第一五章 神世の移写〔一一五〕
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OBC :rm0315
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001 万寿山には八王神として磐樟彦、002磐樟姫の夫妻居住し、003赤色の玉を荘厳なる神殿に鎮祭し、004瑞穂別八頭神となり、005瑞穂姫妻となりて内助の功もつとも多く、006天地の律法は完全におこなはれ、007神人一致して至治太平の神世はおごそかに樹立され、008加ふるに忠実無比なる大川彦、009清川彦、010常立彦、011守国別、012その他の諸神司は綺羅星のごとく集まり、013地の高天原につぐの聖場となつた。
014 万寿山の神殿は月宮殿と称へられ、015赤玉の精魂幸はひたまひて、016神人の心は赤誠丹心よく神に仕へ、017長上を尊み下を憐み、018各自の顔はいつも春のごとく、019心は常に洋々として海のごとく、020満山の紅葉は黄紅赤緋色を競ひ、021春は紅の梅、022香ひ芳ばしき白梅樹々の間に点々し、023蒼々たる常磐の松は、024紅葉のあひだに天を摩して栄え、025千年の鶴は樹上に巣を組み神政の万寿を謳ふ。026城廓を廻れる池の清泉には万代の亀、027幾千万とも限りなく、028神世を寿ぎ、029右往左往に遊びたはむるその光景は、030五六七神教成就後の神代の移写とも称すべき瑞祥なりける。031かかる目出度き万寿山は、032実は霊鷲山の神霊三ツ葉彦命の内面的輔佐の神徳の功、033あづかつて力ありしが故なりといふ。
034 ここに万寿山の八王、035八頭の神司をはじめ、036部下の諸神司は霊鷲山をもつて第二の高天原と崇め、037三ツ葉彦命の神跡を慕ひて神人修業の聖場と定め、038美しき神殿を山下の玉の井の邑に造営し、039坤金神豊国姫命の安居所となし奉仕せむとし、040ここに荘厳なる大神殿を宮柱太敷立て、041高天原に千木高知りて日の大神、042月の大神、043玉照姫命、044国治立命鎮座したまひて洪大無辺の神徳は四方に輝き、045地の高天原と相まつて神界経綸の大聖場となりぬ。046これを玉ノ井の宮といふ。
047 玉ノ井の宮は真道姫真心をもつて大神に仕へ、048かつ霊鷲山に日夜かよひて神慮を伺ひ、049つひに三ツ星の神霊に感じて三ツ葉彦命を生み、050これを地の高天原の国治立命に献じ奉り、051神政維新の神柱となさしめたまひける。052三ツ葉彦命は、053天の三ツ星の精魂の幸はひによりて地上に降り、054真道姫の体に宿りて玉ノ井の邑に現はれける。055玉ノ井の邑には玉ノ井の湖といふ清泉をたたへたる湖水あり、056この湖水は神界経綸上必要の神泉なれば、057自在天の一派は、058この湖水を占領せむと百方手をつくし、059つひに三ツ葉彦命と争ひけるが、060結局は目的を達するを得ずして退却したりしなり。
061 自在天の一派なる蟹雲別、062牛雲別、063種熊別、064蚊取別、065玉取彦らは、066一斉に玉ノ井の湖水に押寄せきたり、067あまたの魔神をして前後左右より取り巻き、068第一着に玉ノ井の宮を破壊し真道姫を捕へむとしたりしが、069三ツ葉彦命の神威に恐れて遁走し、070二度押し寄せ初志を達すべく奮闘せし顛末は、071次席に於て略述せむとす。
072(大正一〇・一一・一七 旧一〇・一八 加藤明子録)
073(第一四章~第一五章 昭和一〇・一・一六 於みどり丸船室 王仁校正)