霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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総説(そうせつ)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻 篇:前付 よみ(新仮名遣い):
章:総説 よみ(新仮名遣い):そうせつ 通し章番号:
口述日:1921(大正10)年12月16日(旧11月18日) 口述場所: 筆録者:出口瑞月 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
神言にあるように、古来神々は天の八洲の河原に集って神界の一大事を協議された。その際、神の第一の生命というべき言霊を極力応用されたのである。
本巻は主として、常世城における太古の神人の会議について述べている。神々は言葉を持って生命としているので、議論が延々と続いているのも不思議はない。
宇宙中にも、大神の言霊が常に鳴り響いていて、止まないのである。ただ常人の耳に聞こえていないだけである。
ゆえに、神々の会議である常世会議で、議論が百出したとしてもやむをえない次第である。ここにはただ、そのうちの一部を述べたに過ぎない。人知ではとうてい神々の行為を完全にうかがい知ることは不可能であることを知るべきである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-02-18 18:28:14 OBC :rm040003
愛善世界社版:1頁 八幡書店版:第1輯 370頁 修補版: 校定版:3頁 普及版:1頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第一巻 皇道編 > 第七篇 高天原 > 第七章 天地創成の言霊
001 吾人(ごじん)朝夕(あさゆふ)神前(しんぜん)拝跪(はいき)して奏上(そうじやう)したてまつる神言(かみごと)本文(ほんぶん)には、
002高天原(たかあまはら)神集(かみつま)ります、003皇親(すめらがむつ)神漏岐(かむろぎ)神漏美(かむろみ)神言(みこと)(もち)八百万(やほよろづ)(かみ)(たち)神集(かむつど)へに(つど)へたまひ、004神議(かむはか)りに(はか)(たま)ひて、005(あが)皇御孫(すめみまの)(みこと)豊葦原(とよあしはら)瑞穂(みずほ)(くに)安国(やすくに)(たひら)けく知食(しろしめ)せと言依(ことよ)さし(まつ)りき。006かく()さし(まつ)りし国中(くぬち)(あら)ぶる(かみ)どもをば、007神問(かむと)はしに()はし(たま)ひ、008神払(かむはら)ひに(はら)(たま)ひて言問(ことと)ひし岩根(いはね)木根(きね)立草(たちくさ)片葉(かきは)をも言止(ことや)めて、009(あめ)磐位(いはくら)(はな)(あめ)八重雲(やへくも)伊都(いづ)千別(ちわき)千別(ちわき)聞食(きこしめ)さむ 云々(うんぬん)
010(あめの)児屋根(こやねの)(みこと)以来(いらい)皇国(くわうこく)(つた)はつた神言(かみごと)のごとく、011神々(かみがみ)(あま)八洲(やす)河原(かはら)八百万(やほよろづ)(かみ)(あつ)めて、012神界(しんかい)一大事(いちだいじ)協議(けふぎ)されたることは明白(めいはく)()きたる事実(じじつ)であります。
013 約幹伝(よはねでん)首章(しゆしやう)には、
014太初(はじめ)(ことば)あり(ことば)(かみ)なり、015(かみ)(ことば)(とも)にありき。016万物(ばんぶつ)(これ)()りて(つく)らる、017(つく)られたるもの(これ)()らざるはなし云々(うんぬん)
018とあるごとく、019真正(しんせい)(かみ)はアオウエイの五大(ごだい)父音(ふおん)とカサタナハマヤラワの九大(くだい)母音(ぼおん)とをもつて、020宇宙(うちう)万有(ばんいう)生成(せいせい)化育(くわいく)したまふたのであります。021ゆゑに(すべ)ての神々(かみがみ)言葉(ことば)をもつて(かみ)生命(せいめい)活力(くわつりよく)となしたまふのであつて、022神界(しんかい)混乱(こんらん)紛糾(ふんきう)鎮定(ちんてい)するために高天原(たかあまはら)(あま)(やす)河原(かはら)神集(かむつど)ひを(あそ)ばしたのであります。
023 そして(おのおの)(かみ)意志(いし)表白(へうはく)するために、024第一(だいいち)生命(いのち)ともいふべき言霊(ことたま)神器(しんき)極力(きよくりよく)応用(おうよう)されたのであります。025現代(げんだい)のごとく自由(じいう)だとか、026平等(べうどう)だとか()つて(たれ)もかれも祝詞(のりと)所謂(いはゆる)(くさ)片葉(かきは)(いた)るまで言問(こととひ)」すなはち論議(ろんぎ)するやうになつては神界(しんかい)現界(げんかい)ともに平安(へいあん)(をさ)まるといふことは、027(のぞ)まれないのであります。
028 本巻(ほんくわん)(しゆ)として、029常世国(とこよのくに)常世城(とこよじやう)における太古(たいこ)神人(しんじん)会議(くわいぎ)についての物語(ものがたり)が、030その大部分(だいぶぶん)()めてをります。031八百万(やほよろづ)神人(かみがみ)種々(しゆじゆ)意見(いけん)論争(ろんそう)()べてありますが、032ある一部(いちぶ)人士(じんし)は、033(かみ)(さま)といふものは議論(ぎろん)ばかりしてをるものだなあ」と怪訝(くわいが)(ねん)にかられた(かた)があるやうですが、034すべて(かみ)(さま)前述(ぜんじゆつ)のごとく言葉(ことば)(ことば))をもつて生命(せいめい)となしたまふものであるから、035言霊(ことたま)(さち)はふ(くに)036言霊(ことたま)()ける(くに)037言霊(ことたま)(たす)くる(くに)038言霊(ことたま)(きよ)(くに)039言霊(ことたま)天照国(あまてるくに)古来(こらい)いはれてあるのであります。040ゆゑに本巻(ほんくわん)大半(たいはん)常世(とこよ)会議(くわいぎ)大要(たいえう)と、041神人(かみがみ)らの侃々(かんかん)諤々(がくがく)大議論(だいぎろん)(うづ)まつてをるといつてよいくらゐであります。
042 宇宙(うちう)万有(ばんいう)一切(いつさい)無限(むげん)絶対(ぜつたい)043無始(むし)無終(むしう)全能力(ぜんのうりよく)をもつて創造(さうざう)したまひし独一(どくいつ)真神(しんしん)なる大国治立(おほくにはるたちの)(みこと)は、044最初(さいしよ)五大(ごだい)父音(ふおん)九大(くだい)母音(ぼおん)形成(けいせい)して天業(てんげふ)開始(かいし)されし以来(いらい)045今日(こんにち)にいたるまで一秒時(いちべうじ)といへども、046その言霊(ことたま)活動(くわつどう)休止(きうし)されたことはないのである。047万々一(まんまんいち)048(いつ)分間(ぷんかん)にてもその活動(くわつどう)休止(きうし)したまふことあらば、049宇宙(うちう)はたちまち潰滅(くわいめつ)し、050天日(てんじつ)も、051太陰(たいいん)も、052大地(だいち)も、053列星(れつせい)もたちまちその中心(ちうしん)(うしな)ひ、054つひには大宇宙(だいうちう)破壊(はくわい)(きた)すのである。055宇宙(うちう)には常住(じやうぢう)不断(ふだん)(てき)にアオウエイの五大(ごだい)父音(ふおん)が、056巨大(きよだい)なる音響(おんきやう)をたてて、057とどろき(わた)つてゐるのであります。058されど(ことわざ)にいふごとく「大声(たいせい)耳裡(じり)()らず」人間(にんげん)聴覚(ちやうかく)にはあまりに巨大(きよだい)にして、059(かへつ)感覚(かんかく)せないのであります。060巨大(きよだい)なる音響(おんきやう)と、061微細(びさい)なる音響(おんきやう)人間(にんげん)(みみ)()らないのは、062音響学(おんきやうがく)精神(せいしん)である。063されど(ひと)もし大宇宙(だいうちう)五大(ごだい)父音(ふおん)()かむとせば、064両手(りやうて)(ゆび)をもつて(みみ)(あな)をふさぎみよ、065轟々(ぐわうぐわう)たる音響(おんきやう)()くことを()む。066これぞ大宇宙(だいうちう)不断(ふだん)とどろき(わた)れる声音(せいおん)そのままである。067今日(こんにち)文明(ぶんめい)利器(りき)たる諸々(もろもろ)機械(きかい)といへども、068その運転(うんてん)活動(くわつどう)するあひだは各自(かくじ)相当(さうたう)音響(おんきやう)(はつ)してをる。069かかる無生機物(むせいきぶつ)器械(きかい)といへども、070音響(おんきやう)休止(きうし)したときは、071すなわち機関(きくわん)休止(きうし)した(とき)である。072(いは)むや宇宙(うちう)大機関(だいきくわん)運転(うんてん)(おい)てをやである。073宇宙(うちう)のアオウエイの五大(ごだい)父音(ふおん)は、074すなはち造物主(ざうぶつしゆ)なる(まこと)(かみ)()ける御声(みこゑ)であつて、075真神(しんしん)()えず言語(げんご)(はつ)して宇宙(うちう)進化(しんくわ)運行(うんかう)保持(ほぢ)努力(どりよく)されつつあるのであります。
076 その真神(しんしん)分霊(ぶんれい)077分力(ぶんりよく)078分体(ぶんたい)()けたる神人(しんじん)は、079言語(げんご)のもつとも(おほ)きは当然(たうぜん)である。080世人(せじん)(かみ)といへば(つね)沈黙(ちんもく)永遠(ゑいゑん)(つづ)けてゐるものと(かんが)へ、081黙々(もくもく)として(てん)(こた)へず、082(せき)として()(かた)らずなどといつて、083唐人(たうじん)寝言(ねごと)(しん)じてゐるものの(おほ)いのは、084(じつ)天地(てんち)真理(しんり)と、085その無限(むげん)神力(しんりき)(さと)らない迂愚(うぐ)(きよく)であります。
086 常世(とこよ)会議(くわいぎ)における神人(かみがみ)らの議論(ぎろん)百出(ひやくしゆつ)したるも、087神人(しんじん)会議(くわいぎ)としては(じつ)()むを()ないのである。088王仁(おに)常世(とこよ)会議(くわいぎ)神人(かみがみ)らの論説(ろんせつ)を、089一々(いちいち)詳細(しやうさい)(しる)せば数千(すうせん)(ページ)(つひや)すも()りないから、090ただその一部分(いちぶぶん)()べたにすぎませぬ。091(あたか)九牛(きうぎう)一毛(いちまう)092大海(たいかい)一滴(いつてき)にも(およ)ばない(りやう)であります。
093『至聖大賢斯民所称、094神眼視之未尽全美、095況乎其他哉、096故先霊不能守後魂必矣』これは本田親徳・著『道の大原』の中の一節である。『神霊界』大正8年(1919年)9月1日号(道の大原号)に、「出口王仁 和訳」が収録されているが、そこの訳文は「至聖(しせい)大賢(たいけん)(これ)(たみ)(しよう)する(ところ)神眼(しんがん)(これ)()る、(いま)善美(ぜんび)(つく)さず。(いは)んや(その)()(おい)てをや。(ゆゑ)先霊(せんれい)後魂(こうこん)(まも)(あた)はざるや(ひつ)せり。」
097先師(せんし)本田(ほんだ)言霊彦(ことたまひこの)(みこと)「言霊彦命」は本田親徳の神名。喝破(かつぱ)されたるごとく、098現代(げんだい)人間(にんげん)(まなこ)から()聖賢者(せいけんしや)099哲人(てつじん)(かみ)()より()そなはしたまへば、100不完全(ふくわんぜん)きはまるものである。101また同師(どうし)(ちよ)102(みち)大原(たいげん)』にも、
103『万物之中也者有形之中也。104其中可測、105神界之中也者無形之中也。106其中不可測。107勿混語。108同じく『道の大原』の一節。王仁三郎の訳文は「万物(ばんぶつ)(ちゆう)有形(ゆうけい)(ちゆう)なり、(その)(ちゆう)(はか)()し。神界(しんかい)(ちゆう)無形(むけい)(ちゆう)なり、(その)(ちゆう)(はか)()からず、(こん)じて(かた)ること(なか)れ。」
109とあり。110また、
111『漢人所謂中庸中和大中、112其中者与神府之中迥別、113勿同視』同じく『道の大原』の一節。王仁三郎の訳文は「漢人(かんじん)所謂(いはゆる)中庸(ちゆうよう)中和(ちゆうわ)大中(だいちゆう)(その)(ちゆう)は、神府(しんぷ)(ちゆう)(はるか)(べつ)なり。同視(だうし)する(なか)れ。」
114(しめ)されてある。115人心(じんしん)小智(せうち)のたうてい神界(しんかい)真相(しんさう)(きは)むること(あた)はざるは必然(ひつぜん)である。116ゆゑにこの物語(ものがたり)()ンで怪乱(くわいらん)狂妄(きやうもう)とみる(ひと)あるも、117人間(にんげん)としては、118あながち(とが)むべきものにあらず。119ただその(ゐき)(たつ)せざるがためなることを(あはれ)寛容(くわんよう)せねばならぬのであります。
120 玉鉾(たまほこ)百首(ひやくしゆ)『玉鉾百首』は「本居宣長の歌集。1787年(天明7)刊。1巻。日本の成立や惟神かむながらの道を、百首の和歌で表したもの」〔広辞苑〕にも、
 
121  あやしきはこれの天地(あめつち)うべなうべな「うべなうべな」は「宜な、宜な」で「もっとも、もっとも」の意122神代(かみよ)にことに(あや)しきものを。
123  おほけなく(ひと)のいやしき(こころ)もて(かみ)のなすわざ(あらそ)ひえめや。
 
124 天地(てんち)創造(さうざう)したまひし独一(どくいつ)真神(しんしん)およびその()神々(かみがみ)()行為(かうゐ)怪異(くわいい)なる到底(たうてい)現代人(げんだいじん)知識(ちしき)学説(がくせつ)をもつて窺知(きち)()べきものでないことを(さと)らねば、125神界(しんかい)のことは(しん)じられないものであります。
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