霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二五章 姫神(ひめがみ)宣示(せんじ)〔二二五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第5巻 霊主体従 辰の巻 篇:第4篇 救世の神示 よみ(新仮名遣い):きゅうせいのしんじ
章:第25章 姫神の宣示 よみ(新仮名遣い):ひめがみのせんじ 通し章番号:225
口述日:1922(大正11)年01月10日(旧12月13日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年4月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
瑞祥あふれる天教山に、木花姫命をはじめ宣伝使たちは意気を休めていた。神々らは天眼鏡を片手に地上の様子をおのおの眺めていた。
木花姫命は一同を集めると、さまざまな色の被面布を授け、現界・幽界で神言を伝える際には、この覆面を必ずかぶるように、と言い渡した。神々は変装して、野立彦命の神教を宣伝するため、八方に手分けすることになった。
このとき天教山は鳴動を始め、その音響は次第に強烈になってきた。木花姫命は、天教山の鳴動は火球の世界から大神の神霊が現れ、スの種を世界にまくばる瑞祥のあらわれである、と諭した。そして自らは天教山の中腹に転居した。
木花姫命は神々らにヒマラヤ山に一度集合して、野立姫命の神教を拝受した後、宣伝使となって世界を救済するように、と凛とした威厳をもって宣旨した。
天教山はついに大爆発を起こして中空に火花を散らすことになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0525
愛善世界社版:147頁 八幡書店版:第1輯 570頁 修補版: 校定版:150頁 普及版:66頁 初版: ページ備考:
001 (つき)(きよ)(ほし)(まれ)にして、002銀河(ぎんが)東南(とうなん)(てん)より西北(せいほく)(なが)れ、003(かぜ)微妙(びめう)音楽(おんがく)(そう)し、004天教山(てんけうざん)中腹(ちうふく)(かすみ)(おび)()(まは)し、005海面(かいめん)見渡(みわた)せば、006(なみ)(しづか)にして水面(すゐめん)白色(はくしよく)真帆(まほ)片帆(かたほ)007東西(とうざい)南北(なんぼく)(かぜ)をはらんで疾走(しつそう)する(さま)008(じつ)竜宮城(りうぐうじやう)神苑(しんゑん)白鷺(しらさぎ)()りたるがごとき光景(くわうけい)であつた。
009 木花姫(このはなひめの)(みこと)中心(ちうしん)に、010天道別(あまぢわけの)(みこと)011天真道彦(あめのまみちひこの)(みこと)012月照彦(つきてるひこの)(かみ)013足真彦(だるまひこの)(かみ)014磐戸別(いはとわけの)(かみ)015祝部(はふりべの)(かみ)016弘子彦(ひろやすひこの)(かみ)017太田(おほたの)(かみ)その()神々(かみがみ)は、018勇気(ゆうき)凛々(りんりん)たる面持(おももち)にて、019いまや黄金橋(わうごんけう)をあとにしてこの天教山(てんけうざん)(いき)(やす)め、020天眼鏡(てんがんきやう)片手(かたて)にとりて、021(うへ)(てん)()らし、022(した)地上(ちじやう)()らし、023天地(てんち)光景(くわうけい)()にとるごとく、024(いな)025神現幽(しんげんいう)三界(さんかい)光景(くわうけい)目睫(もくせふ)(あひだ)透見(とうけん)()らるるその面白(おもしろ)さに、026われを(わす)異口(いく)同音(どうおん)に、
027『ヤヤヤ大変(たいへん)大変(たいへん)
028(さけ)ぶもあれば、
029『ヤア面白(おもしろ)い』
030(さけ)神人(かみがみ)もある。031なかに祝部(はふりべの)(かみ)頓狂(とんきやう)(こゑ)()して、
032『ヨウヨウこいつは大変(たいへん)だ、033(たす)けてやらねばなるまい』
034一目散(いちもくさん)天教山(てんけうざん)()(くだ)らむとする(あわ)(もの)である。035木花姫(このはなひめの)(みこと)満面(まんめん)(ゑみ)(たた)へつつ祝部(はふりべの)(かみ)を『(しば)し』と()びとめられた。036祝部(はふりべの)(かみ)(くだ)りかけたる山路(やまみち)をふたたび(のぼ)(きた)りながら、037(みぎ)()をもつて(はな)をこすりあげ、038(みぎ)目縁(まぶち)より(ひだり)目尻(めじり)にかけてつるりと()で、039()(かふ)にてはなをかみながら、040その()(そで)にて(ぬぐ)(おと)し、
041『これはこれは、042(まこと)失礼(しつれい)いたしました』
043とお玉杓子(たまじやくし)のようなる不格好(ぶかくかう)(かほ)つきして、044かるく目礼(もくれい)するのであつた。
045 月照彦(つきてるひこの)(かみ)祝部(はふりべの)(かみ)にむかひ、
046貴下(きか)のごとく(あわ)てた挙動(きよどう)にて、047いかにして天橋(てんけう)(わた)りたまひしか』
048(いぶか)しげに()ひかけたまへば、049(みこと)雑作(ざふさ)なく、
050(わたし)天教山(てんけうざん)(はう)のみ()つめてゐましたので、051足許(あしもと)などは(すこ)しも()にかけませぬ』
052()つて数多(あまた)神々(かみがみ)(けむり)にまいた。053祝部(はふりべの)(かみ)はそれでも()ました(かほ)木花姫(このはなひめの)(みこと)(むか)ひ、
054(わたくし)三界(さんかい)惨状(さんじやう)目撃(もくげき)してより、055一寸(ちよつと)()安逸(あんいつ)()()くことは出来(でき)ないやうな()になりました。056なにとぞ(いち)()もはやく下山(げざん)(ゆる)させたまへ』
057といふより(はや)く、058木花姫(このはなひめの)(みこと)宣示(せんじ)()たず、059(きびす)(かへ)してまたもやトントンと青木(あをき)(はら)(くだ)りゆかむとする。060足真彦(だるまひこの)(かみ)苦笑(くせう)しながら、
061祝部(はふりべの)(かみ)062あまり貴下(きか)挙動(きよどう)粗忽(そこつ)()ぎざるや、063(いま)大神(おほかみ)()許容(きよよう)なし、064自由(じいう)行動(かうどう)神人(しんじん)のもつとも(つつし)むべきところならずや』
065(こゑ)(ちから)()れて()()めた。066祝部(はふりべの)(かみ)はまたもや()ばなをかみながら(もと)()(あら)はれた。067神々(かみがみ)一度(いちど)にどつと哄笑(こうせう)し、068なかには(わら)ひこけて腰骨(こしぼね)(こぶし)もて(たた)(かみ)さへもあつた。
069 木花姫(このはなひめの)(みこと)神々(かみがみ)(あつ)め、070天眼鏡(てんがんきやう)一面(いちめん)づつ神々(かみがみ)(さづ)け、071()(むらさき)072(あを)073(あか)074(しろ)075()076(くろ)(とう)被面布(ひめんぷ)(わた)し、
077(なんぢ)諸神人(しよしん)ら、078いま現幽(げんいう)二界(にかい)()(いた)りて神言(しんげん)(つた)へむとするときは、079(かなら)ずこの被面布(ひめんぷ)(もち)ゐたまへ、080しかし神界(しんかい)(この)(かぎ)りに(あら)ず』
081といひつつ各神(かくしん)各色(かくしよく)被面布(ひめんぷ)(わた)された。
082 (ここ)神々(かみがみ)八方(はつぱう)手分(てわ)けなしつつ、083神界(しんかい)より野立彦(のだちひこの)(みこと)神教(しんけう)宣伝(せんでん)するため、084各自(かくじ)変装(へんさう)して地上(ちじやう)神人(しんじん)にむかひ、085警告(けいこく)(あた)ふることとなつた。
086 このとき天教山(てんけうざん)鳴動(めいどう)しはじめた。087音響(おんきやう)時々(じじ)刻々(こくこく)強烈(きやうれつ)となつた。088木花姫(このはなひめの)(みこと)神々(かみがみ)(むか)ひ、
089『もはや野立彦(のだちひこの)(みこと)神教(しんけう)宣伝(せんでん)すべき神々(かみがみ)は、090黄金橋(わうごんけう)のもつとも困難(こんなん)なる修業(しうげふ)()へ、091難関(なんくわん)(わた)りたれば、092ふたたび邪神(じやしん)誑惑(けうわく)せらるることなかるべし。093(いま)当山(たうざん)鳴動(めいどう)刻々(こくこく)激烈(げきれつ)となるは、094火球(くわきう)世界(せかい)より大神(おおかみ)神霊(しんれい)ここに(あら)はれたまひて、095三千(さんぜん)世界(せかい)一度(いちど)(ひら)(うめ)(はな)096(ひら)いて()りて()(むす)び、097スの(たね)世界(せかい)間配(まくば)瑞祥(ずゐしやう)表徴(へうちよう)なれば、098(われ)はこれより中腹(ちうふく)青木(あをき)(はら)転居(てんきよ)せむ、099諸神(しよしん)はこれよりヒマラヤ(さん)(あつ)まり、100野立姫(のだちひめの)(みこと)(ふたた)神教(しんけう)拝受(はいじゆ)し、101霊魂(みたま)洗練(せんれん)(くは)へ、102もつて完全(くわんぜん)無欠(むけつ)宣伝使(せんでんし)となり、103地上(ちじやう)世界(せかい)救済(きうさい)されよ』
104(かたち)(あらた)言葉(ことば)おごそかに宣示(せんじ)された。105(さすが)優美(いうび)にして愛情(あいじやう)(あふ)るるばかりの木花姫(このはなひめの)(みこと)も、106この(とき)ばかりは凛乎(りんこ)として(をか)すべからざる威厳(ゐげん)(そな)はつてゐた。107諸神(しよしん)(おも)はずその()()たれて地上(ちじやう)(ひざま)づき、108感涙(かんるい)(むせ)んだ。109鳴動(めいどう)刻々(こくこく)(はげ)しく、110(つひ)には山頂(さんちやう)より大爆発(だいばくはつ)をなして中空(ちうくう)火花(ひばな)()らし、111()もいはれぬ光景(くわうけい)(てい)したのである。112あゝ今後(こんご)天教山(てんけうざん)は、113いかなる神霊(しんれい)(てき)活動(くわつどう)開始(かいし)さるるであらうか。
114大正一一・一・一〇 旧大正一〇・一二・一三 加藤明子録)
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