霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二七章 (おし)対面(たいめん)〔二二七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻 篇:第4篇 救世の神示 よみ(新仮名遣い):きゅうせいのしんじ
章:第27章 唖の対面 よみ(新仮名遣い):おしのたいめん 通し章番号:227
口述日:1922(大正11)年01月10日(旧12月13日) 口述場所: 筆録者:井上留五郎 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年4月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
一行は、ヒマラヤ山の山頂の白銀の宮にたどり着いた。そこでは高照姫神が一行を出迎えたが、その場には、いったん根底の国に退去したと思われていた、宣伝使たちの妻神たちが居並んでいた。
しかし神人らは互いに神命をつつしみ、ただ目と目を見合わせて言問うことを控えていた。高照姫神は、野立姫命は今は蔭の守護となっており、面会することはできない、と伝えた。
高照姫神をはじめ一同は、祝部神がいないことに気がついたが、その場はひとまず解散となった。少彦名神は、祝部神を探してにぎやかな建設現場の方へと歩いていった。すると、声勇ましく汗みどろになって立ち働いている祝部神を見つけた。
祝部神は木花姫命からもらった被面布も失くすほど夢中で立ち働いていたが、少彦名神に気をつけられて、被面布を探し出し、白銀の宮に登っていった。
白銀の宮の前では、妻神の祝姫が心配そうに待っていた。二神は顔を見合わせ、ただ無言のまましばし休憩した後、それぞれの持ち場に戻っていった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-04-30 15:31:12 OBC :rm0527
愛善世界社版:157頁 八幡書店版:第1輯 573頁 修補版: 校定版:160頁 普及版:70頁 初版: ページ備考:
001 天道別(あまぢわけの)(みこと)002月照彦(つきてるひこの)(かみ)一行(いつかう)は、003ヒマラヤ(さん)頂上(ちやうじやう)(やうや)くにして到着(たうちやく)し、004表門(おもてもん)より粛々(しゆくしゆく)として(れつ)をただし玄関先(げんくわんさき)進入(しんにふ)した。005この宮殿(きうでん)白銀(しろがね)(みや)といふ。
006 高山彦(たかやまひこ)007高山姫(たかやまひめ)慇懃(いんぎん)一行(いつかう)出迎(でむか)へ、008ただちに奥殿(おくでん)案内(あんない)した。009諸神人(しよしん)(えり)(ただ)しながら、010純銀(じゆんぎん)(たま)(いつ)ける祭壇(さいだん)(まへ)にすすんだ。011この(とき)012あまたの女性(ぢよせい)(あら)はれて一行(いつかう)一礼(いちれい)し、
013『ただいま高照姫(たかてるひめの)(かみ)出御(しゆつぎよ)あり』
014報告(はうこく)し、015足早(あしばや)奥深(おくふか)姿(すがた)をかくした。
016 (しばら)くありて高照姫(たかてるひめの)(かみ)(かしら)銀色(ぎんいろ)荘厳(さうごん)なる(かんむり)(いただ)き、017あまたの神々(かみがみ)()をひきながら、018悠々(いういう)として(あら)はれたまうた。019天道別(あまぢわけの)(みこと)一行(いつかう)神々(かみがみ)はハツと(おどろ)かざるを()なかつた。020(いつ)たん豊国姫(とよくにひめの)(みこと)とともに、御校正本・愛世版では「一旦豊国姫命及び高照姫命と共に、根の国底の国に退去したりと思ひ居たる高照姫命を初め」だが、「高照姫命」が重複していて意味が通じなくなるため、霊界物語ネットでは校定版・八幡版と同様にその部分を削除して「一たん豊国姫命とともに」とした021()(くに)(そこ)(くに)退去(たいきよ)したりと(おも)ひゐたる高照姫(たかてるひめの)(みこと)をはじめ、022天道姫(あまぢひめ)023天真道姫(あめのまみちひめ)024真澄姫(ますみひめ)025純世姫(すみよひめ)026言霊姫(ことたまひめ)027竜世姫(たつよひめ)028祝姫(はふりひめ)029太田姫(おほたひめ)030磐戸姫(いはとひめ)その()女性(ぢよせい)は、031欣然(きんぜん)としてこの()(あら)はれたからである。032いづれも各自(かくじ)妻神(つまがみ)のみ、033その面前(めんぜん)(あら)はれたのである。034されど神命(しんめい)をまもり、035たがひに()()見合(みあは)せながら、036言問(ことと)ふことを(ひか)へ、037あたかも(おし)対面(たいめん)そのままであつた。
038 このとき月照彦(つきてるひこの)(かみ)高照姫(たかてるひめの)(かみ)にむかひ、
039(おそ)れながら野立姫(のだちひめの)(みこと)(いづ)れにましますぞ、040(われ)らは一度(いちど)拝顔(はいがん)()たし』
041奏上(そうじやう)した。
042 高照姫(たかてるひめの)(かみ)顔色(がんしよく)やや(うれ)ひを(ふく)みながら、
043野立姫(のだちひめの)(みこと)(いま)(かげ)守護(しゆご)なれば、044表面(へうめん)貴神(きしん)らと面会(めんくわい)したまふこと(あた)はず、045天教山(てんけうざん)もその(ごと)く、046貴神(きしん)野立彦(のだちひこの)(みこと)対面(たいめん)(ゆる)され(たま)はざりしならむ、047木花姫(このはなひめ)かはつて神慮(しんりよ)(つた)へられしごとく、048(わらは)大神(おほかみ)にかはつて神示(しんじ)(つた)へむ、049(わらは)はすなはち野立姫(のだちひめの)(みこと)代理(だいり)心得(こころえ)られよ』
050宣示(せんじ)された。051そして高照姫(たかてるひめの)(かみ)はいぶかしげに、
052祝部(はふりべの)(かみ)(なに)ゆゑ此処(ここ)(きた)らざりしや』
053()ひたまうた。
054 神人(かみがみ)一行(いつかう)(はじ)めて祝部(はふりべの)(かみ)列座(れつざ)(なか)にあらざりしに()がついた。055その(つま)たりし祝姫(はふりひめ)面貌(めんばう)には、056えもいはれぬ(くら)(かげ)がさしてゐた。
057()づゆるゆる休憩(きうけい)あれ』
058高照姫(たかてるひめの)(かみ)一言(いちごん)(のこ)して、059神人(かみがみ)とともに奥殿(おくでん)()らせたまうた。
060 あまたの女神(めがみ)列座(れつざ)神人(かみがみ)名残(なごり)()しげに、061()(かへ)()(かへ)見送(みおく)りつつ奥殿(おくでん)姿(すがた)(かく)した。062祝姫(はふりひめ)(かほ)には(なみだ)さへ(したた)りてをるのが、063ありありと()についた。
064 少彦名(すくなひこなの)(かみ)祝部(はふりべの)(かみ)所在(ありか)(もと)めむと一行(いつかう)(わか)れ、065しばし休憩(きうけい)()利用(りよう)して正門(せいもん)()で、066神人(かみがみ)(こゑ)する(はう)(むか)つて(すす)()つた。067いたり()れば、068あまたの神人(かみがみ)各自(かくじ)大杭(おほぐひ)()てて、069(やま)八合目(はちがふめ)あたりに巨大(きよだい)なる頚槌(くぶつち)()りあげながら、070(こゑ)(いさ)ましくうたひつつ(あせ)みどろになつて(はたら)いてゐたのである。071よくよく()れば(すず)しき(こゑ)をはりあげて捻鉢巻(ねぢはちまき)大活動(だいくわつどう)をはじめてゐるのは、072行方(ゆくへ)不明(ふめい)となつてゐた祝部(はふりべの)(かみ)である。073少彦名(すくなひこなの)(かみ)(おも)はず、
074『ヤア』
075(さけ)んだ。
076 祝部(はふりべの)(かみ)平然(へいぜん)として、
077『ヨー』
078(こた)へたまま、079また(もと)のごとく(こゑ)はりあげて、080頚槌(くぶつち)をもつて大杭(おほぐひ)(かしら)乱打(らんだ)しつつ(うた)つてゐた。081その(うた)にいふ、
082()てよ()()てどんどん()てよ
083 奈落(ならく)(そこ)まで()()けよ
084地獄(ぢごく)(かま)(そこ)までも
085 ()つて()つて()()けよ
086よいとさつさ、よーいとさつさ』
087一生(いつしやう)懸命(けんめい)面白(おもしろ)さうに側目(わきめ)もふらず、088神人(かみがみ)とともに活動(くわつどう)しゐたり。
089 少彦名(すくなひこなの)(かみ)祝部(はふりべの)(かみ)頚槌(くぶつち)()りあげ、090その()無理(むり)にひいて門内(もんない)()らむとするとき、091祝部(はふりべの)(かみ)(かしら)()をあげ、
092『ああしまつた』
093一言(いちごん)(はつ)した。094()れば(かしら)(いただ)きし(かんむり)も、095木花姫(このはなひめの)(みこと)より(さづ)かつたる被面布(ひめんぷ)(のこ)らず遺失(ゐしつ)してゐたからである。
096 祝部(はふりべの)(かみ)少彦名(すくなひこなの)(かみ)()()()つたまま、097一目散(いちもくさん)(もと)()(はし)りゆき、098遠近(をちこち)(かんむり)および被面布(ひめんぷ)所在(ありか)(さが)(もと)めた。099(さいはひ)にも(かんむり)(いばら)(はり)にかかり、100(かぜ)()られてブラブラとしてゐた。101早速(さつそく)これを(かしら)(いただ)き、102遺失(ゐしつ)せし被面布(ひめんぷ)所在(ありか)(さが)(もと)めた。
103 数多(あまた)神人(かみがみ)はてんでにその被面布(ひめんぷ)(かほ)()てて、104無我(むが)夢中(むちう)になつて、
105『よーよー』
106(あき)(ごゑ)()りあげながら、107山下(さんか)(とほ)くあたかも望遠鏡(ばうゑんきやう)()るごとき心地(ここち)して、108(めづ)らしがつてゐた。
109 祝部(はふりべの)(かみ)神人(かみがみ)らにむかひ、
110『その被面布(ひめんぷ)は、111(われ)(かへ)させたまへ』
112といふを、113神人(かみがみ)らは仏頂面(ぶつちやうづら)をしながら(たちま)大地(だいち)()()てた。114祝部(はふりべの)(かみ)は、
115勿体(もつたい)なきことを()馬鹿者(ばかもの)かな』
116(つぶや)きながら、117()ばやく(ひろ)ひあげて懐中(くわいちゆう)(をさ)めた。118そして(ふたた)正門(せいもん)(むか)つて突進(とつしん)しきたりぬ。
119 少彦名(すくなひこなの)(かみ)依前(いぜん)として門前(もんぜん)停立(ていりつ)し、120祝部(はふりべの)(かみ)(かへ)るを()ちつつあつた。121二神(にしん)はやつと安心(あんしん)しながら門内(もんない)()らむとするとき、122祝姫(はふりひめ)(なみだ)(かほ)をおさへながら、123あわただしく(はし)りきたるに出会(でつくわ)した。124(たがひ)(かほ)見合(みあは)し、125無言(むごん)のまま二神(にしん)休憩(きうけい)()(すす)()つた。126祝姫(はふりひめ)はやや安堵(あんど)(てい)にて、127いそいそとしてまたもや奥殿(おくでん)姿(すがた)(かく)した。
128大正一一・一・一〇 旧大正一〇・一二・一三 井上留五郎録)
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