霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第5巻(辰の巻)
序文
凡例
総説嵐の跡
第1篇 動天驚地
01 栄華の夢
〔201〕
02 松竹梅
〔202〕
03 臭黄の鼻
〔203〕
04 奇縁万状
〔204〕
05 盲亀の浮木
〔205〕
06 南天王
〔206〕
07 三拍子
〔207〕
08 顕恩郷
〔208〕
09 鶴の温泉
〔209〕
第2篇 中軸移動
10 奇々怪々
〔210〕
11 蜃気楼
〔211〕
12 不食不飲
〔212〕
13 神憑の段
〔213〕
14 審神者
〔214〕
15 石搗歌
〔215〕
16 霊夢
〔216〕
第3篇 予言と警告
17 勢力二分
〔217〕
18 宣伝使
〔218〕
19 旭日出暗
〔219〕
20 猿蟹合戦
〔220〕
21 小天国
〔221〕
22 神示の方舟
〔222〕
第4篇 救世の神示
23 神の御綱
〔223〕
24 天の浮橋
〔224〕
25 姫神の宣示
〔225〕
26 艮坤の二霊
〔226〕
27 唖の対面
〔227〕
28 地教山の垂示
〔228〕
第5篇 宇宙精神
29 神慮洪遠
〔229〕
30 真帆片帆
〔230〕
31 万波洋々
〔231〕
32 波瀾重畳
〔232〕
33 暗夜の光明
〔233〕
34 水魚の情交
〔234〕
第6篇 聖地の憧憬
35 波上の宣伝
〔235〕
36 言霊の響
〔236〕
37 片輪車
〔237〕
38 回春の歓
〔238〕
39 海辺の雑話
〔239〕
40 紅葉山
〔240〕
41 道神不二
〔241〕
42 神玉両純
〔242〕
第7篇 宣伝又宣伝
43 長恨歌
〔243〕
44 夜光の頭
〔244〕
45 魂脱問答
〔245〕
46 油断大敵
〔246〕
47 改言改過
〔247〕
48 弥勒塔
〔248〕
49 水魚の煩悶
〔249〕
50 磐樟船
〔250〕
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。
実験用サイト
|
サブスク
霊界物語
>
第5巻
> 第1篇 動天驚地 > 第6章 南天王
<<< 盲亀の浮木
(B)
(N)
三拍子 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第六章
南天王
(
なんてんわう
)
〔二〇六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻
篇:
第1篇 動天驚地
よみ(新仮名遣い):
どうてんきょうち
章:
第6章 南天王
よみ(新仮名遣い):
なんてんおう
通し章番号:
206
口述日:
1922(大正11)年01月05日(旧12月08日)
口述場所:
筆録者:
松村仙造
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年4月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
顕恩郷の神々は、二人の女性を南天王の妃とするよう奏上した。南天王は、表面上これを許した。
塩治姫と見えたのは、実は春日姫であった。また、玉春姫と見えたのは、八島姫であった。国祖が隠退された後、国祖派の神々は、律法に遠慮することなく神術を駆使して邪神に対抗し始めていたのである。
春日姫、八島姫は、南天王が大道別であることを知って、再開を喜んだ。春日姫は恋人の鷹住別を思い出して沈んでいたが、鷹住別は清彦と名を変えて、南天王に仕えていた。二人は再会を喜んだ。
また、かつて大道別を想って故郷を飛び出した八島姫は自らの運命を嘆いていた。大道別は今は日の出の神・南天王となって国祖の神命を受けて活動中であるため、夫とすることはできなかったのである。
大道別は、そこで従者の芳彦という者を呼んだ。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm0506
愛善世界社版:
41頁
八幡書店版:
第1輯 532頁
修補版:
校定版:
43頁
普及版:
20頁
初版:
ページ備考:
001
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
の
大王神
(
だいわうじん
)
なる
南天王
(
なんてんわう
)
は、
002
その
実
(
じつ
)
大道別
(
おほみちわけ
)
の
分魂
(
わけみたま
)
で、
003
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
であつた。
004
そして
三柱
(
みはしら
)
を
迎
(
むか
)
え
来
(
きた
)
つた
大亀
(
おほがめ
)
は
琴平別
(
ことひらわけ
)
の
化神
(
けしん
)
である。
005
神人
(
かみがみ
)
らは
二柱
(
ふたはしら
)
の
女神
(
めがみ
)
の
婉麗
(
ゑんれい
)
にして
神格
(
しんかく
)
の
高尚
(
かうしやう
)
なるに
敬服
(
けいふく
)
し、
006
南天王
(
なんてんわう
)
に
請
(
こ
)
ふて、
007
二
(
に
)
女神
(
ぢよしん
)
を
妃
(
きさき
)
にせむことを
協議
(
けふぎ
)
した。
008
神人
(
かみがみ
)
らの
中
(
なか
)
より
蟹若
(
かにわか
)
といふ
者
(
もの
)
、
009
推
(
お
)
されて
代表
(
だいへう
)
となり、
010
南天王
(
なんてんわう
)
の
宮殿
(
きうでん
)
に
参向
(
さんかう
)
し、
011
衆議
(
しうぎ
)
一致
(
いつち
)
の
請願
(
せいぐわん
)
をなした。
012
南天王
(
なんてんわう
)
は
思
(
おも
)
ふところありて
表面
(
へうめん
)
これを
許
(
ゆる
)
した。
013
これより
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
は
高貴
(
かうき
)
なる
三柱
(
みはしら
)
の
神人
(
しんじん
)
によりて
統一
(
とういつ
)
さるることとなり、
014
南方
(
なんぱう
)
より
年々
(
ねんねん
)
攻
(
せ
)
めきたる
悪神
(
あくがみ
)
の
襲来
(
しふらい
)
も
恐
(
おそ
)
るるに
足
(
た
)
らずと
異口
(
いく
)
同音
(
どうおん
)
に
祝
(
しゆく
)
しあうた。
015
今
(
いま
)
まで
塩治姫
(
しほはるひめ
)
と
見
(
み
)
えしはその
実
(
じつ
)
は
春日姫
(
かすがひめ
)
であつた。
016
春日姫
(
かすがひめ
)
には
高倉
(
たかくら
)
白狐
(
びやくこ
)
が
始終
(
しじう
)
守護
(
しゆご
)
してゐた。
017
また
玉春姫
(
たまはるひめ
)
と
見
(
み
)
えしは
実際
(
じつさい
)
は
八島姫
(
やしまひめ
)
であつて、
018
白狐
(
びやくこ
)
の
旭
(
あさひ
)
が
守護
(
しゆご
)
してゐた。
019
今
(
いま
)
まで
国祖
(
こくそ
)
の
御
(
ご
)
神政中
(
しんせいちう
)
は、
020
大江山
(
たいかうざん
)
の
鬼武彦
(
おにたけひこ
)
以下
(
いか
)
正義
(
せいぎ
)
の
神人
(
かみがみ
)
らは、
021
敵
(
てき
)
に
対
(
たい
)
するその
神術
(
かむわざ
)
をよほど
遠慮
(
ひか
)
へてゐたのであるが、
022
もはや
国祖
(
こくそ
)
は
御
(
ご
)
退隠
(
たいいん
)
となり、
023
いかなる
権謀
(
けんぼう
)
術数
(
じゆつすう
)
に
出
(
い
)
づるとも、
024
今日
(
こんにち
)
は
累
(
るゐ
)
を
国祖
(
こくそ
)
に
及
(
およ
)
ぼし
奉
(
たてまつ
)
る
憂
(
うれ
)
ひはなくなつた。
025
そこで
聖地
(
せいち
)
の
神人
(
かみがみ
)
らは
国祖
(
こくそ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
ご
)
無念
(
むねん
)
を
深
(
ふか
)
く
察
(
さつ
)
し、
026
わが
身
(
み
)
はたとへ
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
より
天則
(
てんそく
)
違反
(
ゐはん
)
に
問
(
と
)
はるるとも、
027
至恩
(
しおん
)
ある
大神
(
おほかみ
)
の
敵
(
てき
)
にたいして、
028
極力
(
きよくりよく
)
反抗
(
はんかう
)
をこころみ、
029
復讐
(
ふくしう
)
をなさむとするの
念慮
(
ねんりよ
)
は、
030
片時
(
かたとき
)
の
間
(
ま
)
も
忘
(
わす
)
れなかつた。
031
二柱
(
ふたはしら
)
の
女神
(
めがみ
)
は、
032
南天王
(
なんてんわう
)
の
宮殿
(
きうでん
)
深
(
ふか
)
く
仕
(
つか
)
へることとなつた。
033
蟹若
(
かにわか
)
は
大
(
おほい
)
に
喜
(
よろこ
)
んで
神人
(
かみがみ
)
にその
旨
(
むね
)
を
伝
(
つた
)
へ、
034
一同
(
いちどう
)
は
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
祝杯
(
しゆくはい
)
を
挙
(
あ
)
げた。
035
奥殿
(
おくでん
)
には
南天王
(
なんてんわう
)
と
春日姫
(
かすがひめ
)
、
036
八島姫
(
やしまひめ
)
の
三柱
(
みはしら
)
鼎坐
(
ていざ
)
して
昔語
(
むかしがた
)
りに
夜
(
よ
)
を
徹
(
てつ
)
した。
037
春日姫
(
かすがひめ
)
は
思
(
おも
)
はず、
038
大道別
(
おほみちわけ
)
の
日
(
ひ
)
の
出
(
での
)
神
(
かみ
)
に
面会
(
めんくわい
)
し、
039
うれしさのあまり
涙
(
なみだ
)
を
湛
(
たた
)
へ、
040
且
(
か
)
つ
俄
(
にはか
)
に
鷹住別
(
たかすみわけ
)
のことを
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
し、
041
憂
(
うれ
)
ひに
沈
(
しづ
)
む
面容
(
おももち
)
であつた。
042
南天王
(
なんてんわう
)
は、
043
『
貴下
(
きか
)
は
何
(
なに
)
ゆゑにかくの
如
(
ごと
)
く、
044
この
目出度
(
めでた
)
き
宿縁
(
えにし
)
の
喜
(
よろこ
)
びにたいし
鬱
(
ふさ
)
ぎたまふや』
045
と
言
(
い
)
つた。
046
春日姫
(
かすがひめ
)
はわづかに
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して、
047
『たかす……』
048
と
云
(
い
)
つた。
049
南天王
(
なんてんわう
)
はその
声
(
こゑ
)
に
春日姫
(
かすがひめ
)
の
意
(
い
)
を
悟
(
さと
)
り、
050
ただちに
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて、
051
『
清彦
(
きよひこ
)
、
052
清彦
(
きよひこ
)
』
053
と
呼
(
よ
)
んだ、
054
声
(
こゑ
)
に
応
(
おう
)
じて、
055
一間
(
ひとま
)
より
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でた
神格
(
しんかく
)
の
優
(
すぐ
)
れた
侍神
(
じしん
)
がある。
056
見
(
み
)
れば、
057
春日姫
(
かすがひめ
)
の
常世城
(
とこよじやう
)
を
去
(
さ
)
りしより、
058
夢寐
(
むび
)
にも
忘
(
わす
)
れぬ
恋人
(
こひびと
)
の
鷹住別
(
たかすみわけ
)
であつた。
059
春日姫
(
かすがひめ
)
は
思
(
おも
)
はず
飛付
(
とびつ
)
かむとしたが
他
(
た
)
の
神人
(
かみがみ
)
の
前
(
まへ
)
を
憚
(
はばか
)
りて、
060
動
(
うご
)
く
心
(
こころ
)
を
吾
(
われ
)
から
制止
(
せいし
)
し、
061
耻
(
は
)
づかしげに
俯
(
うつむ
)
いて
啜
(
すす
)
り
泣
(
な
)
きに
泣
(
な
)
く。
062
南天王
(
なんてんわう
)
は
粋
(
すゐ
)
をきかして、
063
鷹住別
(
たかすみわけ
)
、
064
春日姫
(
かすがひめ
)
二人
(
ふたり
)
を
別殿
(
べつでん
)
に
去
(
さ
)
らしめた。
065
あとに
残
(
のこ
)
つた
八島姫
(
やしまひめ
)
は
南天王
(
なんてんわう
)
と
二柱
(
ふたはしら
)
互
(
たがひ
)
に
黙然
(
もくねん
)
として
顔
(
かほ
)
見合
(
みあは
)
せ、
066
うれし
涙
(
なみだ
)
に
暮
(
く
)
れてゐた。
067
八島姫
(
やしまひめ
)
は
思
(
おも
)
ひきつたやうに、
068
『
南高山
(
なんかうざん
)
において、
069
貴下
(
きか
)
に
生命
(
いのち
)
を
救
(
すく
)
はれ、
070
それより
貴下
(
きか
)
を
慕
(
した
)
ふ
心
(
こころ
)
、
071
切
(
しき
)
りに
起
(
おこ
)
りて、
072
つひには
父母
(
ふぼ
)
を
棄
(
す
)
て、
073
御後
(
みあと
)
を
慕
(
した
)
ひまつりしも、
074
今
(
いま
)
は
昔
(
むかし
)
の
夢
(
ゆめ
)
となりたれども、
075
一
(
いつ
)
たん
思
(
おも
)
ひつめたる
最初
(
さいしよ
)
の
念
(
ねん
)
は、
076
今
(
いま
)
に
消
(
き
)
えやらず、
077
妾
(
わらは
)
が
心
(
こころ
)
の
切
(
せつ
)
なさを
推量
(
すゐりやう
)
ありたし』
078
と
前後
(
ぜんご
)
もかまはず、
079
南天王
(
なんてんわう
)
の
膝
(
ひざ
)
に
顔
(
かほ
)
をあて、
080
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
ぶのであつた。
081
南天王
(
なんてんわう
)
は
八島姫
(
やしまひめ
)
の
心情
(
しんじやう
)
を
憫
(
あは
)
れみ、
082
いかにもして
彼女
(
かれ
)
を
慰
(
なぐさ
)
めむと
思
(
おも
)
へども、
083
一
(
いつ
)
たん
国祖
(
こくそ
)
より
命
(
めい
)
ぜられたる
大使命
(
だいしめい
)
あれば、
084
たとへ
国祖
(
こくそ
)
は
隠退
(
いんたい
)
し
給
(
たま
)
ふとも、
085
妄
(
みだ
)
りに
妻帯
(
さいたい
)
するは
大神
(
おほかみ
)
の
神慮
(
しんりよ
)
に
反
(
はん
)
するものである。
086
されどこの
八島姫
(
やしまひめ
)
の
心情
(
しんじやう
)
を
推知
(
すゐち
)
しては、
087
さすが
道義
(
だうぎ
)
堅固
(
けんご
)
なる
南天王
(
なんてんわう
)
も、
088
骨身
(
ほねみ
)
も
砕
(
くだ
)
くるごとき
切
(
せつ
)
なき
思
(
おも
)
ひをしたのである。
089
八島姫
(
やしまひめ
)
は
漸
(
やうや
)
くにして
顔
(
かほ
)
をあげ、
090
『
吁
(
ああ
)
、
091
妾
(
わらは
)
は
年
(
とし
)
老
(
お
)
いたる
父母
(
ふぼ
)
二神
(
にしん
)
を
棄
(
す
)
て、
092
山海
(
さんかい
)
の
高恩
(
かうおん
)
を
忘却
(
ばうきやく
)
し、
093
かつ
忠節
(
ちうせつ
)
無比
(
むひ
)
の
玉純彦
(
たますみひこ
)
を
途中
(
とちう
)
に
追返
(
おひかへ
)
したるは、
094
今
(
いま
)
になつて
思
(
おも
)
へば、
095
実
(
じつ
)
に
妾
(
わらは
)
が
一生
(
いつしやう
)
の
不覚
(
ふかく
)
であつた。
096
たとへ
臣下
(
しんか
)
の
身分
(
みぶん
)
たりとも、
097
彼
(
かれ
)
がごとき
忠良
(
ちうりやう
)
なる
玉純彦
(
たますみひこ
)
をして、
098
せめては
吾
(
わが
)
夫
(
をつと
)
にもつことを
得
(
え
)
ば、
099
いかに
幸
(
さいは
)
ひならむかと
夜
(
よ
)
ごとに
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
ぶれども、
100
かれ
玉純彦
(
たますみひこ
)
は
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
にて、
101
一
(
ひと
)
たび
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
たるきり、
102
今
(
いま
)
は
何
(
いづ
)
れにあるや、
103
その
居所
(
きよしよ
)
も
判然
(
はんぜん
)
せず。
104
また
父
(
ちち
)
の
消息
(
せうそく
)
も
聞
(
き
)
かまほしけれど、
105
今
(
いま
)
となりては
如何
(
いかん
)
とも
詮術
(
せんすべ
)
なく、
106
日夜
(
にちや
)
悲歎
(
ひたん
)
の
涙
(
なみだ
)
に
暮
(
く
)
るるのみ』
107
と、
108
流石
(
さすが
)
女人
(
によにん
)
の
愚痴
(
ぐち
)
をこぼし、
109
滝
(
たき
)
のごとく
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
して、
110
その
場
(
ば
)
に
倒
(
たふ
)
れ
伏
(
ふ
)
しにけり。
111
このとき
南天王
(
なんてんわう
)
は
何
(
なに
)
思
(
おも
)
ひけむ、
112
つと
座
(
ざ
)
をたちて
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
ち、
113
『
芳彦
(
よしひこ
)
、
114
芳彦
(
よしひこ
)
』
115
と
呼
(
よ
)
ばはつた。
116
芳彦
(
よしひこ
)
ははたして
如何
(
いか
)
なる
神人
(
かみ
)
であらうか。
117
(
大正一一・一・五
旧大正一〇・一二・八
松村仙造
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 盲亀の浮木
(B)
(N)
三拍子 >>>
霊界物語
>
第5巻
> 第1篇 動天驚地 > 第6章 南天王
Tweet
ロシアのプーチン大統領が霊界物語に予言されていた!?<絶賛発売中>
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【06 南天王|第5巻(辰の巻)|霊界物語/rm0506】
合言葉「みろく」を入力して下さい→