霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一六章 霊夢(れいむ)〔二一六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻 篇:第2篇 中軸移動 よみ(新仮名遣い):ちゅうじくいどう
章:第16章 霊夢 よみ(新仮名遣い):れいむ 通し章番号:216
口述日:1922(大正11)年01月07日(旧12月10日) 口述場所: 筆録者:桜井重雄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年4月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
常世彦の命によって常世城を守っていた大鷹別は、盤古大神がアーメニヤに遷都して宮殿を造営中であることを知ると、自らの野心を成就するために、大自在天を奉じて謀反を起こそうと画策していた。
このとき、本物の塩治姫、玉春姫は、白狐の術によって常世城に導かれ、捕虜となっていた。塩治姫、玉春姫は、大鷹別の野望を知ると、常世城を脱出してこのことを父に知らせようとしていたが、警備は厳しく、隙がなかった。
一方、盤古大神は霊夢の中で、アーメニヤにいる塩治姫、玉春姫らは白狐の化身であり、本物は常世城にとらわれていることを知った。
盤古大神は白狐を詰問するが、白狐たちは悪神を懲らすために、アーメニヤに怪事を起こしていたことを告げると、逃げてしまった。
大自在天はついに常世城を占領し、盤古大神一派に対して戦端を開くこととなった。
聖地竜宮城の三重の金殿は自然に延長して天空に高く伸び、丁字型の天の浮橋は燦然として東南西北に回転し始めた。その橋の先端からは、美しい金色の火光を花火のように地上に放射するようになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0516
愛善世界社版:94頁 八幡書店版:第1輯 551頁 修補版: 校定版:96頁 普及版:43頁 初版: ページ備考:
001 八王(やつわう)大神(だいじん)(めい)により、002常世城(とこよじやう)(あづ)かりて守護(しゆご)せる大鷹別(おほたかわけ)は、003盤古(ばんこ)大神(だいじん)(うる)はしき宮殿(きうでん)()てむとし、004その用材(ようざい)のために(くる)しみ、005神人(かみがみ)らは(こぞ)つて鷹鷲山(ようしうざん)にいたり、006昼夜(ちうや)区別(くべつ)なく、007その()伐採(ばつさい)全力(ぜんりよく)をつくしつつありて、008盤古(ばんこ)大神(だいじん)身辺(しんぺん)も、009八王(やつわう)大神(だいじん)夫妻(ふさい)身辺(しんぺん)もその(そな)への(はなは)薄弱(はくじやく)なることを間者(かんじや)松彦(まつひこ)をして探知(たんち)せしめ、010その詳細(しやうさい)()るとともに、011大鷹別(おほたかわけ)野心(やしん)勃然(ぼつぜん)として()いてきた。
012 (いま)この(さい)常世城(とこよじやう)占領(せんりやう)し、013大自在天(だいじざいてん)(ほう)じて、014あらたに神政(しんせい)樹立(じゆりつ)し、015天下(てんか)覇権(はけん)(にぎ)るといへども、016盤古(ばんこ)大神(だいじん)および八王(やつわう)大神(だいじん)目下(もくか)立場(たちば)として、017常世城(とこよじやう)討伐(たうばつ)する余力(よりよく)さらになく、018気息(きそく)奄々(えんえん)としてほとんど孤城(こじやう)落日(らくじつ)悲境(ひきやう)にあれば、019叛旗(はんき)()ぐるはこの(とき)なりと、020部下(ぶか)蟹雲別(かにくもわけ)021牛熊別(うしくまわけ)022鬼雲別(おにくもわけ)らと(かた)らひ、023さかんにその画策(くわくさく)熱中(ねつちゆう)してゐた。
024 このとき、025(あさひ)026高倉(たかくら)妙術(めうじゆつ)()せられ、027何時(いつ)とはなく常世城(とこよじやう)捕虜(ほりよ)となりし塩治姫(しほはるひめ)028玉春姫(たまはるひめ)は、029(いづ)れもわが(ちち)叛旗(はんき)(かか)ぐるものたることを感知(かんち)し、030いかにもして常世城(とこよじやう)脱出(だつしゆつ)し、031ウラル(さん)両親(りやうしん)にこの(むね)密告(みつこく)せむと、032日夜(にちや)焦慮(せうりよ)しつつあつた。
033 されど、034用心(ようじん)ぶかき大鷹別(おほたかわけ)二女(にぢよ)身辺(しんぺん)警護(けいご)をことさら(げん)にし、035()つその(しつ)周囲(しうゐ)をあまたの神人(かみがみ)をして(かこ)(まも)らしめ、036(のが)()でむとするにも、037(あり)()()づる隙間(すきま)もなき有様(ありさま)であつた。
038 (はなし)(もと)へもどつて、039ウラル(さん)仮殿(かりでん)にある盤古(ばんこ)大神(だいじん)は、040ある()(ゆめ)に、041わが(むすめ)塩治姫(しほはるひめ)玉春姫(たまはるひめ)とともに常世城(とこよじやう)にさらはれ、042人質(ひとじち)境遇(きやうぐう)(くる)しみつつある霊夢(れいむ)(かん)じた。043しかして(いま)ウラル(さん)にある塩治姫(しほはるひめ)044玉春姫(たまはるひめ)(しん)のわが()(あら)ず、045白狐(びやくこ)変化(へんげ)なりといふ霊夢(れいむ)()きつづいて()た。
046 ()くれば、047盤古(ばんこ)大神(だいじん)仮殿(かりでん)(つか)へてゐる塩治姫(しほはるひめ)048玉春姫(たまはるひめ)傍近(そばちか)(まね)き、
049(なんぢ)はわが天眼通(てんがんつう)にて審査(しんさ)するに、050(まつた)白狐(びやくこ)変化(へんげ)なり。051(いま)すみやかにその正体(しやうたい)をわが(まへ)(あら)はせ。052万一(まんいち)違背(ゐはい)におよばば、053(なんぢ)二人(ふたり)()手練(しゆれん)(かたな)(さび)となさむ、054覚悟(かくご)せよ』
055炬火(たいまつ)のごとき()(いか)らし、056カツと(にら)みつけた。057()女性(ぢよせい)(すこ)しも(さわ)がず、058満面(まんめん)(ゑみ)をたたへ、
059貴神(きしん)天眼力(てんがんりき)にて()らるる(とほ)り、060(われ)聖地(せいち)ヱルサレムの神使(しんし)として(なが)(つか)へたてまつりし白狐(びやくこ)高倉(たかくら)061(あさひ)なり。062なんぢ悪神(あくがみ)一味(いちみ)暴悪(ばうあく)(こら)さむため、063アーメニヤの()における奇怪(きくわい)といひ、064また鷹鷲山(ようしうざん)における棟木(むなぎ)(さん)(ねん)()るも()()()ざるは、065まつたく(われ)二神(にしん)所為(しよゐ)なり。066あゝ心地(ここち)よや、067あゝ面白(おもしろ)や』
068とカラカラと(なが)(した)()して(わら)ひこけた。
069 盤古(ばんこ)大神(だいじん)烈火(れつくわ)のごとく(いきどほ)り、070(こし)()ける(かたな)()くより(はや)く、071二人(ふたり)()がけて発止(はつし)()りつけた。072如何(いかが)なしけむ、073二神(にしん)姿(すがた)(けむり)()えて、074ただ中空(ちうくう)女神(めがみ)愉快(ゆくわい)げに(わら)さざめく(こゑ)がするのみであつた。
075 これより、076いよいよ大自在天(だいじざいてん)常世城(とこよじやう)占領(せんりやう)し、077天下(てんか)神政(しんせい)統一(とういつ)せむと(はか)り、078(いま)まで聖地(せいち)ヱルサレムを(ほろ)ぼさむとして協力(けふりよく)したる盤古(ばんこ)大神(だいじん)一派(いつぱ)にむかつて、079無名(むめい)戦端(せんたん)(ひら)くこととなつた。
080 (そら)には聖地(せいち)竜宮城(りうぐうじやう)三重(みへ)金殿(きんでん)は、081自然(しぜん)延長(えんちやう)して天空(てんくう)(たか)(あら)はれ()た。082丁字形(ていじけい)(あま)浮橋(うきはし)金色(きんしよく)燦然(さんぜん)として大空(おほぞら)東西(とうざい)南北(なんぼく)廻転(くわいてん)しはじめた。
083 その(はし)尖端(せんたん)よりは、084()()はれぬ(うる)はしき金色(こんじき)火光(くわくわう)を、085花火(はなび)のごとく地上(ちじやう)にむかつて放射(はうしや)しつつあつた。086(じつ)荘厳(さうごん)無比(むひ)にして、087かつ(うつく)しきこと(たと)ふるに(もの)なく、088その閃光(せんくわう)()とれて(そら)見上(みあ)ぐるとたんに、089瑞月(ずゐげつ)()頭部(とうぶ)劇痛(げきつう)(かん)じた。090(おどろ)いて肉体(にくたい)にかへりみれば、091寒風(かんぷう)()きすさむ高熊山(たかくまやま)岩窟(がんくつ)端坐(たんざ)し、092仰向(あふむ)くとたんに、093岸壁(がんぺき)凸部(とつぶ)後頭部(こうとうぶ)()つてゐた。
094大正一一・一・七 旧大正一〇・一二・一〇 桜井重雄録)
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