霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四四章 (とら)()〔一九四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻 篇:第8篇 天上会議 よみ(新仮名遣い):てんじょうかいぎ
章:第44章 虎の威 よみ(新仮名遣い):とらのい 通し章番号:194
口述日:1921(大正10)年12月29日(旧12月01日) 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
常世彦と大国彦の権勢を嵩に着た美山彦、国照姫は聖地で国祖の前に出て、まず大八洲彦命、言霊別命、神国別命、大足彦を根底の国に追放するように、と迫った。
国祖は八王大神の意見を尊重し、涙ながらに四神を夜見の国なる月界に追放した。四神は四魂合同して国大立命となり、また月の大神の精霊に感じてふたたび地上に降り、千辛万苦の末、五六七神政の基礎的活動を開始することになる。
次に高照姫命、真澄姫、言霊姫、竜世姫らは大地の底深く、地月の世界に追放された。そして地月の精霊に感じて大地中の守護神となり、四魂合同して金勝要之神となった。時を得て地表の世界に出現し、五六七神政の基礎的神業に尽力されつつ、太古から現代に至るまで、神界にあって活動を続けている。
しかしながら、悪神たちの中にこの神業を知る者は、一柱もなかった。
さて、美山彦と国照姫は最後に、国祖ご自身の隠退を勧告するはずであったが、さすがに大神の威徳に打たれて、その後は何も言わずに引き下がった。
常世彦は美山彦と国照姫が肝心の国祖の御引退を進言しなかったことに怒り、蟄居を命じた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ:地月(地汐?) データ凡例: データ最終更新日:2024-06-19 01:26:22 OBC :rm0444
愛善世界社版:267頁 八幡書店版:第1輯 466頁 修補版: 校定版:275頁 普及版:120頁 初版: ページ備考:
001 美山彦(みやまひこ)002国照姫(くにてるひめ)天下(てんか)万生(ばんせい)代表(だいへう)自称(じしよう)し、003かつ八王(やつわう)大神(だいじん)および大自在天(だいじざいてん)勢力(せいりよく)(かさ)()ながら、004(とら)()()野狐(のぎつね)()()(まは)し、005傲然(ごうぜん)として聖地(せいち)国祖(こくそ)大宮殿(だいきうでん)数多(あまた)神人(かみがみ)引率(いんそつ)し、006常世城(とこよじやう)大会議(だいくわいぎ)における諸神司(しよしん)信任(しんにん)希望(きばう)とを(にな)ひて、007勧告使(くわんこくし)選抜(せんばつ)されしことを居丈高(ゐたけだか)吹聴(ふいちやう)し、008ただちに国祖(こくそ)御前(みまへ)(すす)進言(しんげん)すらく、
009今日(こんにち)美山彦(みやまひこ)010国照姫(くにてるひめ)前日(ぜんじつ)のごとき微々(びび)たる美山彦(みやまひこ)011国照姫(くにてるひめ)にあらず、012勢望(せいばう)仁徳(じんとく)天下(てんか)(なら)びなき、013(かしこ)くも八王(やつわう)大神(だいじん)常世彦(とこよひこ)014権勢(けんせい)天下(てんか)神人(しんじん)(あつ)する神力(しんりき)無双(むさう)の、015大自在天(だいじざいてん)大国彦(おほくにひこ)代表者(だいへうしや)にして、016八百万(やほよろづ)神司(かみがみ)代表(だいへう)たる勧告使(くわんこくし)重職(ぢうしよく)(にな)へる美山彦(みやまひこ)017国照姫(くにてるひめ)なれば、018国祖(こくそ)大神(おほかみ)におかせられても、019(かなら)粗略(そりやく)取扱(とりあつか)ひあるべからず』
020傍若(ばうじやく)無人(ぶじん)言辞(げんじ)(ろう)しながら、
021()第一(だいいち)大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)以下(いか)頑迷(ぐわんめい)固陋(ころう)なる神々(かみがみ)を、022神界(しんかい)平和(へいわ)のため、023八王(やつわう)大神(だいじん)聖意(せいい)(こた)ふるため、024国祖(こくそ)神権(しんけん)をもつて()(そば)追放(つゐはう)し、025神界(しんかい)攪乱者(かくらんしや)として()(くに)(そこ)(くに)退去(たいきよ)(めい)じたまへ』
026無礼(ぶれい)千万(せんばん)にも強力(きやうりよく)なる後援者(こうゑんしや)あるを(たて)にして強硬(きやうかう)(せま)りける。027国祖(こくそ)美山彦(みやまひこ)にむかひ、
028(なんぢ)(げん)(はた)して八王(やつわう)大神(だいじん)および、029大自在天(だいじざいてん)その()一般(いつぱん)意見(いけん)なりとせば、030アヽ()また(なに)をか()はむ。031至正(しせい)至直(しちよく)神人(かみ)も、032天下(てんか)平和(へいわ)のためには(なみだ)()んで馬謖(ばしよく)()らざるべからざるか』
033声涙(せいるい)交々(こもごも)(くだ)らせたまひ、034感慨(かんがい)無量(むりやう)(おん)面色(おももち)に、035(ちか)(つか)へたてまつれる神人(かみがみ)らも、036美山彦(みやまひこ)らの従臣(じゆうしん)らも、037(なみだ)(そで)(しぼ)らぬはなかりける。038(こころ)(よわ)くては今回(こんくわい)使命(しめい)(はた)しがたしとや(おも)ひけむ、039やや憂愁(いうしう)(しづ)まむとせる美山彦(みやまひこ)(はげ)ましながら、040国照姫(くにてるひめ)国祖(こくそ)返答(へんたふ)をしきりに(うなが)したり。041国祖(こくそ)(こと)ここに(いた)りては如何(いかん)ともなしたまふの余地(よち)なく、042その請求(せいきう)()れて大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)043言霊別(ことたまわけの)(みこと)044神国別(かみくにわけの)(みこと)045大足彦(おほだるひこ)()(くに)追放(つゐはう)したまふことを承認(しようにん)されたりける。
046 ここに(みぎ)四神司(ししん)は、047国祖(こくそ)厳命(げんめい)によりて、048夜見(よみ)(くに)なる月界(げつかい)神退(かむやら)ひに退(やら)はれ、049四魂(しこん)合同(がふどう)して国大立(くにひろたちの)(みこと)となり、050(つき)大神(おほかみ)精霊(せいれい)(かん)じてふたたび地上(ちじやう)(くだ)り、051千辛(せんしん)万苦(ばんく)()め、052五六七(みろく)神政(しんせい)基礎(きそ)(てき)活動(くわつどう)開始(かいし)されたれど、053体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)八王(やつわう)大神(だいじん)および大自在天(だいじざいてん)一派(いつぱ)神人(かみがみ)は、054一柱(ひとはしら)として()(かん)消息(せうそく)()るもの()かりけり。
055 (つぎ)高照姫(たかてるひめの)(みこと)056真澄姫(ますみひめ)057言霊姫(ことたまひめ)058竜世姫(たつよひめ)は、059大地(だいち)(そこ)(ふか)地汐(ちげき)オニペディア「霊界物語第4巻の諸本相違点」の「地月・地汐・汐球」参照。世界(せかい)神退(かむやら)はれたまひ、060地汐(ちげき)精霊(せいれい)(かん)じて大地中(だいちちう)守護神(しゆごじん)(あら)はれ、061四魂(しこん)合同(がふどう)して金勝要之(きんかつかねの)(かみ)となり、062(とき)()地表(ちへう)世界(せかい)出現(しゆつげん)し、063五六七(みろく)神政(しんせい)基礎(きそ)(てき)神業(しんげふ)尽力(じんりよく)されつつ太古(たいこ)より現代(げんだい)(いた)るまで神界(しんかい)にあつて、064その活動(くわつどう)(つづ)けられつつありしなり。
065 されど八王(やつわう)大神(だいじん)(けい)神司(かみがみ)らも、066大自在天(だいじざいてん)(けい)神司(かみがみ)らも、067一柱(ひとはしら)としてこの神業(しんげふ)知了(ちれう)()(もの)絶対(ぜつたい)にあらざりしなり。068神諭(しんゆ)に、
069(むかし)神代(かみよ)(めぐ)()て、070(もと)(むかし)神代(かみよ)立替(たてかへ)るぞよ、071三千(さんぜん)世界(せかい)一度(いちど)(ひら)(うめ)(はな)
072などの神示(しんじ)十分(じふぶん)(あぢ)はふべきなり。
073 さて美山彦(みやまひこ)074国照姫(くにてるひめ)二人(ふたり)は、075(みぎ)諸神人(しよしん)国祖(こくそ)()神権(しんけん)によつて、076追放(つゐはう)せしむべきことを、077(めん)(をか)して強硬(きやうかう)進言(しんげん)し、078さいはひにその目的(もくてき)(たつ)したるが、079肝腎(かんじん)かなめの国祖(こくそ)自発(じはつ)(てき)()退隠(たいいん)勧告(くわんこく)(たい)しては、080さすがの邪神(じやしん)口籠(くちごも)発言(はつげん)躊躇(ちうちよ)()たり。081大神(おほかみ)()つぎ(ばや)に、
082(なんぢ)進言(しんげん)はこれにて(をは)れりや』
083()はせたまふに、084()使者(ししや)大神(おほかみ)威厳(ゐげん)()たれて何心(なにごころ)なく、
085『もはや(まを)()ぐることこれ()(さふらふ)
086と、087(おも)はず答申(たふしん)したりける。088国祖(こくそ)大神(おほかみ)()使者(ししや)(こたへ)合図(あひづ)に、089ツト()ちて(たま)(ふすま)()づから()奥殿(おくでん)(ふか)(かく)れさせたまへり。090二柱(ふたはしら)使者(ししや)奥歯(おくば)(もの)(はさ)まれる(ごと)心地(ここち)しながら(いきほひ)なく、091その結果(けつくわ)八王(やつわう)大神(だいじん)奏上(そうじやう)したり。092八王(やつわう)大神(だいじん)肝腎(かんじん)国祖(こくそ)大神(おほかみ)(たい)する自発(じはつ)(てき)()退隠(たいいん)勧告(くわんこく)(あた)はざりし二人(ふたり)卑怯(ひけふ)(いか)り、093(ただ)ちにこれに蟄居(ちつきよ)厳命(げんめい)したれば、094夜食(やしよく)(はづ)れた梟鳥(ふくろどり)(つら)ふくらせながら悄然(せうぜん)として退場(たいぢやう)したりける。
095大正一〇・一二・二九 旧一二・一 出口瑞月
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