四国路にて 瑞月
天地の広きが中に誰も知らぬ一輪の花埋もれて咲く
五十鈴川源遠く水清く流れて百草生かす御代かな
五十鈴川清き流れに浮びたる桃の実こそは世の宝なる
現し世の隠れし宝現はして御国を照らす貴の月光
桃の実は忽ち割れて月となり天に上りて闇を照らさむ
選まれし神の司の苦しさは如何なる小事も隠す術なし
愛と信の御代松ケ枝に三五の月照り渡る御代ぞ待たるる
大空の月を足以て蹴り乍ら大樹の枝に天狗寝るなり
望の夜の月を足蹴に為し乍ら草の褥に寝る乞食かな
蟹が行く邪さの道も寝て見れば正しく立ちて往く如く見ゆ
神の為大君の為人の為誠を尽す大ぞ神なる
鵲の渡せる橋に夜は更けて霜白々と襲う闇の世
耀ける人の面は天津神の霊魂の宿る證しなりけり
かがやける天津御国をまのあたり綾の高天の庭に見るかな
君が為御国の為に惜まざる生命も道の為にのばさむ
惟神恵の露を浴びながら魂の涸れたる曲人もあり
地の底に落ちたる種も春されば新に萌ゆる天地の則
足蹴され踏蹂られし玉草の芽生え初めたる麻柱の道
三千年の天の岩戸も明烏啼き渡りつつ世をさますなり
国魂の草にかくれし世の中は月日重ねて曲たけぶなり
国魂の神の眠りの醒めぬれば世は永久の天国なりけり
外国の醜の言霊草茂り豊葦原にまが風おそふ
国々の国魂やしろに詣で見て御国の前途に涙せしかな
国と云ふ国は数々世にあれど神坐す国は日の本の国
衣手は涙の露にぬれにけり昼夜を守る神し偲びて
心して読めよ霊界物語みろく胎蔵の貴の神言
曲津神主神の命をおかしつつ誠の信者に煮茶浴びせる
三五の内に白蟻巣ぐいつつ神名かたりて信徒苦しむ
国の為命捨てんと口癖に誇らう人は贋ものなりけり
空虚なる器物は巨大な音響を発すと云へる諺もあり
自然愛自己愛の花咲き充ちて醜の実りの繁き葦原
愛善の花咲き充つる神の代は人の心も華やかなるらむ
我国は徳主法従神の国理屈斗りで治まらぬ国
荒風に浪たち狂ふ海原も底の心は静なりけり
日本魂醜の焔火に曇るとも其の実相は光なりけり
開けたる御代の恵みを浴び乍ら生存難に苦しむ諸人
生活は世の人の為国のため活きて働く人の業なり
衣食住外に望みの無き大は生存競争の衢に彷徨ふ
日の本の真の道も白浪の沖に漂ふ葦原国人
大日本国は更なり地の上の凡てに道を明かす斯道
惟神日本大道は世の人を安きに救ふ真道なりけり