朝つ日の清しくかがやう日の下に吾生れしと思へば嬉し
神々の生み給ひたる日の下に吾生れ来て神の道とく
さくくしろ五十鈴の宮の神垣は思ひ出の苑あこがれの苑
高光る神の御末と生れませる我大君のみいづかしこし
なにはえの高津の宮に民の家の煙みそなはす仁徳の君
速吸ひのせとを渡りて大和路に都ひらきましし肇国の君
山も野も常盤木の松生ひ茂る我日の本はめでたき神国
やすみしし吾大君のしらす世は松の常盤の栄えはてなき
八洲国島ことごと大本の道ひらかばや神のまにまに
わかひるめ神の命は和衣の高天に天降り道をのらせり
いその上古事記の真髄をつぶさにさとす大本の道
極みなき神の光に照らされてうらはづかしも大道にまよふ
敷島の大和みうたをよみよみて神素盞嗚の神偲ぶ哉
千早振神の心に叶ひつつ老いずまからず生きんとぞ思ふ
和衣の綾の高天に降りたる元津みおやのしぐみ畏し
久方の御空の雲の限りなく高きは神の心なるらん
瑞霊いづの霊の御教を世にひろめんといづのめの神
いすくわし四季の花さく天恩に言葉の花はさきみちてあり
あれくるふ波の穂ふみて高砂の島根にひらく神の国哉
煎り豆に花さくためしあるものを世のたてかへの来らざらめや
産土の神の御前に暇こひて神のまにまに高天に上りぬ
国の為世の為としも思はねど神国の為と成れるわが業
住みなれし故郷をあとに和衣の綾の高天に苦しむ十年
妻も子も忘れて道に尽しけり御代安かれと願ふばかりに
ぬば玉の闇の世なればよき事も悪しと見られて苦しみしわれ
ぬば玉の闇に十年をさまよひて初めてあかりの道に出でたり
吹雪する冬の荒野を只一人道ひらかんと泣きつつ出でゆく
無理解な役員信徒にかこまれてなやみけるかな妻もろ共に
ゆきかひの山坂道を藁草履うがちて足に豆いりつ行く
ゆるゆると手足伸ばして休む間もなくなく布教に年重ねたり
いろいろのなやみしひたげ受け乍ら初心をまげず道に進みぬ
うるはしき神のみ国をひらくものよそに求むる曲の教哉
エロ神の幸も知らずに三十年のなやみの坂をよぢ上りたり
景色よき山川さへも目に入らず只道の為め年重ねたり
せめ来る四方の悪魔に打かちて吾日の本の道に出でたり
手も足も出すところなしまが神の吾が身辺をつつみし十年
根葉もなき言葉かまへて吾道を十重に二十重にふさぐまが神
へりくだり天地をおそれて惟神誠の道を歩み来し吾
目に見えぬこそ神々は尊けれ曇れるものは人の眼につく
現し世に得られる宝皇神は信ずる人に豊に賜はる
よき人を恋ふるが如く千早振神を恋せよ光の神に
八雲たつ出雲八重垣つまごみの歌の心を知れる人なし
自らさとり得らるる天地を忘れ苦しむ学びのために
こきうすき色さまざまの桜花も散りゆく風は一つなりけり
そむきたる人もおいおいしたひ来てくい改むる大本の道
とこしへに人の命は続くものをあたらほろびの道にはせ入る
賤ケ家の破れ垣根も天津日はさしのぞきます珍の神国
神々の霊をうけて生れたれば外つ国人も情義を知れり
百千々に乱れからみし人心そろへて救ふ一筋の道
よき事にあしきことありまがことによき事まじる現世の道
世の中の総ての道にあかければ地上にすむも天国なりけり
日に月に思想の濁水氾濫しけがれゆく世を如何で見すてむ
谷底に柱木はあり高山の尾の上はすべてよき材はなし
細々としたたり落つる谷水の清き流れに世を洗ふなり
更生の春は来れり六十年のさかしき山を安く越えつつ