霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三八章 (すき)()(こま)〔一八八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻 篇:第6篇 宇宙大道 よみ(新仮名遣い):うちゅうたいどう
章:第38章 隙行く駒 よみ(新仮名遣い):すきゆくこま 通し章番号:188
口述日:1921(大正10)年12月26日(旧11月28日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
万寿山に蟄居していた大八洲彦命一行、またエデンの園に謹慎していた高照姫命一行らは許されて、奥殿に国祖の側近く仕えることになった。しかし神政に対しては、なんらの権限も与えられなかった。
一度神政を離れて国祖のもとで神務のみに仕えることになったら、容易には再び神政を司ることができないという厳格な不文律がある。
これら神務に使える神人らは、国祖御隠退の後もさまざまに身魂を変じ、神界に隠れて五六七神政を待ちつつ活動しているのである。
八王大神・常世彦命を天使長に戴いた聖地は、これまでに無いほど神人らが参集して賑わった。
しかし就任の祝いが終わると神人らはそれぞれ世界中に散って行き、閑散となった聖地の隙を突いて、八頭八尾の大蛇の霊が忍び込んだ。
時が経ち、常世姫は突然梅を好んで食するようになり、そのうちに身篭って男子を産んだ。またその後に女子をもうけた。常世彦・常世姫夫婦は男子を高月彦、女子を初花姫と命名して慈しんだ。
あるとき常世彦命が諸神人とともに竜宮海に舟遊びをしていたとき、八頭八尾の大蛇の霊が海底から現れて、高月彦と瓜二つに化けてしまった。これより常世彦の館には、二人の高月彦が寝起きすることになった。
また常世姫が橄欖山に遊んだ際、イチジクを食べてにわかに身篭り、女子を産んだ。これを五月姫と名づけたが、五月姫は長じて初花姫と背格好からまったく瓜二つに成長し、常世姫も区別がつかないほどになった。
果たして二人の高月彦、初花姫、五月姫らは何神の化身であろうか。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-03-08 18:20:20 OBC :rm0438
愛善世界社版:230頁 八幡書店版:第1輯 454頁 修補版: 校定版:240頁 普及版:104頁 初版: ページ備考:
001 地上(ちじやう)神界(しんかい)は、002国祖(こくそ)国治立(くにはるたちの)(みこと)公明(こうめい)正大(せいだい)なる英断(えいだん)(てき)聖慮(せいりよ)()つて、003(すべ)ての神人(かみがみ)(つみ)(ゆる)され、004大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)005神国別(かみくにわけの)(みこと)006言霊別(ことたまわけの)(みこと)007大足彦(おほだるひこ)008高照姫(たかてるひめの)(みこと)009真澄姫(ますみひめ)010竜世姫(たつよひめ)011言霊姫(ことたまひめ)らは、012国祖(こくそ)大神(おほかみ)侍者(じしや)として奥殿(おくでん)奉仕(ほうし)し、013神政(しんせい)(むか)つては、014(すこ)しも容喙(ようかい)(ゆる)されざりける。
015 (いつ)たん神政(しんせい)(しよく)(はな)れ、016(たん)国祖(こくそ)帷幕(ゐばく)(さん)じ、017神務(しんむ)のみに奉仕(ほうし)するにいたりては、018容易(ようい)神政(しんせい)管理者(くわんりしや)となることの出来(でき)ざるは、019神界(しんかい)厳格(げんかく)なる不文律(ふぶんりつ)なりき。020ゆゑに(これ)らの諸神人(しよしん)は、021国祖(こくそ)()隠退(いんたい)とともに表面(へうめん)隠退(いんたい)されしものの、022千差(せんさ)万様(ばんやう)身魂(みたま)(へん)じ、023五六七(みろく)神政(しんせい)(あかつき)(きた)るを()ちつつ神界(しんかい)(かく)れて活動(くわつどう)されつつありしなり。024このことは後篇(こうへん)判明(はんめい)するに(いた)るべし。
025 ここにいよいよ常世彦(とこよひこの)(みこと)は、026神界(しんかい)執権者(しつけんしや)となり、027天使長(てんしちやう)(しよく)()きぬ。028天地(てんち)開闢(かいびやく)以来(いらい)未曾有(みぞう)盛典(せいてん)にして、029かつ神人(かみがみ)らの精神(せいしん)一致(いつち)したるは、030空前(くうぜん)絶後(ぜつご)といふべき有様(ありさま)なりける。031天上(てんじやう)よりは天津(あまつ)(かみ)八百万(やほよろづ)神人(かみ)(ひき)ゐて、032(あめ)八重雲(やへくも)伊都(いづ)千別(ちわき)千別(ちわき)天降(あまくだ)りたまひ、033国津(くにつ)(かみ)高山(たかやま)伊保理(いほり)034低山(ひきやま)伊保理(いほり)()()けてこの聖地(せいち)(あつ)まり(きた)り、035大海原(おほうなばら)(かみ)(なみ)(ひら)いて聖地(せいち)(あつ)まり、036諸神人(しよしん)一斉(いつせい)にウローウローと(しゆく)する(こゑ)は、037(じつ)(きよ)く、038(いさ)ましく、039壮絶(さうぜつ)快絶(くわいぜつ)たとふるにものなき状況(ありさま)なりける。
040 八王(やつわう)八頭(やつがしら)をはじめ、041諸神人(しよしん)追々(おひおひ)聖地(せいち)(はな)れて、042各自(かくじ)所管(しよくわん)()(かへ)りける。043(いち)()神人(かみがみ)神集(かむつど)ひにより、044隆盛(りうせい)殷賑(いんしん)精気(せいき)()ちたる聖地(せいち)ヱルサレムも、045漸次(ぜんじ)静粛(せいしゆく)(かへ)り、046あたかも洪水(こうずゐ)退(ひき)しごとくなりぬ。047神人(かみがみ)らの合同(がふどう)して至誠(しせい)顕彰(けんしやう)するときは、048いかなる兇暴(きようばう)なる邪神(じやしん)といへども、049これに(むか)つて一指(いつし)()むるの余地(よち)なきものなり。
050 されど聖地(せいち)は、051自然(しぜん)静粛(せいしゆく)閑寂(かんじやく)となり、052邪神界(じやしんかい)にたいしての制圧力(せいあつりよく)は、053手薄(てうす)になり()たりけり。054ここに八頭(やつがしら)八尾(やつを)大蛇(をろち)(れい)は、055潜心(せんしん)万難(ばんなん)(はい)し、056黄金橋(わうごんけう)()(およ)ぎわたり、057(ひそ)かに竜宮海(りうぐうかい)占領(せんりやう)し、058竜宮海(りうぐうかい)竜王(りうわう)となりて海底(かいてい)(ひそ)み、059(とき)のいたるを()ちつつありける。060されど流石(さすが)八頭(やつがしら)八尾(やつを)大蛇(をろち)も、061天使長(てんしちやう)身魂(みたま)(をか)すこと容易(ようい)ならず、062常世姫(とこよひめ)依然(いぜん)として竜宮城(りうぐうじやう)主宰(しゆさい)となりゐたり。063常世姫(とこよひめ)身体(しんたい)には、064一大(いちだい)異状(いじやう)(きた)し、065(にはか)庭園(ていえん)青梅(あをうめ)侍女(じぢよ)にもぎとらせ、066(この)みてこれを(しよく)するにいたりける。
067 この(うめ)沢山(たくさん)(しよく)するとともに、068腹部(ふくぶ)()(つき)膨張(ぼうてう)し、069十二(じふに)(げつ)()(たま)のごとき男子(だんし)()(おと)したれば、070父母(ふぼ)二神司(にしん)はおほいに(よろこ)び、071掌中(しやうちう)(たま)()で、072(てふ)(はな)よと(いつく)しみ、073その成長(せいちやう)引伸(ひきの)ばすやうに()()たり。074ややありてふたたび常世姫(とこよひめ)は、075(うめ)()(この)むに(いた)り、076以前(いぜん)のごとく腹部(ふくぶ)()(つき)膨張(ぼうてう)し、077十六(じふろく)(げつ)()(たま)のごとき女子(ぢよし)()みける。078ここにおいて男子(だんし)には高月彦(たかつきひこ)命名(めいめい)し、079女子(ぢよし)には初花姫(はつはなひめ)命名(めいめい)(みぎ)(ひだり)月花(げつくわ)(かざ)つたるごとく、080(たの)しみつつ二児(にじ)成長(せいちやう)()ちける。081高月彦(たかつきひこ)(ちやう)ずるにおよんて()082(じん)083(ゆう)三徳(さんとく)完全(くわんぜん)発揮(はつき)し、084初花姫(はつはなひめ)親愛(しんあい)兼備(けんび)(とく)(たた)へられける。
085 あるとき常世彦(とこよひこの)(みこと)は、086竜宮海(りうぐうかい)(ふね)(うか)べ、087諸神人(しよしん)とともに酒宴(しゆえん)(もよほ)()たるに、088たちまち暴風(ばうふう)吹起(ふきおこ)るよと()るまに、089海水(かいすゐ)左右(さいう)にパツと(わか)れ、090海底(かいてい)(ひそ)魚介(ぎよかい)姿(すがた)まで明瞭(めいれう)()えにける。091このとき海底(かいてい)より八頭(やつがしら)八尾(やつを)大蛇(をろち)姿(すがた)(あら)はれて、092()()高月彦(たかつきひこ)となりける。093常世彦(とこよひこの)(みこと)は、094この怪物(くわいぶつ)一刀(いつたう)(もと)寸断(すんだん)せむと(おも)ひしが、095あまり我児(わがこ)酷似(こくじ)せるを(おも)(うか)べて躊躇(ちうちよ)したり。096(にせ)高月彦(たかつきひこ)は、097ただちに(みこと)居館(やかた)(むか)つて()(いそ)ぎけるに、098常世彦(とこよひこの)(みこと)(おどろ)いて舟遊(ふなあそ)びを中止(ちゆうし)し、099(やかた)(かへ)()れば(おく)()二人(ふたり)高月彦(たかつきひこ)100色沢(いろつや)といひ、101背格好(せかつかう)といひ、102(たて)から()るも(よこ)から()るも、103(すこ)しの差異(さい)もなかりける。104(みこと)はいづれを(しん)愛児(あいじ)弁別(べんべつ)すること(あた)はざりける。105しかして一人(ひとり)高月彦(たかつきひこ)(ひがし)すれば、106また一人(ひとり)(かげ)(かたち)(したが)ふごとく(ひがし)(すす)み、107また西(にし)(すす)めば西(にし)(すす)むといふ調子(てうし)にて、108分時(ふんじ)といへども二人(ふたり)(はな)れざりける。
109 あるとき常世姫(とこよひめ)は、110侍女(じぢよ)(したが)へて橄欖山(かんらんざん)(あそ)び、111無花果(いちじく)()つて(たの)しみゐたりしが、112その(うち)(すぐ)れて(いろ)(うる)はしく、113(だい)なる無花果(いちじく)()がただ一個(ひとつ)114(とき)得顔(えがほ)(じゆく)しゐたり。115常世姫(とこよひめ)一目(ひとめ)()るより、116その無花果(いちじく)(しき)りに()ひたくなりければ、117侍女(じぢよ)(めい)じてその無花果(いちじく)むしり()らしめ、118その()端坐(たんざ)し、119四方(よも)景色(けしき)(なが)めながら、120美味(うま)さうに()(をは)りぬ。
121 (にはか)常世姫(とこよひめ)腹痛(はらいた)(はつ)して苦悶(くもん)(はじ)めたるに、122侍女(じぢよ)(おどろ)いてこれを(たす)(おこ)し、123竜宮城(りうぐうじやう)(ない)(たす)(かへ)りしが、124陣痛(ぢんつう)はなはだしく、125(たま)のごとき女子(ぢよし)()(おと)したり。126女児(ぢよじ)(かほ)初花姫(はつはなひめ)()るも()たり、127瓜二(うりふた)つなりければ、128父母(ふぼ)二神司(にしん)五月姫(さつきひめ)命名(めいめい)し、129これを愛育(あいいく)したり。130追々(おひおひ)成長(せいちやう)してこれまた(あね)初花姫(はつはなひめ)背丈(せたけ)131容色(ようしよく)すべてが瓜二(うりふた)つとなりける。
132 現在(げんざい)(おや)(まなこ)より、133その姉妹(しまい)弁別(べんべつ)するに(くる)しみける。134(はた)してこの姉妹(しまい)何神(なにがみ)化身(けしん)なりしか。
135大正一〇・一二・二六 旧一一・二八 外山豊二録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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