霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 栄華(えいぐわ)(ゆめ)〔二〇一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻 篇:第1篇 動天驚地 よみ(新仮名遣い):どうてんきょうち
章:第1章 栄華の夢 よみ(新仮名遣い):えいがのゆめ 通し章番号:201
口述日:1922(大正11)年01月04日(旧12月07日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年4月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
国祖をはじめ、部下の天使たちが隠退して以来、聖地の宮殿はまったく常世彦の館となってしまい、小さな宮が申し訳程度に橄欖山に設けられて、一年に一度祭りが行われるのみとなってしまった。
常世彦と常世姫の間には、常治彦、玉春姫が生まれた。常治彦は額に牛のような角があった。
常世彦は律法を無視し、放縦な政治を行ったために、聖地には奇怪なことが続出した。天には三個の太陽が一度に現れたり、三個の月が現れたり、星は大音響を立てて飛び散り、彗星が現れて衝突した。
しかし神々はこれを盤古大神・塩長彦の神政の瑞祥であるとして、かえって喜ぶ有様であった。
あるとき常世彦は恐ろしい不吉な夢を見てやや反省の色を表し、橄欖山の神殿を改築して各地の八王たちに、神殿を作って大神を祀るようにと通達を出した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-04-03 00:08:13 OBC :rm0501
愛善世界社版:15頁 八幡書店版:第1輯 523頁 修補版: 校定版:17頁 普及版:8頁 初版: ページ備考:
001 国祖(こくそ)国治立(くにはるたちの)(みこと)002豊国姫(とよくにひめの)(みこと)003大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)004その()聖地(せいち)における錚々(さうさう)たる神人(かみがみ)は、005全部(ぜんぶ)各地(かくち)退隠(たいいん)されてより、006八王(やつわう)大神(だいじん)常世彦(とこよひこ)聖地(せいち)における神務(しんむ)はまつたく破滅(はめつ)され、007天地(てんち)(かみ)(しん)ずるものなく、008聖地(せいち)宮殿(きうでん)(まつた)八王(やつわう)大神(だいじん)居館(やかた)となり、009申訳(まうしわけ)(てき)(ちひ)さき(みや)橄欖山(かんらんざん)頂上(ちやうじやう)建設(けんせつ)し、010ただ(いち)(ねん)一回(いつくわい)祭典(さいてん)(おこな)ふのみであつた。011神殿(しんでん)(はしら)風雨(ふうう)(さら)され、012自然(しぜん)荒廃(くわうはい)(まか)屋根(やね)()り、013蜘蛛(くも)()四方(しはう)引廻(ひきまは)し、014至聖(しせい)至厳(しげん)なるべき神殿(しんでん)は、015つひに野鼠(やそ)棲処(すみか)となつて(しま)つたのである。
016 一方(いつぱう)竜宮城(りうぐうじやう)三重(みへ)金殿(きんでん)は、017その最下層(さいかそう)()常世姫(とこよひめ)遊楽(いうらく)場所(ばしよ)(さだ)められた。018されど顕国(うつしくに)御玉(みたま)(まつ)りたる最高段(さいかうだん)(のぼ)ることは、019いかに常世彦(とこよひこ)といへども、020神威(しんゐ)(おそ)れて敢行(かんかう)することが出来(でき)なかつた。
021 常世彦(とこよひこ)022常世姫(とこよひめ)二神(にしん)(あひだ)常治彦(とこはるひこ)(うま)れた。023つぎに玉春姫(たまはるひめ)といふ妹神(いもうとがみ)(うま)れた。024父母(ふぼ)両神(りやうしん)はこれを掌中(しやうちう)(たま)として愛育(あいいく)してゐた。025愛児(あいじ)常治彦(とこはるひこ)(ちやう)ずるにおよんで前頭部(ぜんとうぶ)(うし)のごとき(つの)二本(にほん)()えた。026神々(かみがみ)はこれを常治彦(とこはるひこ)といはず鬼治彦(おにはるひこ)(ひそ)かに綽名(あだな)してゐた。027聖地(せいち)八王(やつわう)大神(だいじん)にして、028かくのごとく律法(りつぱふ)無視(むし)し、029(かみ)(けが)し、030放縦(はうじう)不軌(ふき)神政(しんせい)をおこなひ、031悪逆(あくぎやく)日々(ひび)増長(ぞうちよう)して、032聖地(せいち)昼夜(ちうや)区別(くべつ)なく奇怪(きくわい)なることのみ続出(ぞくしゆつ)した。033(かみ)()(ところ)034(しも)これに(なら)ふ』の(ことわざ)のごとく、035各山(かくざん)各地(かくち)八王(やつわう)八頭(やつがしら)は、036邪鬼(じやき)037悪狐(あくこ)038悪竜(あくりう)(れい)憑依(ひようい)されて神命(しんめい)無視(むし)し、039暴逆(ばうぎやく)無道(ぶだう)神政(しんせい)(おこな)ふにいたつた。040聖地(せいち)はすでに神霊(しんれい)宮殿(きうでん)より分離(ぶんり)し、041橄欖山(かんらんざん)(かたち)ばかりの神殿(しんでん)()てたるに(なら)ひ、042各地(かくち)八王(やつわう)八頭(やつがしら)もその宮殿(きうでん)より国魂(くにたま)分離(ぶんり)して、043山上(さんじやう)または渓間(たにま)(かたち)ばかりの神殿(しんでん)(つく)り、044祭祀(さいし)(みち)(をこた)つた。
045 天上(てんじやう)には三個(さんこ)太陽(たいやう)一度(いちど)(あら)はれ、046(つき)また中天(ちゆうてん)047東天(とうてん)048西天(せいてん)一度(いちど)三個(さんこ)月球(げつきう)(あら)はるるにいたつた。049しかして太陽(たいやう)(いろ)は、050(いち)(あか)く、051(いち)青赤(あをあか)く、052(いち)青白(あをじろ)く、053(つき)また(あを)(あか)(しろ)く、054おのおの(いろ)(こと)にしてゐた。055天上(てんじやう)(ほし)間断(かんだん)なく、056東西(とうざい)南北(なんぽく)大音響(だいおんきやう)()てて()()り、057巨大(きよだい)なる彗星(すゐせい)は、058(いち)東天(とうてん)より、059(いち)南天(なんてん)より、060(いち)西天(せいてん)より(あら)はれ、061三個(さんこ)()上空(じやうくう)(がつ)して衝突(しようとつ)し、062火花(ひばな)()らすこと大花火(おほはなび)のごとくであつた。063八王(やつわう)大神(だいじん)はじめ八王(やつわう)八頭(やつがしら)はこの光景(くわうけい)()て、064頑迷(ぐわんめい)不霊(ふれい)国祖(こくそ)国治立(くにはるたちの)(みこと)退隠(たいいん)ありてより、065(てん)大神(おほかみ)(おほい)(よろこ)びたまひ、066太陽(たいやう)はかくのごとく三体(さんたい)(あら)はれ、067(つき)また三体(さんたい)(あら)はるるは、068天下(てんか)泰平(たいへい)瑞祥(ずゐしやう)なりとして、069各自(かくじ)(よろこ)(いさ)んだ。
070 また彗星(すゐせい)衝突(しようとつ)して地上(ちじやう)火花(ひばな)落下(らくか)したるは、071(てん)三体(さんたい)大神(おほかみ)072盤古(ばんこ)大神(だいじん)神政(しんせい)(しゆく)したまふ瑞祥(ずゐしやう)なりと(うた)つて、073ますます和光(わくわう)同塵(どうじん)(てき)神政(しんせい)遂行(すゐかう)した。
074 (はる)(はな)(あき)()き、075(あき)()(はな)(はる)()き、076(なつ)大雪(おほゆき)()り、077(ふゆ)()(あつ)く、078気候(きこう)(まつた)変換(へんくわん)した。079大地(だいち)主脳神(しゆなうじん)たる国祖(こくそ)国治立(くにはるたちの)(みこと)精霊(せいれい)脱出(だつしゆつ)したる天地(てんち)は、080日夜(にちや)大変調(だいへんてう)をきたし、081妖気(えうき)(てん)(みなぎ)り、082青葉(あをば)(くろ)く、083あるひは茶褐色(ちやかつしよく)となり、084(あか)(はな)(くろ)()き、085(しろ)(はな)(あを)()き、086()かる宇宙(うちう)大変調(だいへんてう)()て、087八王(やつわう)大神(だいじん)以下(いか)神々(かみがみ)は、088(すこ)しも国祖(こくそ)大神(おほかみ)()威霊(ゐれい)なきがために、089()天地(てんち)不順(ふじゆん)不祥(ふしやう)(きた)したりとは(ゆめ)にも()らず、090至善(しぜん)091至美(しび)092至楽(しらく)神政(しんせい)成就(じやうじゆ)先駆(せんく)象徴(しやうちやう)として、093この光景(くわうけい)祝賀(しゆくが)したのである。094すべての神々(かみがみ)神業(しんげふ)放擲(はうてき)し、095昼夜(ちうや)区別(くべつ)なく(をど)(くる)(まは)つた。
096 (きり)天地(てんち)六合(りくがふ)()めて、097次第(しだい)太陽(たいやう)(ひかり)(くも)らし、098(つき)また()でざること数年(すうねん)におよんだ。099この(かん)かの円満(ゑんまん)なる太陽(たいやう)(かたち)()ることなく、100昼夜(ちうや)区別(くべつ)はほとんどつかなかつた。101されど地上(ちじやう)神人(しんじん)は、102その暗黒(あんこく)(くる)しむほどでもなかつた。103あたかも大地(だいち)朧月夜(おぼろづきよ)のごとき光景(くわうけい)である。
104 八王(やつわう)大神(だいじん)はわが宮殿(きうでん)(おく)(あた)り、105(あや)しき(こゑ)のしきりに(きこ)ゆるに(おどろ)き、106(いそ)ぎわが居間(ゐま)()(はし)()()れば、107こはそもいかに、108常治彦(とこはるひこ)(いもうと)引捕(ひつとら)へ、109その(かいな)むしり、110()(なが)るるまま、111(なが)(した)をだして美味(うま)さうに()つてゐる。
112 常世彦(とこよひこ)(おほい)(おどろ)き、113長刀(ちやうたう)引抜(ひきぬ)常治彦(とこはるひこ)()がけて、
114『わが()仇敵(かたき)115(おも)()れよ』
116()ひつつ真向(まつかう)上段(じやうだん)より()りつくるその途端(とたん)117常治彦(とこはるひこ)姿(すがた)も、118(いもうと)姿(すがた)白雲(はくうん)となつて()()せ、119ただわが頭上(づじやう)げらげら(わら)(こゑ)がするのみであつた。120(あや)しみて奥殿(おくでん)くまなく(さが)せども、121(なん)異変(いへん)もなかつた。122ただ(あや)しきは、123(ちやう)三角形(さんかくけい)率塔婆(そとば)のごときもの五六本(ごろつぽん)124常世彦(とこよひこ)(まへ)にツンツンツンと(おと)()て、125()(はな)(くち)のみムケムケさせながら、126上下(じやうげ)127前後(ぜんご)128左右(さいう)より常世彦(とこよひこ)()つかかつてきた。
129 常世彦(とこよひこ)は、130(ちやう)三角形(さんかくけい)尖端(せんたん)面部(めんぶ)その()全体(ぜんたい)突刺(つきさ)された。131これ(まつた)神明(しんめい)無視(むし)し、132神殿(しんでん)橄欖山(かんらんざん)(うつ)したるがため、133大神(おほかみ)激怒(げきど)()れたるならむと、134橄欖山(かんらんざん)駈上(かけあが)り、135ほとんど朽果(くちは)てたる神殿(しんでん)(まへ)に、136(いき)()えだえになつてその(つみ)(しや)した。137たちまち神殿(しんでん)鳴動(めいどう)して無数(むすう)金色(こんじき)(はと)(あら)はれ、138常世彦(とこよひこ)頭上(づじやう)()がけて幾十回(いくじつくわい)ともなく、139鋭利(ゑいり)(くちばし)(ついば)んだ。140常世彦(とこよひこ)鮮血(せんけつ)(たき)のごとく、141(ようや)正気(しやうき)(ふく)した。
142 ()れば()はヱルサレムの大宮殿(だいきうでん)(なか)に、143寝汗(ねあせ)瀑布(たき)のごとく(なが)して(ゆめ)()てゐたのである。144常世彦(とこよひこ)は、145この(おそ)ろしき(ゆめ)より()めて、146(すこ)しは前非(ぜんぴ)()い、147聖地(せいち)従臣(じうしん)(めい)じて橄欖山(かんらんざん)神殿(しんでん)改造(かいざう)せしめた。148また各山(かくざん)各地(かくち)八王(やつわう)にたいして、149神殿(しんでん)(あらた)建築(けんちく)し、150大神(おほかみ)神慮(しんりよ)(なご)(たてまつ)ることを伝達(でんたつ)したりける。
151大正一一・一・四 旧大正一〇・一二・七 外山豊二録)
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