わが道は月日とともに失せざらん世の大本の神教なりせば
惟神道の光を地の上に普く照らす時は来にけり
はらわたを断たんばかりの苦しみを吾れ百千度味はひしかな
吾といふものを捨つれば世の中は心安らけく暮るるものなり
一度は呼吸のある間大いなる業仕へんと雄たけぶ吾は
濁りたる世を如何にして清めんと朝な夕なに祈る大前
世をさばく神ならなくに一度も人をさばかず人の子吾れは
六十年の坂を漸くのぼり来てなほ六十年を道に仕へん
幾年を経るも心の若ければ行く末長き命なりけり
ほどほどに道ふみゆけば人の世はいづこも光あらざるはなし
大いなる望みあれども時の駒未だ進まず息づく吾かな
時の駒あがきすれども続くべきもののふなきぞ恨みなりけり
ひきもきらず吾訪い来る人の中に見定め置きぬ誠のもののふ
現代の既成宗派はことごとく神を背にして地獄に走れり
国民の心に真の宗教あり僧侶牧師は魔の住家なる
幽冥の通信見れば地獄界僧侶牧師で満員なりけり
一度は死ぬべき定めと知る故に生きの命の長かれと祈るも
天地を廻り廻りて吾が魂は世人の限り救ひたきかな
天高く地は広やかに海深し如何で小さき事を思わむ
天も地も神の作りしもの皆は奇きや一の型にはまれる
花の口吸いつつくるひ舞う蝶ももとは毛虫の故郷を持つ
きら星の如く魂に囲まれし吾はみ空の月にやあるらん
吠え猛る獣が原を渡り来て今敷島の道をゆく吾れ
おのもおのも光れる星に包まれて空ゆく月の吾に似しかな
吾が命さきくあるまに西東洋のことごと雄飛せんとす
還暦の春近づきし今年より心の駒ははやり出したり
愛善の徳に満ちたる信徒は天国に地を広く持つなり
たまきはる命あるうち愛善の徳つちかひて開けみくにを
大方の人のあはれは死して後天国あるを悟らぬにあり
天国といへども雲の上ならず地上に近き霊の国なり
霊学の上より見れば人の身は生死の区別さらにあるなし
肉体のあるうち霊を磨きあげ永遠に天国の花となれ人
人生は幾百万年かぎりなき天国の命保つにありけり
百年に足らぬ命の束の間を人生などというぞおかしき
千早振神の大道をたどりてゆ永久の命を悟りし楽しさ
限りある物質にては満たされず無限の霊の徳を頒たん
キリストや釈迦や孔子に擬せられて吾はひそかに爪をかむなり
古は樹下石上の聖人も今は乞食とさげすむ御代かな
世に倣ひ世を救はんと広やけき御殿をたてて吾道をとく
霊力体三つの働きそろはねば誠の神の道は開けず
愛善の誠の徳にみつるならばたちまち富は集るものなり
名も倉も命も富も具はりて道を開くは聖なりけり
闇のよにあかりとぼせば招かずも集り来る虫の群かな
言あげもなさずに世をば教へゆく人ぞ誠の聖なりけり
キリストも釈迦も孔子も死せる後弟子の力に現はれしなり
現し世の生きの命のあるうちに道を地上に伝へし吾かな
今の世に吾が大本の道なくば世はことごとく闇となるらん
吾あらん限りは神国安からん醜の軍の襲ひ来るとも
調ぶれば調ぶる程に根拠なき既成宗教のもの足らぬかな
世の中のすべての人を愛すれば心は水の如く淡きも
弓弦を離れし征矢は中途にて止まらぬ如く世は落ちてゆく