霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一三章 神憑(かむがかり)(だん)〔二一三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻 篇:第2篇 中軸移動 よみ(新仮名遣い):ちゅうじくいどう
章:第13章 神憑の段 よみ(新仮名遣い):かんがかりのだん 通し章番号:213
口述日:1922(大正11)年01月07日(旧12月10日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年4月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
鬼神たちは神々を鉄棒でさんざんに打ち悩ました。すると突然暴風が吹いて、鬼神たちは追い払われた。
神々が不思議に顔を見合わせていると、盤古大神、常世彦、常世姫をはじめ、多数の神々は神がかりとなって、上下左右に身体を振動させて狂気のように飛び回り始めた。
これは、心身が弱ったところを見計らって、邪霊たちがいっせいに憑依したのである。
聖地エルサレムの天使・言霊別の長子である竜山別は、腹黒い神で、野心を抱えていた。エルサレムの変乱にも自己の一派はたくみに逃れて常世彦の配下に収まっていた。
竜山別は今回の断食にも参加していたが、八頭八尾の大蛇の眷属に憑依され、日の大神・月の大神であると百雷が轟くような声で名乗った。神々らはいっせいに歓喜の声を上げた。
そこへ中空に『邪神にたぶらかされるな』という声が聞こえた。盤古大神はこの声を聞くと、突然その場を逃げ出した。
盤古大神を常世姫がさえぎり、二神は格闘を始めた。他の神々は邪霊に憑依されて、残らず常世姫の肩を持った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0513
愛善世界社版:77頁 八幡書店版:第1輯 545頁 修補版: 校定版:79頁 普及版:36頁 初版: ページ備考:
001 東北(とうほく)(てん)より(くだ)りきたれる六面(ろくめん)八臂(はつぴ)鬼神(きしん)は、002あまたの部下(ぶか)引率(いんそつ)し、003盤古(ばんこ)大神(だいじん)以下(いか)飢餓(きが)(せま)りて身体(しんたい)痩衰(やせおとろ)へ、004あたかも(ねぎ)()たやうにヘトヘトになつて、005身動(みうご)きも自由(じいう)ならぬこの()(あら)はれ、006鉄棒(てつぼう)をもつて(つか)(なや)める神々(かみがみ)()くやら()つやら、007無残(むざん)にも乱暴(らんばう)狼藉(ろうぜき)のかぎりを(つく)し、008連木(れんぎ)味噌(みそ)でもするやうな()()はしてゐる。009盤古(ばんこ)大神(だいじん)以下(いか)神人(かみがみ)は、010抵抗力(ていかうりよく)防禦力(ばうぎよりよく)絶無(ぜつむ)となつてしまつて、011九死(きうし)一生(いつしやう)012危機(きき)一髪(いつぱつ)悲境(ひきやう)(おちい)(をり)しも、013またもや忽然(こつぜん)として暴風(ばうふう)()()こり、014岩石(がんせき)(あめ)邪鬼(じやき)(むれ)にむかつて()ちつけた。015あまたの(おに)どもは周章(しうしやう)狼狽(らうばい)しながら、016(あめ)()りくる岩石(がんせき)()たれて、017(あたま)()り、018腰骨(こしぼね)(くじ)き、019(あし)()り、020這々(はうはう)(てい)にて、021負傷(ふしやう)した(おに)どもを各自(かくじ)小脇(こわき)(かか)へながら、022東北(とうほく)(そら)さして(くも)(かすみ)()()せた。023しかるに不思議(ふしぎ)なことには、024盤古(ばんこ)大神(だいじん)部下(ぶか)神人(かみがみ)一柱(ひとはしら)負傷(ふしやう)するものがなかつた。025(いづ)れも(かほ)見合(みあは)して、026眼前(がんぜん)奇怪(きくわい)千万(せんばん)光景(くわうけい)(あき)れるばかりであつた。
027 このとき、028一陣(いちぢん)(かぜ)サツと(おと)して()()たるよと()るまに、029大地(だいち)平臥(へいぐわ)して苦悶(くもん)せし盤古(ばんこ)大神(だいじん)常世彦(とこよひこ)030常世姫(とこよひめ)(にはか)顔色(がんしよく)(くれなゐ)(てい)し、031元気(げんき)(とみ)回復(くわいふく)し、032立上(たちあが)つて両手(りやうて)()みながら上下(じやうげ)左右(さいう)身体(しんたい)動揺(どうえう)させ、033(をど)(あが)つて遠近(ゑんきん)狂気(きやうき)のごとくに()(まは)つた。034これは八頭(やつがしら)八尾(やつを)大蛇(をろち)金毛(きんまう)九尾(きうび)悪狐(あくこ)邪霊(じやれい)が、035心身(しんしん)(よわ)()つたところを見澄(みすま)し、036一度(いちど)憑依(ひようい)したからである。037次々(つぎつぎ)()神人(かみがみ)同様(どうやう)元気(げんき)回復(くわいふく)し、038()()(あし)()(とどろ)かせ、039遠近(ゑんきん)縦横(じゆうわう)無尽(むじん)駈廻(かけまは)るその有様(ありさま)040(じつ)(すずめ)(むれ)(たか)()りたる(とき)のごとき周章(あわて)かたである。041彼方(あちら)にも此方(こちら)にも、042ウンウン、043ウーウーと(うな)るかと()れば、044ヤヽヽヽヤツヤツヤツ、045カヽヽヽヽシヽヽヽヽラヽヽヽヽヤツヤツカヽヽヽシヽラヽヽ、046ヤツカシラヤツヲノ、047ヲヽヽヽヽロヽヽヽヽチヽヽヽヽ、048ヲロチヲロチと(さけ)ぶのもあり、049キヽヽヽヽキンキンキンキンモヽヽヽヽヽヽモウモウキユキユキユビヽヽヽヽキキキンモモモウキユキユキユウビヽヽヽキンモウキユウビのキヽヽヽヽツヽヽヽヽネヽヽヽヽキツネキツネキツネキツネと(さけ)神人(かみ)もできてきた。050また一方(いつぱう)にはクヽヽヽヽニヽヽヽヽトヽヽヽヽコヽヽヽヽタヽヽヽヽチヽヽヽヽノヽヽヽヽミヽヽヽヽコヽヽヽヽトヽヽヽヽ、051クヽニヽノトヽコヽタヽチヽノヽミヽ、052コヽトヽとどなる神人(かみ)もあれば、053ケヽヽヽヽケンゾクケンゾクケヽヽヽヽケンゾクケンゾクタヽツヽヤヽヽマワヽヽケヽヽ、054ノヽヽミヽコトと口走(くちばし)つて、055両手(りやうて)()み、056前後(ぜんご)左右(さいう)()(まは)飛走(とびはし)るさま、057百鬼(ひやくき)昼行(ちうかう)ともいふべき状況(じやうきやう)である。058常世姫(とこよひめ)俄然(がぜん)()ちあがり、
059部下(ぶか)神人(かみがみ)たちよ、060われこそは()大神(おほかみ)分魂(わけみたま)にして玉津姫(たまつひめの)大神(おほかみ)なるぞ。061このたび()高天原(たかあまはら)をこのアーメニヤに(うつ)されしについては、062()初発(しよはつ)より大神(おほかみ)経綸(けいりん)であつて、063万古(ばんこ)不易(ふえき)聖地(せいち)神定(かむさだ)められたり。064盤古(ばんこ)大神(だいじん)夫婦(ふうふ)は、065今日(こんにち)よりこの(はう)(まを)すことに誠心(せいしん)誠意(せいい)服従(ふくじゆう)すべきものなり。066只今(ただいま)より常世姫(とこよひめ)肉体(にくたい)玉津姫(たまつひめの)大神(おほかみ)生宮(いきみや)なるぞ。067(いち)(にち)(はや)立派(りつぱ)なる宮殿(きうでん)造営(ざうえい)し、068神定(しんてい)()神政(しんせい)(おこな)へ、069ウーン』
070(うな)つて(てん)にむかひて()(たふ)れた。
071 聖地(せいち)ヱルサレムの天使(てんし)言霊別(ことたまわけ)長子(ちやうし)なる竜山別(たつやまわけ)といふ腹黒(はらぐろ)神人(かみ)は、072始終(しじう)野心(やしん)包蔵(はうざう)してをつた。073それゆゑ今回(こんくわい)のヱルサレムにおける変乱(へんらん)にも、074自己(じこ)一派(いつぱ)のみは(たく)みに(まぬが)れ、075邪神(じやしん)常世彦(とこよひこ)帷幕(ゐばく)(さん)じてゐた。076(かれ)(いま)また、077このアーメニヤにきたり、078神々(かみがみ)とともにウラル(さん)中腹(ちうふく)(のぼ)つて断食(だんじき)断水(だんすゐ)仲間(なかま)(くは)はつてゐた。079たちまち身体(しんたい)震動(しんどう)し、080顔色(がんしよく)()のごとくなつて神憑(かむがか)りとなつた。081(かれ)には八頭(やつがしら)八尾(やつを)大蛇(をろち)眷属(けんぞく)082青竜魔(せいりうま)()りうつり、
083『アヽ有難(ありがた)いぞよ、084勿体(もつたい)ないぞよ、085この(はう)こそは()大神(おほかみ)086(つき)大神(おほかみ)であるぞよ。087神人(かみがみ)ども、088(かしら)(たか)い、089(かしら)(たか)い、090大地(だいち)平伏(へいふく)いたせ、091(まを)(わた)すべき仔細(しさい)こそあれ。092今日(こんにち)(じつ)天地(てんち)開闢(かいびやく)以来(いらい)目出度(めでた)日柄(ひがら)であるぞよ。093()(ひら)いてこの(はう)(をが)んだならば、094たちまち()(つぶ)れてしまふぞ。095これからこの(はう)(あふ)せを(そむ)いた(かみ)は、096神罰(しんばつ)()ちどころに(いた)ると(おも)へよ。097この(はう)()大神(おほかみ)098(つき)大神(おほかみ)間違(まちが)ひないぞよ』
099怒鳴(どな)つた。100その(こゑ)百雷(ひやくらい)一度(いちど)()(とどろ)くごとくであつた。101神人(かみがみ)らは、102一斉(いつせい)に、103アヽヽヽヽリヽヽヽヽガヽヽヽヽタヽヽヽヽヤヽヽヽアリーガーターヤヽヽヤーと(こゑ)(ふる)はせながら(なみだ)(なが)して(うれ)しがつた。
104 中空(ちうくう)(こゑ)あり、
105邪神(じやしん)(たぶらか)されなよ。106(いま)(しり)()一本(いつぽん)もないやうに()かれてしまふぞよ』
107(きこ)えた。108盤古(ばんこ)大神(だいじん)(なに)(おも)ひけむ、109この()()()らむとするを、110常世姫(とこよひめ)神憑(かむがかり)は、111大手(おほて)(ひろ)げて、
112『アヽ(こひ)しき()(をつと)よ、113(わらは)(まを)すことを一々(いちいち)()かれよ』
114涙声(なみだごゑ)になつて抱止(だきと)めた。115盤古(ばんこ)大神(だいじん)(そで)振払(ふりはら)ひ、
116無礼(ぶれい)もの』
117叱咤(しつた)した。118常世姫(とこよひめ)柳眉(りうび)(さか)だて、
119(かしこ)くも()大神(おほかみ)(おん)分魂(わけみたま)なるこの(はう)にむかつて、120無礼(ぶれい)ものとは何事(なにごと)ぞ。121(なんぢ)こそは盤古(ばんこ)大神(だいじん)とエラソウに(まを)せども、122この生宮(いきみや)のために今日(こんにち)神人(かみがみ)らより崇敬(すうけい)さるるやうになりしを()らざるか、123その(はう)こそ無礼(ぶれい)ものなり』
124(どく)づいた。125ここに盤古(ばんこ)126常世(とこよ)二神(にしん)格闘(かくとう)(はじ)まつた。127()んづ()まれつ(たが)ひに(いど)()ひ、128(たがひ)(うへ)になり(した)になり、129咆哮(はうかう)怒号(どがう)した。130あまたの神人(かみがみ)(のこ)らず邪神(じやしん)容器(ようき)となり、131常世姫(とこよひめ)(かた)()ち、
132邪神(じやしん)盤古(ばんこ)盤古(ばんこ)
133一斉(いつせい)(さけ)びながら立上(たちあが)つた。134アヽこの結果(けつくわ)はどうなるであらうか。
135大正一一・一・七 旧大正一〇・一二・一〇 外山豊二録)
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