霊界物語は五巻で終了する予定だったが、筆録者の希望により、四巻辺りからより詳細に物語ることになった。
そのため、伊邪那岐・伊邪那美二神が天の浮橋にご降臨される場面は、第六巻で物語られることになる。
物語は、明治三十二年七月から三十三年の八月にかけて執筆されていた。ただ一部の信者にのみ、閲覧を許していた。
そうしたところ、物語を読んだ者の中でよからぬ考えを起こした者たちがおり、妖魅に取りつかれて死んでしまったり、五百巻余りの物語を焼き捨てたりしてしまった。
大正十年の旧九月まで、神界の許しが無く、再度物語を口述することができなかった。最近、邪神に取りつかれて、開祖の系統の人が物語を解き明かす、といったような支離滅裂なことを言い出す人がいる。
これは、悪神が物語を読み覚えていて、さも何もかも知っているかのように言って、惑わしているのである。邪神に憑かれた人の筆先に、似たような神名が出てくるのはそのせいである。
天授の奇魂によって、正邪を判断しなければならない。
また、物語について世間の学者先生の批評がいろいろあるようだが、私はただ神示のままに工作し口述するするばかりである。