霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第七章 涼風(りやうふう)凄風(せいふう)〔一五七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻 篇:第1篇 八洲の川浪 よみ(新仮名遣い):やすのかわなみ
章:第7章 涼風凄風 よみ(新仮名遣い):りょうふうせいふう 通し章番号:157
口述日:1921(大正10)年12月17日(旧11月19日) 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
第一回の常世会議は混乱のうちに幕を閉じた。そこで八王大神は第二回目の会議には常世姫、春日姫、八島姫を壇上に乗せて、女性たちの美しさで会議をまとめようとした。
常世姫が挨拶を述べた後、春日姫は自分がモスコーを逐電して以来、常世の国でいかに八王大神と常世姫に手厚い保護を受けたかを、とうとうと述べ立てた。
これに対し、モスコーの八王にして春日姫の父である道貫彦が壇上に上った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-04-29 20:48:12 OBC :rm0407
愛善世界社版:42頁 八幡書店版:第1輯 387頁 修補版: 校定版:45頁 普及版:20頁 初版: ページ備考:
001 第一回(だいいつくわい)常世城(とこよじやう)大会議(だいくわいぎ)前述(ぜんじゆつ)のごとく、002大混乱(だいこんらん)のあひだに日没(にちぼつ)とともに(まく)()ぢられ、003(あく)れば八百(はつぴやく)八十八(はちじふや)(はしら)神司(かみがみ)鶏鳴(けいめい)合図(あひづ)にさきを(あらそ)ふて大広間(おほひろま)参集(さんしふ)したり。004合図(あひづ)磬盤(けいばん)(ひび)きとともに神司(かみがみ)らは各自(かくじ)(まう)けの(せき)()きにける。
005 八王(やつわう)大神(だいじん)(つま)常世姫(とこよひめ)春日姫(かすがひめ)006八島姫(やしまひめ)とともに中央(ちうあう)高座(かうざ)登壇(とうだん)したり。007春日姫(かすがひめ)艶麗(えんれい)なる容姿(ようし)は、008満座(まんざ)神司(かみがみ)らをして驚歎(きやうたん)(まなこ)()はらしめたり。009あたかも五百(ごひやく)羅漢(らかん)陳列(ちんれつ)せしごとき不恰好(ぶかつかう)(かほ)のみなる神司(かみがみ)らの(あひだ)には、010一層(いつそう)衆目(しうもく)()きたるも自然(しぜん)道理(だうり)なりける。011つぎに八島姫(やしまひめ)容貌(ようばう)012また春日姫(かすがひめ)(おと)らぬ(うる)はしさ、013(しう)視線(しせん)()せずして二人(ふたり)姿(すがた)集注(しふちう)せり。014常世姫(とこよひめ)(いろ)あくまで(しろ)く、015光沢(くわうたく)鮮麗(せんれい)にして白雪(はくせつ)旭日(あさひ)()らされたるごとき容姿(ようし)にして、016この(さん)(にん)女性(めがみ)(つき)(ゆき)(はな)一度(いちど)(なが)めしごとき、017(なん)ともいへぬ立派(りつぱ)なる神品(しんぴん)遺憾(ゐかん)なく壇上(だんじやう)発揮(はつき)したりけり。018昨日(きのふ)殺風景(さつぷうけい)なる議場(ぎぢやう)()きかへ、019今日(けふ)()つて(かは)りし女性(めがみ)出場(しゆつぢやう)で、020(はる)長閑(のどか)空気(くうき)(ただよ)()たりける。021すべて相談事(さうだんごと)女性(ぢよせい)姿(すがた)(あら)はれざれば、022何事(なにごと)もゴツゴツとしてうまくゆかぬものなり。023第一回(だいいつくわい)会議(くわいぎ)紛糾(ふんきう)混乱(こんらん)()()きたる常世彦(とこよひこ)は、024方針(はうしん)一変(いつぺん)し、025平和(へいわ)女性(ぢよせい)として(つき)(ゆき)(はな)(まが)嬋娟(せんけん)窈窕(えうてう)たる三女性(さんぢよせい)をこの議場(ぎぢやう)出席(しゆつせき)せしめ、026集議(しふぎ)大目(だいもく)(てき)達成(たつせい)せむとしたるなり。
027 一旦(いつたん)モスコーに(やぶ)れ、028八頭(やつがしら)夕日別(ゆうひわけ)とともに万寿山(まんじゆざん)避難(ひなん)()たる八王(やつわう)道貫彦(みちつらひこ)御校正本・愛世版では「万寿山の八頭夕日別と共に避難し居たる八王道貫彦は」になっているが、校定版・八幡版では「八頭夕日別とともに万寿山に避難しゐたる八王道貫彦は」になっている。ストーリー上は後者が正しいので、霊界物語ネットでも後者を採用した。は、029春日姫(かすがひめ)の、030いまや常世姫(とこよひめ)侍女(じぢよ)としてこの壇上(だんじやう)(あら)はれたるを()て、031不審(ふしん)()へず、032(くび)をやや左方(さはう)(かたむ)け、033(かれ)はわが最愛(さいあい)(むすめ)春日姫(かすがひめ)には(あら)ずやと、034わき()もふらず見守(みまも)りゐたりけるが、035道貫彦(みちつらひこ)(こころ)のうちに(おも)ふやう、036(はな)(くちびる)(つき)(まゆ)037(くは)ふるに左頬(さけふ)ゑくぼといひ、038背恰好(せかつかう)といひ、039寸分(すんぶん)(ちが)はぬその容姿(ようし)040もしや(わが)(むすめ)春日姫(かすがひめ)にあらざるかと、041溜息(ためいき)をつき思案(しあん)()れゐたりける。
042 また南高山(なんかうざん)八王(やつわう)大島別(おほしまわけ)は、043八島姫(やしまひめ)姿(すがた)(とほ)自席(じせき)よりながめ、044日常(にちじやう)(こころ)(くだ)きて恋慕(こひした)()(むすめ)八島姫(やしまひめ)容貌(ようばう)酷似(こくじ)せるは如何(いか)なる理由(りいう)ぞ、045()には()たるものもあるものかな。046()居城(きよじやう)にある八島姫(やしまひめ)見比(みくら)べて(うり)(ふた)つに()りたるごとし。047アヽなつかしさの(かぎ)りなりと()()つごとき(おも)ひにて、048つくづくと八島姫(やしまひめ)面色(かほいろ)(あな)のあくほど()つめてゐたり。
049 このとき常世姫(とこよひめ)満座(まんざ)神人(かみがみ)らを見渡(みわた)し、050慇懃(いんぎん)遠来(ゑんらい)労苦(らうく)(しや)し、051顔色(がんしよく)をやはらげ、052温順(おんじゆん)(よそほ)ひて挨拶(あいさつ)()べけり。
053神界(しんかい)永遠(ゑいゑん)平和(へいわ)のため、054諸神司(しよしん)和衷(わちう)協同(けふどう)して本会議(ほんくわいぎ)目的(もくてき)完全(くわんぜん)達成(たつせい)せしめられむ(こと)希望(きばう)(いた)りに()へず』
055滔々(たうたう)として布留那(ふるな)雄弁(ゆうべん)をふるひ諸神司(しよしん)をして()はしめたりぬ。056今日(けふ)旭光(きよくくわう)ことのほか鮮麗(せんれい)なりしが、057正午(しやうご)(いた)りてますます光輝(くわうき)()し、058大広間(おほひろま)()ンとも()(やう)なき(あか)るき気分(きぶん)(かがや)きがただよひ、059神司(かみがみ)らの顔色(がんしよく)(なん)となく(いさ)ましげに()えにける。
060 ここに春日姫(かすがひめ)満座(まんざ)にむかひ、061叮嚀(ていねい)一礼(いちれい)していふ、
062(わらは)はモスコーの城主(じやうしゆ)八王(やつわう)道貫彦(みちつらひこ)(むすめ)にして、063春日姫(かすがひめ)(まを)すものなり。064(わらは)邪神(じやしん)のために()せられ、065不覚(ふかく)(あやま)ちより生命(せいめい)すでに(あやふ)きところ、066慈愛(じあい)()める常世姫(とこよひめ)のために一命(いちめい)(すく)はれしのみならず、067肉身(にくしん)父母(ふぼ)にもおよばぬ無限(むげん)(あい)をほどこされ、068いまは常世彦(とこよひこ)()夫婦(ふうふ)侍女(じぢよ)として、069日夜(にちや)誠心(せいしん)誠意(せいい)のあらむ(かぎ)りをつくし奉仕(ほうし)せり。070(わらは)最初(さいしよ)()夫婦(ふうふ)心事(しんじ)行動(かうどう)をうたがひ、071平素(へいそ)審神(さには)(みち)(おこた)らざりしが、072(あん)相違(さうゐ)八王(やつわう)大神(だいじん)仁慈(じんじ)博愛(はくあい)()める大御心(おほみこころ)(てん)のごとく(たか)く、073海洋(かいやう)のごとく(ふか)く、074(ひろ)きを心底(しんてい)より透察(とうさつ)して、075はじめの(わらは)(うたが)ひたてまつりたる邪心(じやしん)()ぢ、076(てん)にも()にも()()きどころなきまでに懺悔(ざんげ)(ねん)()たれたり。077(ことわざ)にも疑心(ぎしん)暗鬼(あんき)(しやう)ずとかや、078神司(かみがみ)らはよろしく反省(はんせい)して、079(きよ)く、080(あか)く、081(なほ)く、082(ただ)しき至誠(しせい)(こころ)をもつて、083その大御心(おほみこころ)とその行為(かうゐ)拝察(はいさつ)されなば、084平素(へいそ)疑団(ぎだん)はまつたく氷解(ひようかい)せむ。085現今(げんこん)のごとき(くさ)片葉(かきは)にいたるまで言問(ことと)ひあげつらふ世界(せかい)は、086到底(たうてい)以前(いぜん)のごとき神政(しんせい)経綸(けいりん)神策(しんさく)にては修斎(しうさい)(みち)(おも)ひもよらず、087天下(てんか)神人(しんじん)をして至安(しあん)至楽(しらく)()安住(あんぢう)せしめむとの八王(やつわう)大神(だいじん)大慈(だいじ)大悲(だいひ)神心(かみごころ)よりいでたる大会議(だいくわいぎ)なれば、088諸神司(しよしん)時代(じだい)趨勢(すうせい)(おもんぱか)りて小異(せうい)()大同(だいどう)(がつ)し、089大慈(だいじ)大悲(だいひ)神心(かみごころ)発揮(はつき)し、090区々(くく)たる一切(いつさい)感情(かんじやう)()世界(せかい)統一(とういつ)大業(たいげふ)翼賛(よくさん)するため、091その第一(だいいち)着手(ちやくしゆ)として諸山(しよざん)各地(かくち)割拠(かつきよ)守護(しゆご)する八王(やつわう)聖座(せいざ)自発(じはつ)(てき)撤廃(てつぱい)し、092天下(てんか)共同(きようどう)のもとに八王(やつわう)大神(だいじん)幕下(ばくか)となり、093一切(いつさい)聖職(せいしよく)()げて八王(やつわう)大神(だいじん)管理(くわんり)委任(ゐにん)し、094その指揮(しき)(あふ)ぐにいたらば、095政令(せいれい)一途(いつと)(いで)て、096現今(げんこん)のごとき天下(てんか)紛乱(ふんらん)根本(こんぽん)より払拭(ふつしき)し、097国祖(こくそ)国治立(くにはるたちの)(みこと)大神業(だいしんげふ)至誠(しせい)忠実(ちうじつ)奉仕(ほうし)することを()む。098諸神司(しよしん)()決心(けつしん)如何(いかん)
099と、100あたかも梅花(ばいくわ)(つゆ)にほころぶごとき優美(いうび)なる(くち)より、101流暢(りうてう)なる懸河(けんが)能弁(のうべん)をふるひ、102莞爾(くわんじ)として、103降壇(かうだん)せむとするや、104神人(かみがみ)らの拍手(はくしゆ)(こゑ)雨霰(あめあられ)のごとく四辺(しへん)より(ひび)ききたりぬ。105常世姫(とこよひめ)はなにゆゑか春日姫(かすがひめ)降壇(かうだん)せむとするを引留(ひきと)依然(いぜん)として壇上(だんじやう)()たしめたり。106このとき議席(ぎせき)左側(ひだりがは)八王(やつわう)座席(ざせき)より()()(おこ)したる神司(しんし)ありき。107これ春日姫(かすがひめ)(ちち)にして、108モスコーの城主(じやうしゆ)八王(やつわう)道貫彦(みちつらひこ)なりける。109八王(やつわう)常世姫(とこよひめ)にむかひて登壇(とうだん)許可(きよか)せられむ(こと)をと、110(こころ)ありげに請求(せいきう)しければ、111常世姫(とこよひめ)はニヤリと(わら)ひて、112(こころよ)登壇(とうだん)請求(せいきう)快諾(くわいだく)したりける。
113大正一〇・一二・一七 旧一一・一九 出口瑞月
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