霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四三章 配所(はいしよ)(つき)〔一四三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻 篇:第10篇 神政の破壊 よみ(新仮名遣い):しんせいのはかい
章:第43章 配所の月 よみ(新仮名遣い):はいしょのつき 通し章番号:143
口述日:1921(大正10)年12月08日(旧11月10日) 口述場所: 筆録者:近藤貞二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年3月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
世界の八王のほとんどを支配下に置いた八王大神は、竜宮城・エルサレムに対して総攻撃を開始した。
敵軍の勢いはすさまじく、大八洲彦命、神国別命、大足彦、八島別らの奮戦もむなしく、落城の瀬戸際に陥ってしまった。大八洲彦命は国祖の前に畏まり、敵を撃退するために、神器の使用を願い出た。
国祖はあくまで律法によって敵を言向け和すことを命じ、神器の使用を許さなかった。地の高天原の内部は分裂し、美山彦一派が八王大神と内通して敵を招きいれた。
ここに及んで大八洲彦命は国祖の禁を破って、破軍の剣を抜き放った。剣より神光が現れて雷鳴・電光・疾風がすさび、敵軍は壊滅した。
美山彦一派はここぞとばかり、大八洲彦命が国祖の禁を犯したことを訴え出た。国祖も律法を楯にした美山彦らの訴えを退けることができず、やむを得ずに大八洲彦命、言霊別命、神国別命、大足彦らを万寿山に蟄居させることになった。
この四柱は元来、国大立之命の四魂である。国大立之命は、天神から大海原の国を治めるように命じられ、その四魂を分かち、神界の守護に当たらせていたのであった。大八洲彦命は和魂、言霊別命は幸魂、大足彦命は荒魂、神国別命は奇魂である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0343
愛善世界社版:249頁 八幡書店版:第1輯 348頁 修補版: 校定版:253頁 普及版:112頁 初版: ページ備考:
001 八王(やつわう)大神(だいじん)常世彦(とこよひこ)十王(とわう)002十頭(とがしら)神司(かみがみ)操縦(さうじう)し、003あまたの魔軍(まぐん)とともに数百千(すうひやくせん)磐船(いはふね)()り、004天空(てんくう)をかすめて黄金橋(こがねばし)上空(じやうくう)(おそ)ひ、005数百(すうひやく)千万(せんまん)とも数限(かずかぎ)りなき火弾(くわだん)投下(とうか)し、006かつ(すす)ンで竜宮城(りゆうぐうじやう)およびエルサレムの(うへ)進撃(しんげき)しきたり、007ここにも多数(たすう)火弾(くわだん)毒弾(どくだん)などを、008雨霰(あめあられ)のごとくに()げつけたり。009大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)010神国別(かみくにわけの)(みこと)011大足彦(おほだるひこ)012八島別(やしまわけ)城内(じやうない)神将(しんしやう)神卒(しんそつ)指揮(しき)しつつ(さか)ンに防戦(ばうせん)(つと)めける。013竜宮城(りゆうぐうじやう)よりも数多(あまた)磐樟船(いはくすぶね)()ばして(おほ)いに敵軍(てきぐん)(なや)ませたるが、014しかも一勝(いつしよう)一敗(いつぱい)繰返(くりかへ)しつつ(たたか)(ひさ)しきにわたり、015竜宮城(りゆうぐうじやう)神軍(しんぐん)日夜(にちや)にその(すう)(げん)じ、016ほとんど孤城(こじやう)落日(らくじつ)無援(むゑん)窮地(きゆうち)(おちい)りにけり。
017 大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)は、018もはや如何(いか)神明(しんめい)加護(かご)神智(しんち)(ふる)神算(しんさん)鬼謀(きぼう)秘術(ひじゆつ)(つく)すといへども、019到底(たうてい)勝算(しようさん)なきを看破(かんぱ)し、020百計(ひやくけい)ここにつきて、021つひに国祖(こくそ)御前(みまへ)拝跪(はいき)し、022(あま)真澄(ますみ)(かがみ)をもつて敵軍(てきぐん)(ふせ)がむことを奏請(そうせい)したりけるに、023国祖(こくそ)はおほいに(いか)りたまひ、
024(なんぢ)らは天地(てんち)律法(りつぱう)をもつて(なに)ゆゑに(てき)言向和(ことむけやは)悔改(くいあらた)めしめざるや、025進退(しんたい)これ(きは)まりたりとて、026いやしくも天地(てんち)律法(りつぱう)制定(せいてい)され、027世界(せかい)至善(しぜん)(みち)をもつて教化(けうくわ)すべき天使(てんし)職掌(しよくしやう)(はい)しながら、028(てき)暴力(ばうりよく)(むく)ゆるに暴力(ばうりよく)をもつて対抗(たいかう)せむとするは、029天使長(てんしちやう)より神聖(しんせい)なる律法(りつぱう)(やぶ)るものにして、030これに()ぎたる罪科(ざいくわ)(あら)ざるなり。031あくまでも忍耐(にんたい)忍耐(にんたい)(かさ)ねて、032至誠(しせい)一貫(いつくわん)もつて極悪(ごくあく)無道(ぶだう)人物(じんぶつ)心底(しんてい)より悔改(くいあらた)めしめ、033天則(てんそく)(をか)すべからざるを自覚(じかく)せしむべし。034これ善一筋(ぜんひとすじ)(まこと)(をしへ)なれば、035たとへ如何(いか)なる難局(なんきよく)()つとも(だん)じて真澄(ますみ)(たま)使用(しよう)すべからず。036かつ、037その(たま)稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)幽界(いうかい)()ちゆきたる浄玻璃(じやうはり)神鏡(しんきやう)となりたれば、038これを戦闘(せんとう)のために使用(しよう)すべきものに(あら)ず。039(なんぢ)らは(かみ)(ちから)(しん)じ、040至誠(しせい)天地(てんち)一貫(いつくわん)し、041もつて天津(あまつ)(かみ)()照覧(せうらん)にあづかるをもつて主旨(しゆし)とし、042暴悪(ばうあく)無道(ぶだう)敵軍(てきぐん)暴力(ばうりよく)をもつて(たたか)ふを()めよ。043(しん)(かみ)(こころ)宇宙(うちう)万有(ばんいう)一切(いつさい)平等(べうどう)愛護(あいご)す。044ゆゑに大神(おほかみ)()よりは一視(いちし)同仁(どうじん)にして、045いたづらに争闘(そうとう)(こと)とするは神慮(しんりよ)背反(はいはん)するものなり。046(だん)じて武力(ぶりよく)(うつた)へなどして解決(かいけつ)(いそ)ぐなかれ。047何事(なにごと)天命(てんめい)(しか)らしむるところにして、048惟神(かむながら)摂理(せつり)なり。049ただただ(なんぢ)らは、050天使(てんし)たるの聖職(せいしよく)(かへり)みて(ひろ)万物(ばんぶつ)(あい)し、051(てき)(にく)まず、052(かれ)らの()すがままに放任(はうにん)せよ』
053との厳命(げんめい)なりける。
054 天使長(てんしちやう)大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)は、055各天使(かくてんし)()高天原(たかあまはら)にあつめて神勅(しんちよく)報告(はうこく)し、056かつ最高(さいかう)会議(くわいぎ)(ひら)かれたり。057天空(てんくう)には(てき)磐船(いはふね)雲霞(うんか)(ごと)襲来(しふらい)し、058頭上(づじやう)火弾(くわだん)雨下(うか)し、059会議(くわいぎ)席上(せきじやう)にも火弾(くわだん)()びきたりて神人(しんじん)(きず)つけ、060暗雲(あんうん)天地(てんち)をこめて咫尺(しせき)(べん)ぜざるにいたる。061されど国祖(こくそ)神勅(しんちよく)大地(だいち)よりも(おも)く、062その(めい)儼乎(げんこ)として(うご)かすべからず。063さりとて神命(しんめい)(ほう)ぜむか、064味方(みかた)敗亡(はいばう)()をみるよりも明白(めいはく)なる事実(じじつ)なり。065万一(まんいち)神命(しんめい)背反(はいはん)せむか、066天則(てんそく)破壊(はくわい)罪科(ざいくわ)(をか)さむ。067アヽ(ぜん)(みち)ほど(つら)きものはなし、068諸神司(しよしん)思案(しあん)にくれ、069溜息(ためいき)吐息(といき)(てい)なりける。
070 竜宮城(りゆうぐうじやう)(ない)よりは美山彦(みやまひこ)071国照姫(くにてるひめ)072杵築姫(きつきひめ)073竜山別(たつやまわけ)らの一派(いつぱ)は、074平素(へいそ)目的(もくてき)(たつ)するは(いま)この(とき)と、075内外(ないぐわい)(あひ)(おう)じて八王(やつわう)大神(だいじん)魔軍(まぐん)応援(おうゑん)し、076味方(みかた)四分(しぶん)五裂(ごれつ)状勢(じやうせい)におちいり収拾(しうしふ)すべからず、077進退(しんたい)いよいよ(きは)まりたる天使長(てんしちやう)大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)以下(いか)天使(てんし)神将(しんしやう)は、078やむをえず大神(おほかみ)(きん)(やぶ)つて破軍(はぐん)(つるぎ)()(はな)ち、079()せくる空中(くうちゆう)敵軍(てきぐん)()がけて()()るやいなや、080(つるぎ)(さき)より不思議(ふしぎ)神光(しんくわう)あらはれ、081天地(てんち)四方(しはう)雷鳴(らいめい)電光(でんくわう)おこり、082疾風(しつぷう)()(すさ)(あめ)(くだ)るがごとく、083数百千(すうひやくせん)磐船(いはふね)一隻(いつせき)(のこ)らず地上(ちじやう)墜落(つゐらく)し、084敵軍(てきぐん)大半(たいはん)はほとんど滅亡(めつぼう)したりける。
085 さしも猛烈(まうれつ)なる(てき)魔軍(まぐん)も、086大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)以下(いか)神司(かみがみ)らの犠牲(ぎせい)(てき)英断(えいだん)破軍(はぐん)(つるぎ)威徳(ゐとく)をもつて、087もろくも潰滅(くわいめつ)したりける。088(てき)()()りたる(あと)()高天原(たかあまはら)および竜宮城(りゆうぐうじやう)は、089あたかも大洪水(だいこうずゐ)()きたる(あと)のごとく、090大火(たいくわ)(あと)のごとき惨澹(さんたん)たる光景(くわうけい)なりき。091(をり)しも大風(たいふう)()きすさび強雨(がうう)()りそそぎて、092すべての汚穢物(をくわいぶつ)惟神(かむながら)(てき)()()らされ、093大雨(たいう)洪水(こうずゐ)となりて大海(たいかい)(なが)()り、094ふたたび清浄(せいじやう)なる聖地(せいち)聖城(せいじやう)とはなりにける。
095 ここに美山彦(みやまひこ)096国照姫(くにてるひめ)一派(いつぱ)は、097国治立(くにはるたちの)(みこと)御前(みまへ)にすすみいでて、
098『このたびの大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)以下(いか)天使(てんし)神将(しんしやう)は、099厳格(げんかく)なる大神(おほかみ)神勅(しんちよく)無視(むし)し、100厳禁(げんきん)(をか)して破軍(はぐん)(つるぎ)()()し、101()せきたる数多(あまた)敵軍(てきぐん)をさんざんに()めくるしめ、102暴力(ばうりよく)のあらむ(かぎ)りをつくし、103優勝(いうしやう)劣敗(れつぱい)弱肉(じやくにく)強食(きやうしよく)戦法(せんぱふ)使用(しよう)し、104(ひろ)万物(ばんぶつ)(あい)(てき)(にく)まず、105善一筋(ぜんひとすぢ)(まこと)をもつて言向和(ことむけやは)さず、106かつ「(ころ)(なか)れ」の律法(りつぱう)無視(むし)したる悪逆(あくぎやく)無道(ぶだう)(つみ)107(だん)じて(ゆる)すべからず。108(こひねが)はくば、109かれ天使長(てんしちやう)以下(いか)(しよく)()き、110()高天原(たかあまはら)追放(つゐはう)し、111厳格(げんかく)なる天地(てんち)律法(りつぱう)(をか)されざるやう、112何分(なにぶん)()処置(しよち)(くだ)されむことを(ねが)ひたてまつる』
113(あたま)をそろへ律法(りつぱう)(たて)に、114うやうやしく奏上(そうじやう)したりける。
115 地上(ちじやう)霊界(れいかい)主権者(しゆけんしや)()します国祖(こくそ)大神(おほかみ)も、116律法(りつぱう)(まも)天地(てんち)綱紀(かうき)保持(ほぢ)するの必要(ひつえう)(じやう)117いかにやむを()ざる情実(じやうじつ)のためとはいへ、118天地(てんち)(かみ)(さだ)めたる(きん)(をか)したる以上(いじやう)は、119これを不問(ふもん)()することあたはざる破目(はめ)(おちい)りたまひ、120呑剣(どんけん)断腸(だんちやう)(おも)ひを心中(しんちう)()め、121(なみだ)(かく)して断然(だんぜん)()(けつ)したまひ、122大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)123言霊別(ことたまわけの)(みこと)124神国別(かみくにわけの)(みこと)125大足彦(おほだるひこ)四天使(してんし)()して儼然(げんぜん)たる態度(たいど)のもとに、126()高天原(たかあまはら)竜宮城(りゆうぐうじやう)退去(たいきよ)すべく宣示(せんじ)(たま)ひける。127この四天使(してんし)らは、128稚桜姫(わかざくらひめの)(みこと)(いた)りませる幽庁(いうちやう)(かみ)左遷(させん)さるる規定(きてい)なりけるが、129貞操(ていさう)なる真澄姫(ますみひめ)130言霊姫(ことたまひめ)131竜世姫(たつよひめ)らの歎願(たんぐわん)哀訴(あいそ)により、132大神(おほかみ)はその(じやう)をくみ(たま)ひて、133その(つみ)(ゆる)し、134万寿山(まんじゆざん)(しろ)蟄居(ちつきよ)(めい)ぜられ、135四神将(ししんしやう)はここに配所(はいしよ)(つき)をながめて、136いくばくかの星霜(せいさう)(おく)りたまひける。
137 この四神将(ししんしやう)元来(ぐわんらい)国大立之(くにひろたちの)(みこと)138天神(てんしん)(めい)(ほう)じて大海原(おほうなばら)(くに)知食(しろしめ)すべく、139その精霊魂(せいれいこん)(わか)ちて神界(しんかい)守護(しゆご)(あた)らせたまひしものにして、
140  大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)和魂(にぎみたま)であり
141  言霊別(ことたまわけの)(みこと)幸魂(さちみたま)であり
142また、
143  大足彦(おほだるひこの)(みこと)荒魂(あらみたま)であり
144  神国別(かみくにわけの)(みこと)奇魂(くしみたま)である。
145 アヽ天使長(てんしちやう)以下(いか)三天使(さんてんし)(おも)なる神司(かみ)退却(たいきやく)されし(あと)()高天原(たかあまはら)および竜宮城(りゆうぐうじやう)形勢(けいせい)は、146いかにして(をさ)まり()くならむ()
147大正一〇・一二・八 旧一一・一〇 近藤貞二録)
148(第三七章~第四三章 昭和一〇・一・一八 宮崎市神田橋旅館 王仁校正)
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