霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第5巻(辰の巻)
序文
凡例
総説嵐の跡
第1篇 動天驚地
01 栄華の夢
〔201〕
02 松竹梅
〔202〕
03 臭黄の鼻
〔203〕
04 奇縁万状
〔204〕
05 盲亀の浮木
〔205〕
06 南天王
〔206〕
07 三拍子
〔207〕
08 顕恩郷
〔208〕
09 鶴の温泉
〔209〕
第2篇 中軸移動
10 奇々怪々
〔210〕
11 蜃気楼
〔211〕
12 不食不飲
〔212〕
13 神憑の段
〔213〕
14 審神者
〔214〕
15 石搗歌
〔215〕
16 霊夢
〔216〕
第3篇 予言と警告
17 勢力二分
〔217〕
18 宣伝使
〔218〕
19 旭日出暗
〔219〕
20 猿蟹合戦
〔220〕
21 小天国
〔221〕
22 神示の方舟
〔222〕
第4篇 救世の神示
23 神の御綱
〔223〕
24 天の浮橋
〔224〕
25 姫神の宣示
〔225〕
26 艮坤の二霊
〔226〕
27 唖の対面
〔227〕
28 地教山の垂示
〔228〕
第5篇 宇宙精神
29 神慮洪遠
〔229〕
30 真帆片帆
〔230〕
31 万波洋々
〔231〕
32 波瀾重畳
〔232〕
33 暗夜の光明
〔233〕
34 水魚の情交
〔234〕
第6篇 聖地の憧憬
35 波上の宣伝
〔235〕
36 言霊の響
〔236〕
37 片輪車
〔237〕
38 回春の歓
〔238〕
39 海辺の雑話
〔239〕
40 紅葉山
〔240〕
41 道神不二
〔241〕
42 神玉両純
〔242〕
第7篇 宣伝又宣伝
43 長恨歌
〔243〕
44 夜光の頭
〔244〕
45 魂脱問答
〔245〕
46 油断大敵
〔246〕
47 改言改過
〔247〕
48 弥勒塔
〔248〕
49 水魚の煩悶
〔249〕
50 磐樟船
〔250〕
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。
実験用サイト
|
サブスク
霊界物語
>
第5巻
> 第1篇 動天驚地 > 第3章 臭黄の鼻
<<< 松竹梅
(B)
(N)
奇縁万状 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第三章
臭黄
(
くさき
)
の
鼻
(
はな
)
〔二〇三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻
篇:
第1篇 動天驚地
よみ(新仮名遣い):
どうてんきょうち
章:
第3章 臭黄の鼻
よみ(新仮名遣い):
くさきのはな
通し章番号:
203
口述日:
1922(大正11)年01月04日(旧12月07日)
口述場所:
筆録者:
吉見清子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年4月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
持ち帰った神璽は橄欖山の神殿に鎮祭された。それより神殿は一日おきに鳴動するようになった。しかしこの神璽に宿っていたのは、八頭八尾の悪竜の霊であった。
これより聖地エルサレムには怪事が続発して暗雲に包まれた。八王大神はやや反省の色を表し、ひそかに国祖の神霊を人知れず鎮祭していた。
玉春姫と塩光彦は駆け落ちしてエデンの園の大樹の下で、ひそかに暮らしていた。盤古大神は息子がいなくなったのを悲しみ、神示を乞うた。すると、息子はエデンの園の大樹の下に、一人の女性と暮らしているのが見えた。
盤古大神はただちに大樹の周りを探させた。塩光彦と玉春姫は樹上に逃れて捜索の目をくらましていたが、ついに見つかって連れ戻された。
一方常世彦夫婦も、娘がいなくなってしまったために方々を捜索させていたが、何の手がかりもなかった。常世彦は国祖に祈って、エデンの園という神示を得た。
常世彦はそこで、娘・玉春姫の捜索を盤古大神に願い出たが、盤古大神は常世彦に一通の信書を返すのみであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm0503
愛善世界社版:
25頁
八幡書店版:
第1輯 527頁
修補版:
校定版:
27頁
普及版:
13頁
初版:
ページ備考:
001
いよいよ
橄欖山
(
かんらんざん
)
の
神殿
(
しんでん
)
には、
002
エデンの
園
(
その
)
より
捧持
(
はうぢ
)
し
参
(
まゐ
)
りたる
神璽
(
しんじ
)
を
恭
(
うやうや
)
しく
鎮祭
(
ちんさい
)
された。
003
この
神殿
(
しんでん
)
は
隔日
(
かくじつ
)
に
鳴動
(
めいどう
)
するのが
例
(
れい
)
となつた。
004
これを
日毎
(
ひごと
)
轟
(
とどろ
)
きの
宮
(
みや
)
と
云
(
い
)
ふ。
005
この
神霊
(
しんれい
)
は
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
霊
(
れい
)
ではなくして、
006
八頭
(
やつがしら
)
八尾
(
やつを
)
の
悪竜
(
あくりう
)
の
霊
(
れい
)
であつた。
007
これより
聖地
(
せいち
)
ヱルサレム
宮殿
(
きうでん
)
は、
008
日夜
(
にちや
)
に
怪事
(
くわいじ
)
のみ
続発
(
ぞくはつ
)
し
暗雲
(
あんうん
)
につつまれた。
009
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
常世彦
(
とこよひこ
)
はやや
良心
(
りやうしん
)
に
省
(
かへり
)
みるところあつて、
010
窃
(
ひそか
)
に
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
の
神霊
(
しんれい
)
を
他
(
ひと
)
知
(
し
)
れず
鎮祭
(
ちんさい
)
し、
011
昼夜
(
ちうや
)
その
罪
(
つみ
)
を
謝
(
しや
)
しつつあつた。
012
大神
(
おほかみ
)
の
怒
(
いか
)
りやや
解
(
と
)
けたりけむ、
013
久
(
ひさし
)
振
(
ぶ
)
りにて
東天
(
とうてん
)
に
太陽
(
たいやう
)
のおぼろげなる
御影
(
みかげ
)
を
見
(
み
)
ることを
得
(
え
)
た。
014
随
(
したが
)
つて
月
(
つき
)
の
影
(
かげ
)
が
昇
(
のぼ
)
りそめた。
015
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
は
夜
(
よる
)
ひそかに
庭園
(
ていえん
)
に
出
(
い
)
で、
016
月神
(
げつしん
)
に
向
(
むか
)
つて
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
にくれた。
017
されどその
本
(
ほん
)
守護神
(
しゆごじん
)
は
悪霊
(
あくれい
)
の
憑依
(
ひようい
)
せる
副
(
ふく
)
守護神
(
しゆごじん
)
のために
根底
(
こんてい
)
より
改心
(
かいしん
)
することは
出来
(
でき
)
なかつた。
018
玉春姫
(
たまはるひめ
)
は
塩光彦
(
しほみつひこ
)
と
手
(
て
)
を
携
(
たづさ
)
へ、
019
父母
(
ふぼ
)
両親
(
りやうしん
)
の
目
(
め
)
をくぐりて、
020
エデンの
大河
(
たいが
)
をわたり、
021
エデンの
楽園
(
らくゑん
)
にいたり、
022
園
(
その
)
の
東北隅
(
とうほくぐう
)
の
枝葉
(
しえう
)
繁茂
(
はんも
)
せる
大樹
(
たいじゆ
)
の
下
(
した
)
にひそかに
暮
(
くら
)
してゐた。
023
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
は
塩光彦
(
しほみつひこ
)
の
影
(
かげ
)
を
失
(
うしな
)
ひしに
驚
(
おどろ
)
き、
024
昼夜
(
ちうや
)
禊身
(
みそぎ
)
をなし、
025
断食
(
だんじき
)
をおこなひ、
026
天地
(
てんち
)
の
神明
(
しんめい
)
を
祈
(
いの
)
つた
時
(
とき
)
しも、
027
園
(
その
)
の
東北
(
とうほく
)
に
当
(
あた
)
つて
紫
(
むらさき
)
の
雲
(
くも
)
たち
昇
(
のぼ
)
り、
028
雲中
(
うんちゆう
)
に
塩光彦
(
しほみつひこ
)
ほか
一柱
(
ひとはしら
)
の
女神
(
めがみ
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
た。
029
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
はただちに
従者
(
じゆうしや
)
に
命
(
めい
)
じ、
030
その
方面
(
はうめん
)
を
隈
(
くま
)
なく
捜
(
さが
)
さしめた。
031
塩光彦
(
しほみつひこ
)
、
032
玉春姫
(
たまはるひめ
)
は、
033
神々
(
かみがみ
)
らの
近
(
ちか
)
づく
足音
(
あしおと
)
に
驚
(
おどろ
)
き、
034
もつとも
茂
(
しげ
)
れる
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
高
(
たか
)
く
登
(
のぼ
)
つて
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
した。
035
この
木
(
き
)
は
麗
(
うるは
)
しき
木
(
こ
)
の
実
(
み
)
あまた
実
(
みの
)
つて、
036
いつまで
上
(
のぼ
)
つてゐても
食物
(
しよくもつ
)
には
充分
(
じうぶん
)
であつた。
037
神々
(
かみがみ
)
らは
園内
(
ゑんない
)
隈
(
くま
)
なく
捜索
(
そうさく
)
した。
038
されど
二人
(
ふたり
)
の
姿
(
すがた
)
は
何日
(
なんにち
)
経
(
た
)
つても
見当
(
みあた
)
らなかつた。
039
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
はこれを
聞
(
き
)
いて
大
(
おほ
)
いに
悲
(
かな
)
しんだ。
040
しかして
自
(
みづか
)
ら
園内
(
ゑんない
)
を
捜
(
さが
)
し
廻
(
まは
)
つた。
041
枝葉
(
しえう
)
の
茂
(
しげ
)
つた
果樹
(
くわじゆ
)
の
片隅
(
かたすみ
)
より
一々
(
いちいち
)
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
つつあつた。
042
樹上
(
じゆじやう
)
の
塩光彦
(
しほみつひこ
)
は
父
(
ちち
)
の
樹下
(
じゆか
)
に
来
(
きた
)
ることを
夢
(
ゆめ
)
にも
知
(
し
)
らず、
043
平気
(
へいき
)
になつて
大地
(
だいち
)
にむかつて、
044
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
薄
(
うす
)
き
所
(
ところ
)
より
臀引
(
しりひ
)
きまくりて、
045
穢
(
きたな
)
き
物
(
もの
)
を
落
(
おと
)
した。
046
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
は
怪
(
あや
)
しき
物音
(
ものおと
)
と
仰向
(
あふむ
)
くとたんに、
047
臭
(
くさ
)
き
物
(
もの
)
は
鼻
(
はな
)
と
口
(
くち
)
の
上
(
うへ
)
に
落
(
お
)
ちてきた。
048
驚
(
おどろ
)
いて
声
(
こゑ
)
を
立
(
た
)
て
侍者
(
じしや
)
を
呼
(
よ
)
んだ。
049
されど
一柱
(
ひとはしら
)
も
近
(
ちか
)
くには
侍者
(
じしや
)
の
影
(
かげ
)
は
見
(
み
)
えなかつた。
050
やむを
得
(
え
)
ず
細
(
ほそ
)
き
渓水
(
たにみづ
)
に
下
(
お
)
りて
洗
(
あら
)
ひ
落
(
おと
)
し、
051
ふたたび
上
(
うへ
)
を
眺
(
なが
)
むれば、
052
豈計
(
あにはか
)
らむや、
053
天人
(
てんにん
)
にも
見
(
み
)
まがふばかりの
美女
(
びぢよ
)
を
擁
(
よう
)
し、
054
樹上
(
じゆじやう
)
にわが
子
(
こ
)
塩光彦
(
しほみつひこ
)
がとまつてゐた。
055
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
は
大
(
おほい
)
に
怒
(
いか
)
り、
056
はやくこの
木
(
き
)
を
下
(
くだ
)
れと
叫
(
さけ
)
んだ。
057
二人
(
ふたり
)
は
相
(
あひ
)
擁
(
よう
)
し
父
(
ちち
)
の
声
(
こゑ
)
はすこしも
耳
(
みみ
)
に
入
(
い
)
らない
様子
(
やうす
)
であつた。
058
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
は
声
(
こゑ
)
を
嗄
(
から
)
して
呼
(
よ
)
んだ。
059
されど
樹上
(
じゆじやう
)
の
二人
(
ふたり
)
の
耳
(
みみ
)
には、
060
どうしても
入
(
はい
)
らない。
061
如何
(
いかん
)
とならば、
062
この
木
(
き
)
の
果物
(
くだもの
)
を
食
(
く
)
ふときは、
063
眼
(
め
)
は
疎
(
うと
)
く、
064
耳
(
みみ
)
遠
(
とほ
)
くなるからである。
065
ゆゑにこの
木
(
き
)
を
耳無
(
みみな
)
しの
木
(
き
)
と
云
(
い
)
ふ。
066
その
実
(
み
)
は
目無
(
めな
)
しの
実
(
み
)
といふ。
067
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
に「ありのみ」といひ、
068
梨
(
なし
)
の
実
(
み
)
といふのはこれより
転訛
(
てんくわ
)
したものである。
069
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
は
宮殿
(
きうでん
)
に
馳
(
は
)
せ
帰
(
かへ
)
り、
070
神々
(
かみがみ
)
を
集
(
あつ
)
めこの
木
(
き
)
に
駆
(
か
)
け
上
(
のぼ
)
らしめ、
071
無理
(
むり
)
に
二人
(
ふたり
)
を
引摺
(
ひきず
)
りおろし、
072
殿内
(
でんない
)
に
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
つた。
073
見
(
み
)
れば
二柱
(
ふたはしら
)
とも
目
(
め
)
うすく
耳
(
みみ
)
はすつかり
聾者
(
ろうしや
)
となつてゐたのである。
074
ここに
塩長姫
(
しほながひめ
)
は
二人
(
ふたり
)
のこの
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
て
大
(
おほい
)
に
憐
(
あは
)
れみ
且
(
か
)
つ
嘆
(
なげ
)
き、
075
庭先
(
にはさき
)
に
咲
(
さ
)
き
乱
(
みだ
)
れたる
匂
(
にほ
)
ひ
麗
(
うるは
)
しき
草花
(
くさばな
)
を
折
(
を
)
りきたりて、
076
二人
(
ふたり
)
の
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
に
挿
(
さ
)
した。
077
これより
二人
(
ふたり
)
の
耳
(
みみ
)
は
聞
(
きこ
)
えるやうになつた。
078
ゆゑにこの
花
(
はな
)
を
菊
(
きく
)
の
花
(
はな
)
と
名
(
な
)
づけた。
079
これが
後世
(
こうせい
)
頭
(
かしら
)
に
花簪
(
はなかんざし
)
を
挿
(
さ
)
す
濫觴
(
らんしやう
)
である。
080
一方
(
いつぱう
)
聖地
(
せいち
)
ヱルサレムにおいては、
081
玉春姫
(
たまはるひめ
)
の
何時
(
いつ
)
となく
踪跡
(
そうせき
)
を
晦
(
くらま
)
したるに
驚
(
おどろ
)
き、
082
両親
(
りやうしん
)
は
部下
(
ぶか
)
の
神人
(
かみがみ
)
らをして、
083
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
、
084
河
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
、
085
海
(
うみ
)
の
果
(
はて
)
まで
残
(
のこ
)
る
隈
(
くま
)
なく
捜
(
さが
)
さしめた。
086
されど
何
(
なん
)
の
便
(
たよ
)
りもなかつた。
087
常世彦
(
とこよひこ
)
はひそかに
国祖
(
こくそ
)
の
神霊
(
しんれい
)
に
祈
(
いの
)
り、
088
夢
(
ゆめ
)
になりとも
愛児
(
あいじ
)
の
行方
(
ゆくへ
)
を
知
(
しら
)
させたまへと
祈願
(
きぐわん
)
しつつあつた。
089
ある
夜
(
よ
)
の
夢
(
ゆめ
)
に
何処
(
いづこ
)
ともなく『エデンの
園
(
その
)
』といふ
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えた。
090
八王
(
やつわう
)
大神
(
だいじん
)
は
直
(
ただち
)
にエデンの
宮殿
(
きうでん
)
に
致
(
いた
)
り、
091
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
に
願
(
ねが
)
ひ、
092
エデンの
園
(
その
)
を
隈
(
くま
)
なく
捜索
(
そうさく
)
せむことを
使者
(
ししや
)
をして
乞
(
こ
)
はしめた。
093
盤古
(
ばんこ
)
大神
(
だいじん
)
は
信書
(
しんしよ
)
を
認
(
したた
)
め、
094
使者
(
ししや
)
をして
持
(
も
)
ち
帰
(
かへ
)
らしめた。
095
常世彦
(
とこよひこ
)
は
恭
(
うやうや
)
しく
押
(
お
)
しいただきこれを
披見
(
ひけん
)
して、
096
かつ
喜
(
よろこ
)
びかつ
驚
(
おどろ
)
きぬ。
097
(
大正一一・一・四
旧大正一〇・一二・七
吉見清子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 松竹梅
(B)
(N)
奇縁万状 >>>
霊界物語
>
第5巻
> 第1篇 動天驚地 > 第3章 臭黄の鼻
Tweet
目で読むのに疲れたら耳で聴こう!霊界物語の朗読ユーチューブ
逆リンク(このページにリンクが張られているページ)
縁起譚 花かんざしの起源 | 飯塚弘明.com
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【03 臭黄の鼻|第5巻(辰の巻)|霊界物語/rm0503】
合言葉「みろく」を入力して下さい→