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第61巻(子の巻)
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第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
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第4巻(卯の巻)
序
凡例
総説
第1篇 八洲の川浪
01 常世会議
〔151〕
02 聖地の会議
〔152〕
03 使臣の派遣
〔153〕
04 乱暴な提案
〔154〕
05 議場の混乱
〔155〕
06 怪また怪
〔156〕
07 涼風凄風
〔157〕
第2篇 天地暗雲
08 不意の邂逅
〔158〕
09 大の字の斑紋
〔159〕
10 雲の天井
〔160〕
11 敬神の自覚
〔161〕
12 横紙破り
〔162〕
13 再転再落
〔163〕
14 大怪物
〔164〕
15 出雲舞
〔165〕
第3篇 正邪混交
16 善言美辞
〔166〕
17 殺風景
〔167〕
18 隠忍自重
〔168〕
19 猿女の舞
〔169〕
20 長者の態度
〔170〕
21 敵本主義
〔171〕
22 窮策の替玉
〔172〕
第4篇 天地転動
23 思ひ奇やその一
〔173〕
24 思ひ奇やその二
〔174〕
25 燕返し
〔175〕
26 庚申の眷属
〔176〕
27 阿鼻叫喚
〔177〕
28 武器制限
〔178〕
第5篇 局面一転
29 月雪花
〔179〕
30 七面鳥
〔180〕
31 傘屋の丁稚
〔181〕
32 免れぬ道
〔182〕
第6篇 宇宙大道
33 至仁至愛
〔183〕
34 紫陽花
〔184〕
35 頭上の冷水
〔185〕
36 天地開明
〔186〕
37 時節到来
〔187〕
38 隙行く駒
〔188〕
第7篇 因果応報
39 常世の暗
〔189〕
40 照魔鏡
〔190〕
41 悪盛勝天
〔191〕
42 無道の極
〔192〕
第8篇 天上会議
43 勧告使
〔193〕
44 虎の威
〔194〕
45 あゝ大変
〔195〕
第9篇 宇宙真相
46 神示の宇宙その一
〔196〕
47 神示の宇宙その二
〔197〕
48 神示の宇宙その三
〔198〕
49 神示の宇宙その四
〔199〕
50 神示の宇宙その五
〔200〕
附録 第二回高熊山参拝紀行歌
余白歌
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総説
(
そうせつ
)
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
篇:
前付
よみ(新仮名遣い):
章:
総説
よみ(新仮名遣い):
そうせつ
通し章番号:
口述日:
1921(大正10)年12月16日(旧11月18日)
口述場所:
筆録者:
出口瑞月
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年3月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
神言にあるように、古来神々は天の八洲の河原に集って神界の一大事を協議された。その際、神の第一の生命というべき言霊を極力応用されたのである。
本巻は主として、常世城における太古の神人の会議について述べている。神々は言葉を持って生命としているので、議論が延々と続いているのも不思議はない。
宇宙中にも、大神の言霊が常に鳴り響いていて、止まないのである。ただ常人の耳に聞こえていないだけである。
ゆえに、神々の会議である常世会議で、議論が百出したとしてもやむをえない次第である。ここにはただ、そのうちの一部を述べたに過ぎない。人知ではとうてい神々の行為を完全にうかがい知ることは不可能であることを知るべきである。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-02-18 18:28:14
OBC :
rm040003
愛善世界社版:
1頁
八幡書店版:
第1輯 370頁
修補版:
校定版:
3頁
普及版:
1頁
初版:
ページ備考:
派生
[?]
この文献を底本として書かれたと思われる文献です。
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:
出口王仁三郎全集 > 第一巻 皇道編 > 第七篇 高天原 > 第七章 天地創成の言霊
001
吾人
(
ごじん
)
が
朝夕
(
あさゆふ
)
神前
(
しんぜん
)
に
拝跪
(
はいき
)
して
奏上
(
そうじやう
)
したてまつる
神言
(
かみごと
)
の
本文
(
ほんぶん
)
には、
002
『
高天原
(
たかあまはら
)
に
神集
(
かみつま
)
ります、
003
皇親
(
すめらがむつ
)
神漏岐
(
かむろぎ
)
神漏美
(
かむろみ
)
の
神言
(
みこと
)
以
(
もち
)
て
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
を
神集
(
かむつど
)
へに
集
(
つど
)
へたまひ、
004
神議
(
かむはか
)
りに
議
(
はか
)
り
玉
(
たま
)
ひて、
005
吾
(
あが
)
皇御孫
(
すめみまの
)
命
(
みこと
)
は
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
瑞穂
(
みずほ
)
の
国
(
くに
)
を
安国
(
やすくに
)
と
平
(
たひら
)
けく
知食
(
しろしめ
)
せと
言依
(
ことよ
)
さし
奉
(
まつ
)
りき。
006
かく
依
(
よ
)
さし
奉
(
まつ
)
りし
国中
(
くぬち
)
に
荒
(
あら
)
ぶる
神
(
かみ
)
どもをば、
007
神問
(
かむと
)
はしに
問
(
と
)
はし
玉
(
たま
)
ひ、
008
神払
(
かむはら
)
ひに
払
(
はら
)
ひ
玉
(
たま
)
ひて
言問
(
ことと
)
ひし
岩根
(
いはね
)
木根
(
きね
)
立草
(
たちくさ
)
の
片葉
(
かきは
)
をも
言止
(
ことや
)
めて、
009
天
(
あめ
)
の
磐位
(
いはくら
)
放
(
はな
)
ち
天
(
あめ
)
の
八重雲
(
やへくも
)
を
伊都
(
いづ
)
の
千別
(
ちわき
)
に
千別
(
ちわき
)
て
聞食
(
きこしめ
)
さむ
云々
(
うんぬん
)
』
010
と
天
(
あめの
)
児屋根
(
こやねの
)
命
(
みこと
)
以来
(
いらい
)
皇国
(
くわうこく
)
に
伝
(
つた
)
はつた
神言
(
かみごと
)
のごとく、
011
神々
(
かみがみ
)
は
天
(
あま
)
の
八洲
(
やす
)
の
河原
(
かはら
)
に
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
を
集
(
あつ
)
めて、
012
神界
(
しんかい
)
の
一大事
(
いちだいじ
)
を
協議
(
けふぎ
)
されたることは
明白
(
めいはく
)
な
活
(
い
)
きたる
事実
(
じじつ
)
であります。
013
約幹伝
(
よはねでん
)
首章
(
しゆしやう
)
には、
014
『
太初
(
はじめ
)
に
道
(
ことば
)
あり
道
(
ことば
)
は
神
(
かみ
)
なり、
015
神
(
かみ
)
は
道
(
ことば
)
と
倶
(
とも
)
にありき。
016
万物
(
ばんぶつ
)
之
(
これ
)
に
依
(
よ
)
りて
造
(
つく
)
らる、
017
造
(
つく
)
られたるもの
之
(
これ
)
に
依
(
よ
)
らざるはなし
云々
(
うんぬん
)
』
018
とあるごとく、
019
真正
(
しんせい
)
の
神
(
かみ
)
はアオウエイの
五大
(
ごだい
)
父音
(
ふおん
)
とカサタナハマヤラワの
九大
(
くだい
)
母音
(
ぼおん
)
とをもつて、
020
宇宙
(
うちう
)
万有
(
ばんいう
)
を
生成
(
せいせい
)
化育
(
くわいく
)
したまふたのであります。
021
ゆゑに
凡
(
すべ
)
ての
神々
(
かみがみ
)
は
言葉
(
ことば
)
をもつて
神
(
かみ
)
の
生命
(
せいめい
)
活力
(
くわつりよく
)
となしたまふのであつて、
022
神界
(
しんかい
)
の
混乱
(
こんらん
)
紛糾
(
ふんきう
)
を
鎮定
(
ちんてい
)
するために
高天原
(
たかあまはら
)
の
天
(
あま
)
の
安
(
やす
)
の
河原
(
かはら
)
に
神集
(
かむつど
)
ひを
遊
(
あそ
)
ばしたのであります。
023
そして
各
(
おのおの
)
神
(
かみ
)
の
意志
(
いし
)
を
表白
(
へうはく
)
するために、
024
第一
(
だいいち
)
の
生命
(
いのち
)
ともいふべき
言霊
(
ことたま
)
の
神器
(
しんき
)
を
極力
(
きよくりよく
)
応用
(
おうよう
)
されたのであります。
025
現代
(
げんだい
)
のごとく
自由
(
じいう
)
だとか、
026
平等
(
べうどう
)
だとか
言
(
い
)
つて
誰
(
たれ
)
もかれも
祝詞
(
のりと
)
に
所謂
(
いはゆる
)
「
草
(
くさ
)
の
片葉
(
かきは
)
に
至
(
いた
)
るまで
言問
(
こととひ
)
」すなはち
論議
(
ろんぎ
)
するやうになつては
神界
(
しんかい
)
現界
(
げんかい
)
ともに
平安
(
へいあん
)
に
治
(
をさ
)
まるといふことは、
027
望
(
のぞ
)
まれないのであります。
028
本巻
(
ほんくわん
)
は
主
(
しゆ
)
として、
029
常世国
(
とこよのくに
)
の
常世城
(
とこよじやう
)
における
太古
(
たいこ
)
の
神人
(
しんじん
)
の
会議
(
くわいぎ
)
についての
物語
(
ものがたり
)
が、
030
その
大部分
(
だいぶぶん
)
を
占
(
し
)
めてをります。
031
八百万
(
やほよろづ
)
の
神人
(
かみがみ
)
の
種々
(
しゆじゆ
)
の
意見
(
いけん
)
や
論争
(
ろんそう
)
が
述
(
の
)
べてありますが、
032
ある
一部
(
いちぶ
)
の
人士
(
じんし
)
は、
033
「
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
といふものは
議論
(
ぎろん
)
ばかりしてをるものだなあ」と
怪訝
(
くわいが
)
の
念
(
ねん
)
にかられた
方
(
かた
)
があるやうですが、
034
すべて
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
前述
(
ぜんじゆつ
)
のごとく
言葉
(
ことば
)
(
道
(
ことば
)
)をもつて
生命
(
せいめい
)
となしたまふものであるから、
035
言霊
(
ことたま
)
の
幸
(
さち
)
はふ
国
(
くに
)
、
036
言霊
(
ことたま
)
の
生
(
い
)
ける
国
(
くに
)
、
037
言霊
(
ことたま
)
の
助
(
たす
)
くる
国
(
くに
)
、
038
言霊
(
ことたま
)
の
清
(
きよ
)
き
国
(
くに
)
、
039
言霊
(
ことたま
)
の
天照国
(
あまてるくに
)
と
古来
(
こらい
)
いはれてあるのであります。
040
ゆゑに
本巻
(
ほんくわん
)
の
大半
(
たいはん
)
は
常世
(
とこよ
)
会議
(
くわいぎ
)
の
大要
(
たいえう
)
と、
041
神人
(
かみがみ
)
らの
侃々
(
かんかん
)
諤々
(
がくがく
)
の
大議論
(
だいぎろん
)
で
埋
(
うづ
)
まつてをるといつてよいくらゐであります。
042
宇宙
(
うちう
)
万有
(
ばんいう
)
一切
(
いつさい
)
を
無限
(
むげん
)
絶対
(
ぜつたい
)
、
043
無始
(
むし
)
無終
(
むしう
)
の
全能力
(
ぜんのうりよく
)
をもつて
創造
(
さうざう
)
したまひし
独一
(
どくいつ
)
真神
(
しんしん
)
なる
大国治立
(
おほくにはるたちの
)
尊
(
みこと
)
は、
044
最初
(
さいしよ
)
に
五大
(
ごだい
)
父音
(
ふおん
)
と
九大
(
くだい
)
母音
(
ぼおん
)
を
形成
(
けいせい
)
して
天業
(
てんげふ
)
を
開始
(
かいし
)
されし
以来
(
いらい
)
、
045
今日
(
こんにち
)
にいたるまで
一秒時
(
いちべうじ
)
といへども、
046
その
言霊
(
ことたま
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
休止
(
きうし
)
されたことはないのである。
047
万々一
(
まんまんいち
)
、
048
一
(
いつ
)
分間
(
ぷんかん
)
にてもその
活動
(
くわつどう
)
を
休止
(
きうし
)
したまふことあらば、
049
宇宙
(
うちう
)
はたちまち
潰滅
(
くわいめつ
)
し、
050
天日
(
てんじつ
)
も、
051
太陰
(
たいいん
)
も、
052
大地
(
だいち
)
も、
053
列星
(
れつせい
)
もたちまちその
中心
(
ちうしん
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
054
つひには
大宇宙
(
だいうちう
)
の
破壊
(
はくわい
)
を
来
(
きた
)
すのである。
055
宇宙
(
うちう
)
には
常住
(
じやうぢう
)
不断
(
ふだん
)
的
(
てき
)
にアオウエイの
五大
(
ごだい
)
父音
(
ふおん
)
が、
056
巨大
(
きよだい
)
なる
音響
(
おんきやう
)
をたてて、
057
とどろき
渡
(
わた
)
つてゐるのであります。
058
されど
諺
(
ことわざ
)
にいふごとく「
大声
(
たいせい
)
は
耳裡
(
じり
)
に
入
(
い
)
らず」
人間
(
にんげん
)
の
聴覚
(
ちやうかく
)
にはあまりに
巨大
(
きよだい
)
にして、
059
却
(
かへつ
)
て
感覚
(
かんかく
)
せないのであります。
060
巨大
(
きよだい
)
なる
音響
(
おんきやう
)
と、
061
微細
(
びさい
)
なる
音響
(
おんきやう
)
は
人間
(
にんげん
)
の
耳
(
みみ
)
に
入
(
い
)
らないのは、
062
音響学
(
おんきやうがく
)
の
精神
(
せいしん
)
である。
063
されど
人
(
ひと
)
もし
大宇宙
(
だいうちう
)
の
五大
(
ごだい
)
父音
(
ふおん
)
を
聞
(
き
)
かむとせば、
064
両手
(
りやうて
)
の
指
(
ゆび
)
をもつて
耳
(
みみ
)
の
穴
(
あな
)
をふさぎみよ、
065
轟々
(
ぐわうぐわう
)
たる
音響
(
おんきやう
)
を
聞
(
き
)
くことを
得
(
え
)
む。
066
これぞ
大宇宙
(
だいうちう
)
に
不断
(
ふだん
)
とどろき
渡
(
わた
)
れる
声音
(
せいおん
)
そのままである。
067
今日
(
こんにち
)
文明
(
ぶんめい
)
の
利器
(
りき
)
たる
諸々
(
もろもろ
)
の
機械
(
きかい
)
といへども、
068
その
運転
(
うんてん
)
活動
(
くわつどう
)
するあひだは
各自
(
かくじ
)
に
相当
(
さうたう
)
の
音響
(
おんきやう
)
を
発
(
はつ
)
してをる。
069
かかる
無生機物
(
むせいきぶつ
)
の
器械
(
きかい
)
といへども、
070
音響
(
おんきやう
)
の
休止
(
きうし
)
したときは、
071
すなわち
機関
(
きくわん
)
の
休止
(
きうし
)
した
時
(
とき
)
である。
072
况
(
いは
)
むや
宇宙
(
うちう
)
の
大機関
(
だいきくわん
)
の
運転
(
うんてん
)
に
於
(
おい
)
てをやである。
073
宇宙
(
うちう
)
のアオウエイの
五大
(
ごだい
)
父音
(
ふおん
)
は、
074
すなはち
造物主
(
ざうぶつしゆ
)
なる
真
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
生
(
い
)
ける
御声
(
みこゑ
)
であつて、
075
真神
(
しんしん
)
は
絶
(
た
)
えず
言語
(
げんご
)
を
発
(
はつ
)
して
宇宙
(
うちう
)
の
進化
(
しんくわ
)
と
運行
(
うんかう
)
と
保持
(
ほぢ
)
に
努力
(
どりよく
)
されつつあるのであります。
076
その
真神
(
しんしん
)
の
分霊
(
ぶんれい
)
、
077
分力
(
ぶんりよく
)
、
078
分体
(
ぶんたい
)
を
受
(
う
)
けたる
神人
(
しんじん
)
は、
079
言語
(
げんご
)
のもつとも
多
(
おほ
)
きは
当然
(
たうぜん
)
である。
080
世人
(
せじん
)
は
神
(
かみ
)
といへば
常
(
つね
)
に
沈黙
(
ちんもく
)
を
永遠
(
ゑいゑん
)
に
続
(
つづ
)
けてゐるものと
考
(
かんが
)
へ、
081
黙々
(
もくもく
)
として
天
(
てん
)
答
(
こた
)
へず、
082
寂
(
せき
)
として
地
(
ち
)
語
(
かた
)
らずなどといつて、
083
唐人
(
たうじん
)
の
寝言
(
ねごと
)
を
信
(
しん
)
じてゐるものの
多
(
おほ
)
いのは、
084
実
(
じつ
)
に
天地
(
てんち
)
の
真理
(
しんり
)
と、
085
その
無限
(
むげん
)
の
神力
(
しんりき
)
を
悟
(
さと
)
らない
迂愚
(
うぐ
)
の
極
(
きよく
)
であります。
086
常世
(
とこよ
)
会議
(
くわいぎ
)
における
神人
(
かみがみ
)
らの
議論
(
ぎろん
)
の
百出
(
ひやくしゆつ
)
したるも、
087
神人
(
しんじん
)
の
会議
(
くわいぎ
)
としては
実
(
じつ
)
に
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ないのである。
088
王仁
(
おに
)
は
常世
(
とこよ
)
会議
(
くわいぎ
)
の
神人
(
かみがみ
)
らの
論説
(
ろんせつ
)
を、
089
一々
(
いちいち
)
詳細
(
しやうさい
)
に
記
(
しる
)
せば
数千
(
すうせん
)
頁
(
ページ
)
を
費
(
つひや
)
すも
足
(
た
)
りないから、
090
ただその
一部分
(
いちぶぶん
)
を
述
(
の
)
べたにすぎませぬ。
091
恰
(
あたか
)
も
九牛
(
きうぎう
)
の
一毛
(
いちまう
)
、
092
大海
(
たいかい
)
の
一滴
(
いつてき
)
にも
及
(
およ
)
ばない
量
(
りやう
)
であります。
093
『至聖大賢斯民所称、
094
神眼視之未尽全美、
095
況乎其他哉、
096
故先霊不能守後魂必矣』
[
※
これは本田親徳・著『道の大原』の中の一節である。『神霊界』大正8年(1919年)9月1日号(道の大原号)に、「出口王仁 和訳」が収録されているが、そこの訳文は「
至聖
(
しせい
)
大賢
(
たいけん
)
斯
(
これ
)
民
(
たみ
)
の
称
(
しよう
)
する
所
(
ところ
)
、
神眼
(
しんがん
)
之
(
これ
)
を
視
(
み
)
る、
未
(
いま
)
だ
善美
(
ぜんび
)
を
尽
(
つく
)
さず。
況
(
いは
)
んや
其
(
その
)
他
(
た
)
に
於
(
おい
)
てをや。
故
(
ゆゑ
)
に
先霊
(
せんれい
)
後魂
(
こうこん
)
を
守
(
まも
)
る
能
(
あた
)
はざるや
必
(
ひつ
)
せり。」
]
097
と
先師
(
せんし
)
本田
(
ほんだ
)
言霊彦
(
ことたまひこの
)
命
(
みこと
)
[
※
「言霊彦命」は本田親徳の神名。
]
の
喝破
(
かつぱ
)
されたるごとく、
098
現代
(
げんだい
)
の
人間
(
にんげん
)
の
眼
(
まなこ
)
から
見
(
み
)
た
聖賢者
(
せいけんしや
)
、
099
哲人
(
てつじん
)
も
神
(
かみ
)
の
眼
(
め
)
より
見
(
み
)
そなはしたまへば、
100
不完全
(
ふくわんぜん
)
きはまるものである。
101
また
同師
(
どうし
)
著
(
ちよ
)
、
102
『
道
(
みち
)
の
大原
(
たいげん
)
』にも、
103
『万物之中也者有形之中也。
104
其中可測、
105
神界之中也者無形之中也。
106
其中不可測。
107
勿混語。
108
』
[
※
同じく『道の大原』の一節。王仁三郎の訳文は「
万物
(
ばんぶつ
)
の
中
(
ちゆう
)
は
有形
(
ゆうけい
)
の
中
(
ちゆう
)
なり、
其
(
その
)
中
(
ちゆう
)
測
(
はか
)
る
可
(
べ
)
し。
神界
(
しんかい
)
の
中
(
ちゆう
)
は
無形
(
むけい
)
の
中
(
ちゆう
)
なり、
其
(
その
)
中
(
ちゆう
)
測
(
はか
)
る
可
(
べ
)
からず、
混
(
こん
)
じて
語
(
かた
)
ること
勿
(
なか
)
れ。」
]
109
とあり。
110
また、
111
『漢人所謂中庸中和大中、
112
其中者与神府之中迥別、
113
勿同視』
[
※
同じく『道の大原』の一節。王仁三郎の訳文は「
漢人
(
かんじん
)
の
所謂
(
いはゆる
)
中庸
(
ちゆうよう
)
、
中和
(
ちゆうわ
)
、
大中
(
だいちゆう
)
、
其
(
その
)
中
(
ちゆう
)
は、
神府
(
しんぷ
)
の
中
(
ちゆう
)
と
逈
(
はるか
)
に
別
(
べつ
)
なり。
同視
(
だうし
)
する
勿
(
なか
)
れ。」
]
114
と
示
(
しめ
)
されてある。
115
人心
(
じんしん
)
小智
(
せうち
)
のたうてい
神界
(
しんかい
)
の
真相
(
しんさう
)
を
究
(
きは
)
むること
能
(
あた
)
はざるは
必然
(
ひつぜん
)
である。
116
ゆゑにこの
物語
(
ものがたり
)
を
読
(
よ
)
ンで
怪乱
(
くわいらん
)
狂妄
(
きやうもう
)
とみる
人
(
ひと
)
あるも、
117
人間
(
にんげん
)
としては、
118
あながち
咎
(
とが
)
むべきものにあらず。
119
ただその
域
(
ゐき
)
に
達
(
たつ
)
せざるがためなることを
憐
(
あはれ
)
み
寛容
(
くわんよう
)
せねばならぬのであります。
120
玉鉾
(
たまほこ
)
百首
(
ひやくしゆ
)
[
※
『玉鉾百首』は「本居宣長の歌集。1787年(天明7)刊。1巻。日本の成立や惟神かむながらの道を、百首の和歌で表したもの」〔広辞苑〕
]
にも、
121
あやしきはこれの
天地
(
あめつち
)
うべなうべな
[
※
「うべなうべな」は「宜な、宜な」で「もっとも、もっとも」の意
]
、
122
神代
(
かみよ
)
にことに
異
(
あや
)
しきものを。
123
おほけなく
人
(
ひと
)
のいやしき
心
(
こころ
)
もて
神
(
かみ
)
のなすわざ
争
(
あらそ
)
ひえめや。
124
天地
(
てんち
)
を
創造
(
さうざう
)
したまひし
独一
(
どくいつ
)
の
真神
(
しんしん
)
およびその
他
(
た
)
の
神々
(
かみがみ
)
の
御
(
ご
)
行為
(
かうゐ
)
の
怪異
(
くわいい
)
なる
到底
(
たうてい
)
現代人
(
げんだいじん
)
の
知識
(
ちしき
)
学説
(
がくせつ
)
をもつて
窺知
(
きち
)
し
得
(
う
)
べきものでないことを
覚
(
さと
)
らねば、
125
神界
(
しんかい
)
のことは
信
(
しん
)
じられないものであります。
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