霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一七章 岩窟(がんくつ)修業(しうげふ)〔一一七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻 篇:第5篇 万寿山 よみ(新仮名遣い):まんじゅざん
章:第17章 岩窟の修業 よみ(新仮名遣い):がんくつのしゅぎょう 通し章番号:117
口述日:1921(大正10)年11月17日(旧10月18日) 口述場所: 筆録者:土井靖都 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
第二の高天原である万寿山の八王神となるには、それ相応の資格が要る。磐楠彦は霊鷲山の大岩窟で修行をし、三ツ葉彦命の神霊に感合して、万寿山の王としての資格を得たのである。
この大岩窟は宇宙の縮図であり、地上の神国が形成されている。磐楠彦は三ツ葉彦命の神力を得て大岩窟の岩戸を開いた。そして、女神の導きによって肉眼のまま、坤の大神・豊国姫命の御精霊体である照国の御魂を拝謁した。
女神は、一度国治立命は御隠退させられるが、照国の御魂を拝謁した者は三千世界の一切の過去と未来を知ることができ、それによって二度目の天の岩戸開きに参画して功を立てることになるだろう、と告げた。
磐楠彦は天地を拝して感謝の祝詞を奏上した。すると今まで光の玉と見えた照国の御魂は崇高な女神となって、命の手を取り宝座に導いた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-03-14 18:47:48 OBC :rm0317
愛善世界社版:100頁 八幡書店版:第1輯 296頁 修補版: 校定版:102頁 普及版:44頁 初版: ページ備考:
001 万寿山(まんじゆざん)前述(ぜんじゆつ)のごとく、002神界(しんかい)経綸(けいりん)(じやう)もつとも重要(ぢうえう)なる地点(ちてん)なれば、003これを主管(しゆくわん)する八王神(やつわうじん)()天使(てんし)八王神(やつわうじん)()してもつとも神徳(しんとく)(すぐ)れ、004かつ神界(しんかい)005幽界(いうかい)大勢(たいせい)弁知(べんち)し、006大神(おほかみ)神慮(しんりよ)洞察(どうさつ)せざるべからずとし、007八王神(やつわうじん)なる磐樟彦(いはくすひこ)は、008単独(たんどく)にて万寿山(まんじゆざん)(じやう)をひそかに出城(しゆつじやう)し、009霊鷲山(れいしうざん)大岩窟(だいがんくつ)にいたりて(ひやく)(にち)百夜(ひやくや)010すべての飲食(いんしよく)()ち、011世染(せぜん)をまぬがれ一意(いちい)専心(せんしん)霊的(れいてき)修業(しうげふ)をはげみ、012つひに()()(ひこの)(みこと)神霊(しんれい)感合(かんがふ)し、013三界(さんかい)真相(しんさう)をきはめ、014天晴(あつぱ)万寿山(まんじゆざん)(じやう)(わう)たるの資格(しかく)具有(ぐいう)するにいたりける。
015 磐樟彦(いはくすひこ)は、016霊鷲山(れいしうざん)大岩窟(だいがんくつ)(ふか)探究(たんきう)したるに、017数百千(すうひやくせん)とも(かぎ)りなき小岩窟(せうがんくつ)ありて、018大岩窟(だいがんくつ)(なか)左右(さいう)散在(さんざい)して、019それぞれ受持(うけもち)(かみ)守護(しゆご)されつつありき。020この岩窟(がんくつ)はいはゆる宇宙(うちう)縮図(しゆくづ)にして、021山河(さんが)あり、022海洋(かいやう)あり、023種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)草木(さうもく)繁茂(はんも)し、024禽獣(きんじう)虫魚(ちうぎよ)(たぐひ)にいたるまで森羅(しんら)万象(ばんしやう)ことごとくその(ところ)()て、025地上(ちじやう)神国(しんこく)形成(けいせい)されありぬ。
026 ()()(ひこの)(みこと)霊媒(れいばい)神力(しんりき)により、027数十(すうじふ)()(わた)れる大岩窟(だいがんくつ)磐戸(いはと)(ひら)き、028(あら)はれいでたる気品(きひん)(たか)(うつく)しき女神(によしん)は、029数多(あまた)侍女(じぢよ)とともに()できたり、030磐樟彦(いわくすひこ)(むか)(かる)目礼(もくれい)しながら、
031(なんぢ)神界(しんかい)のために昼夜(ちうや)間断(かんだん)なく神業(しんげふ)従事(じゆうじ)して余念(よねん)なく、032(くは)ふるに(ひやく)(にち)百夜(ひやくや)苦行(くぎやう)をなめ、033身体(しんたい)やつれ、034(やせ)おとろへ、035歩行(ほかう)自由(じいう)ならざるに、036どの神司(しんし)(おそ)れて近付(ちかづ)きしことなき、037この岩窟(がんくつ)神仙境(しんせんきやう)にきたりしこと、038(かん)ずるにあまりあり。039(わらは)はいま、040(なんぢ)熱心(ねつしん)なる信仰(しんかう)誠実(せいじつ)なる赤心(せきしん)(めで)て、041(おく)神境(しんきやう)(さそ)ひ、042(ひつじさる)大神(おほかみ)豊国姫(とよくにひめの)(みこと)()精霊体(せいれいたい)なる照国(てるくに)御魂(みたま)(した)しく(はい)せしめむとす。043すみやかに(わらは)(あと)にしたがひきたれ』
044といひつつ、045岩窟(がんくつ)奥深(おくふか)(すす)みける。046磐樟彦(いわくすひこ)女神(によしん)(あと)をたどりて、047(こころ)(いさ)みつつ前進(ぜんしん)したりしが、048はるか前方(ぜんぱう)にあたりて、049()(まばゆ)きばかりの鮮麗(せんれい)なる五色(ごしき)円光(えんくわう)(みと)め、050両手(りやうて)をもつて(わが)(おも)をおほひながら(おそ)るおそる近付(ちかづ)きける。051女神(によしん)はハタと立留(たちとど)まり、052あと(ふり)かへり(みこと)にむかひ、
053(なんぢ)修業(しうげふ)はいよいよ完成(くわんせい)したり。054ただちに両手(りやうて)をのぞき肉眼(にくがん)のまま、055()神体(しんたい)なる照国(てるくに)御魂(みたま)(はい)されよ。056この御魂(みたま)をつつしみ(はい)せば三千(さんぜん)世界(せかい)一切(いつさい)過去(くわこ)と、057現世(げんせ)と、058未来(みらい)区別(くべつ)なく()()るごとく明瞭(めいれう)にして、059二度目(にどめ)(あま)岩戸(いはと)(びら)きの神業(しんげふ)参加(さんか)し、060天地(てんち)(かは)大偉功(だいゐこう)万世(ばんせい)()て、061五六七(みろく)神政(しんせい)太柱(ふとばしら)とならせたまはむ。062神界(しんかい)状勢(じやうせい)は、063この御魂(みたま)によりて(うかが)ふときは、064必然(ひつぜん)一度(いちど)天地(てんち)律法(りつぱう)破壊(はくわい)され、065国治立(くにはるたちの)(みこと)()(くに)()隠退(いんたい)のやむなきに(たち)いたりたまひ、066(ひつじさる)金神(こんじん)豊国姫(とよくにひめの)(みこと)もともに一度(いちど)()退隠(たいいん)あるべし。067しかしてその()盤古(ばんこ)大神(だいじん)(あら)はれ、068一旦(いつたん)花々(はなばな)しき神世(かみよ)となり、069たちまち不義(ふぎ)行動(かうどう)天下(てんか)()ち、070わづかに数十(すうじふ)(ねん)()盤古(ばんこ)神政(しんせい)転覆(てんぷく)し、071ここに(はじ)めて完全(くわんぜん)無欠(むけつ)五六七(みろく)神政(しんせい)樹立(じゆりつ)さるるにいたるべし。072(なんぢ)(わらは)(げん)(うたが)はず、073万古(まんご)末代(まつだい)(こころ)(ふか)()めて(てん)(とき)のいたるを()たれよ。074(かみ)(みち)にも盛衰(せいすい)あり、075また顕晦(けんくわい)あり。076今後(こんご)神界(しんかい)はますます波瀾(はらん)曲折(きよくせつ)()む。077焦慮(あせ)らず、078(いそ)がず、079(おそ)れず、080神徳(しんとく)(おさ)めて一陽(いちやう)来復(らいふく)(はる)のきたるを()たれよ』
081(ねんごろ)()(さと)したまひて、082たちまちその気高(けだか)(うつく)しき女神(によしん)神姿(しんし)()えたまひける。
083 磐樟彦(いわくすひこ)(てん)(はい)し、084()(はい)し、085感謝(かんしや)祝詞(のりと)をうやうやしく奏上(そうじやう)したまふや、086(いま)まで(ひかり)(たま)()えたる照国(てるくに)御魂(みたま)崇高(すうかう)なる女神(によしん)(くわ)し、087(みこと)()をとり、088紫雲(しうん)(とびら)をおし()け、089宝座(ほうざ)(もと)(みちび)きたまひける。
090 (ゆめ)か、091(うつつ)か、092(まぼろし)か。093疑雲(ぎうん)(つつ)まれゐたるをりしも、094寒風(かんぷう)さつと()ききたつて、095(はだ)()一刹那(いちせつな)096王仁(おに)()高熊山(たかくまやま)岩窟(がんくつ)(おく)に、097端座(たんざ)しゐたりける。
098大正一〇・一一・一七 旧一〇・一八 土井靖都録)
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