霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第5巻(辰の巻)
序文
凡例
総説嵐の跡
第1篇 動天驚地
01 栄華の夢
〔201〕
02 松竹梅
〔202〕
03 臭黄の鼻
〔203〕
04 奇縁万状
〔204〕
05 盲亀の浮木
〔205〕
06 南天王
〔206〕
07 三拍子
〔207〕
08 顕恩郷
〔208〕
09 鶴の温泉
〔209〕
第2篇 中軸移動
10 奇々怪々
〔210〕
11 蜃気楼
〔211〕
12 不食不飲
〔212〕
13 神憑の段
〔213〕
14 審神者
〔214〕
15 石搗歌
〔215〕
16 霊夢
〔216〕
第3篇 予言と警告
17 勢力二分
〔217〕
18 宣伝使
〔218〕
19 旭日出暗
〔219〕
20 猿蟹合戦
〔220〕
21 小天国
〔221〕
22 神示の方舟
〔222〕
第4篇 救世の神示
23 神の御綱
〔223〕
24 天の浮橋
〔224〕
25 姫神の宣示
〔225〕
26 艮坤の二霊
〔226〕
27 唖の対面
〔227〕
28 地教山の垂示
〔228〕
第5篇 宇宙精神
29 神慮洪遠
〔229〕
30 真帆片帆
〔230〕
31 万波洋々
〔231〕
32 波瀾重畳
〔232〕
33 暗夜の光明
〔233〕
34 水魚の情交
〔234〕
第6篇 聖地の憧憬
35 波上の宣伝
〔235〕
36 言霊の響
〔236〕
37 片輪車
〔237〕
38 回春の歓
〔238〕
39 海辺の雑話
〔239〕
40 紅葉山
〔240〕
41 道神不二
〔241〕
42 神玉両純
〔242〕
第7篇 宣伝又宣伝
43 長恨歌
〔243〕
44 夜光の頭
〔244〕
45 魂脱問答
〔245〕
46 油断大敵
〔246〕
47 改言改過
〔247〕
48 弥勒塔
〔248〕
49 水魚の煩悶
〔249〕
50 磐樟船
〔250〕
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。
実験用サイト
|
サブスク
霊界物語
>
第5巻
> 第1篇 動天驚地 > 第5章 盲亀の浮木
<<< 奇縁万状
(B)
(N)
南天王 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第五章
盲亀
(
もうき
)
の
浮木
(
ふぼく
)
〔二〇五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻
篇:
第1篇 動天驚地
よみ(新仮名遣い):
どうてんきょうち
章:
第5章 盲亀の浮木
よみ(新仮名遣い):
もうきのふぼく
通し章番号:
205
口述日:
1922(大正11)年01月05日(旧12月08日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年4月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
エデンの大河に飛び込んだ塩治姫、常治彦、玉春姫は、大亀の背に助けられて大河を下った。両側が切り立った崖の河を降っていくと、白い洲が見えた。
亀は三人を乗せたまま、その洲の中を進んでいく。すると酒に酔った神々らが現れて、三人の周りで歓呼の声を上げた。亀はさらに進んで、この地の首長らしき立派な神の前まで進んでいった。
この地は三方を山に守られた、顕恩郷という楽園である。この地の統治者を南天王と言った。南天王は、実は大道別であった。南天王は三人を歓待させた。
顕恩郷の人々は、みな蟹のような顔をしていた。そして、この地には、角の生えた救世神が降臨して顕恩郷を守る、という伝説があった。そのため、顕恩郷のひとびとは常治彦を神輿に担ぎ上げると、東北の山向こうの切り立った立岩の上に乗せ、礼拝を始めた。
常治彦は岩の上に乗せられて降りることもできず、ただ助けを呼ばわっていたが、塩治姫、玉春姫が白いひれを降ると、顕恩郷の神々らは元の平地に帰ってしまい、常治彦はひとり岩の上に残されてしまった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm0505
愛善世界社版:
34頁
八幡書店版:
第1輯 530頁
修補版:
校定版:
36頁
普及版:
17頁
初版:
ページ備考:
001
エデンの
河中
(
かちう
)
に
投身
(
とうしん
)
したる
塩治姫
(
しほはるひめ
)
は
水中
(
すゐちう
)
をくぐり、
002
下流
(
かりう
)
の
浅瀬
(
あさせ
)
に
着
(
つ
)
いた。
003
ここに
一
(
ひと
)
つの
巨大
(
きよだい
)
なる
木
(
き
)
の
株
(
かぶ
)
が
横
(
よこ
)
たはつてゐた。
004
姫
(
ひめ
)
は
天
(
てん
)
の
祐
(
たす
)
けとその
大木
(
たいぼく
)
の
株
(
かぶ
)
に
取
(
と
)
りつき、
005
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
めつつあつた。
006
今
(
いま
)
まで
木
(
き
)
の
株
(
かぶ
)
と
思
(
おも
)
ひしに、
007
見
(
み
)
るみる
馬
(
うま
)
のごとき
首
(
くび
)
が
現
(
あら
)
はれ、
008
つぎに
手足
(
てあし
)
が
現
(
あら
)
はれた。
009
株
(
かぶ
)
はすつかり
大
(
おほ
)
きな
亀
(
かめ
)
に
化
(
くわ
)
してしまつた。
010
姫
(
ひめ
)
はその
亀
(
かめ
)
の
背
(
せ
)
に
乗
(
の
)
り、
011
上流
(
じやうりう
)
を
眺
(
なが
)
めると、
012
飄箪
(
へうたん
)
を
括
(
くく
)
つたやうに
二人
(
ふたり
)
の
神
(
かみ
)
がぶくぶくと
頭
(
あたま
)
を
上
(
あ
)
げて
流
(
なが
)
れて
来
(
き
)
た。
013
よくよく
見
(
み
)
れば、
014
玉春姫
(
たまはるひめ
)
および
常治彦
(
とこはるひこ
)
である。
015
思
(
おも
)
はず
大声
(
おほごゑ
)
をあげて
二人
(
ふたり
)
に
声
(
こゑ
)
をかけた。
016
二人
(
ふたり
)
は
喜
(
よろこ
)
んでその
亀
(
かめ
)
に
取
(
と
)
りついた。
017
ここに
三柱
(
みはしら
)
は
大亀
(
おほがめ
)
の
背
(
せ
)
にまたがり、
018
亀
(
かめ
)
の
行
(
ゆ
)
くままにまかせて、
019
エデンの
大河
(
たいが
)
を
昼夜
(
ちうや
)
の
区別
(
くべつ
)
もなく
下
(
くだ
)
る。
020
河
(
かは
)
の
両岸
(
りやうがん
)
は
壁
(
かべ
)
のごとく
岩石
(
がんせき
)
屹立
(
きつりつ
)
して、
021
寄
(
よ
)
り
着
(
つ
)
くことが
出来
(
でき
)
ぬ。
022
やや
下方
(
かはう
)
に
白
(
しろ
)
き
洲
(
す
)
が
見
(
み
)
えた。
023
三柱
(
みはしら
)
は
亀
(
かめ
)
の
行
(
ゆ
)
くままに
任
(
まか
)
しておくと、
024
亀
(
かめ
)
はその
洲
(
す
)
に
向
(
むか
)
つてのたのたと
這
(
は
)
ひ
上
(
あが
)
つた。
025
ここに
数多
(
あまた
)
の
神人
(
かみがみ
)
は
祭
(
まつり
)
とみえて、
026
河辺
(
かはべ
)
に
出
(
い
)
で
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
み、
027
歌
(
うた
)
ひ
舞
(
ま
)
ひ、
028
種々
(
しゆじゆ
)
の
木石
(
ぼくせき
)
を
打
(
う
)
ち
叩
(
たた
)
き、
029
拍子
(
ひやうし
)
をとつて、
030
面白
(
おもしろ
)
さうに
騒
(
さわ
)
いでゐた。
031
亀
(
かめ
)
は
容赦
(
ようしや
)
なく、
032
あまたの
神人
(
かみがみ
)
の
群
(
むら
)
がるなかを
三柱
(
みはしら
)
を
載
(
の
)
せたまま
進
(
すす
)
んで
行
(
い
)
つた。
033
三柱
(
みはしら
)
の
着物
(
きもの
)
は
日
(
ひ
)
に
晒
(
さら
)
されていつの
間
(
ま
)
にか
乾
(
かわ
)
ききつてゐた。
034
酒
(
さけ
)
に
酔潰
(
よひつぶ
)
れたる
数多
(
あまた
)
の
神人
(
かみがみ
)
は、
035
この
光景
(
くわうけい
)
を
見
(
み
)
て
一斉
(
いつせい
)
に
手
(
て
)
を
打
(
う
)
ちたたき、
036
ウロー、
037
ウローと
叫
(
さけ
)
ぶのである。
038
ここを
突破
(
とつぱ
)
して
北
(
きた
)
へ
北
(
きた
)
へと
進
(
すす
)
んで
行
(
ゆ
)
くと、
039
またそこにも
稍
(
やや
)
上級
(
じやうきふ
)
の
神
(
かみ
)
らしき
群
(
むれ
)
がしきりに
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
ひ、
040
手
(
て
)
を
打
(
う
)
つて
騒
(
さわ
)
いでゐる。
041
亀
(
かめ
)
はその
中
(
なか
)
を
遠慮
(
ゑんりよ
)
会釈
(
ゑしやく
)
もなくのたのたと
進
(
すす
)
んで
行
(
い
)
つた。
042
このとき
宴席
(
えんせき
)
の
上座
(
じやうざ
)
の
方
(
はう
)
より
金冠
(
きんくわん
)
を
着
(
つ
)
けたる
身体
(
しんたい
)
骨格
(
こつかく
)
衆
(
しう
)
に
優
(
すぐ
)
れたる
大将
(
たいしやう
)
らしき
神
(
かみ
)
が
現
(
あら
)
はれて
来
(
き
)
た。
043
そして
亀
(
かめ
)
の
前
(
まへ
)
に
立塞
(
たちふさ
)
がつた。
044
亀
(
かめ
)
は
何事
(
なにごと
)
かこの
神
(
かみ
)
に
向
(
むか
)
つて
囁
(
ささや
)
くやうに
見
(
み
)
えた。
045
北
(
きた
)
には
巍峨
(
ぎが
)
たる
青山
(
せいざん
)
を
繞
(
めぐ
)
らし、
046
東西
(
とうざい
)
に
鶴
(
つる
)
の
両翼
(
りやうよく
)
を
拡
(
ひろ
)
げたるごとく
山脈
(
さんみやく
)
が
延長
(
えんちやう
)
し、
047
あたかも
蹄鉄形
(
ていてつけい
)
になつた
地勢
(
ちせい
)
である。
048
そして
南
(
みなみ
)
に
大河
(
たいが
)
を
控
(
ひか
)
へ、
049
種々
(
しゆじゆ
)
の
麗
(
うるは
)
しき
花
(
はな
)
は
咲
(
さ
)
きみだれ、
050
珍
(
めづ
)
らしき
果物
(
くだもの
)
は
木々
(
きぎ
)
の
梢
(
こずえ
)
に
実
(
みの
)
つてゐた。
051
ちやうどエデンの
園
(
その
)
にすこしも
違
(
ちが
)
はないやうな
楽郷
(
らくきやう
)
である。
052
ここの
統一者
(
とういつしや
)
は
南天王
(
なんてんわう
)
と
称
(
とな
)
へ、
053
数多
(
あまた
)
の
神人
(
かみがみ
)
らより
国祖
(
こくそ
)
のごとく
尊敬
(
そんけい
)
されてゐた。
054
いづれの
神々
(
かみがみ
)
も
木
(
こ
)
の
実
(
み
)
を
喰
(
く
)
ひ、
055
清泉
(
せいせん
)
を
飲
(
の
)
み、
056
天然
(
てんねん
)
に
発生
(
はつせい
)
する
山芋
(
やまいも
)
などを
嗜食
(
ししよく
)
し、
057
衣食住
(
いしよくぢう
)
の
苦痛
(
くつう
)
をすこしも
感
(
かん
)
じないあたかも
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
のやうであつた。
058
南天王
(
なんてんわう
)
は
実
(
じつ
)
は
大道別
(
おほみちわけ
)
であつた。
059
この
地
(
ち
)
を
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
と
称
(
とな
)
へられてある。
060
南天王
(
なんてんわう
)
はあまたの
神人
(
かみがみ
)
を
集
(
あつ
)
めて、
061
亀上
(
きじやう
)
の
珍客
(
ちんきやく
)
を
天下
(
てんか
)
泰平
(
たいへい
)
の
瑞祥
(
ずゐしやう
)
として
歓待
(
くわんたい
)
せしめた。
062
三柱
(
みはしら
)
は
思
(
おも
)
ひがけなき
神人
(
かみがみ
)
らの
優遇
(
いうぐう
)
に
感謝
(
かんしや
)
し、
063
つひには
果実
(
このみ
)
にて
造
(
つく
)
りたる
珍
(
めづら
)
しき
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
ひ、
064
面白
(
おもしろ
)
き
歌
(
うた
)
を
謡
(
うた
)
ひはじめた。
065
この
地
(
ち
)
の
神人
(
かみがみ
)
らはいづれも
頭
(
あたま
)
の
比較
(
ひかく
)
的
(
てき
)
横
(
よこ
)
に
長
(
なが
)
く
丈
(
だけ
)
短
(
みじか
)
く、
066
ちやうど
蟹
(
かに
)
のやうな
顔
(
かほ
)
をした
者
(
もの
)
ばかりである。
067
そこへ
三柱神
(
みはしらがみ
)
の
現
(
あら
)
はれたのはあたかも
塵芥場
(
ごもくば
)
に
鶴
(
つる
)
の
下
(
お
)
りたやうな
光景
(
くわうけい
)
であつた。
068
これらの
神人
(
かみがみ
)
は
南天王
(
なんてんわう
)
に
対
(
たい
)
し、
069
天上
(
てんじやう
)
より
降
(
くだ
)
りきたれる
神人
(
しんじん
)
として
畏敬
(
ゐけい
)
尊信
(
そんしん
)
服従
(
ふくじゆう
)
を
第一
(
だいいち
)
の
義務
(
ぎむ
)
としてゐる。
070
しかるに
南天王
(
なんてんわう
)
の
神品
(
しんぴん
)
骨格
(
こつかく
)
その
他
(
た
)
の
衆
(
しう
)
に
秀
(
ひい
)
でたるに
引
(
ひ
)
き
換
(
か
)
へ、
071
この
地
(
ち
)
の
神々
(
かみがみ
)
は
比較
(
ひかく
)
的
(
てき
)
背
(
せ
)
低
(
ひく
)
く、
072
身体
(
しんたい
)
矮小
(
わいせう
)
にして
容貌
(
ようばう
)
醜悪
(
しうあく
)
なるため、
073
南天王
(
なんてんわう
)
の
妃
(
きさき
)
とすべき
神
(
かみ
)
なきに、
074
神人
(
かみがみ
)
は
挙
(
こぞ
)
つて
心痛
(
しんつう
)
してゐた
際
(
さい
)
である。
075
そこへ
天女
(
てんによ
)
のごとき
二柱
(
ふたはしら
)
の
女神
(
によしん
)
と
一柱
(
ひとはしら
)
の
男神
(
だんしん
)
の
現
(
あら
)
はれたるを
見
(
み
)
て、
076
又
(
また
)
もや
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
より
降
(
くだ
)
りきたれる
優秀
(
いうしう
)
の
神
(
かみ
)
と
残
(
のこ
)
らず
信
(
しん
)
じてしまつた。
077
そこで
神人
(
かみがみ
)
は
相談
(
さうだん
)
の
上
(
うへ
)
、
078
南天王
(
なんてんわう
)
に
奏上
(
そうじやう
)
して
彼
(
か
)
の
二神
(
にしん
)
を
王
(
わう
)
の
妃
(
きさき
)
となし、
079
一柱
(
ひとはしら
)
の
男神
(
だんしん
)
は
頭部
(
とうぶ
)
に
大
(
だい
)
なる
角
(
つの
)
発生
(
はつせい
)
しあれば、
080
まつたく
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
と
信
(
しん
)
じてゐたり。
081
それゆゑ
二柱
(
ふたはしら
)
の
女神
(
によしん
)
に
対
(
たい
)
して、
082
この
神
(
かみ
)
の
妻
(
つま
)
または
妃
(
きさき
)
たることを
少
(
すこ
)
しでも
顧慮
(
こりよ
)
する
者
(
もの
)
がなかつた。
083
常治彦
(
とこはるひこ
)
、
084
塩治姫
(
しほはるひめ
)
、
085
玉春姫
(
たまはるひめ
)
の
三柱
(
みはしら
)
は、
086
この
郷
(
さと
)
の
神人
(
かみがみ
)
らの
言霊
(
ことたま
)
に
通
(
つう
)
じないのを
幸
(
さいは
)
ひにして、
087
種々
(
しゆじゆ
)
と
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
話
(
はなし
)
することができた。
088
そこへ
数多
(
あまた
)
の
神人
(
かみがみ
)
は
集
(
あつ
)
まつて
涕泣
(
ていきふ
)
拝跪
(
はいき
)
し、
089
輿
(
こし
)
を
舁
(
かつ
)
ぎきたり、
090
無理
(
むり
)
に
常治彦
(
とこはるひこ
)
に
搭乗
(
たうじやう
)
を
手真似
(
てまね
)
をもつて
勧
(
すす
)
めた。
091
常治彦
(
とこはるひこ
)
は
吾
(
われ
)
を
非常
(
ひじやう
)
に
歓待
(
くわんたい
)
するものと
思
(
おも
)
ひ、
092
心中
(
しんちゆう
)
喜悦
(
きえつ
)
の
情
(
じやう
)
をあらはし、
093
二
(
ふた
)
つ
三
(
み
)
つ
頷
(
うな
)
づきながら
機嫌
(
きげん
)
よく
輿
(
こし
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
つた。
094
神人
(
かみがみ
)
らはその
輿
(
こし
)
を
寄
(
よ
)
つて
集
(
たか
)
つて
舁
(
かつ
)
きあげた。
095
この
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
は
昔
(
むかし
)
から
角
(
つの
)
の
生
(
は
)
えたる
神
(
かみ
)
が
降臨
(
かうりん
)
して、
096
天変
(
てんぺん
)
地妖
(
ちえう
)
を
防
(
ふせ
)
ぎ、
097
万
(
まん
)
年
(
ねん
)
の
寿命
(
じゆみやう
)
を
守
(
まも
)
るといふ
伝説
(
でんせつ
)
が
伝
(
つた
)
はつてゐた。
098
そこへ
南天王
(
なんてんわう
)
の
誕生
(
たんじやう
)
の
祝日
(
しゆくじつ
)
にあたつて、
099
万
(
まん
)
年
(
ねん
)
の
齢
(
よはひ
)
を
保
(
たも
)
つてふ
亀
(
かめ
)
に
乗
(
の
)
り、
100
河上
(
かはかみ
)
より
下
(
くだ
)
りきたれるは、
101
あたかも
天上
(
てんじやう
)
より
降
(
くだ
)
りきたれる
神人
(
しんじん
)
に
相違
(
さうゐ
)
なしと
心
(
こころ
)
より
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んだ。
102
神輿
(
みこし
)
はダンダンと
舁
(
かつ
)
がれて
東北
(
とうほく
)
の
山
(
やま
)
の
谷
(
たに
)
を
越
(
こ
)
え、
103
立岩
(
たちいは
)
の
上
(
うへ
)
に
神輿
(
みこし
)
もろとも
安置
(
あんち
)
された。
104
この
岩
(
いは
)
は
円柱
(
ゑんちゆう
)
を
立
(
た
)
てたるごとき
長円形
(
ちやうゑんけい
)
の
棒岩
(
ぼういは
)
である。
105
そして
神人
(
かみがみ
)
らは
遠
(
とほ
)
く
退
(
しりぞ
)
き
拍手
(
かしはで
)
を
打
(
う
)
つて、
106
ウロー、
107
ウローと
一斉
(
いつせい
)
に
讃美
(
さんび
)
しかつ
喜
(
よろこ
)
び、
108
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
して
拝礼
(
はいれい
)
した。
109
常治彦
(
とこはるひこ
)
は
輿
(
こし
)
の
中
(
なか
)
より
様子
(
やうす
)
怪
(
あや
)
しと
少
(
すこ
)
しく
扉
(
とびら
)
を
開
(
あ
)
け
見
(
み
)
れば、
110
吾
(
わ
)
が
乗
(
の
)
れる
輿
(
こし
)
は
天
(
てん
)
をも
貫
(
つら
)
ぬくばかり
長
(
なが
)
き
棒岩
(
ぼういは
)
の
上
(
うへ
)
に
据
(
す
)
ゑられてある。
111
出
(
で
)
るにも
出
(
で
)
られず、
112
下
(
お
)
りるにも
下
(
お
)
りられず、
113
途方
(
とはう
)
にくれ
声
(
こゑ
)
をかぎりに『オーイ、
114
オーイ』と
叫
(
さけ
)
んだ。
115
あまたの
神人
(
かみがみ
)
はその
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
きつけ『オーイ、
116
オーイ』と、
117
呼
(
よ
)
ばはりながら
喜
(
よろこ
)
び、
118
初
(
はじ
)
めて
天
(
てん
)
の
神
(
かみ
)
の
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
きたりと、
119
勇
(
いさ
)
み
狂
(
くる
)
ひ
踊
(
をど
)
り
廻
(
まは
)
つた。
120
常治彦
(
とこはるひこ
)
は、
121
『
輿
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
せ』
122
と
大声
(
おほごゑ
)
に
呼
(
よ
)
ばはつた。
123
岩
(
いは
)
の
下
(
した
)
遠
(
とほ
)
くこの
光景
(
くわうけい
)
を
見
(
み
)
て
立
(
た
)
ち
騒
(
さわ
)
いでゐた
神人
(
かみがみ
)
らは、
124
一斉
(
いつせい
)
に
芝生
(
しばふ
)
の
上
(
うへ
)
に
腰
(
こし
)
をおろし、
125
棒岩
(
ぼういは
)
の
神輿
(
みこし
)
をうち
眺
(
なが
)
めた。
126
常治彦
(
とこはるひこ
)
はこれを
見
(
み
)
てもどかしがり、
127
『
違
(
ちが
)
ふ
違
(
ちが
)
ふ』
128
といふた。
129
違
(
ちが
)
ふという
言葉
(
ことば
)
は、
130
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
にては
臀部
(
でんぶ
)
をまくり
握拳
(
にぎりこぶし
)
で
尻
(
しり
)
を
打
(
う
)
つと
云
(
い
)
ふことである。
131
神人
(
かみがみ
)
らは
棒岩
(
ぼういは
)
の
方
(
はう
)
へ
向
(
むか
)
つて
一斉
(
いつせい
)
に
赤黒
(
あかぐろ
)
い
尻
(
しり
)
をまくり、
132
一
(
ひい
)
二
(
ふう
)
三
(
み
)
つと、
133
拳
(
こぶし
)
を
固
(
かた
)
めて
自分
(
じぶん
)
の
尻
(
しり
)
を
打
(
う
)
ちたたいた。
134
それがために、
135
臀部
(
でんぶ
)
は
青
(
あを
)
く
変色
(
へんしよく
)
したものさへあつた。
136
命
(
みこと
)
はこれを
見
(
み
)
て、
137
『コラコラ』
138
といつた。
139
コラコラと
云
(
い
)
ふことは、
140
この
郷
(
きやう
)
にては
尻
(
しり
)
をまくつたまま
左右
(
さいう
)
に
廻
(
まは
)
ることである。
141
棒岩
(
ぼういは
)
の
上
(
うへ
)
にある
命
(
みこと
)
は
業
(
ごふ
)
を
煮
(
に
)
やし、
142
『コラコラ
違
(
ちが
)
ふ』
143
といつた。
144
コラコラと
二
(
ふた
)
つ
重
(
かさ
)
ねていふ
時
(
とき
)
は、
145
頭
(
あたま
)
を
下
(
した
)
にし
足
(
あし
)
を
上
(
うへ
)
にして
手
(
て
)
で
歩
(
ある
)
き
廻
(
まは
)
ることである。
146
神人
(
かみがみ
)
らは
天
(
てん
)
の
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
を
固
(
かた
)
く
尊信
(
そんしん
)
し、
147
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
うて
倒
(
さか
)
さまになり、
148
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
這
(
は
)
ひ
廻
(
まは
)
り、
149
廻
(
まは
)
り
損
(
そこ
)
なつて
谷
(
たに
)
に
落
(
お
)
ち
傷
(
きづ
)
つく
者
(
もの
)
も
出来
(
でき
)
た。
150
中
(
なか
)
には、
151
『こいつは
真
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
でない、
152
吾々
(
われわれ
)
を
苦
(
くる
)
しむる
悪神
(
あくがみ
)
である』
153
とつぶやく
者
(
もの
)
もあつた。
154
何処
(
いづこ
)
よりともなく
傍
(
かたはら
)
の
山
(
やま
)
の
中腹
(
ちうふく
)
に
塩治姫
(
しほはるひめ
)
、
155
玉春姫
(
たまはるひめ
)
の
女神
(
めがみ
)
の
姿
(
すがた
)
が
忽然
(
こつぜん
)
として
現
(
あら
)
はれた。
156
白
(
しろ
)
き
尾
(
を
)
のやうな
領巾
(
ひれ
)
を
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
振
(
ふ
)
つてゐた。
157
この
郷
(
きやう
)
の
神人
(
かみがみ
)
らはその
白
(
しろ
)
き
領巾
(
ひれ
)
を
振
(
ふ
)
るとともに、
158
雪崩
(
なだれ
)
をうつてもとの
平地
(
へいち
)
に
帰
(
かへ
)
つてしまつた。
159
常治彦
(
とこはるひこ
)
は
横槌
(
よこづち
)
の
柄
(
え
)
に
乗
(
の
)
せられた
亀
(
かめ
)
のやうに
手足
(
てあし
)
をもがき、
160
『
塩治姫
(
しほはるひめ
)
ヤーイ
161
玉春姫
(
たまはるひめ
)
ヤーイ』
162
と
声
(
こゑ
)
をかぎりに
叫
(
さけ
)
び、
163
つひにはその
声
(
こゑ
)
さへ
出
(
で
)
なくなつてしまつた。
164
(
大正一一・一・五
旧大正一〇・一二・八
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 奇縁万状
(B)
(N)
南天王 >>>
霊界物語
>
第5巻
> 第1篇 動天驚地 > 第5章 盲亀の浮木
Tweet
目で読むのに疲れたら耳で聴こう!霊界物語の朗読ユーチューブ
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【05 盲亀の浮木|第5巻(辰の巻)|霊界物語/rm0505】
合言葉「みろく」を入力して下さい→