第四九章 水魚の煩悶〔二四九〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻
篇:第7篇 宣伝又宣伝
よみ(新仮名遣い):せんでんまたせんでん
章:第49章 水魚の煩悶
よみ(新仮名遣い):すいぎょのはんもん
通し章番号:249
口述日:1922(大正11)年01月14日(旧12月17日)
口述場所:
筆録者:藤原勇造
校正日:
校正場所:
初版発行日:1922(大正11)年4月15日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:エルサレムの三兄弟は、盤古神王を丁重に迎えた。
三兄弟は国彦、国姫が神明に背いて律法をかく乱するのを見て、情よりも大儀を取り、盤古神王を総統神と仰ぐことにした。
しかし天変地異はおさまらなかった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
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データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :rm0549
愛善世界社版:291頁
八幡書店版:第1輯 619頁
修補版:
校定版:296頁
普及版:123頁
初版:
ページ備考:
001 盤古神王は、002心身ともに解脱して玲瓏玉の如く、003威風堂々あたりを払ひながら、004聖地ヱルサレムを指して、005最も謹厳なる態度を持しつつ、006日の出神に導かれて、007数百の従神と共に安着した。
008 ここに真道知彦命、009青森彦、010梅ケ香彦の三柱の兄弟神は、011心の底より之を歓迎し、012煎豆に花咲き出でたる如く、013欣喜雀躍して、014手の舞ひ足の踏むところを知らなかつた。015然るに一方国彦、016国姫は、017その三柱の肉身の父母に坐ませども、018放逸邪慳にして少しも天則を守らず、019残虐の行動日に月に甚だしく、020為に妖邪の気四辺に満ち、021再び怪事百出、022暗黒界とならむとしつつありし際とて、023三柱は暗夜に光明を得たるごとく随喜渇仰したのも無理はない。024梅ケ香彦は形ばかりの仮宮に、025盤古神王を始め、026日の出神を導き、027酒肴を供へて遠来の労苦を慰め歌ふ。
028『常世ゆく世は烏羽玉の暗くして 029万の禍の雄叫びは
030五月蠅のごとく群れ起り 031天が下なる神人の
035照らす日の出の神様や
036万古不易に世を守る 037盤古神王を現はして
038地の高天原に宮柱 039太しき立てて神の世の
042選みに選みし誠神
044真の道を知る彦の 045嬉しき神代に青森や
046梅ケ香清きこの園に
048神の律法を守りつつ 049堅磐常磐の本の世の
051高天原に千木高く
055心荒びし両親の
056吾らが諫め木耳の
059日の出神の計らひに
061治め給はば幾千代も
062世は常久に安からむ
064治まる御代を松風や 065大木の枝の葉も茂り
066千年の鶴の舞遊ぶ 067聞くも目出度き松の代の
068聞くも目出度き松の代の 069名も高砂と響くらむ
070名も高砂と響くらむ』
071と謡ひて歓迎の意を表したり。072国彦、073国姫の二神司は、074三柱の吾が子の心底より盤古神王の到着を歓び、075神王を奉じて、076ふたたび聖地を回復せむとするを見て、077心中快からず、078極力親の威光を笠に着て、079妨害を加へむとした。080されど三柱の神司は、081神明に背反し、082律法を攪乱する父母を奉じて、083ますますこの上に父母に罪を重ねしめ、084かつ天下万人の禍を坐視するに忍びず、085涙を呑んで、086大義親を滅するの態度に出で、087盤古神王を奉じて総統神と仰ぎ、088日の出神を補佐として、089神務と神政とを復活したのである。090されど天地は暗澹として前述のごとく曇り霽れず、091日夜覆盆の雨は、092ザアザアと滝の如く降りしきりける。
093(大正一一・一・一四 旧大正一〇・一二・一七 藤原勇造録)