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第68巻(未の巻)
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第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
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第78巻(巳の巻)
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第4巻(卯の巻)
序
凡例
総説
第1篇 八洲の川浪
01 常世会議
〔151〕
02 聖地の会議
〔152〕
03 使臣の派遣
〔153〕
04 乱暴な提案
〔154〕
05 議場の混乱
〔155〕
06 怪また怪
〔156〕
07 涼風凄風
〔157〕
第2篇 天地暗雲
08 不意の邂逅
〔158〕
09 大の字の斑紋
〔159〕
10 雲の天井
〔160〕
11 敬神の自覚
〔161〕
12 横紙破り
〔162〕
13 再転再落
〔163〕
14 大怪物
〔164〕
15 出雲舞
〔165〕
第3篇 正邪混交
16 善言美辞
〔166〕
17 殺風景
〔167〕
18 隠忍自重
〔168〕
19 猿女の舞
〔169〕
20 長者の態度
〔170〕
21 敵本主義
〔171〕
22 窮策の替玉
〔172〕
第4篇 天地転動
23 思ひ奇やその一
〔173〕
24 思ひ奇やその二
〔174〕
25 燕返し
〔175〕
26 庚申の眷属
〔176〕
27 阿鼻叫喚
〔177〕
28 武器制限
〔178〕
第5篇 局面一転
29 月雪花
〔179〕
30 七面鳥
〔180〕
31 傘屋の丁稚
〔181〕
32 免れぬ道
〔182〕
第6篇 宇宙大道
33 至仁至愛
〔183〕
34 紫陽花
〔184〕
35 頭上の冷水
〔185〕
36 天地開明
〔186〕
37 時節到来
〔187〕
38 隙行く駒
〔188〕
第7篇 因果応報
39 常世の暗
〔189〕
40 照魔鏡
〔190〕
41 悪盛勝天
〔191〕
42 無道の極
〔192〕
第8篇 天上会議
43 勧告使
〔193〕
44 虎の威
〔194〕
45 あゝ大変
〔195〕
第9篇 宇宙真相
46 神示の宇宙その一
〔196〕
47 神示の宇宙その二
〔197〕
48 神示の宇宙その三
〔198〕
49 神示の宇宙その四
〔199〕
50 神示の宇宙その五
〔200〕
附録 第二回高熊山参拝紀行歌
余白歌
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第四四章
虎
(
とら
)
の
威
(
ゐ
)
〔一九四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
篇:
第8篇 天上会議
よみ(新仮名遣い):
てんじょうかいぎ
章:
第44章 虎の威
よみ(新仮名遣い):
とらのい
通し章番号:
194
口述日:
1921(大正10)年12月29日(旧12月01日)
口述場所:
筆録者:
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年3月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
常世彦と大国彦の権勢を嵩に着た美山彦、国照姫は聖地で国祖の前に出て、まず大八洲彦命、言霊別命、神国別命、大足彦を根底の国に追放するように、と迫った。
国祖は八王大神の意見を尊重し、涙ながらに四神を夜見の国なる月界に追放した。四神は四魂合同して国大立命となり、また月の大神の精霊に感じてふたたび地上に降り、千辛万苦の末、五六七神政の基礎的活動を開始することになる。
次に高照姫命、真澄姫、言霊姫、竜世姫らは大地の底深く、地月の世界に追放された。そして地月の精霊に感じて大地中の守護神となり、四魂合同して金勝要之神となった。時を得て地表の世界に出現し、五六七神政の基礎的神業に尽力されつつ、太古から現代に至るまで、神界にあって活動を続けている。
しかしながら、悪神たちの中にこの神業を知る者は、一柱もなかった。
さて、美山彦と国照姫は最後に、国祖ご自身の隠退を勧告するはずであったが、さすがに大神の威徳に打たれて、その後は何も言わずに引き下がった。
常世彦は美山彦と国照姫が肝心の国祖の御引退を進言しなかったことに怒り、蟄居を命じた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
地月(地汐?)
データ凡例:
データ最終更新日:
2024-06-19 01:26:22
OBC :
rm0444
愛善世界社版:
267頁
八幡書店版:
第1輯 466頁
修補版:
校定版:
275頁
普及版:
120頁
初版:
ページ備考:
001
美山彦
(
みやまひこ
)
、
002
国照姫
(
くにてるひめ
)
は
天下
(
てんか
)
万生
(
ばんせい
)
の
代表
(
だいへう
)
と
自称
(
じしよう
)
し、
003
かつ
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
および
大自在天
(
だいじざいてん
)
の
勢力
(
せいりよく
)
を
笠
(
かさ
)
に
着
(
き
)
ながら、
004
虎
(
とら
)
の
威
(
ゐ
)
を
藉
(
か
)
る
野狐
(
のぎつね
)
の
尾
(
を
)
を
掉
(
ふ
)
り
廻
(
まは
)
し、
005
傲然
(
ごうぜん
)
として
聖地
(
せいち
)
の
国祖
(
こくそ
)
大宮殿
(
だいきうでん
)
に
数多
(
あまた
)
の
神人
(
かみがみ
)
を
引率
(
いんそつ
)
し、
006
常世城
(
とこよじやう
)
の
大会議
(
だいくわいぎ
)
における
諸神司
(
しよしん
)
の
信任
(
しんにん
)
と
希望
(
きばう
)
とを
担
(
にな
)
ひて、
007
勧告使
(
くわんこくし
)
に
選抜
(
せんばつ
)
されしことを
居丈高
(
ゐたけだか
)
に
吹聴
(
ふいちやう
)
し、
008
ただちに
国祖
(
こくそ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
進
(
すす
)
み
進言
(
しんげん
)
すらく、
009
『
今日
(
こんにち
)
の
美山彦
(
みやまひこ
)
、
010
国照姫
(
くにてるひめ
)
は
前日
(
ぜんじつ
)
のごとき
微々
(
びび
)
たる
美山彦
(
みやまひこ
)
、
011
国照姫
(
くにてるひめ
)
にあらず、
012
勢望
(
せいばう
)
仁徳
(
じんとく
)
天下
(
てんか
)
に
並
(
なら
)
びなき、
013
畏
(
かしこ
)
くも
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
常世彦
(
とこよひこ
)
、
014
権勢
(
けんせい
)
天下
(
てんか
)
の
神人
(
しんじん
)
を
圧
(
あつ
)
する
神力
(
しんりき
)
無双
(
むさう
)
の、
015
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
代表者
(
だいへうしや
)
にして、
016
八百万
(
やほよろづ
)
の
神司
(
かみがみ
)
の
代表
(
だいへう
)
たる
勧告使
(
くわんこくし
)
の
重職
(
ぢうしよく
)
を
担
(
にな
)
へる
美山彦
(
みやまひこ
)
、
017
国照姫
(
くにてるひめ
)
なれば、
018
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
におかせられても、
019
必
(
かなら
)
ず
粗略
(
そりやく
)
の
取扱
(
とりあつか
)
ひあるべからず』
020
と
傍若
(
ばうじやく
)
無人
(
ぶじん
)
の
言辞
(
げんじ
)
を
弄
(
ろう
)
しながら、
021
『
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
に
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
以下
(
いか
)
の
頑迷
(
ぐわんめい
)
固陋
(
ころう
)
なる
神々
(
かみがみ
)
を、
022
神界
(
しんかい
)
平和
(
へいわ
)
のため、
023
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
の
聖意
(
せいい
)
に
答
(
こた
)
ふるため、
024
国祖
(
こくそ
)
の
神権
(
しんけん
)
をもつて
御
(
お
)
側
(
そば
)
を
追放
(
つゐはう
)
し、
025
神界
(
しんかい
)
攪乱者
(
かくらんしや
)
として
根
(
ね
)
の
国
(
くに
)
底
(
そこ
)
の
国
(
くに
)
に
退去
(
たいきよ
)
を
命
(
めい
)
じたまへ』
026
と
無礼
(
ぶれい
)
千万
(
せんばん
)
にも
強力
(
きやうりよく
)
なる
後援者
(
こうゑんしや
)
あるを
楯
(
たて
)
にして
強硬
(
きやうかう
)
に
迫
(
せま
)
りける。
027
国祖
(
こくそ
)
は
美山彦
(
みやまひこ
)
にむかひ、
028
『
汝
(
なんぢ
)
の
言
(
げん
)
果
(
はた
)
して
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
および、
029
大自在天
(
だいじざいてん
)
その
他
(
た
)
一般
(
いつぱん
)
の
意見
(
いけん
)
なりとせば、
030
アヽ
余
(
よ
)
また
何
(
なに
)
をか
云
(
い
)
はむ。
031
至正
(
しせい
)
至直
(
しちよく
)
の
神人
(
かみ
)
も、
032
天下
(
てんか
)
の
平和
(
へいわ
)
のためには
涙
(
なみだ
)
を
呑
(
の
)
んで
馬謖
(
ばしよく
)
を
斬
(
き
)
らざるべからざるか』
033
声涙
(
せいるい
)
交々
(
こもごも
)
降
(
くだ
)
らせたまひ、
034
感慨
(
かんがい
)
無量
(
むりやう
)
の
御
(
おん
)
面色
(
おももち
)
に、
035
近
(
ちか
)
く
仕
(
つか
)
へたてまつれる
神人
(
かみがみ
)
らも、
036
美山彦
(
みやまひこ
)
らの
従臣
(
じゆうしん
)
らも、
037
涙
(
なみだ
)
の
袖
(
そで
)
を
絞
(
しぼ
)
らぬはなかりける。
038
心
(
こころ
)
弱
(
よわ
)
くては
今回
(
こんくわい
)
の
使命
(
しめい
)
は
果
(
はた
)
しがたしとや
思
(
おも
)
ひけむ、
039
やや
憂愁
(
いうしう
)
に
沈
(
しづ
)
まむとせる
美山彦
(
みやまひこ
)
を
励
(
はげ
)
ましながら、
040
国照姫
(
くにてるひめ
)
は
国祖
(
こくそ
)
の
返答
(
へんたふ
)
をしきりに
促
(
うなが
)
したり。
041
国祖
(
こくそ
)
も
事
(
こと
)
ここに
至
(
いた
)
りては
如何
(
いかん
)
ともなしたまふの
余地
(
よち
)
なく、
042
その
請求
(
せいきう
)
を
容
(
い
)
れて
大八洲彦
(
おほやしまひこの
)
命
(
みこと
)
、
043
言霊別
(
ことたまわけの
)
命
(
みこと
)
、
044
神国別
(
かみくにわけの
)
命
(
みこと
)
、
045
大足彦
(
おほだるひこ
)
を
根
(
ね
)
の
国
(
くに
)
に
追放
(
つゐはう
)
したまふことを
承認
(
しようにん
)
されたりける。
046
ここに
右
(
みぎ
)
の
四神司
(
ししん
)
は、
047
国祖
(
こくそ
)
の
厳命
(
げんめい
)
によりて、
048
夜見
(
よみ
)
の
国
(
くに
)
なる
月界
(
げつかい
)
に
神退
(
かむやら
)
ひに
退
(
やら
)
はれ、
049
四魂
(
しこん
)
合同
(
がふどう
)
して
国大立
(
くにひろたちの
)
命
(
みこと
)
となり、
050
月
(
つき
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
精霊
(
せいれい
)
に
感
(
かん
)
じてふたたび
地上
(
ちじやう
)
に
降
(
くだ
)
り、
051
千辛
(
せんしん
)
万苦
(
ばんく
)
を
嘗
(
な
)
め、
052
五六七
(
みろく
)
神政
(
しんせい
)
の
基礎
(
きそ
)
的
(
てき
)
活動
(
くわつどう
)
を
開始
(
かいし
)
されたれど、
053
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじゆう
)
の
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
および
大自在天
(
だいじざいてん
)
一派
(
いつぱ
)
の
神人
(
かみがみ
)
は、
054
一柱
(
ひとはしら
)
として
此
(
こ
)
の
間
(
かん
)
の
消息
(
せうそく
)
を
知
(
し
)
るもの
無
(
な
)
かりけり。
055
次
(
つぎ
)
に
高照姫
(
たかてるひめの
)
命
(
みこと
)
、
056
真澄姫
(
ますみひめ
)
、
057
言霊姫
(
ことたまひめ
)
、
058
竜世姫
(
たつよひめ
)
は、
059
大地
(
だいち
)
の
底
(
そこ
)
深
(
ふか
)
く
地汐
(
ちげき
)
[
※
オニペディア「霊界物語第4巻の諸本相違点」の「地月・地汐・汐球」参照。
]
の
世界
(
せかい
)
に
神退
(
かむやら
)
はれたまひ、
060
地汐
(
ちげき
)
の
精霊
(
せいれい
)
に
感
(
かん
)
じて
大地中
(
だいちちう
)
の
守護神
(
しゆごじん
)
と
現
(
あら
)
はれ、
061
四魂
(
しこん
)
合同
(
がふどう
)
して
金勝要之
(
きんかつかねの
)
神
(
かみ
)
となり、
062
時
(
とき
)
を
得
(
え
)
て
地表
(
ちへう
)
の
世界
(
せかい
)
に
出現
(
しゆつげん
)
し、
063
五六七
(
みろく
)
神政
(
しんせい
)
の
基礎
(
きそ
)
的
(
てき
)
神業
(
しんげふ
)
に
尽力
(
じんりよく
)
されつつ
太古
(
たいこ
)
より
現代
(
げんだい
)
に
至
(
いた
)
るまで
神界
(
しんかい
)
にあつて、
064
その
活動
(
くわつどう
)
を
続
(
つづ
)
けられつつありしなり。
065
されど
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
系
(
けい
)
の
神司
(
かみがみ
)
らも、
066
大自在天
(
だいじざいてん
)
系
(
けい
)
の
神司
(
かみがみ
)
らも、
067
一柱
(
ひとはしら
)
としてこの
神業
(
しんげふ
)
を
知了
(
ちれう
)
し
居
(
を
)
る
者
(
もの
)
は
絶対
(
ぜつたい
)
にあらざりしなり。
068
神諭
(
しんゆ
)
に、
069
『
昔
(
むかし
)
の
神代
(
かみよ
)
が
環
(
めぐ
)
り
来
(
き
)
て、
070
元
(
もと
)
の
昔
(
むかし
)
の
神代
(
かみよ
)
に
立替
(
たてかへ
)
るぞよ、
071
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
』
072
などの
神示
(
しんじ
)
を
十分
(
じふぶん
)
味
(
あぢ
)
はふべきなり。
073
さて
美山彦
(
みやまひこ
)
、
074
国照姫
(
くにてるひめ
)
の
二人
(
ふたり
)
は、
075
右
(
みぎ
)
の
諸神人
(
しよしん
)
を
国祖
(
こくそ
)
の
御
(
ご
)
神権
(
しんけん
)
によつて、
076
追放
(
つゐはう
)
せしむべきことを、
077
面
(
めん
)
を
犯
(
をか
)
して
強硬
(
きやうかう
)
に
進言
(
しんげん
)
し、
078
さいはひにその
目的
(
もくてき
)
は
達
(
たつ
)
したるが、
079
肝腎
(
かんじん
)
かなめの
国祖
(
こくそ
)
の
自発
(
じはつ
)
的
(
てき
)
御
(
ご
)
退隠
(
たいいん
)
の
勧告
(
くわんこく
)
に
対
(
たい
)
しては、
080
さすがの
邪神
(
じやしん
)
も
口籠
(
くちごも
)
り
発言
(
はつげん
)
を
躊躇
(
ちうちよ
)
し
居
(
ゐ
)
たり。
081
大神
(
おほかみ
)
は
矢
(
や
)
つぎ
早
(
ばや
)
に、
082
『
汝
(
なんぢ
)
の
進言
(
しんげん
)
はこれにて
終
(
をは
)
れりや』
083
と
問
(
と
)
はせたまふに、
084
二
(
に
)
使者
(
ししや
)
は
大神
(
おほかみ
)
の
威厳
(
ゐげん
)
に
討
(
う
)
たれて
何心
(
なにごころ
)
なく、
085
『もはや
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
ぐることこれ
無
(
な
)
く
候
(
さふらふ
)
』
086
と、
087
思
(
おも
)
はず
答申
(
たふしん
)
したりける。
088
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
は
二
(
に
)
使者
(
ししや
)
の
答
(
こたへ
)
を
合図
(
あひづ
)
に、
089
ツト
立
(
た
)
ちて
玉
(
たま
)
の
襖
(
ふすま
)
を
手
(
て
)
づから
閉
(
と
)
ぢ
奥殿
(
おくでん
)
深
(
ふか
)
く
隠
(
かく
)
れさせたまへり。
090
二柱
(
ふたはしら
)
の
使者
(
ししや
)
は
奥歯
(
おくば
)
に
物
(
もの
)
の
挟
(
はさ
)
まれる
如
(
ごと
)
き
心地
(
ここち
)
しながら
勢
(
いきほひ
)
なく、
091
その
結果
(
けつくわ
)
を
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
に
奏上
(
そうじやう
)
したり。
092
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
は
肝腎
(
かんじん
)
の
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
に
対
(
たい
)
する
自発
(
じはつ
)
的
(
てき
)
御
(
ご
)
退隠
(
たいいん
)
を
勧告
(
くわんこく
)
し
能
(
あた
)
はざりし
二人
(
ふたり
)
の
卑怯
(
ひけふ
)
を
怒
(
いか
)
り、
093
直
(
ただ
)
ちにこれに
蟄居
(
ちつきよ
)
を
厳命
(
げんめい
)
したれば、
094
夜食
(
やしよく
)
に
外
(
はづ
)
れた
梟鳥
(
ふくろどり
)
面
(
つら
)
ふくらせながら
悄然
(
せうぜん
)
として
退場
(
たいぢやう
)
したりける。
095
(
大正一〇・一二・二九
旧一二・一
出口瑞月
)
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