ア 天地の広きが中に只一人 淋しく立ちて世を思ふかな
吾御祖国常立の御命もて 此の天地に生れましにけり
朝日刺す夕日かがやく高熊の 峰に救世の鼓響けり
イ 五十鈴川水の流れの清ければ 吾神国は千代に移らじ
五十鈴川流れに霊魂洗ひたる 人は神代の光なりけり
古の隠れし神を世にあげて 国ををさむる貴の御子かな
ウ 産土の神の御魂を顕はして 御国を守る大本の教
海よりも深き恵みに報いんと 朝な夕なに大道を宣る
美はしき神の御国に生れきて 神いつかざる曲ぞ忌々しき
エ えらまれて神の使となりながら 吾霊魂の曇りしを恥づ
ゑらゑらにゑらぎ賑はひをさまらん みろくの御代をまつの教かな
絵に歌に神の教をまつぶさに さとせどくみとる人は少し
オ 大本の神の使とまけられて 道伝へ行く人ぞ尊し
をさまれる世に大本の神の子は 自ら造る天国の苑
大島の空を眺めて三千年の 神の労苦を忍びては泣く
カ かけまくも綾に畏き皇神の 御宣に生くる人は神なる
惟神神の御宣を畏みて 朝な夕なにきみをあがむる
鵲の声勇ましく聞ゆなり 高天原の岩戸開けて
キ きみの為御国のために霊の緒の 生命捨てんと蒙古に出でけり
岸を打つ波の音にも魂を こめてし聞けば神の声あり
きくらげの耳持つ闇の世の人に 御宣伝へんことのかたさよ
ク 奇魂曾富騰の神とあらはれて 世を明し行く伊都能売の霊
久延比古の神明らけく現はれて 足あゆまねど世の状知ります
くら闇の世界を照らす一つ火は 伊都能売神の光なりけり
ケ 毛をふいて疵を求むる人々の 霊救はんと心もむわれ
けがれたる人のみたまも玉水の 鏡のぞけば清まりてゆく
袈裟衣美々しくつけて曲神が 神の御国をくもらせてゆく
コ ここたくの罪や穢も荒魂 伊都の力に清められける
越国の旅をかさねて思ふかな 一入あつき聖地のめぐみを
木の花の匂ふが如く三五の みのりは四方に拡まりてゆく
サ さまざまの教はあれど先の世の 真をさとす教は世になし
さしのぼる朝日に露の消ゆるごと 年をかさねて滅ぶ曲教
栄えゆく神の御国に生れ来て ほろびの道を辿る曲かな
シ 醜みたま吾大本を穢さんと 善の仮面をかぶりしのび来
白妙の衣の袖はぬれにけり 神の恵みの深きを思ひて
注連縄をはりまはしつつ神徳を 隠さんとする曲世なるかな
ス ⦿になりてすみきり給ふ主の神の 内流伝ふる瑞魂かな
すなほなる人の霊魂は主の神の 真の永久の棲家なるらん
すたれたる神の教を世にいだし 闇夜を照らす大本の教
セ 迫り来るこの世の悩み救はんと 泪に袖をしぼる永年
せせらぎの音丸山に谺して 小雲の川に月は澄むなり
せきとむる由もなきかな時の駒 しばしためらふ手綱なければ
ソ 杣のたく高嶺の煙も風なくば 柱の如く天にたつなり
そむきたる人の身魂も捨てずして 高天に救ふ伊都能売の教
外よりは何もわからぬ玻璃窓も 鏡の如く見ゆる家の中
天界の基礎と生れにし神の子は 夢な忘れそ神の大道を
天国は人の精霊永遠に 生きて働く御国なりけり
限りある此の世に生きて罪つくり 永遠の栄を捨つる人あり
人間の永遠の生命の天国を 思ひて斯の世に良き事を為せ
仁愛神世に顕はれて天地も 安く治まる貴の王御代
御代安く生代王代と治まりて 仁慈の雨は四方を潤ほす
宣伝の旅に立出でおもふかな 蝦夷の島根に道充さんと
皇神の光を清く照らさんと 蝦夷の島根に渡りけるかな
五十鈴川清き流れをくみあげて 国のけがれをあななひの道
晴れわたる三五の月を眺むれば 心の雲も消えうせにけり
和衣の綾の聖地をあとにして 蝦夷の島根に道伝へゆく
星かげもまばらに見ゆる満月の すみきる空に雲ぎれもなし
ともすれば曇りの包む吾胸を はらさせ玉へ月の大神
千早振神の生みてし島々を ふみゆく吾の旅の幸かな
大道を蝦夷ケ岩根に伝へんと 綾の聖地をたつとしの夏
海津見の底ひも知らぬみめぐみを くみてこの世をうるほす教かな
惟神神のみことを畏みて 進みて行かん宣伝の旅
よき人を国に残して旅立つも 国救はんと思へばなりけり
高砂の島ふり出しに蝦夷ケ島 道伝へゆく吾ぞ忙しき
大本の神の光は蝦夷ケ島 外国までも輝きにけり
惟神神の御命をかしこみて 蝦夷樺太に旅する吾かな
惟神神の柱と選まれし みたまは一日も休む暇なし
かりごもの乱れ乱れし闇の世を あかして救ふあななひの道
神司国の内外に真心の 鏡いだきて道照らしゆく
きみがため御国のためにはるばると 暑さいとはず宣伝の旅
アオウエイ天地に五音とどろきて 日地月星あきらかなりけり
国々をめぐりめぐりておもふかな へだてぬ愛の神の心を
牢獄に霊魂研きし人の子も 暗を晴らして輝き初めたり
曲の世に勝たんともせず惟神 世に現はれし人の子われは
白雲の外国々の果までも 大本の名と吾名開けり
人類愛道に一生捧げんと 願ふ真心神は汲ませり
国々に人類愛の花咲きて 山の奥まで明かくなり行く
山を超え川海里をのりこえて 蝦夷ケ島根に人類愛説く
人生の悲惨苦悩も消え行かむ 人類愛善道を覚らば
内外の国人残らず愛善の 道に生かさん生命の限りは
約束を実行せんと生れたる 人の子一日も休む暇なし
三千年の昔と今を比ぶれば 人の心の濁りたるかな
天も地も曇り果てたる闇の世の 光とならむ身こそ苦しき
狐狸なぞの容器白昼都路を 横行闊歩する世なりけり
世の人の心に潜む邪鬼を 退はんとして伊都能売の霊
苦しみも悩みも知らぬ吾ながら 御国思へばなやましさわく
同胞の心の塵を清めつつ 神国に救はん為に働く
進むのみ唯一心に進むのみ 積極主義の大本の道
地の上に数多の国はありながら 信ずる神は一つなりけり
一柱神のいさをを八百万 わかちてとける大本の道
古の釈迦も孔子もキリストも 皆吾為の導師なりけり
オリオンの星より降りしキリストの ありかたづねて迷ふ世の人
紫微宮をあとに降りし月かげは 明暗もなしみちかげもなし
人恋うる心しなくて天地の 神に仕ふる心おこらず
故郷を遠くはなれて北のはて 神の御旨のままにのりゆく
父君と名乗もならぬ運命の 綱に曳かるる身こそ悲しき
悲しみの瞳かわかずある吾の まだ晴れやらぬ丹波霧かな
身のすくせ思い悩みて行く吾の 心曇らす丹波霧かな
天国に生くる望みのあればこそ 実に人生は楽しかりけり
永遠に吾は命の本体と 思ふ心は神に通へる
ありし世の吾身の歴史思ひ出し 微笑の湧く神の御子かな
永劫に生くる命と悟りてゆ 世の憂き悩み楽しくなりけり
人生の本義を知らぬ今の世の 人の心は淋しかるらむ