霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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言華(昭和7年1月号)

インフォメーション
題名:言華 著者:出口王仁三郎
ページ:下巻 3
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2025-10-18 22:22:22 OBC :B145400c52
惟神(かむながら)神の大道(おほぢ)にあらざれば今の世界はをさまらざるべし
私利私欲(こと)とのみする政治家の(むらが)る現代はわざわひなるかな
日の本の国体(こくたい)真髄(しんずゐ)知らずして乱れたる世のをさまるべしやは
金銀は皆外国(とつくに)に流れ行きて不景気の風ますますすさぶ
皇軍の勝利の為に軍神(いくさがみ)鹿島(かしま)香取(かとり)の宮に(まう)でし
あやめ咲く潮来(いたこ)の島も冬されば見る眼さびしもまこも枯れつつ
千早振(ちはやぶ)神代(かみよ)にいさを立てましし鹿島の宮は(かむ)さびませり
(すぎ)(ひのき)(てん)をふうじて()み立てる鹿島の宮の荘厳なるかな
軍人(いくさびと)満洲の()に戦へるこの初冬(はつふゆ)をさびしき神垣(かみがき)
八百万神軍(しんぐん)引連(ひきつ)れ満洲に御幸(みゆき)ませしか神垣(かみがき)さびしも
(まう)でみれば心さみしも戦ひのこの初冬(はつふゆ)を鹿島は静けし
鹿島おとし(ふね)乗りゆけば大利根(おほとね)の波にゆらるる初冬(はつふゆ)なりけり
大空(おほぞら)をふうじて暗き老杉(おいすぎ)の茂る香取の宮は(たふと)
香取神宮(じんぐう)御前(みまへ)()して皇軍の(われ)信徒(まめひと)(さち)を祈れり
日本(やまと)男子(をのこ)(われ)は立つべき時なりと雲の流れを見つつ思へり
宣伝使(せんでんし)満洲の()に送りおきてなほ(やす)からぬこの頃の(われ)
(とき)めける人と日夜(にちや)を語れ(ども)これと言ふべき人のまれなる
村肝(むらきも)の心(さだ)めて旅立たむ零下(れいか)四十度の寒き満洲へ
昼夜(ひるよる)のけじめもしらに国の為(われ)東京に活動をなす
物欲(ぶつよく)をすてて神国(みくに)につくさんとする人のなき日本(にほん)はさみしき
政権の欲に心をかたむけつ国の前途をよそに見るかな
とりが鳴く(あずま)(みやこ)に来て見れば利欲(しよく)に走る人のみ多き「利欲」のフリガナ「しよく」は底本通り。
まづしかる人に真心(まごころ)多くして(とみ)たる人は我利(がり)亡者(まうじや)なる
満蒙の国の乱れををさめずば(わが)日の本の生命(せいめい)(あやふ)
国内は言ふも(さら)なり満蒙の(あさ)の乱れを思ひてねむらず
神軍(しんぐん)のいさをによりて静まりし今後の満蒙一大事なり
満洲に新政権の立たざれば日本(にほん)のなやみ晴るる時なし
皇神(すめかみ)の示し給ひしその如く満洲事件は突発なしたり
大本の役員信者はおしなべて心を注げ満蒙の()
今日(けふ)の事あるを前知(ぜんち)()ぐる(とし)(われ)は蒙古に(むか)ひたるなり
玉の緒の生命(いのち)も宝も皇神(すめかみ)にささげて働く時となりたり
つかさ(びと)政権欲にからまれて国のなやみをよそに見るかな
現代の経済機関は皇神(すめかみ)の心ならねば乱るると知れ
物質に(まなこ)くらみて日の本の稜威(みいづ)を知らぬ人(おほ)き世なり
(われ)(ただ)神の御言(みこと)にしたがひて神国(みくに)の為に心つくさむ
満蒙の天地(てんち)を包むむら(くも)を吹き払はなむ神の伊吹(いぶき)
満蒙の雲はらはずば日の本の生命線(せいめいせん)をつなぐすべなし
草枕(くさまくら)(あづま)の旅にありながら(われ)内外(うちそと)に心をくばる
朝夕(あさゆふ)御国(みくに)の為につくしつつ(やす)らふひまなき(あづま)の旅なり
(わが)(まこと)天津(あまつ)御神(みかみ)(つう)じけむ左右の肩にかかる責任
日の本に()(うま)れたる責任を一入(ひとしほ)強くさとるこの頃
日の本は言ふも更なり(ぜん)亜細亜(あじあ)人草(ひとぐさ)の為につくすべき時
支那と言ふ()ひどれ(をとこ)を相手()り話まとむるはむつかしき(かな)
公平無私(あい)と善との(ちから)もて(われ)満蒙に進むべき時
満蒙の野にはたらける同胞(はらから)労苦(らうく)思ひて涙にくるる
乱暴な敵と戦ひ厳寒(げんかん)と戦ふ兵士に感謝の念()
報国の念やみ(がた)(ひと)()して満洲の野に活動せしめぬ
満洲の野に(ひるが)へる愛善旗(あいぜんき)は在留邦人の(ちから)なりけり
邦人は言ふも更なり満洲人(まんしうじん)朝鮮人(てうせんじん)救ふ愛善の(はた)
日出麿(ひでまる)をはじめ大本役員()舎身(しやしん)活躍(くわつやく)満洲になす
大業(たいげふ)を遂行せんと思ふにも今の時代は(かね)(さき)だつ
神神(かみがみ)の造り給ひし地の上は神ならずしておさまるべきやは
政治経済行詰(ゆきづま)りたる世の中ををさむる人の早く()よかし
いづれにか(たに)の奥より神人(しんじん)(あらは)(きた)りてこの世を治めむ
弥陀(みだ)の世は(をは)りとなりぬ現幽(げんいう)を救ふみろくの(はや)(いで)よかし
常暗(とこやみ)の岩戸を明けてまかがよふ天照(あまて)る神の御代(みよ)ぞまたるる
天照(あまてらす)(かみ)御空(みそら)に輝けど中空(なかぞら)包む黒雲(くろくも)いまはし
高山(たかやま)(いほり)を包む黒雲(くろくも)伊吹(いぶ)き払へよ科戸辺(しなどべ)の神
中空(なかぞら)のくろ(くも)はらへば日の本は光り輝く神代(みよ)となるべし
天津日(あまつひ)の光さへぎりて中空(なかぞら)にふさがる雲を払ふべき時
月も日も御空(みそら)に高く照りませど黒雲(くろくも)湧きて地上は(やみ)なる
科戸辺(しなどべ)の神の伊吹(いぶき)のなかりせばこの黒雲(くろくも)をいかに払はむ
中空(なかぞら)の雲の行き()ひ眺めつつ(わが)(たましひ)は満蒙に飛ぶ
(きた)るべき時は(きた)りぬいざさらば(われ)神国(かみくに)の為につくさむ
今更(いまさら)教祖(けうそ)神示(しんじ)(かしこ)さを思ひうかべて(よる)もねむられず
四尾(よつを)の山に輝く月光(つきかげ)()食国(をすくに)の守りなりけり
七夕(たなばた)の神鶴山(つるやま)天降(あも)りして(あや)(にしき)のはたを織らすも
一日(いちにち)も早く身魂(みたま)を磨き()げこの国難(こくなん)(あた)国人(くにびと)
吾国(わがくに)は世界の親国(おやぐに)(もと)(くに)天地(てんち)を守る(うづ)神国(かみくに)
村肝(むらきも)の心(いそ)ぎつ東京に(こと)はかる身の(われ)はくるしき
急がずばならず急げば又(わる)(われ)東京にありて気をもむ
過ぐる(とし)蒙古に(いくさ)進めしも今日(こんにち)あるを思へばなりけり
六十の坂を越えたる(われ)(なが)ら満洲の野に(よみがへ)らむとす
日を重ね月を(けみ)して神業(しんげふ)の進むを見つつ(われ)雄猛(をたけ)
玉の緒の生命(いのち)保ちて国の為(われ)満蒙に雄猛(をたけ)びせんとす
愛善のまことの徳を輝かせ満蒙の(たみ)救はんと思ふ
満蒙の(たみ)(さら)なり地の上の(たみ)ことごとく愛に救はむ
一切の権威にいます皇神(すめかみ)(をしへ)にこの世の(やみ)を照らさむ
生活のなやみ無き身となりし身は天地(てんち)身魂(みたま)投じて動かむ
大空(おほぞら)を仰げば高し地の上を望めば広し惟神(かむながら)の道
()りとある(ちから)かたむけ満蒙の(たみ)救はばや愛善の道
大神(おほかみ)は明治の廿五年より今日(けふ)のなやみを警告し給ふ
大神(おほかみ)(をしへ)無視(なみ)せし国人(くにびと)今日(けふ)のなやみをあはれと思ふ
(ねが)はくば一人(いちにん)なりと大神(おほかみ)の道を伝へて世を救はばや
神事(かみごと)(われ)に託して神去(かむさ)りし教御祖(をしへみおや)(しの)びつつなく
(わが)教祖(けうそ)()まず(たゆ)まず国の為なやみ給ひぬ廿七(ねん)
(われ)(また)神の大道(おほぢ)()りてより卅五(ねん)月日(つきひ)()にけり
卅五(ねん)神の大道(おほぢ)につくしつついさをしなきを(はぢ)らひこの頃
外国(ぐわいこく)の空に心を()(なが)内津(うちつ)御国(みくに)(さま)(うれ)ふる
()(よる)()()る人の大方(おほかた)我利(がり)我欲(がよく)の亡者なりけり
(あま)(かみ)ひらき給ひし国体(こくたい)を知らぬ学生(おほ)御代(みよ)なり
外国(ぐわいこく)(をしへ)をこのみ日の本のまことを知らぬ学生あはれ
いざさらば(われ)満蒙に旅立たむ内外(うちそと)国人(くにびと)救はんがため
曇りたる世にもまことの(わが)(こころ)知る人のあり(こころ)強しも
一切の物欲を捨てて愛善のまことささげん神の御国(みくに)
国人(くにびと)のねぢけ(まが)れる(たましひ)を昔の神代(みよ)に生かす大道(おほみち)
(われ)たたば四方(よも)国人(くにびと)驚かむ三五(あななひ)の月の(ひかり)仰ぎて
天地(あめつち)(やみ)(てら)して輝ける月の光りに木草(きくさ)うるほふ
地の上の総てのものに玉の(つゆ)めぐみ輝く三五(あななひ)の月
日の()づる国の光りを満蒙の天地(てんち)に照らす時は()にけり
(昭和六・一二・三 於東京)
信仰の荒蕪(くわうぶ)地帯たる蝦夷(えぞ)(しま)(ひら)きし田中(たなか)師の労苦を思ふ
大神(おほかみ)経綸(しぐみ)の時機の切迫の今日(こんにち)(われ)苦言(くげん)のみ()
北海道芦別山(あしべつやま)国魂石(くにたまいし)送りし蝦夷(えぞ)信徒(しんと)のいさをし
北海道(ひら)きし田中宣伝使は国魂神(くにたまがみ)御手代(みてしろ)なりけり
寒国(かんごく)蝦夷(えぞ)島根(しまね)に道を説く(かく)宣伝使の健在を祈る
地の上の国とふ国のことごとは行詰(ゆきづま)りけり思想と経済
悪思想(あくしさう)あまねく地上に氾濫(はんらん)しヒマラヤの峰を(ひた)さんとぞする
地獄餓鬼(がき)畜生の世となりにけりわれ天国(てんごく)を建てんといそしむ
天国の福音あまねく地の上に鳴り響くらむ神代(かみよ)近みて
常闇(とこやみ)の地上くまなく照らさむとわが(はな)ちたる(あづま)の光よ
地獄餓鬼(がき)修羅の(ちまた)()のあたりいま満洲の荒野(くわうや)にみるかな
愛善の光りにあまねく地の上の(たみ)救はんと雄猛(をたけ)ぶわれは
世の中の人の心をおさむるは(みな)愛善のまことの光よ
地の上の人の心を(なご)めおきてわれ愛善の光明(くわうみやう)とならむ
愛善のまことなければ(うつ)()(たみ)はいつ(まで)(したが)はざるべし
(うつ)()の政権よりも愛善の光り地上に(はな)たんと思ふ
空虚なる集団(りよく)を基礎として政治の(しよう)にあたるは(あやふ)
(かぜ)なみがよければ(つど)(あし)ければ(みな)散りてゆく現代の政党
人間のサツクを着たる(けだもの)が政治に(あた)る世界は(さび)
黄金(わうごん)の万能(りよく)誤信(ごしん)せし(むく)ひは(たちま)ち今の混乱
東洋のわれを忘れてあらがねのこの地の上の光とならむ
神の(いま)すわが()(もと)御光(みひかり)(あまね)く地上に照らしたきもの
()ばかりの国際連盟(おそ)るるな張子(はりこ)の虎の(くび)ふるのみなる
連盟は日本(にほん)の国に相対(あひたい)墓石(ぼせき)(した)(しうとめ)なりけり
(あたら)しき昭和の御代(みよ)(あたら)しき人の()でずば栄えざるべし
満洲に新政権を()つるにも基礎となるべき愛善の道
宗団(しうだん)は既に亡びて迦藍堂(がらんどう)墓石(ぼせき)ばかりが淋しく残る
大寺(おほでら)裏庭(うらには)見れば累累(るいるい)と役にも立たぬ墓石(ぼせき)並べる
居士(こじ)大姉(たいし)院殿(ゐんでん)などと売りつけるいやしき坊主の所作(しよさ)をあはれむ
いかめしく院殿(ゐんでん)(きざ)みし石塔(せきたふ)襁褓(むつき)()せる末世(まつせ)の寺院よ「襁褓(むつき)」とは、赤子に着せる産着のこと。
満洲の(つはもの)()を知らずして飽食(ほうしよく)暖衣(だんい)の坊主(にく)らし
キリストの奇跡を無視して科学者におもねる牧師の饒舌(ぜうぜつ)いまはし
キリストの牧師は(しん)のキリストの(をしへ)を知らぬサタンなりけり
キリストの(をしへ)の権威を(おと)したる(にせ)牧師()(つみ)はかられず
霊界の地獄は牧師僧侶にて空席無き(まで)みたされしといふ
真正の宗教(かい)する者ならばわが愛善の道に(つど)はむ
猜疑心(さいぎしん)嫉妬心(しつとしん)にてみたされし現代日本の職業宗教家よ
人格のすぐれたる者一人(いちにん)も無き宗教界は末法の(さう)
死骸(なきがら)を墓場に送る職業と思ひゐるらし今の坊主は
天国も地獄も来世(らいせ)に無きものといふ宗教家の愚劣(ぐれつ)(あき)れる
金襴(きんらん)袈裟(けさ)美美(びび)しく飾りたて売僧(まいす)婆媽(ばばかか)の虎の子をねらふ
現代の政治宗教教育は(きた)るべき世の破産者なりけり
神の道(あゆ)む世なれば()くばかりわが(たましひ)のわずらひ()からむ
所所(ところどころ)()(すく)(ぬし)(あらは)れて迷へる羊を地獄に(おと)しつ
代議士は五六万円博士号(はかせごう)は一万円で買ひ取るものなり
茶の道の宗匠(そうせう)するも千円の謝金(しやきん)出さねば許さぬ(やみ)の世
帝展(ていてん)に出品するも数千円の(かね)つかはねばパスせぬ世なり
(つる)あればしなびた南瓜(かぼちや)瓢箪(へうたん)雲井(くもゐ)にのぼる社会なりけり
(はる)されば国国(くにぐに)(かはず)日比谷野(ひびやの)(あつま)(きた)りて騒ぎたつるも
三千年(さんぜんねん)以来(ひら)けし宗教に現在(げんざい)(をさ)むる権威あるなし
(いにしへ)の未開の人を治めたる宗教この世に何の用なし
反宗教打倒(たたふ)宗教運動はまことの神の心なるべし
現代の既成宗教(ことごと)白壁(しらかべ)塗りの雪隠(せつちん)なりけり
神徳(しんとく)のいやちこなりと人のいふ琴平宮(ことひらぐう)(つか)ふる曲神(まがかみ)
(こころ)暗く(みたま)(ねぢ)けし凡俗(ぼんぞく)のよろこび迷ふ曲神(まがかみ)(のり)
誤解(ほど)恐ろしいきもの世にあらじ心を配れ宣伝使(たち)
神言(かみこと)人語(じんご)を混同なし(なが)世人(よびと)を地獄に導く宣使(せんし)
人間の編輯したる宗教に世人(よびと)を治むる永遠性なし
()(もと)の固有のまことあらはして外国(ぐわいこく)導く(ひと)無き世なり
学校の設備は完全しながらも不徹底なる精神教育
足引(あしびき)の山の奥まで立派なる学校建ちて人心(じんしん)(みだ)るる
学校の教員(まね)使(つか)ひみればその無学さに()れは(あき)るる
国体の真義も知らぬ人々が大学教授になる世なりけり
人生にかかはり薄き(あり)一つ研究すれば博士(はかせ)なりけり
大方(おほかた)の宗教寺院教会は(おほ)泥棒の棲処(すみか)なりけり
政党に属する政治家の大方(おほかた)米搗(こめつき)バツタの権化(ごんげ)なりけり
学問の切売りをして(めし)()ふ大学教授は蓄音器かも
棺桶に片足()れし元老(げんらう)(あたま)あがらぬ弱き政治家
神神(かみがみ)(ひら)きし国を知らずして外国(とつくに)真似る弱き政治家
政治芸術教育までも外国(ぐわいこく)のまねばかりなる現代は寂し
日比谷野(ひびやの)(かはず)の鳴く声()きにけり人間らしき言の葉()きたき
党会(たうくわい)の議員が住まふ日比谷野(ひびやの)は国家の安危(あんき)をよそに見るかな
足引(あしびき)北原山(きたはらやま)白雪(しらゆき)(つも)るとみればあきすぎにけり
足引(あしびき)北原山(きたはらやま)はかげりつつ雪真白(ましろ)にて吹く風(さむ)
草枕(くさまくら)旅にし立てば国々の歌人(かじん)くれくれわれを()ひゆく
くれくれはルンペンのみと思ひしに驚きにけり歌人(かじん)ありとは
愛善の道を地上にひろめたる(われ)には()しき政治界なり
政治家にならんと思へば曲道(まがみち)を踏まねばならぬ社会の現状
代議士の虚名(きよめい)にあこがれ道ならぬ道を踏みつつ囹圄(れいご)()となる
五十鈴川(いすずがは)(きよ)き流れを汲みあげて世人(よびと)(かは)ける(たま)うるほさむ
ハルマゲドンいくさ迫りて地の上の諸族ことごと騒ぎ出したり
人間をサツクとなして(けだもの)伊猛(いたけ)り狂ふ今の世さびし
御仏(みほとけ)を商品として(めし)()う坊主の仕業(しわざ)に世は乱れたり
平和会議とは表向き裏面(りめん)には殺人機械の製作に(いそが)
外国(ぐわいこく)の空に御教(みのり)を説く人のなやみ思へば(やす)からぬわれ
血に()えし虎狼(こらう)にひとしき人の世を神の(ちから)にあらためんと思ふ
倫理道徳()ばかりありて(じつ)の無き(けもの)のさばる闇世(やみよ)なるかな
烏羽玉(うばたま)(やみ)は地上におりにけり天津(あまつ)御神(みかみ)を知らぬ世界に
大蛇(をろち)伊猛り狂ふ地の上も天津(あまつ)月日(つきひ)(てら)したまへり
若比婁女(わかひるめ)(かみ)仕組(しぐみ)の時は来て(にしき)御旗(みはた)織り()めにけり
惟神(かむながら)神の御国(みくに)(おひ)ながら(かみ)知らぬ(ひと)多き御代(みよ)なり
(よる)されば月の御神(みかみ)の玉の(つゆ)に地上の生物(せいぶつ)はぐくまれゆく
国魂(くにたま)の神よいでませ神国(かみくに)(けもの)ばかりのすさぶ世の中
八衢(やちまた)に迷へる人を天国(てんごく)に導き救ふ麻柱(あななひ)(のり)
満洲の冬は寒けし神兵(しんぺい)のむかふ所に天津日(あまつひ)(かがよ)
剣銃(けんじう)をかざして進む神兵(しんぺい)のいむかふ所(てき)なき満洲
冬の日の寒さ(いと)はず満洲の荒野(あらの)に進む神兵(しんぺい)を思ふ
皇国(くわうこく)の権益を(まも)神兵(しんぺい)の進まむ道に(さち)あれと祈る
厭離(えんり)穢土(ゑど)と釈迦はいへ(ども)人間の住むべき地上は天国(てんごく)なりけり
非人道(ひにんだう)非常識なる人間は神の国土を穢土(ゑど)とみるなり
百八十(ももやそ)曲津(まがつ)(たけ)ぶ今の世は神の光りを(おほ)はんとする
世界(みな)われに刃向(はむか)ふ世ありとも退(しりぞ)くべきやは神の大道(おほぢ)
高山(たかやま)尾上(おのへ)巣食(すく)野天狗(のてんぐ)の鼻を折らるる神世(かみよ)(ちか)めり
恋愛を知る人ならば天国(てんごく)(した)ふ心のあるべきものを
相聞(さうもん)のわれ歌()めど真心(まごころ)は神の大道(おほぢ)を知らさむ(ため)なる
月読(つきよみ)の神は霜夜(しもよ)も雪の()も地上の(たみ)を見守りたまふ
()の国のさまとなりけり神の()すわが()(もと)(まが)のすさびに
なやましきこの世なるかな政治家は政治を知らず宗教を知らず
むつかしき閻魔(えんま)(つら)も弁天の笑凹(えくぼ)に吸はるる浮世(うきよ)なりけり
浮雲(うきぐも)の如き栄華を夢みつつ(けもの)のサツクが選挙に(つか)るる
一年の先さへ見えぬ政治家が(うへ)に立つ世は(わざはひ)なるかな
()に叫ぶ予言者ならずヒマラヤの尾嶺(をね)(くだ)りし伝達使(でんたつし)なり
欧米の国の空まで愛善の(うづ)の光りはさしそひにけり
皇孫(すめみま)天降(あも)り給ひし神国(かみくに)(みな)神の子の棲処(すみか)なりけり
絵に描きし(もち)にも似たり現代の人間(あぢ)なく()らへんものかな
天国と地獄の有無(うむ)を知らずしてことさやぐかな(しこ)の牧師が
浅ましき世とはなりけり(けだもの)が人の皮()て神のまねする
さまざまの宗教あれど天国に導く道を知るものはなし
木に(もち)のなりたる如き法話にて世人(よびと)(あざむ)くきたなき坊主よ
行詰(ゆきつま)行詰(ゆきつま)りたる現代を展開させる宗教はなし
目に見えぬものはことごと否定する現代学者のこざかしきかな
弥勒の世はや()よかしと祈りつつ信徒(まめひと)地獄の所作のみをする
死の神はものいふ()さへわが(いのち)狙ふと知らぬ暢気者(のんきもの)かな
新玉(あらたま)の春は()にけりいざさらば神の御国(みくに)を地上に建てむ
白梅(しらうめ)の花の薫りの(すが)しさを保ちてこの世に生きむとぞ思ふ
(昭和六・一二・二二 於高知)
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