第四二章 常世会議〔一四二〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
篇:第10篇 神政の破壊
よみ(新仮名遣い):しんせいのはかい
章:第42章 常世会議
よみ(新仮名遣い):とこよかいぎ
通し章番号:142
口述日:1921(大正10)年12月08日(旧11月10日)
口述場所:
筆録者:谷村真友
校正日:
校正場所:
初版発行日:1922(大正11)年3月3日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:美山彦の一派は何とかして大八洲彦命、言霊別命らを追い落とそうとして、邪神の部下たちを先導に、言霊別命・大足彦らの悪評を宣伝させた。
また、各山の八王・八頭たちのほとんどを篭絡し、言霊別命に対して反抗的態度を取らせることに成功した。彼らを常世城に集めた常世彦は、反大八洲彦命の団体を作り上げてしまった。
大八洲彦命は常世彦に対して使者を送り、非道を戒めたが、八王・八頭の大多数を味方につけた常世彦はにべもなく撥ね付けた。
ただ、万寿山の磐楠彦と、天山の斎代彦が、常世彦に組せずに神政を守っているのみであった。手撫土(=艮の金神)、足撫土(=坤の金神)が守る十二の宝座も、十までは常世彦に奪われてしまったのである。
八乙女(万寿山・天山の八王神夫妻・八頭神夫妻ら八名)のみが、国大立命の加護によって、邪神の難を免れたのである。古書にある「八乙女」とは、この八王(やお)と女神のことである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
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データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :rm0342
愛善世界社版:246頁
八幡書店版:第1輯 347頁
修補版:
校定版:250頁
普及版:110頁
初版:
ページ備考:
001 美山彦、002国照姫らの一派は暗々裡に大国彦に内通し、003言霊別命以下を窮地におとしいれ、004地の高天原を神退ひに退はむと、005ここに玉の井の湖に一敗地にまみれ潰走したる牛雲別、006蚊取別、007蟹雲別を先導に、008八十枉津なる朝触、009夕触、010日触、011言触らをして数百万の探女を天の下四方の国々のこる隈なく配置し、012もつて言霊別命、013大足彦の悪評を宣伝せしめ、014蠑螈別、015播磨別らの応援をえて各山各地の八王神を籠絡せしめたり。016八王神、017八頭神はつひに彼らの奸策におちいり、018漸次言霊別命に反抗の態度をとり、019各山各地の八王八頭を常世城に召集し、020十二柱の八王八頭を八王大神の部下に附属せしめむとし、021一大団結力をつくつて地の高天原なる大八洲彦命を排除せむことを鳩首謀議し八王八頭の賛成をえたりける。022大八洲彦命はこの形勢を見て事態容易ならずとし、023ここに八嶋彦、024加賀彦、025陸奥彦を使者として常世国に遣はし、026一たん神界にて定められたる天使長の管轄をはなれ、027自由に八王八頭の連合団体を造り、028大神の制定を破るは、029天則違反のもつとも甚だしきものたることを極力言明せしめたり。
030 されど最早常世彦は、031世界の八王八頭をほとンど悪辣なる手段をもつて言向け従へたる勢にまかせ、032天使長大八洲彦命の宣示を馬耳東風と聞き流し、033自由権利論を強調して八嶋彦、034加賀彦、035陸奥彦らの使者を侮蔑し、036かつ全地上の国魂の一致の決議をいまさら改変するは、037道理に於て宥すべからざる悪逆無道の処置なり、038と一言にはね付けたり。039使者はほとンど取りつく島も泣き寝入り、040波にとられた沖の舟、041悄然として帰城したりける。
042 その中にも万寿山の八王神磐樟彦の一派と、043天山の八王神斎代彦の一派の神司は、044天則を重ンじ苦節を守り、045四面楚歌の中に卓立して、046上下一致よく永遠に神政を支持しつつありき。
047 かくして地の高天原において神定めたまひし十二の八王神は、048十王女まで八頭八尾の憑依せる常世彦のために併呑されをはりぬ。049手撫土(艮の金神)、050足撫土(坤の金神)のひそかに守りたまへる十二の宝座は、051すでに十座までも失はれける。052十二個の黄金水の玉を竹熊のために、053十個まで占奪されたると同様の惨事なり。054八王大神は勝に乗じて、055なほもこの残りの二王をその幕下たらしめむとして、056あらゆる奸策を施したれど、057この八乙女のみは、058国大立命のために難を免れたりけり。
059 この次第は後日に詳しく口述すべし。060ある古書に載せたる八乙女といへるは即ち八王と女神の意義なりといふ。
061(大正一〇・一二・八 旧一一・一〇 谷村真友録)