内外の国の悩みも知らぬがに小ぜりあひのみに日を暮す歌人
満蒙に平和の基礎を築かずば吾が日の本の悩みとなるべし
満蒙の今日の有様前知して吾は蒙古に向ひたるなり
数百万の日鮮人を救はんと吾は蒙古に雄猛びなしたり
政権の欲を争ふその隙に満洲の既得権を荒さる
倫敦の西洋の都にあづけたる金幽霊と化け変りたり
日の本の安危をよそに富豪の金を海外にあづけてとらるる
日支間の今日の紛争を吾知りて支那道院と合同なしたり
戦争にのみよりて平和は得られない精神的の結合が第一
愛善会紅卍字会と提携し満洲救民の事業にいそしむ
戦ひはよしをさまるも日支間の愛の融和は得られざるべし
大本は日の本の為め支那の為めに世界の為めに愛善を説く
愛善の道の光りに満洲の争ひの雲晴れんとぞする
惟神神の誠のみ教は愛善世界の提唱なりけり
愛善の道にをらねば地の上の国の平和は来らざるべし
日の本の経済界を立直す至善の道は大本のみ知る
一日の先さへ見えぬ鼻高がほら吹きの種尽きし淋しさ
地の上の平和を来し経済界の調和をさとす大本の道
大本は政治経済宗教や教育を根本立直す道
徳育を軽んじ智育を重んぜしその清算の時は来れり
天国を地上にたつる大本を地獄魂が妨害のみする
やがて今ロシヤは捲土重来し吾が日の本にわざはひなさん
いち早く満蒙の地を整理せよロシヤの曲の隙をねらへば
悪神の五年の経綸を軽視すな吾が日の本の一大事なる
吾かつて瑞の神歌をあらはして今日の有様つぶさに示せり
あちこちと利権屋ばかり集まりて満蒙の地にさわぐは醜くき
列国に日本を誤解さすものは満洲浪人の利権あさりよ
東洋の真の平和は大本と支那道院の双肩にあり
力なき既成宗教見限りて吾は世界に愛善を説く
日支間の真の平和のくさびともなるべき大本と道院を忘れな
軍人の心に輝く大和魂は吾が日の本の力なりけり
軍人の大和魂無かりせば外国人に蹂躙さるべし
一日も早く満洲に主権者をたてて日本の悩みをのぞけ
自己愛の欲にかられし日本人の支那国人にうとまれて居り
列国は連盟規約を楯にとり吾が日の本に容喙せんとす
列国の干渉等に介意せず護国の為に驀進なすべし
金本位廃止なしたる英国にしてやられたる日本の富豪よ
西と北の大敵国を顧みず政権のみを争ふ小人
実行力なき天狗等が高山の松の林に小田原会議す
脳味噌の足らぬ天狗が鼻ばかり高山林に言さやぐかな
雨降ればがやがやとなき風吹けば畏縮して居る梢の蛙よ
私利私欲のみをこととする鼻高の鼻折る時の近みたるかな
節穴の目を二つもちきくらげの耳二つ持つ鼻高天狗よ
大口をあけて鳴いてる日比谷野の蛙は嵐にちぢかまるなり
平和なる時には天狗もよけれども今の時代は神が力ぞ
神様の力を知らぬ阿呆共が盲目天狗となりてささやく
肝腎の時に手足の動かぬは中風乱倫の天狗の化者
西洋野吹く醜の嵐にあふられて天狗の翼思ふにまかせず
西洋国の醜の学びの切り売りで生命保てる天狗の鼻高
常磐木の松の林に野天狗が狐狸と論争ひ居り
現代の世相をつくづく眺むれば地獄畜生餓鬼道なりけり
餌に餓えし狼の如今の世はいがみ合ひつつ喰らひ合ひつつ
畜生道に堕落なしたる神の国を立直さんと朝夕いそしむ
人間の微力をもちて神国がをさまると思ふ馬鹿さにあきれる
神と言へば迷信あつかひする世なりまさかの時を見てゐるがよい
吾が国は神の造りし神の国ぞ野天狗ばかりで治まると思ふか
豊作をくやんで居たる罰当り今年の米の不作をよく見よ
人間は食はねば生きて居られぬを不作を天のいましめと知れ
自己愛の欲にかられし鼻高の鼻は忽ち地におちにけり
明き盲目ばかり集る日の本の国の行末知るものはなし
雪隠の虫はうようよ這ひ上り又糞壺におちて糞食ふ
年経れば棚のほていも煤たかり耳も目鼻も閉されて居る
ダラ幹が大樹の梢によぢ上りつくづくぼうしの様に鳴いてる
ピカピカと光る薬缶に水さして烈火にかけて湯気立たせ度き
大寺の骨無し蛸が朝夕におあしばかりをほしがつて居る
婆々嬶のふところばかりねらつてる蛸の眼の細きがをかし
極楽の有るか無きかも知らぬ蛸の死人を墓におくる淋しさ
現代の三文文士の小説は再び読む気の起らぬ淋しさ
徒らに活字並べて金を取る原稿稼ぎの空しき頭よ
歌人てふものの心のきたなさを現代歌壇の争ひに見る
思ひきや自己愛のみに争へる屑人間が歌人にありとは
現代の歌の林に集れる天狗の翼は自由がきかず
百舌鳥雲雀燕の如き歌人等が歌の林にささやき合へるも
力無き蝸牛角上の争ひにこれ日も足らぬ現代歌壇よ
吾が歌を盲評なして得々たる歌壇へ以後は作歌を送らじ
知らぬ者の半分も知らぬ身を以てをこがましくも吾が歌を批評する
尻の穴の小さき歌人のゆきづまり糞詰りなる歌壇は淋し
屁の如き理屈を並べて歌論よとほざく歌人のあはれさを思ふ
自由律定型律よプロ歌と無方針なる現代歌壇よ
定型律短歌もよけれ自由律短歌もよろし作者次第で
雅なる歌の道ゆく人の中に屁ツピリ男が交りて居る
吾が多作批評するとはをこがまし十首の歌も詠めぬ野郎が
多作歌の中より秀歌をぬき見れば大歌人より秀歌は多き
せせこましき歌壇がボツボツいやになり自選歌集を作り楽しむ
歌壇より排斥されてもかまはない俺は歌人になりたくないから
一わたり歌壇巡礼して見れど尻観音の糞ばかりなる
秩父坂東四国西国歌巡礼虱に生血吸はるる蚤なる
歌壇人よ怒つてくれな吾が心口程でなしやさしきものよ
写真見ても小児が夜なきする様な歌作婆さんの面いやらしき
歌作り婆さんの姿一寸見てぞぞ髪がたち寝床におそはる
にくらしき歌は詠めども村肝の心は優しき男なりけり
むつかしき理屈並べて歌人らしくふれまふ人の浅薄さにあきれる
飾り言葉ばかり並べて歌と思ふ歌人の心の解せぬ吾なり
アララギが歌の正統香蘭が誠の歌よと井底の蛙いふ
井底の蛙の眺むる大空は鶏卵大の宇宙なりけり
一統を引つれ入社なさざれば歌はのせぬと香蘭がいふ
香蘭の厚がましさにあきれたり己惚も此処まで来れば愛嬌よ
月々に退社さすとも百ケ月は吾れ大丈夫とたかをくくれり
退社よし除名亦よし現歌壇にあまり望みのなき吾にして
大歌人も美人芸者の顔見れば骨無し蛸になるが淋しき
アララギと香蘭二社の除名にてはまだ物足らぬ吾なりにけり
こんな歌詠めば歌人は気違ひと思ふであらふが心配御無用