霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二四章 (あま)浮橋(うきはし)〔二二四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻 篇:第4篇 救世の神示 よみ(新仮名遣い):きゅうせいのしんじ
章:第24章 天の浮橋 よみ(新仮名遣い):あまのうきはし 通し章番号:224
口述日:1922(大正11)年01月10日(旧12月13日) 口述場所: 筆録者:井上留五郎 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年4月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
天橋は、竜宮城の顕国玉の神威の発揚であった。金・銀・銅の橋は、それぞれ上中下の身魂の神人らを救い上げた。
瑞月の前には銀色の霊線が下りてきて、たちまち腹部の帯に鉤がかかると眼もくらむばかりの速さで空中に引き上げられた。『眼を開けよ』という声が聞こえた。するとはるか空中の銀橋の上に立たされていた。
頭上から国姫神の神示が聞こえ、小松林命の神名を授かった。そして、天上の光景を両親兄弟朋友知己に語って悔い改めを促し、神の道に就かしめるように、との命が与えられた。
頭上から降ってきた金線を掴むと、あっという間に地上に降ろされた。そこは広々とした原野で、恐ろしい猛獣が散在していた。しかし猛獣たちは不思議にも、立派な館に住んでいた。
国姫神より、黒布が授けられた。この黒布をかぶってみると、猛獣たちは人間であり、自分の親しい友人たちも混じっていた。
そうするうちに、また金線が下がってきて上空まで引き上げられた。今度は金橋の最高点で、国姫神が現れて、金橋について語った。
それによると、この橋は黄金の大橋といい、また天の浮橋という。地球の中心である火球から金気が上り騰がり、顕国の玉となり、この玉の威徳によって、国の御柱が空中に高く延長したのである。
御柱の頂上は左右に分かれ、左が男神、右が女神が渡る橋である。この橋はなめらかで欄干も無く、暴風が吹いて、油断すれば再び地上に転落してしまう。一足も油断無く、あらゆる心を配って渡るべき橋は、実に神柱たるもののつとめである、との神示であった。
王仁はその教訓を拝して一歩一歩はだしで進んでいった。たちまち金橋が回転を始め、危機迫る思いに顔色をなくしてしまった。すると、勇猛・果断たれ、毅然として神命を敢行せよ、恐れるな、との声が聞こえた。
この声に恐怖心はすっかり払拭された。金橋は回転を速めて旋回し、また元の東の位置に戻った。するとそこは、天教山の頂であった。そこには木花姫命をはじめ、多数の神人らがいて、歓迎の意を表した。
王仁は天教山の山頂に、神々とともに停立していた。
突然山上を吹きまくる吹雪の寒さに痛みを感じ、烈風に吹かれて山上に倒れ伏した。額を打って両眼から火光が飛び出したと思うと、王仁の身は高熊山の岩窟に静座して、岩角に頭を打ち付けていたのであった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0524
愛善世界社版:141頁 八幡書店版:第1輯 567頁 修補版: 校定版:143頁 普及版:63頁 初版: ページ備考:
001 竜宮城(りうぐうじやう)三重(みへ)金殿(きんでん)より顕国玉(うつしくにたま)神威(しんゐ)発揚(はつやう)して、002あたかも両刃(もろは)(つるぎ)()てたるごとき黄金(わうごん)(はしら)中空(ちうくう)延長(えんちやう)し、003その末端(まつたん)より発生(はつせい)したる黄金橋(わうごんけう)はこの(はしら)中心(ちうしん)東西(とうざい)延長(えんちやう)し、004その(すこ)しく下方(かはう)よりは左右(さいう)銀橋(ぎんけう)発生(はつせい)し、005そのまた下方部(かはうぶ)よりは銅橋(どうけう)発生(はつせい)して東西(とうざい)延長(えんちやう)し、006地球(ちきう)上面(じやうめん)(おほ)うたことは前述(ぜんじゆつ)(とほ)りである。
007 そして各橋(かくけう)より垂下(すゐか)する(きん)(ぎん)(どう)霊線(れいせん)(かぎ)身体(しんたい)をかけられ、008上中下(じやうちうげ)三段(さんだん)身魂(みたま)各自(かくじ)身魂(みたま)因縁(いんねん)によつて(きん)(ぎん)(どう)橋上(けうじやう)(すく)()げられ、009(あるひ)中途(ちうと)地上(ちじやう)落下(らくか)する有様(ありさま)を、010(いぶ)かしげに(なが)めつつ見惚(みと)れてゐた瑞月(ずゐげつ)(まへ)に、011銀色(ぎんいろ)霊線(れいせん)(くだ)りきたり、012その末端(まつたん)(かぎ)腹部(ふくぶ)(おび)引掛(ひつかか)るよと()るまに、013()(くら)むばかりの速力(そくりよく)にて空中(くうちう)()きあげられた。014あまりの(おそ)ろしさに、015(おも)はず()()(くち)(ふさ)ぎ、016両手(りやうて)をもつて(みみ)(ふさ)ぎつつあつた。017(にはか)に、
018()()けよ』
019といふ(こゑ)が、020頭上(づじやう)(はう)にあたつて(きこ)えた。021その(こゑ)(おも)はず()(ひら)けば、022(はるか)中空(ちうくう)捲揚(まきあ)げられ、023自分(じぶん)銀橋(ぎんけう)(うへ)()たされてゐた。024銀橋(ぎんけう)(うへ)には、025ところどころに神人(しんじん)()()げられてゐるのを()た。026いづれも(おそ)ろしげに緊張(きんちやう)しきつた態度(たいど)で、027地上(ちじやう)瞰下(みおろ)してゐるのであつた。028このとき(わが)頭上(づじやう)にあたつて、
029(われ)国姫(くにひめの)(かみ)なり、030(なんぢ)(いま)より小松林(こまつばやしの)(みこと)といふ神名(しんめい)(あた)へむ。031この(つな)にすがりて(ふたた)地上(ちじやう)(くだ)り、032(なんぢ)両親(りやうしん)兄弟(きやうだい)朋友(ほういう)知己(ちき)らに面会(めんくわい)して天上(てんじやう)光景(くわうけい)物語(ものがた)り、033()(あらた)めしめ、034(まよ)へる神人(しんじん)をして(かみ)(みち)につかしむべし』
035言葉(ことば)(をは)るとともに頭上(づじやう)より金線(きんせん)(くだ)つてきた。036そして国姫(くにひめの)(かみ)姿(すがた)(こゑ)のみにて、037(はい)することは出来(でき)なかつたのである。038(くだ)りくる金色(こんじき)霊線(れいせん)両手(りやうて)(にぎ)るよとみるまに、039ガラガラと釣瓶(つるべ)(くるま)をまはすごとき(おと)して地上(ちじやう)釣瓶落(つるべおと)しに(おろ)されて(しま)つた。
040 (くだ)れば()(なん)ともいへぬひろびろとした原野(げんや)()つてゐた。041ここには(わが)(おや)らしきものも兄弟(きやうだい)知己(ちき)らしき人間(にんげん)もなく、042ただ(とら)043(おほかみ)044山狗(やまいぬ)045狐狸(こり)(むれ)がところどころに散在(さんざい)してゐるのであつた。046不思議(ふしぎ)にも(これ)らの猛獣(まうじう)白壁(しらかべ)(つく)りの(くら)()てて、047(あるひ)立派(りつぱ)門構(もんがま)へをなし、048(うつく)しき(ひろ)(いへ)()まつてゐるのである。049どう(かんが)へても猛獣(まうじう)狐狸(こり)()むべき住家(すみか)とは(おも)はれなかつた。050これはどうしても人間(にんげん)()むべき(いへ)である。051しかるに(なに)ゆゑ、052(かく)のごとき獣類(じうるゐ)のみ()みをるやと、053(いぶ)かりつつあつた。
054 このとき国姫(くにひめの)(かみ)(こゑ)として、
055天上(てんじやう)より(この)黒布(こくふ)(あた)へむ』
056()はるるかと()るまに、057(くろ)(ぬの)(かぜ)にヒラヒラとして(わが)(まへ)(くだ)(きた)つた。058手早(てばや)くこれを()つて面部(めんぶ)(おほ)うた。059黒布(こくふ)(とう)してその猛獣(まうじう)狐狸(こり)(むれ)をながむれば、060あにはからむや、061いづれも(みな)立派(りつぱ)なる人間(にんげん)ばかりである。062(なか)には自分(じぶん)(した)しく(まじ)はつてゐた朋友(ほういう)(まじ)つてをるには、063(おどろ)かざるを()なかつた。
064 それよりこの黒布(くろぬの)一瞬(いつしゆん)()(はな)すことをせなかつた。065そのゆゑは、066(この)()障害物(しやうがいぶつ)(いち)(まい)(のぞ)けば、067前述(ぜんじゆつ)のごとく猛虎(まうこ)狐狸(こり)姿(すがた)(かは)つて(しま)ひ、068(じつ)(おそ)ろしくてたまらなかつたからである。
069 さうかうする(うち)070(また)もや天上(てんじやう)より(わが)(まへ)金色(こんじき)霊線(れいせん)(さが)つてきた。071以前(いぜん)のごとく(わが)腹帯(はらおび)(かぎ)(ひき)かかつた。072今度(こんど)はその黒布(くろぬの)()ばやく懐中(ふところ)()れ、073両手(りやうて)(もつ)(しか)金色(こんじき)霊線(れいせん)(つか)みながら、074(まへ)のごとく一瀉(いつしや)千里(せんり)(いきほひ)にて上空(じやうくう)()()げられて(しま)つた。
075 やや(ひさ)しうして、
076()()けよ』
077(さけ)びたまふ(かみ)(こゑ)(きこ)えた。078()(ひら)けば今度(こんど)最高点(さいかうてん)黄金橋(こがねばし)(うへ)()()げられてゐたのである。079まづ安心(あんしん)とあたりを()れば、080国姫(くにひめの)(かみ)莞爾(につこ)として四五(しご)従神(じうしん)とともに(わが)(まへ)(あらは)れ、
081『この(はし)黄金(こがね)大橋(おおはし)といひ、082また(あま)浮橋(うきはし)ともいひ、083地球(ちきう)中心(ちうしん)火球(くわきう)より金気(きんき)昇騰(しようとう)して顕国(うつしくに)(たま)となり、084この(たま)威徳(ゐとく)によりて(くに)御柱(みはしら)中空(ちうくう)(たか)延長(えんちやう)し、085その頂上(ちやうじやう)左右(さいう)(わか)れ、086(ひだり)男神(をがみ)(わた)るべき(はし)にして、087(みぎ)女神(めがみ)(わた)(はし)なり、088この黄金橋(わうごんけう)(なめらか)にして、089(すこ)しの油断(ゆだん)あらば(すべ)りて(ふたた)()顛落(てんらく)し、090滅亡(めつぼう)(まね)くの危険(きけん)あり。091(なんぢ)抜身(ぬきみ)(なか)()つごとく(こころ)(いまし)め、092一足(ひとあし)たりとも油断(ゆだん)なく、093(まなこ)(くば)り、094(みみ)()ませ、095(いき)()め、096あらゆる(こころ)(くば)りてこの(はし)東方(とうはう)(むか)つて(わた)れ。097また(この)(はし)東南(とうなん)西北(せいほく)空中(くうちう)旋回(せんくわい)す、098その旋回(せんくわい)(たび)ごとに橋体(けうたい)震動(しんどう)し、099橋上(けうじやう)神人(しんじん)(やや)もすれば跳飛(はねと)ばさるる(おそ)れあり、100また(とき)には暴風(ばうふう)()ききたつて橋上(けうじやう)神人(しんじん)()(おと)すことあり。101欄干(らんかん)もなく、102足溜(あしだま)りもなく、103(はし)とはいへど黄金(こがね)丸木橋(まるきばし)104(わた)るに(かた)し、105(わた)らねば(かみ)(はしら)となることを()ず、106(じつ)(かた)きは神柱(かむばしら)たるものの(つと)めなり』
107言葉(ことば)(おごそ)かに()(わた)された。
108 王仁(おに)唯々(ゐゐ)諾々(だくだく)として(その)教訓(けうくん)(はい)し、109東方(とうはう)(むか)つて覚束(おぼつか)なき足下(あしもと)にて、110一歩(いつぽ)々々(いつぽ)跣足(はだし)のまま()(すす)めた。
111 (たちま)黄金橋(わうごんけう)(ひがし)より(みなみ)廻転(くわいてん)(はじ)めた。112じつに危険(きけん)()(せま)るを(おぼ)え、113(ほとん)顔色(がんしよく)をなくして(しま)つた。114このとき何神(なにがみ)御声(みこゑ)とも()れず、
115勇猛(ゆうまう)なれ、116果断(くわだん)なれ、117毅然(きぜん)として神命(しんめい)敢行(かんかう)せよ。118(かみ)(なんぢ)背後(はいご)にあり、119(ゆめ)(おそ)るるな』
120といふ(こゑ)耳朶(じだ)()つた。
121 王仁(おに)はこの(こゑ)()くとともに、122恐怖心(きようふしん)(なに)全部(すつかり)払拭(ふつしき)され、123光風(くわうふう)霽月(せいげつ)124心天(しんてん)一点(いつてん)暗翳(あんえい)(とど)めざる(おも)ひがした。
125 金橋(きんけう)はますます廻転(くわいてん)(はや)め、126(ひがし)より(みなみ)に、127(みなみ)より西(にし)へ、128西(にし)より(きた)へと中空(ちうくう)をいと迅速(じんそく)旋回(せんくわい)し、129また(もと)(ひがし)(もど)つた。
130 黄金橋(わうごんけう)東端(とうたん)は、131ある(ひと)つの高山(かうざん)()れた。132()れば(これ)世界(せかい)名山(めいざん)天教山(てんけうざん)(いただ)きであつた。133このとき木花姫(このはなひめの)(みこと)(はじ)数多(あまた)神人(かみがみ)は、134(わが)姿(すがた)()て、
135『ウローウロー』
136両手(りやうて)()げて(さけ)び、137歓迎(くわんげい)()(へう)された。
138 いつの()にか王仁(おに)()天教山(てんけうざん)山頂(さんちやう)に、139神々(かみがみ)とともに停立(ていりつ)してゐた。140金橋(きんけう)何時(いつ)のまにか東南隅(とうなんぐう)方向(はうかう)(へん)じてゐた。
141 (とき)しも山上(さんじやう)()()くる吹雪(ふぶき)(さむ)さに、142(ほほ)(はな)千切(ちぎ)れるばかりの(いた)みを(かん)ずるとともに、143烈風(れつぷう)()かれて山上(さんじやう)(たふ)れし()途端(とたん)前額部(ぜんがくぶ)()ち、144両眼(りやうがん)より火光(くわくわう)()()したと(おも)一刹那(いちせつな)145王仁(おに)()高熊山(たかくまやま)岩窟(がんくつ)静坐(せいざ)し、146前額部(ぜんがくぶ)岩角(いはかど)()つてゐた。
147大正一一・一・一〇 旧大正一〇・一二・一三 井上留五郎録)
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