霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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言華(昭和7年2月号)

インフォメーション
題名:言華(昭和7年2月号) 著者:出口王仁三郎
ページ:下巻 24
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2025-10-18 22:22:22 文字数:4791 OBC :B145400c53
既成宗教の殼(から)を破りて現代に適合したる大本の道
死神(ししん)死仏(しぶつ)唐土(もろこし)の海に投棄して新たに生ける大本の道
神祀(まつ)り仏(ほとけ)斎(いつ)くを生活の資料となせる既成宗教
宗教に覚めし石川舜臺(しゆんたい)氏のわれ霊前(れいぜん)に誅言(しのびごと)を宣(の)る
生活の資料とせざる宗教はわが大本をおきて他(た)になし
宗教は時代的精神を支配する生きたる教(をしへ)ならざるべからず
現代の既成宗教ことごとく時代精神に支配されおり
満蒙の事変に対し微弱なる活動力なき既成宗教
活動力なき宗教はことごとく排除し生きたる道を開かむ
安閑(あんかん)と長夜(ちやうや)の夢のまだ醒めぬ時代遅れの既成宗教
偽(いつは)りの涙の声をふりしぼり狸(たぬき)坊主が婆嬶(ばばかか)いつはる
ああ天の父よと弱き声音(こわね)にて青空(あをぞら)祈る牧師の愚劣さ
顕斎と幽斎の区別知らずして神社を謗(そし)る牧師の盲目(めくら)よ
祭典は報本(はうほん)反始(はんし)の大道(だいだう)と知らずに謗(そし)る耶蘇(やそ)の牧師等(ら)
祭典は神に対して忠(ちう)となり祖先に対して孝(かう)となるなり
忠孝(ちうかう)の道を踏みゆく人ならば先(ま)づ天地(あめつち)の神を祀(まつ)らむ
天地万有森羅万象造(つく)りたる元津(もとつ)御神(みかみ)はまことの祖神(おやがみ)
祖神(おやがみ)の恵みなくして天地(あめつち)に栄え得(う)べきや人の身魂(みたま)は
満洲の野(の)に働ける宣使(せんし)等(ら)の労苦(らうく)思ひて夜(よる)も眠らず
宗教の真諦(しんてい)さへも知らずして腐肉(ふにく)を包む錦襴(きんらん)の袖(そで)
十万の円(まる)き頭を悉(ことごと)く綱(つな)を通して数珠(じゆず)となさばや
上(うへ)も下(した)も行き詰(つま)りたる現代に別世界なる坊主が徒食す
釈迦の教(をしへ)一切滅(ほろ)びて伽藍堂(がらんどう)は狐(きつね)狸(たぬき)の巣窟(さうくつ)となる
かくまでも無霊(むれい)無力(むりよく)と思わざりき色と金(かね)との既成宗教
千早振(ちはやふ)る神の御国(みくに)を悉(ことごと)く曇らせにけり既成宗教
日(ひ)の本(もと)は神の造りし神の国(くに)神より外(ほか)に斎(いつ)くものなし
村肝(むらきも)の心きたなき僧侶等(ら)は葬式料をとりて酒食(しゆしよく)す
屍(しかばね)を墓場に送りて衣食するきたなき葬霊(さうれい)会社の坊主よ
極楽と地獄の有無を答へ得(う)る僧侶牧師は今の世になし
牧師先(ま)づ地獄におちて信者(まめひと)を地獄に導く末世(まつせ)なりけり
盲目(めくら)坊主めくらの手をばひきながら共に地獄におちゆくあはれ
先年(せんねん)の世界戦争に耶蘇教(やそけう)は無能無力を暴露なしけり
愛善の真心(まごころ)持たぬ宗教家のいかで世人(よびと)を救ひ得(う)べけむ
かりごもの乱れ果てたる地の上に光の神はあれましにけり
東(あづま)より輝く光りを西洋人(からびと)も持ちつつ光のありかを知らず
東方の光となりて現はれし誠の神は伊都能売(いづのめ)の魂(たま)
地の上の世界の悩み知らぬがに呑気なるかな既成宗教
婆嬶(ばばかか)の虎の子ねらふより他(ほか)に何も知らない狸(たぬき)坊主よ
ぷんぷんと鼻もちならぬ体魂(からたま)を錦襴(きんらん)の袖(そで)に包む蛸(たこ)かな
百八煩悩(ぼんなう)数珠つまぐりて蛸(たこ)坊主南無(なむ)阿弥陀仏(あみだぶつ)と空言(そらごと)をいふ
み仏(ほとけ)の極楽浄土を説きながら医者を力(ちから)とする坊主かな
大本(おほもと)は生きたる神の御教(みのり)なり天地(てんち)万有みな生(い)かさむとする
不老不死の神に仕(つか)ふる神の子は霊(たま)の生命(いのち)もとこしへなるべし
幾万劫(いくまんがふ)の昔も今も変(かは)りなく栄えまします元津(もとつ)祖神(おやがみ)
世を汚(けが)す既成宗教言向(ことむ)けて生ける誠の神斎(いつ)かばや
大神の内流を得て地の上に光あまねき伊都能売の魂(たま)
内在の神の光を現はして烏羽玉の世をくまなく照(て)らさむ
数千年前(ぜん)昔の教(をしへ)を現代に照らさむとする坊主の愚劣さ
医学科学既成宗教に迷ひたる文明人のあきめくらかな
宗教家も医者も学者も百年の生命(いのち)を保つは稀(まれ)なりにけり
千早振(ちはやふ)る神の光をまつぶさに地上に照らさむわが願ひなり
芸術は宗教の母とわれはいふ芸術なければ宗教もなし
宗教の尖端をきる大本はまた芸術の尖端をきる
定型律(ていけいりつ)短歌に馴(な)れて自由律(じいうりつ)短歌作るは易々(いい)たる業(わざ)なり
定型律(ていけいりつ)短歌も捨てじ自由律(じいうりつ)短歌にわれは意思を表示す
雅(みやび)なる定型律(ていけいりつ)短歌も捨て難(がた)し新興短歌は生活歌によし
完全にイデオロギ一を表はすは新興短歌に勝るものなし
日々(にちにち)の生活つぶさに詠み得(う)るは新興短歌の力(ちから)なりけり
万葉の歌を唯一(ゆゐつ)の基礎として寝言(ねごと)のみ言ふ淋しき歌人(かじん)よ
現代の歌壇の人のおほかたは虫の食ひたる思想をもてり
百余(よ)社の歌壇に入(い)りて歌人(かじん)等(ら)の世におくれたるを淋しみにけり
解散の風(かぜ)吹きすさぶ気配して騒ぎ出したり蛙(かはず)の卵は
○
号令を大御心(おほみこころ)とかしこみて敵に突き入(い)る決死の勇士
玉の緒の命(いのち)をかけて敵陣に突き入(い)る兵士の無心の境域
生命(せいめい)を心に懸(か)けず君(きみ)の為め御国(みくに)の為めに進む軍兵(ぐんぴやう)
血と食(しよく)に飢(う)ゑたる匪賊(ひぞく)に突貫のそのたまゆらは神に等しき
大君(おほぎみ)と御国(みくに)を思ふ真心(まごころ)の凝(こ)りてし強き日本(にほん)の軍兵(ぐんぴやう)
今死(し)ぬる瞬間までも大君(おほぎみ)を心に離さぬ日本(やまと)武士(もののふ)
大切な生命(いのち)を国に捧(ささ)ぐより勝(まさ)る兵士の誠はあらず
あひ難(がた)き此世(このよ)の生命(いのち)を鴻毛(こうまう)の軽きと比する日本(やまと)武夫(ますらを)
猛獣の血に飢ゑし如き支那兵(しなへい)をうちきためんと伊猛けるもののふ
愛善の道をひろむるわれながら支那の暴状こらしたく思ふ
連盟の袖(そで)にすがりて日(ひ)の本(もと)をなやめむとする醜(しこ)の民国(からくに)
孔孟(こうまう)の道はいつしか滅び果てて巧言(こうげん)令色(れいしよく)のみのからくに
東洋の平和のために満蒙に基礎を固めよ日(ひ)の本(もと)の国
個人的に発達すれど団結の力(ちから)のうすき支那は危(あやふ)し
黄金(わうごん)のためには非理(ひり)を敢(あへ)てする支那国民(こくみん)の目を醒ましたし
大君(おほぎみ)の御稜威(みいづ)輝く時は来(き)ぬ満洲事変の連戦連勝
満洲の野(の)に愛善旗(あいぜんき)ひるがへし世界平和のさきがけをなす
愛善旗向(むか)ふところは敵もなし何国人(なにぐにびと)もゑらぎ集(つど)ひ来(く)
半身不随(ふずゐ)支那の巨体を日(ひ)の本(もと)の名医の薬に癒(い)やさんと思ふ
漸(やうや)くに平定したる満洲も心(こころ)許せぬ時となりけり
愛善の道の光は満洲のすみずみまでも輝きにけり
わがたてし愛善の道をうべなひて人種の異同を問はず慕(した)ひ来(く)
日(ひ)の出(い)づる国に居(ゐ)ながら満蒙の天地(てんち)にわが魂(たま)時(とき)じく通ふ
愛善の光に世人(よびと)を救はむとあした夕(ゆふ)べを寝食(しんしよく)忘るる
来(きた)るべき世界の悩み思いつつ愛善の道説(と)き明かすなり
愛善の神の守らす神国(かみくに)を夢にも知らぬ日本人(やまとびと)かな
国人(くにびと)の心日(ひ)に夜(よ)に乱れ果てあらぬかたへと流れ行くかも
乱れ行く世を救はんと三十年(みそとせ)の昔ゆわれは道にいそしむ
教育の方針いつか外国(とつくに)のふりに倣(なら)ひて世は乱れゆく
地の上の人々ことごと教(をし)ゆべきわが日(ひ)の本(もと)は神国(かみくに)なりけり
神国(かみくに)の教(をしへ)をよそに外国(とつくに)を此上(こよ)なくあがむる醜(しこ)のものしり
東(ひんがし)の空に黒雲(くろくも)たちこめて今夜嵐(よあらし)の吹かむとぞする
芦原(あしはら)の中津(なかつ)御国(みくに)は雨か将(はた)風吹(ふ)くらんか犬(いぬ)の高吠(たかぼ)え
やがて今お玉杓子(じやくし)の騒ぐらむ風吹きすさむあしはらの中(なか)
犬豚(いぬぶた)を何の苦(く)もなく蹴飛(けと)ばして満蒙踏(ふ)まへしあしはらの国
地の上の有りとあらゆる宗教は愛と善との仮面かぶれり
現代の歌壇を覗きて内容の貧弱なるにわれ驚けり
高山(たかやま)の強き嵐にあふられてやがて蛙(かへる)はかげをひそめむ
山(やま)おろし来(きた)らんとするこの春を胸おどらせつ蛙(かはづ)叫べり
草枕(くさまくら)旅の温泉(いでゆ)に浸(ひた)りつつ静心(しづこころ)なし世の状(さま)思へば
信徒(まめひと)のわれを見送る駅頭(えきとう)に涙しぼりぬ汽車の窓べを
愛善の心世界に満ちぬればこの世は忽(たちま)ち地上天国
愛善の誠の熱に生きながら永遠(とは)に生きなむこの天地(あめつち)を
やがて来(こ)む神代(みよ)の柱を定めんと旅のまくらを重ねつつゐる
霊(れい)力(りよく)体(たい)三大原素まつぶさに説きさとしたる大本の教(のり)
野天狗(のてんぐ)が偽善のマスクを鼻にかけ脚下(あしもと)知らずに落つる泥溝(どろみぞ)
錆(さび)付きし外国(から)たましひの宗教者が宣(の)る言霊(ことたま)の濁(にご)りたるかな
愛信の魂(たましひ)失ひし宗教家の冷たき言葉は氷柱(ひようちう)に似たるも
自己愛の外(ほか)に物なき新(しん)歌人(かじん)の歌はいづれも血なま臭(ぐさ)きもの
朝夕(あさゆふ)の命(いのち)の糧(かて)を求(ま)ぎながら魂(たま)の生命(いのち)の餌(え)を忘れ居(を)り
霊魂(れいこん)の命(いのち)養ふ事知(し)らば肉の保存は介意(かいい)に及ばず
久方(ひさかた)の神は更(さら)なり虫けらをかばふ心は愛善の道
既成宗教数多(あまた)あれども愛善の二字を捨つれば何ものもなし
愛善を口(くち)に唱へて実行の伴(ともな)はざるは既成宗教
地の上の国のことごと愛善の実行力に導き行かむ
千早振(ちはやふ)る神代(かみよ)ながらの大本の教(をしへ)ひらきし教祖(みおや)かしこし
大本の神に仕へて三十年(みそとせ)を昨日(きのふ)の如く思わるるわれ
石(いそ)の上(かみ)古き神代(かみよ)の神神(かみがみ)の世に出(い)でまさむ時は来(きた)れり
天津(あまつ)空(そら)仰げば高し月冴(さ)ゆるこの夕暮(ゆふぐれ)に教祖(みおや)を思ふ
鳥が鳴く東(あづま)の空に風立ちて雲の行きかひしげき御代(みよ)なり
群星(ぐんせい)の光(ひかり)圧して山の端(は)に輝き昇る月ぞ待たるる
並山(なみやま)の頂(いただき)雪に包まれて吹く風(かぜ)寒き北国(ほくこく)の旅
白山(はくさん)の雪消(き)ゆるともわが誓ひたがふべきやはみろくの御代(みよ)まで
大神(おほかみ)のみあらか仕へまつらむと臥龍(ぐわりう)の山に登る雪の日
日本海眼下(がんか)に見おろす金沢の臥龍(ぐわりう)の山の雪は冷たし
とがりたる心抱(いだ)きて月見ればいつの間にかはまるめられ居り
烏羽玉(うばたま)の闇(やみ)の帳(とばり)も破れたり月山(やま)の端(は)に昇りそめてゆ
東(ひんがし)の山の黒雲(くろくも)押しわけて月の出(い)づれば下界(げかい)明るし
落葉松(からまつ)の冬の梢(こずゑ)を照(てら)しつつ望(もち)の夜(よ)の月(つき)昇りそめたり
木(き)の下(した)に静(しづか)にひそむ清朗(せいらう)の月の昇らむ時は近めり
黒雲(くろくも)に日は包まれてかげ暗しはや昇れかし望(もち)の夜(よ)の月
神愛(しんあい)と神信(しんしん)なくば地の上に何業(なにわざ)なすも成らずと知るべし
目に見えぬ神を斎(いつ)きて目に見ゆるわれは偉業(ゑげふ)に尽さむと思ふ[*「偉」のフリガナ「ゑ」は底本通り。]
目に見えず耳に聞こえぬ神(かみ)ながら心強きも拝(をろが)み居れば
宗教も教育政治もことごとく世を救ふべき格(かく)失(うしな)へり
新(あたら)しき生きたる政治教育や宗教をさとす大本の道
人間は行くところまで行(ゆ)かざればさとり得ざらむ誠の道を
天津神(あまつかみ)の肉の宮なる人間を猿の子孫といふ学者あり
人間の知識は曇り情(じやう)ねぢれ天地(てんち)ますます曇り行くなり
あまりにも月の光の強ければ深山路(みやまぢ)ゆくも安かりにけり
天心(てんしん)に澄みきる月の姿こそ愛と善との鏡なるらむ
暑からずまた寒からず地の上に恵みの露を降(ふ)らす月光(つきかげ)
天も地もただ一輪(いちりん)の月光(つきかげ)に生きの生命(いのち)を保つなりけり
有(あ)らざらむ噂(うはさ)立てられ三十年(みそとせ)を神の大道(おほぢ)につくし来(き)しわれ
六感の力(ちから)さへなき学者等(ら)が心霊科学に世を迷はすも
認識もなき鼻高(はなだか)が傲然(がうぜん)と心霊科学の翻訳をなす
西洋(からくに)の詐術(きじゆつ)を誠と信じつつ翻訳の労を惜しまぬ学者等(ら)[*「詐」のフリガナ「き」は底本通り。]
西洋人(からびと)の手品の種(たね)をかりあつめ心霊科学といふぞをかしき
兇党界の悪霊(あくれい)どもに偽(いつは)られ幽霊写真を写し喜ぶ
経済学の活用を知れる政治家のただ一人(ひとり)なき現代は淋(さび)し
積極主義消極主義と謳(うた)ひつつ実行あがらぬ政治家のみなる
経済の運用知らぬ政治家の上に立つ世は禍(わざはひ)なるかな
収入支出算盤玉(そろばんだま)ははじけども経済学にうとき政治家
我利(がり)我欲(がよく)のみに心を曇らせて誠の道をふまぬ国民(くにたみ)
黄金(わうごん)の力(ちから)のみにて治めんとする政治家の愚劣にあきれる
愛善の道に世人(よびと)を教へゆく秘策を知らぬ政治家をあはれむ
国民(くにたみ)の和合一致は愛善の道行(おこな)ふに勝(まさ)るものなし
人(ひと)の和(わ)をよそに政治をなす人の心の空を包む黒雲(くろくも)
地の上に君臨すべき日(ひ)の本(もと)の使命を解(かい)せぬ政治家のみなる
何一つ権威を持たぬわれにして光投(な)げたり外国国(とつくにぐに)まで
山野(さんや)河海(かかい)おつる隈(くま)なく皇神(すめかみ)の愛の御恵(みめぐ)み充ち足(た)らひけり
言の葉の通はぬ国の人々にも通ふは誠の心のみなる
大御代(おほみよ)の恵みあまねしあしびきの山の奥まで輝く電燈
居(ゐ)ながらに外国人(とつくにびと)とも話(はなし)する生代(いくよ)足代(たるよ)をかたじけなみ思ふ
野に山に神の恵みは満ち充てり天津(あまつ)日光(ひかげ)のとどく限りは
春はよし夏もまたよし秋もよし冬さり来れば力(ちから)養ふ
森羅万象雌伏(しふく)の冬を嬉しみてわれ堂堂(だうだう)と道に働く
国民(くにたみ)の起(た)つべき時は来(きた)れども長夜(ちやうや)の夢のさめぬ春なり
日(ひ)の本(もと)の国を忘れて外国(とつくに)に黄金(わうごん)あづけしブルジヨア臍(へそ)噛(か)む
国民(くにたみ)のなやみ思はずブルジヨアが自己愛の欲に魂(たま)を腐(くさ)らす
口先(くちさき)で如何(いか)に説くとも今の世はつゆきくらげの耳なりにけり
愛すべき国を忘れて無生機(むせいき)の黄金(こがね)を愛するきたなき長者(ちやうじや)よ
愛善の誠は人の宝なり身魂(みたま)安けく永遠(とは)に生(い)くれば
限りある肉の生命(いのち)を惜しまずに永遠(とは)のみたまの生命(いのち)を惜(をし)め
襲ひ来(く)る百(もも)のなやみにうちかちてわれ愛善の道に生くるも
生き生きて生きの限りを神と君(きみ)に仕へまつらむ力(ちから)なき身も
産土の神に親しむ人の家(いへ)は百(もも)の曲霊(まがひ)も襲ふ隙(すき)なし
大名牟遅(おほなむち)少名彦神(すくなひこがみ)教へたる温泉(ゆ)の幸(さち)おもふ旅の疲れに
滾滾(こんこん)と真清水(ましみづ)のごと湧(わ)き出(い)づる温泉(いでゆ)の里(さと)に天恩を思ふ
いたづきの身を温泉(をんせん)に浸(ひた)しつつおもひを遠く満蒙に馳(は)す
満洲の野(の)に働けるはらからの状(さま)ありありとわが目にをどる
世の為に六千人の宣伝使夜(よ)を日についで働く雄雄(をを)しさ
綾の里(さと)天恩郷と代(かは)る代(がは)るわれ大道(おほみち)のためにいそしむ
大道(おほみち)をあまねく世人(よびと)に示さんと人類愛善新聞を刷る
さとすべき事は山山(やまやま)ありながら聞く耳もたぬ日本(やまと)国民(くにたみ)
言の葉の限りつくして教(をし)ゆれど今の世人(よびと)に聞く力(ちから)なき
低級な学理の他(ほか)は今の世の学者の頭脳に消化力(りよく)なし
絶対の真理さとせば現代の低脳学者は嘲笑(あざわら)ふのみ
人(ひと)を見て法を説くてふ諺(ことわざ)を実(げ)にも実(げ)にもとわれ感じたり
第二流三流にある国民(くにたみ)の議員となりて騒ぐ闇世(やみよ)なり
石碑(いしぶみ)に前(ぜん)大臣の名を刻み得得(とくとく)たる世は禍(わざはひ)なりけり
内閣の更迭間際(まぎわ)はほむれども二月(ふたつき)経(ふ)れば世人(よびと)罵(ののし)る
大君(おほぎみ)の大御心(おほみこころ)を奉戴(ほうたい)しあやふく内閣留任となる
今の世の行詰(ゆきづま)りみな国民(くにたみ)の教育法を誤りし罪(つみ)
教育を根本革正なさざればわが神国(かみくに)は危(あや)ふかるべし
外国(とつくに)ゆあらぬ教(をしへ)の渡り来てわが国民(くにたみ)の心(こころ)乱(みだ)せり
ロシヤ国(こく)顛覆(てんぷく)させたるマルクスを神国(みくに)に入(い)るるはゆゆしき禍(わざはひ)
貧弱な頭脳をもちて道の歌月月(つきづき)作るは苦(くる)しと思へり
神の国(くに)雑誌の為めに世の為めに頭しぼりし歌はまづかり
(昭和七・一・二〇)
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