霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二八章 武器(ぶき)制限(せいげん)〔一七八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻 篇:第4篇 天地転動 よみ(新仮名遣い):てんちてんどう
章:第28章 武器制限 よみ(新仮名遣い):ぶきせいげん 通し章番号:178
口述日:1921(大正10)年12月24日(旧11月26日) 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
このときの武備撤廃により、竜は太刀肌の鱗や角の一部または全部、獅子や虎などの猛獣は爪や牙、また翼を持つものは翼、狐神は鋭利な針毛などを抜き取られることになった。
狐神は衣食の元を司る飯成(=稲荷)の神の御用を務める使神である。稲荷の神は、豊受姫神、登由気神、御饌津神、宇迦之御魂神、保食神、大気津姫神とも称えられるが、同一神である。
狐神は、五穀の種を世界中に持ち運んで諸国に広げた殊勲がある。後に稲荷の神は、狐神たちに知恵を与えて世界のことを調査せしめる役をつけた。ゆえに、白(もう)し上げる狐、というので白狐というのであり、決して毛並みが白いわけではない。
また、猛鳥や魚類は、毒嚢や翼を除去された。
武装を除去された獣神たちは、次第に進化して人間と生まれ、神と生まれるに至った者たちもいた。
これらの説は、ただ王仁が高熊山で霊眼で見聞した談をそのまま語っているだけであり、その虚実についてはいかんとも答える由はないのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0428
愛善世界社版:176頁 八幡書店版:第1輯 435頁 修補版: 校定版:185頁 普及版:79頁 初版: ページ備考:
001 神代(かみよ)における神人(かみがみ)らの武装(ぶさう)撤回(てつくわい)は、002現代(げんだい)(ぼう)会議(くわいぎ)のごとき、003軍艦(ぐんかん)潜航艇(せんかうてい)噸数(とんすう)制限(せいげん)する(ごと)不徹底(ふてつてい)なるものではなく、004神人(かみがみ)らの肉体(にくたい)(じやう)附着(ふちやく)せる天授(てんじゆ)武装(ぶさう)一部分(いちぶぶん)005または全部(ぜんぶ)除去(ぢよきよ)することとなりける。006太古(たいこ)(りう)(いか)めしき太刀肌(たちはだ)(そな)へ、007かつ鋭利(えいり)なる利刃(やいば)のごとき(つの)を、008幾本(いくほん)ともなく(あたま)(いただ)き、009(てき)にたいしてその暴威(ばうゐ)(ふる)ふとともに、010一方(いつぱう)にはこれを護身(ごしん)要器(えうき)となし、011(たが)ひに争闘(そうとう)(つづ)けゐたりしなり。012ゆゑに今回(こんくわい)常世(とこよ)会議(くわいぎ)(おい)八王(やつわう)大神(だいじん)提議(ていぎ)したる、013神人(かみがみ)各自(かくじ)武器(ぶき)廃止(はいし)は、014神界(しんかい)のためにはもつとも尊重(そんちよう)すべき大事業(だいじげふ)なりける。015すなはち竜神(りうじん)はその鋭角(えいかく)二本(にほん)(さだ)められ、016()(のこ)らず()()られ、017その(いか)めしき太刀肌(たちはだ)容赦(ようしや)なく()()られて、018柔軟(じうなん)なる鱗皮(りんぴ)(くわ)せしめられたり。019(なか)には(つの)まで全部(ぜんぶ)()()られて、020今日(こんにち)(へび)のごとく(すこ)しも防禦力(ばうぎよりよく)()きものになりたるもあり。
021 また猛虎(まうこ)や、022獅子(しし)や、023巨狼(きよらう)や、024大熊(おほくま)のごときは鋭利(えいり)なる爪牙(さうが)()てる(うへ)に、025空中(くうちう)飛行(ひかう)自在(じざい)羽翼(うよく)(いう)し、026かつその()(はり)のごとく(かた)くして(するど)く、027(じつ)攻撃(こうげき)防禦(ばうぎよ)ともに(きは)めて完全(くわんぜん)なりけるが、028それをいよいよ一部分(いちぶぶん)撤回(てつくわい)となりて、029これらの猛獣(まうじう)神卒(しんそつ)はその針毛(はりげ)()かれ、030空中(くうちう)飛行(ひかう)にもつとも便(べん)なる羽翼(うよく)無残(むざん)にも()たれける。
031 また金毛(きんまう)九尾(きうび)白面(はくめん)悪狐(あくこ)032その()銀毛(ぎんまう)や、033鉄毛(てつまう)狐神(きつねがみ)などは、034その鋭利(えいり)なる(かた)針毛(はりげ)全部(ぜんぶ)脱却(だつきやく)させられ、035そのあとに軟弱(なんじやく)なる()(しやう)ずるのみに(とど)め、036その代償(だいしやう)として智慧(ちゑ)(ちから)神人(しんじん)勝劣(しようれつ)なきほどまで(あた)へられ、037神界(しんかい)眷属(けんぞく)として、038忠実(ちうじつ)奉仕(ほうし)する役目(やくめ)(さだ)められたり。039しかし狐神(きつねがみ)にも善悪(ぜんあく)正邪(せいじや)(べつ)ありて、040善良(ぜんりやう)なる狐神(きつねがみ)白狐(びやくこ)として神界(しんかい)御用(ごよう)(つと)()るは、041太古(たいこ)()より(いま)にいたるも(かは)らざるなり。042()には狐神(きつねがみ)稲荷(いなり)大神(おほかみ)(とな)へて()るもの沢山(たくさん)あれども、043稲荷(いなり)飯成(いひなり)意義(いぎ)にして、044人間(にんげん)衣食(いしよく)(もと)(つかさど)りたまふ(かみ)(おん)()なり。
045 豊受姫(とようけひめ)(がみ)046登由気(とゆけ)(がみ)047御饌津(みけつ)(がみ)048宇迦之(うかの)御魂神(みたまがみ)049保食神(うけもちがみ)050大気津(おほげつ)姫神(ひめがみ)(みな)同神(どうしん)()しまして、051天祖(てんそ)神業(しんげふ)第一(だいいち)輔佐(ほさ)したまひたる、052もつとも(たふと)(かみ)にして、053(あめ)(した)蒼生(さうせい)一人(ひとり)として、054この大神(おほかみ)()仁徳(じんとく)(よく)せざるもの()し。
055 (えう)するに狐神(きつねがみ)はこの大神(おほかみ)()使(つかひ)にして、056五穀(ごこく)(たね)(くち)(くは)世界(せかい)()(はこ)び、057諸国(しよこく)平野(へいや)()(ひろ)げたる殊勲(しゆくん)ある使者(ししや)なり。058()はおひおひに(ひら)けて、059五穀(ごこく)(たね)世界(せかい)くまなく()きわたりたる以上(いじやう)は、060狐神(きつねがみ)職務(しよくむ)(よう)なきにいたりければ、061大神(おほかみ)はこの(きつね)(すぐ)れたる智慧(ちゑ)(ちから)(あた)へて、062白狐(びやくこ)命名(めいめい)され、063すべての神人(かみがみ)世界(せかい)出来事(できごと)を、064精細(せいさい)調査(てうさ)進白(しんぱく)せしめられにける。065ゆゑに白狐(びやくこ)とは、066神人(かみがみ)世界(せかい)一切(いつさい)出来事(できごと)(まを)()げる(きつね)意味(いみ)にして、067(けつ)して毛色(けいろ)(しろ)きゆゑにあらずと()るべし。068野狐(のぎつね)069悪狐(あくこ)(とう)風来狐(ふうらいきつね)でも、070(とし)さへ()ればその毛色(けいろ)漸次(ぜんじ)白色(はくしよく)(へん)ずるものにして、071あたかも人間(にんげん)貴賤(きせん)区別(くべつ)なく、072老年(らうねん)になりて頭髪(とうはつ)(しろ)くなると同様(どうやう)なり。073ゆゑに毛色(けいろ)は、074たとへ(ちや)でも、075(くろ)でも(かま)はぬ、076神界(しんかい)(つか)へをる(きつね)白狐(びやくこ)とはいふなり。
077 また空中(くうちう)飛翔(ひしよう)する猛鳥(まうてう)にして、078立派(りつぱ)なる羽翼(うよく)(いう)するうへに咽喉(いんこう)(した)(だい)なる毒嚢(どくなう)()ちゐたるものありしが、079これも今回(こんくわい)会議(くわいぎ)結果(けつくわ)()(のぞ)かれたりければ、080地上(ちじやう)神人(しんじん)その()動物(どうぶつ)(じつ)安心(あんしん)して()(おく)()るに(いた)りたるなり。081また海中(かいちゆう)()める魚族(ぎよぞく)海蛇(かいだ)はいづれも鋭利(えいり)なる針毛(はりげ)(しやち)のごとくに、082または針鼠(はりねずみ)のごとく全身(ぜんしん)具備(ぐび)攻防(こうばう)(よう)(きよう)しゐたりしを、083その針毛(はりげ)をまた除去(ぢよきよ)され、084(ひれ)085(うろこ)086(きば)のみ(のこ)されたるなりといふ。
087 かくして武装(ぶさう)除去(ぢよきよ)されたる竜族(りうぞく)は、088漸次(ぜんじ)進化(しんくわ)して人間(にんげん)(うま)れ、089あるひは(かみ)(うま)るるにいたるものなり。090また獅子(しし)091(とら)092(へう)093(くま)094(おほかみ)なぞは、095()とともに進化(しんくわ)して、096人間(にんげん)(へん)じ、097牛馬(うしうま)(うま)れ、098(いぬ)(ねこ)などと(うま)(かは)りたるなり。099その(なか)百獣(ひやくじう)(わう)たりし、100獅子(しし)(とら)(へう)なぞはその身魂(みたま)善進(ぜんしん)したるものは人間(にんげん)変化(へんくわ)したり。101ゆゑに人間(にんげん)102ことに()人種(じんしゆ)のごときはその容貌(ようばう)いまに獅子(しし)(とら)103(へう)などの痕跡(こんせき)(とど)()るなり。104かかる人種(じんしゆ)性質(せいしつ)は、105いまに太古(たいこ)精神(せいしん)までも多少(たせう)遺伝(ゐでん)して、106人情(にんじやう)(ひや)やかく、107色食(しきしよく)(よく)にのみ(ふけ)り、108体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)行動(かうどう)()()るもの(おほ)し。
109 王仁(おに)がかくのごとき(せつ)をなす(とき)は、110人間(にんげん)馬鹿(ばか)にしたといつて(おこ)人士(じんし)もあるべし。111しかし王仁(わたくし)元来(ぐわんらい)無学(むがく)で、112人類学(じんるゐがく)なぞ研究(けんきう)したることも()く、113ただただ高熊山(たかくまやま)神山(しんざん)使神(ししん)(みちび)かれて、114鎮魂(ちんこん)帰神(きしん)修業(しふげふ)(さい)115霊感者(れいかんしや)となり、116神界(しんかい)探険(たんけん)(をり)117霊界(れいかい)にて見聞(けんぶん)したる(だん)なれば、118その虚実(きよじつ)(てん)については、119如何(いかん)とも(こた)ふる(よし)なきものなり。
120大正一〇・一二・二四 旧一一・二六 出口瑞月
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