訝しき世とはなりけり大阪の師走の空に雷轟く
地震かと雨戸を開き外を見ればみ空は雨雲漂ふのみなる
移りゆく世のありさまを悟りけり師走の空に鳴る雷に
時ならぬみ空に雷轟きて乱れたる世のさまを示せり
町を行く人の足許忙しく師走の空は去らむとするも
西東南や北の大空に八雲立ちたつ御代は淋しき
浪速江のよしとあしとをかき分けて遠き神代の物語する
古の聖も未だ説かざりし弥勒胎臓の吾は道説く
刻刻に曲津神たち迫り来て風吹かむとす地ゆらむとす
あらがねの地上ことごと汚れたり神の禊を待つぞ久しき
和光同塵忍びて時を待ち居たる世は迫り来ぬ神のまにまに
宣伝使国の内外に配りおきて世を清めむと祈る朝夕
政変の噂きくたび思ふかな有徳の人士の尠き日本を
人形の頭首幾度代ふるとも神を知らねば石仏にひとし
木偶の坊が非常時日本の波に乗りて大魚漁ると船を覆へすも
合法的に政治経済を改むる神策知らぬ学者のみなり
五・一五事件は眠れる国人の胆を冷して冬は迫れり
大亜細亜の動脈となり血となりて世を守るべき責任ある国
東亜諸国何れも英米西大国の竿の尖なる糸に釣られつ
優秀の我民族の作品は欧米市場を驚かせたり
西欧の諸国は日本の製品を駆逐せむとて百方焦慮せり
欧米の長所を採りし我国の製鉄業は世に類なし
欧米に比して絶対に劣らざる製鉄業は国の力よ
満洲の事変を無事にをさめたる日本を妬む醜の国国
連盟を脱退したる我国は非常の覚悟を以て進めよ
国民は決心強く連盟を脱退なして自主的となれり
支那政府の後援をする国国は日本の栄えを妬む曲津なり
日本品の世界に進出する状態を欧米人は驚き騒げり
細矛千足の国の日の本は武器のみならず総てに優れり
忠孝の教正しき我国を乱さむとする穢き醜国
財政を根本的に立直す道は日本を措きて他になし
皇道の本義徹底する時は経済などに艱まざる国よ
経済を根本的に立直す本義を知らぬ国人憐れ
皇道の本義を知らぬ其為に経済などに苦しむ日本よ
政治宗教経済の道を根底より革正すべき日本の現状
非常時に際して一つの光明を齎し得たる宗教はなし
国家意識無き宗教は日の本の国を毒する蠧蟲なりけり
木偶の坊寄り集つて神国を大御政治を弄ぶなり
木偶の坊の頭幾度代ふるとも誠の命無き司のみ
行詰り行詰りたる凡百の事業は神を知らざる罪より来る
国体の根本義を知らずして教鞭を採る学者を葬れ
良き事は一つも教へず国民に外国魂を吹き込む学者よ
大学といふ大木に巣ひたる蛆虫共は嵐に滅ばむ
到る処製糞器ばかり充ち満ちて穢きものを撒き散らすなり
是といふ定見も無き政治家の上に立つ世は常暗なりけり
我国の貴き尊厳を知らさむと三十余年皇道を説きたり
国人は漸く目醒め今頃に慌て皇道説き出したり
国人の心を斯くまで曇らせしは教育虫の罪なりにけり
虫の喰た西洋諸国の言の葉を此上なく尊く崇める学者よ
何一つ誠の事を知らずして国人教ふる似而非学者かな
博士号売買したる醜態は天日の下に曝されにけり
みろくの世はや迫り来て一切の秘密は白日の下に曝さる
選まれし神国の民と知らずして獣の国の真似のみぞする
神国は獣の国の教以て如何に務むも治まらざるなり
一千九百三十六年を控へたる日本は容易ならぬ時なり
非常時と口には言へど国人の心は夢のうちに迷へる
夢うつつ幻に似し国人の心の眼醒ましたきものよ
梟は高山の木に巣ぐひつつ常暗の世に言喧ぐなり
梟は夜食にはづれ又しても萱草の野に落ちて羽ばたく
戊年の春は来りて曲津見は山野の果に吠え猛るなり
日比谷野に前の見えざる百蛙の囁き高き春は来にけり
外国の天地に亡びの雲湧きて常世の暗は神国を襲へり
支那といふ厄介ものを前にして我国人の平然たるかな
第一に支那の天地を清めずば日本の平和は永遠に来らじ
満洲国新に生れて外国の妬みの雲は起き立ちにけり
愛善の道にあらずば満洲は完全無欠の工作はならじ
御空行く飛行機の影眺めつつ迫る日本の艱みを思ふ
国民は今更の如皇道を究めむとして狼狽へ騒げり
皇道の国に生れて皇道を夢にも知らぬ国人淋し
三十あまり六年の間皇神の道を宣りつつ飽かざる吾なり
世になやみ払ひ清めむと思ふ故に百のなやみも恐れざりけり
一日の身魂休むる暇もなく吾は御国の為に叫びぬ
真言を宣れど叫べど耳なしの国人たちの心を如何にせむ
聾と盲のうごめく世の中に光の神は現れましにける
国民の心の曇晴れざれば神の守護のいかであるべき
朝にげに神の正道ふみしめて永遠の命を保て国人
君の為御国の為に国民の魂の更生すべき秋なり
国々の経済界を掻き乱し猶太の邪神は微笑みつつ
国といふ国は悉マツソンの経済戦に艱まされ居り
不合理なる思想を四方に伝播して世界を亡ぼす曲津見の奸計
内外の国の悉マツソンの毒牙にかかりて苦しみ艱める
三千年の永き月日を仕組みたる悪魔の謀計は稍遂げにけり
九分九厘のドタン場となり千早振神の光に邪神は亡びむ
一厘の経綸をもてる日の本も心せざれば危かるべし
吾は今神国の為に尽さむと若人等に皇道を説けり
我国の前途に横ふ黒雲を伊吹はらふと雄叫す吾は
はなばなしく表に吾は出でざれど水も洩さぬ経綸に生き居り
天津神の開き給ひし神国は神ならずして治まるべきやは
吾は今七福神に身を変じ国の前途を護らむとおもふ