010いづくともなく(かな)しき(こゑ)つぎつぎに(きこ)(きた)るにぞ、011朝香比女(あさかひめ)(かみ)(あや)しみに()へず、012四辺(あたり)()まはしながら御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
013百鳥(ももとり)(こゑ)にもあらず駿馬(はやこま)
014(いなな)きならず(あや)しき(こゑ)すも
015ひそびそと(なげ)(かな)しむ(こゑ)すなり
016国津神等(くにつかみら)のひそみゐるにや
017(はな)ちたる野火(のび)(ほのほ)()()かれ
018国津神等(くにつかみら)(なげ)(こゑ)にや
019国津神(くにつかみ)これの近処(ちかど)()みまさば
020とくに()でませよ(なぐさ)めくれむ
021(われ)こそは天津高宮(あまつたかみや)天降(あも)りてし
022御樋代神(みひしろがみ)(こころ)(やす)かれ
023曲神(まがかみ)をきため(ほろ)ぼし国津神(くにつかみ)
024(やす)きを(まも)(われ)(かみ)なり』
025 ()(うた)ひたまふや、026(をか)南側(みなみがは)穿(うが)ちて此処(ここ)安処(やすど)永住(えいぢう)し、027附近(ふきん)野辺(のべ)(ひら)きて、028穀物(たなつもの)()(そだ)てつつ、029(やす)生活(せいくわつ)(おく)(きた)りし数十柱(すうじふばしら)国津神(くにつかみ)男女(だんぢよ)は、030(あり)(あな)()づるがごとく、031つぎつぎに神言(みこと)(まへ)(あつま)(きた)り、032恭敬礼拝(きようけいらいはい)(ひさ)しうし、033(うた)もて(こた)へらく、
034(われ)こそはこの島ケ根(しまがね)永久(とは)()
035国津神等(くにつかみら)(むれ)なりにけり
036朝夕(あさゆふ)にグロノス、ゴロスの曲神(まがかみ)
037(しひた)げられて(あな)()むなり
038神々(かみがみ)御稜威(みいづ)曲津(まが)()げしかども
039(わが)ははそはの(はは)(きず)つけり
040(わが)(はは)(けむり)にまかれかしらべの
041(かみ)ことごとく()かれてなやめり
042(たま)()(いのち)如何(いかが)(おも)ふまで
043ははそはの(はは)はなやませ(たま)ひぬ
044()(かみ)(めぐ)みによりて(わが)(はは)
045なやみを(ただ)()やさせ(たま)はれ』
046 朝香比女(あさかひめ)(かみ)はこれを()きて(あは)れみ(たま)ひ、
047()()けて(きず)つきし(なれ)(はは)()
048ただに()やさむここに()でませ
049曲津見(まがつみ)伊猛(いたけ)国土(くに)今日(けふ)よりは
050(やす)(たの)しく(さか)えゆくべし』
051 ()(うた)(たま)ふや、052国津神(くにつかみ)野槌彦(ぬづちひこ)は、053(いそ)土穴(つちあな)にむぐり()り、054頭髪(とうはつ)()(ただ)れて(くる)しみ(もだ)ゆる老母(らうぼ)(せな)()ひ、055御前(みまへ)(なみだ)ながらに(すす)()り、
056『ははそはの(はは)(きず)つき(たま)ひけり
057(いのち)のほどもはかられぬまでに』
058 朝香比女(あさかひめ)(かみ)は、059(ただ)ちに数歌(かずうた)()(たま)ひつつ伊吹(いぶ)(たま)へば、060老母(らうぼ)()(ただ)れたる頭部(とうぶ)顔面(がんめん)(もと)(ごと)くに()()るをさまり、061頭髪(とうはつ)(うるし)(ごと)黒々(くろぐろ)(またた)(うち)(わか)()(ごと)()()ちにける。
062 老母(らうぼ)(うれ)しさに()へず、
063不思議(ふしぎ)なる野火(のび)()かれてなやみてし
064(われ)もとのごと(やす)くなりぬる
065天津神(あまつかみ)(うづ)(めぐ)みに(たす)けられて
066(わが)気魂(からたま)はよみがへりつも
067比女神(ひめがみ)(めぐ)みは永久(とは)(わす)れまじ
068(あめ)(つち)との(つづ)(かぎ)りは』
069 野槌彦(ぬづちひこ)感謝(かんしや)(うた)をうたふ。
070野槌彦(ぬづちひこ)われは(ひさ)しくこの(をか)
071()きて(はじ)めて真火(まひ)()たりき
072天津神(あまつかみ)(ひかり)()ゆるこの真火(まひ)
073すべての曲津(まが)(ほろ)()すらむ
074わが(はは)生言霊(いくことたま)(さち)はひに
075神魂(みたま)(やす)けくなりにけらしな
076この(めぐみ)いつの()にかは(わす)れむや
077御樋代神(みひしろがみ)(ひか)(あふ)ぎつ』
078 朝香比女(あさかひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
079国津神(くにつかみ)日々(ひび)(わざはひ)(のぞ)かむと
080大野ケ原(おほのがはら)()(はな)ちつる
081(わが)(はな)真火(まひ)()かれて()(はは)
082なやみし(おも)へばあはれなりけり
083曲津見(まがつみ)(わざはひ)如何(いか)(つよ)くとも
084(あま)数歌(かずうた)()りて(はら)へよ
085(ひと)(ふた)()()(いつ)(むゆ)(なな)()(ここの)(たり)
086百千万(ももちよろづ)言霊(ことたま)()らさへ』
087 野槌彦(ぬづちひこ)(うた)ふ。
088有難(ありがた)天津御神(あまつみかみ)神宣(みことのり)
089国津神等(くにつかみら)(つた)へて()きむ
090(はて)しなき大野ケ原(おほのがはら)のただ(なか)
091永久(とは)住処(すみか)(さだ)めし(をか)かも
092この(をか)()ふる常磐(ときは)松ケ枝(まつがえ)
093(つる)(きた)りて時々(ときどき)(やす)むも
094めでたかる常磐(ときは)(まつ)(かみ)として
095国津神等(くにつかみら)(いつ)きまつりし
096今日(けふ)よりは(むかし)手振(てぶり)(あらた)めて
097()大神(おほかみ)(いつ)きまつらむ
098有難(ありがた)神世(みよ)となりけり久方(ひさかた)
099高日(たかひ)(みや)(かみ)天降(あも)りまして
100(うれ)しさの(かぎ)りなきかな黒雲(くろくも)
101御空(みそら)()れつつ(かみ)天降(あも)れり
102(たがや)しの(わざ)(そこな)曲津見(まがつみ)
103焼野ケ原(やけのがはら)()(すべ)なけむ』
104 野槌姫(ぬづちひめ)野槌彦(ぬづちひこ)のしりへに(うづくま)りつつ、105感謝(かんしや)(うた)()む。
106有難(ありがた)(かみ)御稜威(みいづ)()らされて
107(はは)(やまひ)はをさまりにけり
108今日(けふ)よりは(かみ)(つた)へし数歌(かずうた)
109(あさ)(ゆふ)なに(たた)(まつ)らむ
110この(をか)永久(とは)()まへる国津神(くにつかみ)
111(かみ)御稜威(みいづ)永久(とは)(たた)へむ
112御諭(みさと)しの(あま)数歌(かずうた)日並(けなら)べて
113()りあげにつつ曲津(まが)(はら)はむ
114この(をか)忍ケ丘(しのぶがをか)(とな)ふなり
115曲津(まが)(すさ)びを(しの)びて()めば
116この(しま)(ひら)かむとして十年前(ととせまへ)
117(たつ)(しま)より(わた)()しはや
118(たつ)(しま)岩石(がんせき)(おほ)(つち)()せて
119(しこ)曲津(まがつ)棲処(すみか)なりける
120曲津見(まがつみ)(たけ)びを()けて(この)(しま)
121(うつ)りつまたも曲津(まが)(をか)されし』
122 初頭比古(うぶがみひこ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
123国津神(くにつかみ)のはや()ますとは()らざりき
124この()れはてし曲津見(まがみ)(しま)
125()(かみ)(うづ)経綸(しぐみ)(たふと)さを
126国津神等(くにつかみら)住居(すみゐ)()しかな
127御樋代(みひしろ)葦原比女(あしはらひめ)神司(みつかさ)
128いづくにますか(こころ)もとなや
129あまりにも()れはてにつる(しま)なれば
130御樋代神(みひしろがみ)(もだ)しゐにけむ
131わが(きみ)(いさを)にこれの国津神(くにつかみ)
132火傷(やけど)(たちま)ちをさまりしはや
133言霊(ことたま)御稜威(みいづ)(かしこ)数歌(かずうた)
134(ひかり)(かみ)永久(とは)()かせる
135(はて)しなき千里(せんり)野辺(のべ)(わた)()
136国津神(くにつかみ)()(をか)()きぬる
137常磐樹(ときはぎ)(まつ)青々(あをあを)(しげ)りたる
138忍ケ丘(しのぶがをか)(なが)めよろしも
139目路(めぢ)(とほ)(かがや)くものは池水(いけみづ)
140一鞭(ひとむち)()せて()とどけむと(おも)ふ』
141 野槌彦(ぬづちひこ)(うた)ふ。
142目路(めぢ)はろか(しろ)(かがや)(かがみ)こそ
143大蛇(をろち)()みし(ぬま)なりにけり
144朝夕(あさゆふ)大蛇(をろち)(ぬま)(ひそ)みつつ
145(くろ)(けむり)()きいだすなり
146沼底(ぬまぞこ)にひそむ大蛇(をろち)諸神(ももがみ)
147御稜威(みいづ)にきため(たま)へと(いの)るも』
148 起立比古(おきたつひこ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
149『グロノスもゴロスも(ぬま)(ひそ)みゐて
150この島ケ根(しまがね)(けが)すなるらむ
151黄昏(たそがれ)にまた()もあれば一走(ひとはしり)
152(こま)(むち)うち(われ)(すす)まばや』
153 朝香比女(あさかひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
154(ぬま)()(すす)まむ(みち)はいや(とほ)
155明日(あす)にせよかし(ゆふ)(ちか)ければ
156()(かく)今宵(こよひ)忍ケ丘(しのぶがをか)()ねて
157無限(むげん)勇気(ゆうき)(やしな)はむかな』
158 起立比古(おきたつひこ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
159(わが)(きみ)神言(みこと)(かしこ)みいざさらば
160曲津見(まがみ)征伐(きため)明日(あす)()ばさむ
161国津神(くにつかみ)(もも)のなやみを(はら)ふべく
162(すす)まむ明日(あす)のたのもしきかな
163昼月(ひるづき)のかげは(やうや)吾上(わがうへ)
164(うづ)(ひかり)()げさせ(たま)へり
165天津(あまつ)()波間(なみま)にかくれ(たま)ふとも
166(つき)(ひかり)(よる)(あか)るき』
167 立世比女(たつよひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
168(とき)じくに黒雲(くろくも)()きし島ケ根(しまがね)
169生言霊(いくことたま)(きよ)まりしはや
170(ぬま)(そこ)(ひそ)める(しこ)曲神(まがかみ)
171退(やら)ひて(すす)まむ明日(あす)聖所(すがど)へ』
172 天晴比女(あめはれひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
173(あめ)(つち)(きよ)()れたり今宵(こよひ)はも
174忍ケ丘(しのぶがをか)にあかつき()たむか
175天津(あまつ)()(やうや)(うみ)(かたむ)きつ
176黄昏(たそがれ)(まく)(せま)()るかも
177大空(おほぞら)(つき)(ひかり)(ちから)とし
178荒野(あらの)()てに小夜(さよ)(ねむ)らむ
179国津神(くにつかみ)数多(あまた)(つど)へるこの(をか)
180(こま)もろともに(よる)(まも)らむ』
181 野槌彦(ぬづちひこ)(うた)ふ。
182五柱(いつはしら)(たふと)(かみ)心安(うらやす)
183わが()(たち)(やす)らはせませ
184天降(あも)りましし(かみ)姿(すがた)(たふと)さに
185国津神等(くにつかみら)(かしこ)みてをり
186(かほ)()げて()(をが)むさへ(かしこ)しと
187国津神等(くにつかみら)(うつ)ぶしにつつ
188今日(けふ)よりは(かみ)(いさを)()らされて
189国津神(くにつかみ)たち(やす)(さか)えむ
190(われ)(いま)これの(つど)ひの(つかさ)とし
191(たがや)しの(わざ)日々(ひび)(つか)ふる
192穀物(たなつもの)これの島根(しまね)にみちみちて
193国津神等(くにつかみら)(さか)えをたまへ
194今日(けふ)よりは忍ケ丘(しのぶがをか)(いただき)
195(かみ)御舎(みあらか)つかへ(まつ)らむ』
196 初頭比古(うぶがみひこ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
197国津神(くにつかみ)言葉(ことば)(うべ)なり()(かみ)
198(うづ)御舎(みあらか)ここにつかへよ
199()(かみ)をあした(ゆふ)なに(いつ)きつつ
200生言霊(いくことたま)朝夕(あさゆふ)()
201()(かみ)御霊(みたま)(いつ)きしあかつきは
202(もも)曲津見(まがみ)もさやらざるべし』
203 野槌彦(ぬづちひこ)(うた)ふ。
204有難(ありがた)御供(みとも)(かみ)神宣(みことのり)
205(かしこ)(いつ)(つか)(まつ)らむ
206この(をか)()(しげ)りたる常磐樹(ときはぎ)
207()(すか)しつつ御舎(みあらか)つかへむ
208(はる)されば数多(あまた)真鶴(まなづる)(つど)()
209(こずゑ)()ぐひ()()みてゆくも
210真鶴(まなづる)()ぐふ常磐樹(ときはぎ)(のこ)()きて
211御柱(みはしら)()りて宮居(みやゐ)(つく)らむ』
212 朝香比女(あさかひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
213百神(ももがみ)国津神(くにつかみ)たちいざさらば
214今宵(こよひ)(やす)(ねむ)りにつかむ
215駿馬(はやこま)(つか)れけるにや(いなな)きて
216(まつ)()かげに足掻(あが)きして()
217(こま)(こま)(はや)(やす)めよ明日(あす)はまた
218(なれ)(ちから)(われ)()るべし』
219 ()(うた)(たま)ふや、220御供(みとも)(かみ)国津神(くにつかみ)五頭(ごとう)(こま)も、221月下(げつか)(をか)()らされながら、222平和(へいわ)(ゆめ)(むす)びける。
223昭和八・一二・二〇 旧一一・四 於大阪分院蒼雲閣 白石恵子謹録)