霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一四章 神界(しんかい)旅行(りよかう)の一〔一四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:第2篇 幽界より神界へ よみ(新仮名遣い):ゆうかいよりしんかいへ
章:第14章 神界旅行(一) よみ(新仮名遣い):しんかいりょこう(一) 通し章番号:14
口述日:1921(大正10)年10月18日(旧09月18日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
すでに二三丁来たかと思ったが、八衢に引き返してきてしまっていた。そして、地獄に落ちる亡者が、地の底へ急転直下の勢いで落ちていくのを見た。
天然笛を吹くと芙蓉仙人が現れたので聞いてみると、この亡者は大悪の罪により頓死したので、急速に地獄に落ちたのだ、という。
人は死ぬと死有から中有に、そして生有という順序で推移する。死有から中有まではほとんど同時である。四十九日の間が中有であり、その後、親兄弟が決まって生有となる。そのときの幽体は、三才の童子のように縮小されている。
ただ、大善と大悪には中有がなく、ただちに行き先が決まる。大善の者はただちに天国に生まれるが、大悪の者は、先のようにすぐさま地獄に落ちていくのである、と。
それを聞き終わると、ふたたび高天原のほうへ神界旅行に向かおうとした。ところが、顔いっぱいに凸凹のできた妙な婦人が、八衢の中心に忽然と現れた。そして自分の姿を見るなり、神界の入り口指して駆け出した。
自分はひとつ、この怪人の正体を見届けよう、と好奇心にかられて追跡した。そして異様な声を頼りに、怪女と化け物が集っているところを見つけた。
怪女は化け物を放り投げて、化け物が苦しむのを眺め、その血を吸っていた。自分は神界の旅行をしているつもりであるのに、なぜこんな鬼女のいるところに来たのだろう、と合点が行かず、神様に助けを求めようと思った。
瞑目端座して、天津祝詞を奏上した。すると、「目を開けて目を覚ませ、なぜ八衢にいつまでも踏み迷って、神界旅行に旅立たないのだ」と自分をたしなめる声が聞こえた。
化け物がだましている声かもしれないと迷っていると、一喝され、思わず目を開くと、荘厳な宝座が見えた。そのせつな、ふと気づくと高熊山のガマ岩の上に端座していた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-01-21 23:56:55 OBC :rm0114
愛善世界社版:66頁 八幡書店版:第1輯 69頁 修補版: 校定版:66頁 普及版:35頁 初版: ページ備考:
001 瓢箪(へうたん)のやうな(ほそ)(みち)をただ一人(ひとり)なんとなく(こころ)()はしく(すす)んでゆくと、002背後(うしろ)(やま)(うへ)から数十(すうじふ)(にん)(さけ)(ごゑ)(だれ)()ぶともなしに(きこ)えてくる。
003 そこで(なに)がなしに(あと)をふり(かへ)つて()ると、004最早(もはや)二三丁(にさんちやう)()たと(おも)つたのに、005いつの()にか、006また(もと)八衢(やちまた)(かへ)つてゐた。007そこには地獄(ぢごく)()ちて()くものと()えて、008真黒(まつくろ)(きたな)(かほ)をしたものが()(たふ)れてゐる。009これは現界(げんかい)(いま)肉体(にくたい)(いき)引取(ひきと)つたもので、010その幽体(いうたい)がこの(ところ)(よこ)たはつたのであり、011また(さき)(おほ)きな(さけ)(ごゑ)は、012親族(しんぞく)故旧(こきう)魂呼(たまよ)びをしてをる(こゑ)であることが(わか)つた。013さうすると()てをる()に、014その真黒(まつくろ)三十(さんじふ)五六(ごろく)(をとこ)姿(すがた)何百丈(なんびやくぢやう)とも()れぬ()(そこ)へ、015()()れると(とも)()()んでしまつた。016これが自分(じぶん)には不審(ふしん)でたまらなかつた。017といふのは、018地獄(ぢごく)()くのには相当(さうたう)(みち)がついてをる(はづ)である。019しかるに、020(たちま)急転(きふてん)直下(ちよくか)(いきほひ)()(そこ)()ちこむといふのが、021不思議(ふしぎ)(おも)はれたからである。022とに(かく)かういふふうになる(ひと)現界(げんかい)肉体(にくたい)から()れば、023脳充血(なうじゆうけつ)とか脳溢血(なういつけつ)とか心臓(しんざう)破裂(はれつ)とかの病気(びやうき)で、024遺言(ゆゐごん)もなしに頓死(とんし)したやうなものである。025そこで天然笛(てんねんぶえ)()いてみた。026(てん)一方(いつぱう)から(ひかり)となつて芙蓉(ふよう)仙人(せんにん)(あら)はれ(たま)うた。
027一体(いつたい)地獄(ぢごく)といふものには(みち)()いのでせうか』
028とたづねてみた。029仙人(せんにん)いふ。
030『この(もの)前世(ぜんせ)においても、031現世(このよ)においても悪事(あくじ)をなし、032(こと)氏神(うぢがみ)(やしろ)(こぼ)つた大罪(だいざい)がある。033それは(ふる)(やしろ)であるからといふて安価(あんか)買取(かひと)り、034金物(かなもの)()り、035材木(ざいもく)()()てたり、036または(たきぎ)(かは)りに()いたりした。037それから(いつ)週間(しうかん)()たぬまに病床(びやうしやう)について、038黒死病(ペスト)のごときものとなつた。039それがため(いき)引取(ひきと)るとともに、040()()れて奈落(ならく)(そこ)()()んだのである。041すなはちこれは地獄(ぢごく)(なか)でも一番(いちばん)(つみ)(おも)いので、042(くち)から()()(あわ)()き、043虚空(こくう)(つか)んで(もだ)(じに)()んだのだ。044しかもその肉体(にくたい)伝染(でんせん)(うれ)ひがあるといふので、045(かみ)役人(やくにん)がきて石油(せきゆ)をかけ()()てられた』
046との(こた)へである。047そこで自分(じぶん)は、
048(もだ)(じに)をしたものは何故(なぜ)かういふふうに直様(すぐさま)()(そこ)()ちるのでせうか』
049(たづ)ねてみた。050仙人(せんにん)(こた)へて、
051『すべて(ひと)()ぬと、052死有(しう)から中有(ちゆうう)に、053中有(ちゆうう)から生有(しやうう)といふ順序(じゆんじよ)になるので、054現界(げんかい)(いき)引取(ひきと)るとともに死有(しう)になり、055死有(しう)から中有(ちゆうう)になるのは(ほとん)同時(どうじ)である。056それから大抵(たいてい)七七(しちしち)四十九(しじふく)(にち)(あひだ)中有(ちゆうう)といひ、057五十(ごじふ)日目(にちめ)から生有(しやうう)()つて、058(おや)()まり兄弟(きやうだい)()まるのである。059ただし元来(ぐわんらい)そこには山河(やまかは)060草木(くさき)061人類(じんるゐ)062家屋(かをく)のごとき万有(ばんいう)はあれども、063()には()れず(たん)(おや)兄弟(きやうだい)がわかるのみで、064そのときの、065幽体(いうたい)は、066あたかも(さん)(さい)童子(どうじ)のごとく縮小(しゆくせう)されて、067中有(ちゆうう)になると同時(どうじ)初版、校定版、愛世版いずれも「中有になると同時に」。親子(おやこ)兄弟(きやうだい)(じやう)が、068霊覚(れいかく)(てき)()いてくるのである。
069 さうして中有(ちゆうう)四十九(しじふく)日間(にちかん)幽界(いうかい)(まよ)つてをるから、070この(あひだ)近親者(きんしんしや)十分(じつぷん)追善(つゐぜん)供養(くやう)をしてやらねばならぬ。071(また)これが親子(おやこ)兄弟(きやうだい)(つと)めである。072この中有(ちゆうう)にある(あひだ)追善(つゐぜん)供養(くやう)は、073生有(しやうう)多大(ただい)関係(くわんけい)がある。074すなはち大善(だいぜん)大悪(だいあく)には中有(ちゆうう)なく、075大善(だいぜん)死有(しう)から(ただ)ちに生有(しやうう)となり、076大悪(だいあく)はただちに地獄(ぢごく)すなはち根底(ねそこ)(くに)()ちる。077ゆゑに(しん)極善(ごくぜん)のものは(ねむ)るがごとく(うつく)しい(かほ)をしたまま国替(くにがへ)して、078ただちに天国(てんごく)()まれ(かは)るのである。079また大極悪(だいごくあく)のものは前記(ぜんき)のごとき径路(けいろ)をとつて、080(もだ)(くる)しみつつ()んで、081ただちに地獄(ぢごく)()ちて()くのである』
082と。083自分(じぶん)はそれだけのことを()いて、084高天原(たかあまはら)(はう)へむかひ神界(しんかい)旅行(りよかう)にかからうとした。085ところが顔一杯(かほいつぱい)凸凹(でこぼこ)のできた(めう)婦人(ふじん)が、086八衢(やちまた)中心(ちゆうしん)忽然(こつぜん)として(あら)はれた。087自分(じぶん)姿(すがた)()るなり、088(なが)(した)をペロリと()きだし、089ことさらに(くぼ)んだ()(たま)を、090ギロギロと異様(いやう)(ひか)らせながら、091足早(あしばや)神界(しんかい)入口(いりぐち)さして一目散(いちもくさん)()けだした。
092 自分(じぶん)は……(へん)(やつ)()てきたものだ、093(ひと)(あと)()つて(かれ)正体(しやうたい)見届(みとど)けてくれむ……と、094やや好奇心(かうきしん)にかられて、095ドンドンと追跡(つゐせき)した。096かの怪女(くわいぢよ)はほとんど空中(くうちゆう)(はし)るがごとく、097一目散(いちもくさん)(かたはら)山林(さんりん)逃込(にげこ)んだ。098自分(じぶん)はとうとう怪女(くわいぢよ)姿(すがた)見失(みうしな)つてしまひ、099途方(とはう)にくれて芝生(しばふ)(うへ)(こし)(おろ)し、100(いたち)最後屁(さいごぺ)(かが)されたやうな青白(あをじろ)いつまらぬ(かほ)をして、101四辺(あたり)光景(くわうけい)をキヨロキヨロと()まはしてゐた。102どこともなく(めう)(こゑ)耳朶(じだ)()つた。
103 (みみ)()まして(かんが)へてゐると、104(とり)()(ごゑ)とも、105(さる)(さけ)(ごゑ)ともわからぬ(あや)しき(こゑ)である。106(こわ)いもの()たさに、107その(きこ)ゆる方向(はうこう)辿(たど)つて(いばら)()しわけ、108岩石(がんせき)()()渓流(けいりう)(わた)り、109峻坂(しゆんぱん)()(のぼ)り、110色々(いろいろ)苦心(くしん)して(やうや)(ひと)つの平坦(へいたん)なる地点(ちてん)()けついた。
111 ()ると最前(さいぜん)みた怪女(くわいぢよ)中心(ちゆうしん)に、112あまたの異様(いやう)人物(じんぶつ)らしいものが、113(なに)かしきりに(ささや)()つてゐた。114自分(じぶん)大木(たいぼく)(かげ)()(ひそ)めて、115(かれ)らの様子(やうす)熟視(じゆくし)してゐると、116中央(ちゆうあう)()(かま)へた凸凹(でこぼこ)(かほ)をした(みにく)(をんな)後方(うしろ)から、117(ふと)いふとい尻尾(しつぽ)(あら)はれた。118(かれ)はその尻尾(しつぽ)をピヨンと(ひだり)(はう)()つた。119あまたの人三(にんさん)化七(ばけしち)のやうな怪物(くわいぶつ)が、120その尻尾(しつぽ)()いたる(はう)雪崩(なだれ)()つて、121一生(いつしやう)懸命(けんめい)()()した。
122 怪女(くわいぢよ)はまたもや尻尾(しつぽ)(みぎ)(はう)()つた。123あまたの動物(どうぶつ)とも人間(にんげん)とも区別(くべつ)もつかぬやうな怪物(くわいぶつ)は、124(さき)(あらそ)ふやうにして(また)もや、125(みぎ)(はう)一目散(いちもくさん)()()した。126怪女(くわいぢよ)はまたもや尻尾(しつぽ)(てん)(むか)つてピヨンと()りあげた。
127 あまたの怪物(くわいぶつ)一斉(いつせい)に、128天上(てんじやう)()がけて()()げられ、129しばらくすると、130その怪物(くわいぶつ)(あめ)のごとくなつて()()たり、131あるひは渓谷(けいこく)(おちい)り、132負傷(ふしやう)をするものもあり、133あるひは荊棘(いばら)(くさむら)落込(おちこ)全身(ぜんしん)(やぶ)り、134()(まみ)れて()きも(かへ)りもならず、135苦悶(くもん)してをるのもあつた。136(なか)には大木(たいぼく)にひつかかり、137半死(はんし)半生(はんしやう)のていにて(くる)しみ(うめ)いてゐるのもある。138(なか)には墜落(つゐらく)とともに頭骨(とうこつ)()(くじ)き、139鮮血(せんけつ)淋漓(りんり)として(ほとばし)り、140()(いづみ)をなした。
141 怪女(くわいぢよ)は、142さも(うれ)しさうな顔色(がんしよく)をあらはし、143(なが)るる血潮(ちしほ)(かた)(ぱし)から美味(うま)さうに()んでゐた。144怪女(くわいぢよ)(からだ)()るみる(ふと)()した。145(かれ)額部(がくぶ)には(にはか)にニユツと二本(にほん)(つの)発生(はつせい)した。146(くち)はたちまち(みみ)(あたり)まで()けてきた。147(きば)はだんだんと()びて(つるぎ)のやうに(するど)(とが)り、148かつ、149キラキラと(ひか)りだしてきた。
150 自分(じぶん)神界(しんかい)旅行(りよかう)をしてをるつもりだのに、151なぜこんな鬼女(きぢよ)のゐるやうな(ところ)()たのであらうかと、152(むね)()をあてて(しばら)(かんが)へてゐた。153前後(ぜんご)左右(さいう)に、154(あや)しい、155いやらしい()()戦慄(よだ)つやうな(おと)がまたもや、156(みみ)(かす)めるのである。157自分(じぶん)はどうしても合点(がつてん)がゆかなかつた。158途方(とはう)にくれた揚句(あげく)に、159(かみ)(さま)のお(たす)けを(ねが)はうといふ(こころ)がおこつてきた。
160 自分(じぶん)四辺(あたり)(おそ)ろしいそして殊更(ことさら)(けが)らはしい光景(くわうけい)の、161()()れないやうにと(おも)つて瞑目(めいもく)静座(せいざ)して、162大声(おほごゑ)天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)した。163ややあつて「()()け」と(をし)ゆる(こゑ)(ゆる)やかに(きこ)えた。164自分(じぶん)はあまりに眼前(がんぜん)光景(くわうけい)(おそ)ろしさ、165無残(むごたらし)さを(ふたた)目睹(もくと)することが不快(ふくわい)でたまらないので、166なほも瞑目(めいもく)態度(たいど)()ちつづけてゐた。
167 さうすると今度(こんど)は、168(まへ)とはやや(おほ)きな、169そして(すこ)(とが)りのあるやうな(こゑ)で、
170(まよ)ふなかれ、171(はや)活眼(くわつがん)(ひら)いて、172神世(かみよ)荘厳(さうごん)なる状況(じやうきやう)()()ませ』
173(さけ)ぶものがあつた。174自分(じぶん)(こころ)のうちにて妖怪(えうくわい)変化(へんげ)誑惑(けふわく)(おも)ひつめ、175……そんなことに()るものかい、176(しり)でも(くら)へ……と素知(そし)らぬふうをして(なほ)瞑目(めいもく)をつづけた。
177(まよ)へるものよ、178(とき)(ちか)づいた。179(いち)()(はや)()(ひら)いて、180神界(しんかい)経綸(けいりん)容易(ようい)ならざる実況(じつきやう)熟視(じゆくし)せよ。181神国(しんこく)眼前(がんぜん)(ちか)づけり。182されど(まなこ)なきものは、183(あは)れなるかな。184(なんぢ)いつまで八衢(やちまた)()(まよ)ひ、185(かみ)(めい)ずる神界(しんかい)探険(たんけん)旅行(りよかう)出立(しゆつたつ)せざるや』
186()ふものがある。187自分(じぶん)(こころ)(うち)で……神界(しんかい)旅行(りよかう)(こころ)み、188(いま)かくのごとき不愉快(ふゆくわい)なることを目撃(もくげき)してをるのに、189神界(しんかい)探険(たんけん)せよとは、190何者(なにもの)(げん)ぞ。191馬鹿(ばか)()ふな、192古狸(ふるだぬき)()193(おほ)きな尻尾(しつぽ)をさげて()よつて、194(おれ)()らんと(おも)つて()やがるか()らんが、195おれは天眼通(てんがんつう)でチヤンと看破(かんぱ)してをるのだ。196鬼化(をにば)(たぬき)他人(たにん)(だま)されても、197おれは貴様(きさま)のやうな古狸(ふるだぬき)には、198(たぶ)らかされないぞ。199()()(けが)れる……と(かんが)へた。200そうするとまた(まへ)のやうな(こゑ)に、201すこし(いか)りを()びたやうな調子(てうし)で、
202貴様(きさま)(みち)()らぬ(やつ)だ』
203呶鳴(どな)る。
204 そのとたんに()(おも)はず(ひら)いて()ると、205(まへ)光景(くわうけい)とは()つて(かは)つた荘厳(さうごん)無比(むひ)宝座(ほうざ)眼前(がんぜん)(あら)はれた。206その一刹那(いちせつな)207(まつ)()(かぜ)(おと)()がつくと、208豈計(あにはか)らんや、209自分(じぶん)高熊山(たかくまやま)のガマ(いは)(うへ)端座(たんざ)してゐた。
210大正一〇・一〇・一八 旧九・一八 外山豊二録)

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